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「典型的なアメリカ人」で 米国が「腐ってきている」ことを憂い、 「法と秩序 Law and Order」が必要と考えている。 このあたりまででトランプとの共通点に震撼もした。 (トランプが好んでよく口にしたLaw and Order 「黒人とこんなに長く話すのは初めて」と言い、 主人公の考えには同意しない、と言い放つ。 ニューヨーク警察NYPDでありながら、 多様な人種や人間との交流や交渉が殆どなかったこと、 「隔たり」あるいは偏狭さが深刻であることもうかがわせる。
映画のタイトルは2Pac / Tupac Shakurの Changesの歌詞 Learn to see me as a brother instead of2 distant strangersから 取られているよう、映画の最後に引用もされている。 そのChangesがサンプリング・参照しているのが Bruce Hornsby and the Range ブルース・ホーンズビー・アンド・ザ・レインジの The Way It Is。 1964年の公民権法後も変わらない差別や偏見について歌った曲。
ニューヨークの街を俯瞰した映像には 昨年殺されたジョージ・フロイド George Floyd氏の名前と Say Their Namesがペイントされたビルの屋上が映る。 映画の最後にThe Way It Isが流れて 白人警官に殺された人々の名前が画面に刻まれる。 彼らの名前を記憶し、呼ぶことで 変わらない現実と問題のありかが 何度でも喚起され、奮い立たされる。
マイケル・ムーア監督が 「ほんとうのアメリカ人」を探した旅はまだ半ばだろう。 アカデミー賞にノミネートされた クロエ・ジャオ監督『ノマドランドNomadland』や 前作『ザ・ライダーThe Rider』に同賞ノミネート『ミナリ』や 法廷でアフリカ系が酷い目にも遭う 『シカゴ7裁判The Trial of the Chicago 7』など それぞれアメリカ人とは何か アメリカ人について、アメリカ人の自画像について 描かれている、と考えながら観ていた。 一方で、映画などで描いても描いても 「ほんとうのアメリカ人」「これもアメリカ人」の自画像が いくら積みあがっても、 The Way It Isの歌詞にある通り 公民権法後も彼らの心根、差別や偏見は変わらない、 得体のしれない白人がすぐ隣にいる、という現実、 アフリカ系が持つ、ループする恐怖にも共感する。 マジョリティは差別に気づかずにいられ、気にせずにすむ人だが、 マイノリティとして、スパイラルな悪夢のような恐怖、 アフリカ系の話は他人事ではなく身に沁みるから。