継続は剛力なり~前田剛力のあなたの一日を豊かにするヒント

継続は剛力なり~前田剛力のあなたの一日を豊かにするヒント

2008.10.19
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今週のゲストは物理学者の志村史夫さんです。
先日、日本の科学者が物理、化学部門で立て続けにノーベル賞を受賞して、海外で活躍する日本人研究者の存在も改めて認識されましたが、志村さんも10年以上アメリカで研究生活をして大きな成果を上げてこられた方、だそうです。

思うところがあって(あとで番組でも出ましたが)日本に戻り、これまでの研究、競争生活から足を洗い、静かに後進を育てているとのことです。

番組でのおしゃべりはとてもエネルギッシュで愉快、また調べてみますと、なかなかユニークな本をたくさん書かれている方で図書館にもたくさん収蔵されていました。本日紹介された本はまだありませんが、読んで見たいと思う本がまた何冊か増えました。
・寅さんに学ぶ日本人の生き方;http://www.fusosha.co.jp/book/2008/05728.php
・静岡理工科大学HP(志村さんの自著推薦文);
http://www.sist.ac.jp/lib/letter/32/index.html

番組は物理学者が「フーテンの寅さん」に関する非常に面白い本を書かれたというギャップの話と、竹村さんがかつて一度だけ飛行機で一緒になった渥美清さんのエピソードから始まりました。
そのとき、渥美さんは難しい原子物理の本を熱心に読まれていた、とのことで、役柄からイメージする趣味、嗜好とのギャップが印象に残った、というようなことでした。


竹村さんも寅さんの映画が大好きで、テレビで放映される時は見逃さないようにしているそうです。

志村さんは、1983年に永住のつもりでアメリカに向かったそうで、それまでも寅さんの映画は観ていたが、アメリカ社会に暮らし、成果主義、競争、勝ち負けの毎日でちょっと考えることがあったときに、友人が送ってくれた日本の映画の中から「寅さん」を観て、初めて良さに気づいたそうです。
アメリカにいて日本を眺めたことから寅さんにのめり込んでいった、ときっかけを語られました。

「競争社会と義理人情の両極端の世界の真ん中にあなたがいて、この日本的なものにひかれたのですかね」

「寅さんには競争原理、勝ち負けは全くありません。自分の幸せはさておいても、人のために尽くすのです。本当に対極的です。
なぜ最先端の研究をしている物理学者が寅さんか?と聞かれることもあります。今、世の中で物理は難しいなということが言われますが、私から言わせれば物理ほどやさしいものは無いのです。というのは、物理で一番大切なのは自然を素直な気持ちで見て感動して不思議だな、と思うことだからです。ところが今は学校教育の中で全部暗記させられてしまうのが最悪なのです」

「そこでなぜ「寅さん」かと言えば、今の世の中はマニュアル主義、価値観も偏差値一辺倒で、教科書を覚えて試験にいい点を取ればそれでいいとなっていますが、寅さんには一切、社会的な価値観、ものさしは関係ないのです。ごく素直に人と付き合っている。誰もがそうできればいいと思っているが、それはできないのです」

「本当に、寅さんの台詞には素晴らしいものがあります。学生にも時々「なぜ大学にきたのか」と聞くのですが、表面的に「勉強をするため」というだけ。じゃあ、なんで勉強するのか、というのに寅さんは実にいいことを言っているのです。

「なぜ学問をするのか」という甥っ子の満男の問い(40作)に答えてズバリ、
「俺みたいに勉強をしていない奴は、世の中を渡っていくときいろんなことがあるが、どうしようかと迷っても、サイコロやそのときの気分で決めるしかない。勉強した奴は自分の頭で筋道を立てて考え決断できる。だから勉強をするんだよ」

また同じく満男の「人はなぜなぜ生きているの」という問い(39作)に対しては、


と答えるのです。自分をまさにそのように思うが、このズバリ言う二つの言葉には恐れ入ります。

志村さんはこれらの言葉をシナリオではなく、寅さんのアドリブも含めビデオを何度も観ながら、一言一言、耳で拾い上げられたとのことで、本当に大変だそうですが、熱意が伝わります。(僕がこの番組をMDで何度も再生しながらブログに書きだすのとも似ているかも。これも結構大変です)

「僕も寅さんの映画が好きなのも、人間の一番根本のところを見事な表現で出してくれているからですね」と竹村さん。

「素直な生き方なのでしょう。しがらみも無くて。だからオチこぼれざるを得ないのですが、今の世の中では。考えてみると、昔はそんな人が一杯いました。勉強できなくても原っぱの遊びの中では英雄になる子供もいたり、普段の生活の中で皆、それなりに存在感を持ち、それなりに尊敬されていました。今は金本位、勝ち負けの世界となると当然、その物差しから外れた人間は負け、とかオチこぼれになってしまいますけど」

「確かに勝負には勝ち負けがあると思いますが、人生には勝ち負けは絶対無いのです」(いい言葉だと思います!)


悪いことばかりではなくて、いいことをして誰にも気づかれなくても、お天道様がみていていつか報いがあるぞ、と思っていたものです。教育改革も小難しいことを言わず、お天道様と閻魔様を復活させるだけで、日本は相当よくなると思いますが」

「なかなかユニークだけど、そういうことを文科省の審議会などで言ったことはないの?」と竹村さん。

アメリカから帰ってすぐの頃、その肩書に惹かれて?すぐ委員会の委員に選ばれたが、一年間、本音を言い続けたら見事に一人だけ浮いてしまったそうです。

例えば、ほかの委員は「独創性を高めるためには大学の設備が古いから最先端の装置を入れてください」というのに対して、志村さんは「独創性を高めるためには、設備なんて古いほうがいい。研究をするために工夫をするし、原理から理解できるのがいい。ボタンを押したら答えが出るような設備ではダメだ」と主張されたそうです。

確かにこれでは予算獲得に燃える文科省には喜ばれないでしょう。それ以来、二度と声はかからなくなったそうです。

「物理学をやっている人間が非科学的な話をすると思うでしょうが、お天道様とか宇宙の摂理とか全てものは一つとして独立しているものは無い、つながっているというは現在物理学が明らかにしていることですが、仏教思想でも同じことを言ってきたことです」

「私は小児結核で二十歳まで生きられないと言われていたが、何とかここまで来て「俺は生きてきたぞ」と考えていたが、インド哲学や宇宙論などを勉強すると「生かされてきた」のだということを実感します」と志村さん。

竹村さんも「寅さん」だけは観逃さないと何度も仰られて、第1作のさくらの見合いシーンのことを話されましたが、僕も吉永小百合さんがマドンナとして始めて登場された第9作「男はつらいよ 柴又慕情」に大好きなシーンがあります。

寅さんを胡散臭いおじさん、と避ける小百合さんたち。観客は皆、このままどうなるのか心配しますが、ここで寅さんは記念写真を撮るとき「チーズ」の代わりに「バター」と声を掛けます。この一言で一同大爆笑、一気に心の垣根が吹き飛んで仲良しになります。本当に人情の機微を表し尽くした場面だなあと思います。

志村さんは外国で話をしても義理人情の説明で困るそうです。
そこで彼らがキリスト教を基盤にするように日本人は武士道をベースにしているのだ、と話すそうです。そして寅さんの生き方と武士道は非常に似ている、とも思っているそうです。

例えば、武士は食わねど高楊枝の「やせ我慢」、人間ときにはいい格好をしたくなるが、そのためにはやせ我慢をしなければならないのです。

永住しようと思って出かけたアメリカから帰ってくるきっかけは、自分の研究分野の半導体エレクトロニクスでそれなりに成果を出して物質生活を豊かにしたが、このままでは人間が劣化してしまう、と思ったから。何も考えなくてボタン一つ押せばいい、という世界はよくないのです。

竹村さんもITは苦手で携帯電話もうまく使いこなせない、といいますが志村さんに褒められて喜びます。

「仕事をしていると電子メールだけは使わざるを得ない。でもITや科学の発達で生活は便利になっているが、人間ということを考えると必要な「間」もなくなり、便利さが生物としての人間にはよくない。それやこれやで居心地が悪くなり、懺悔の気持ちもあってこの分野からきっぱりと足を洗ってカッコよく日本に帰ってきた」そうです。
日本に戻っても東京みたいなところには住めないと思い、田舎に移ったのです。

「寅さんの映画、生き方は時代遅れかもしれないが、心をうちますよね」と竹村さん。

「ぜひ寅さんの言葉に耳を傾けて、日本人に覚醒してもらいたい」と志村さん。

「楽しい30分でした」という竹村さんの言葉で終わりです。

何となくWILL編集長の花田さんに似た声、喋り方で、本当に楽しいひと時でした。ではまた来週。





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Last updated  2008.10.19 19:52:53
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sanfg@ Re:文化の日は明治節(11/03) ゲンソウダイス ライター 虚偽 唐沢貴洋 …
剛力@ Re:NHKラヂオ深夜(10/31) くさなぎさん 情報ありがとうございま…
くさなぎ@ NHKラヂオ深夜 ラヂオ深夜便に落語の時間があり、五十年…
前田剛力 @ Re:都市対抗野球(08/28) くさなぎさん お久しぶりです。 番組に…
くさなぎ@ 都市対抗野球 番組の内容ではありませんが、前田さんの…

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