がちゃのダンジョン  映画&本

PR

フリーページ

著者名索引:ファンタジー&児童文学 


☆指輪物語


☆ナルニア国物語


☆ゲド戦記


☆ハウルの動く城


☆ハリー・ポッター


☆ライラの冒険


☆ダレン・シャン


☆ダーク・タワー


☆バーティミアス


☆氷と炎の歌シリーズ


☆ランサム・サーガ


☆小人・人形・大草原 


E.L.カニグズバーグ


D.W.ジョーンズ


ローラ・E・ワイルダー


エラゴン・ザスーラ 等  



十二国記  


海外小説


あ行の作家


か行の作家


さ行の作家


た行の作家


な行の作家


は行の作家


ま行の作家


や行の作家


ら・わ行の作家


*


このミステリがすごい海外


ロマンス本


国内小説:


あ行の作家


か行の作家


さ行の作家


た行の作家


な行の作家


は行の作家


ま行の作家


や・ら・わ行の作家


このミステリがすごい国内


あ行の映画


か行の映画


さ行の映画


た行の映画


な行の映画


は行の映画


ま行の映画


や行の映画


ら・わ行の映画


アイ・ロボット 原作と映画


天国の口、終りの楽園


シェイクスピア映画


ハリー・ポッターと炎のゴブレット


外国映画あれこれ☆


イギリス映画


スペイン映画


フランス映画


欧州映画


イタリア映画


キューバ映画


メキシコ映画


ブラジル映画


アイルランド映画


映画俳優


ユアン・マクレガー


クリスチャン・ベイル


ゲーリー・オールドマン


アラン・リックマン


ジュード・ロウ


トビー・マグワイア


フランスの俳優さん


スペインの俳優さん


ジョニー・デップ


2007年01月14日
XML
カテゴリ: 海外文学

ミステリー作家ポールは悲劇の人だった。少年の頃、事故で両親をなくし、その直後、目の前で姉を惨殺されたのだ。長じて彼は「恐怖」の描写を生業としたが、ある日、50年前の少女殺害事件の謎ときを依頼される。それを機に“身の毛もよだつ”シーンが、ポールを執拗に苛みはじめた―人間のもっとも暗い部分が美しく描かれる。






トマス・クックは以前 『心の砕ける音』を読んで、『記憶』シリーズにすすむ前に、挫折した作家さん。主人公がとにかく暗いし、展開もテンポも悪く、うーん、、とにかく飽きてくる。ところが、最新の「このミス」で”この18年間でのベスト10” にこの『夜の記憶』がしっかとランキングしていた。 編集者からも良い作家だと評価高し。ふ~ん、というわけで、もう一度クックさんに取り掛かったわけです。

なるほど~。『夜の記憶』はクックさんの作品の中でも人気なのかも。それに彼の本は ”退屈”、という印象を改めました。

ミステリと言っても、こんなミステリは初めてです。言ってみれば アガサ・クリスティのミス・マープルみたい。謎解き役の主人公の作家ポールが、マープルさんのように、いろんな人の話だけで、事件の背景や人物像をどんどん想像&創造する。しかも公式な調査ではなく、「50年前の事件」の真相解明を依頼され、別にそれが真実でなくても良いというのです。とにかく、納得できる真犯人と事件の解明の”おはなし”を作ってくれればよい、というのですから。

またこの作品を面白くしているのは、3つのはなし:事件が絡まり合うところです。

登場する事件:

・「50年前の殺人事件=フェイの事件」
・ポールの子供時代のトラウマ「グウェンの殺人事件」
・「ポールの小説の事件シリーズ」

探偵役:

・「フェイの事件」を調べた刑事:ポートマン
・「グウェンの事件」を調べた保安官:スローン
・「ポールの小説」の主役の刑事:スロヴァック

被害者:

・フェイ
・グウェン
・「ポールの小説シリーズ」の名も無き複数の被害者たち

犯人:

「フェイの事件」の犯人: 調査中 複数の推理がいろいろ語られる
「グウェンの事件」の犯人: ポールは一部始終見ていたらしいが 何か秘密がある?
「ポールの小説」:ケスラーとその相棒 いつも逃げおおせる

現在調査中の「50年前の事件」については、いろんな説が出ては、泡のように消えますが、主人公の作家ポールが、つねに過去の記憶、亡くなった姉の最後のシーンに絶えず苦しめられているのが、作品全体を通して、とても暗く、怖いです。怪奇現象はないけれど、ポールのような、事件の体験者が知ってしまった世界というのが。

複雑そうですけど、登場人物が多いので、ちょっと名前など煩雑ですが、結構サクサク読めました。それにポールの過去の事件には、一体なんの秘密が、オチがあるのか、最後まで気になっちゃうのです。


トマス・クック、これからも、たまに読んでみようと思います。
この人も J・エルロイ「ブラック・ダリア」のようなタッチでした。
人間の残虐面を見てしまい、二度と安心な世界に戻れなくなってしまっている。後戻りできない暗黒面に囚われ続けていて痛々しいです。



■著作

だれも知らない女
過去を失くした女
熱い街で死んだ少女
夜訪ねてきた女
鹿の死んだ夜
闇をつかむ男
緋色の記憶
死の記憶
夏草の記憶
夜の記憶
心の砕ける音
神の街の殺人







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年01月15日 14時43分16秒


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: