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2009年08月03日
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カテゴリ: カテゴリ未分類



このミステリーがすごい


【内容】


【このミステリーが凄い】 より紹介文

作者のテクニシャンぶりに圧倒されるコンゲーム


 タケとテツの二人はケチな中年詐欺師である。銀行員を装った籠脱け詐欺を成功させた二人が地元へ戻ると、アパートの自室から黒煙があがり、消防車が出動して大騒ぎになっている最中だった。訳ありの二人は部屋を捨て新たな土地に移り住む。タケは、自分の密告により壊滅させた闇金融業者からの報復を恐れていたのだ。そんなおり、二人は盛り場でスリを働こうとして失敗した少女を助ける。少女はタケが闇金の取り立てで死においやった女性の娘:まひろだった。まひろはタケたちの部屋に居候の身となるが、続いてまひろの姉:やひろと恋人の貫太郎も転がり込み、奇妙な同居生活が始まった。しかし闇金業者の手はここまで伸びていた。腹をくくったタケは彼らを手玉に取ろうと、計画を立て、実行に移すが・・・。
 周到に張り巡らされた伏線と、小説全体に施された巧妙な仕掛けが道尾作品の特徴である。叙述トリックの巨匠・折原一ではないが、何か仕掛けがあるぞ、騙されないぞと心して読む読者が多い筈だ。しかし、これまでのところ、道尾作品は全ての作品でそんなすれっからしの読者にうっちゃりを食わせている。思えばこれは凄いことだ。
 いうまでもなく本作は詐欺師を描いたコンゲーム小説である。元来この手の小説は巨悪に挑む小悪党という図式が一般的だ。ところが本作では零細企業主を相手にした、いかにも後味の悪い詐欺が冒頭に置かれたり、二人の過去が明らかになるにつれてストーリーが陰りを帯びてくるなど、違和感を感じさせるところが散見さられるのだ。それも闇金業者の悪辣さを際立たせる為だろうと気持ちを納得させて読み進めてしまう。そして期待通りにテツたちの反撃が始まる。ところが・・・。その先に、世界が一瞬にして反転してィしまうような、本当の驚きが待っているのだ。ああこのテクニシャンぶりには脱帽の一手だ。



【感想】

 詐欺師が活躍する作品でまず思い浮かぶのは、ポール・ニューマンとロバート・レッドフォード共演の『スティング』。これはアカデミー賞を受賞してる。いわゆる、詐欺師が仕掛けをしかけて相手からいかに大金をふんだくり喝采をあげて、溜飲の下がる思いを味わえるかが醍醐味ですね。他にジェフリー・アーチャーの小説『百万ドルを取り返せ』。

●仕掛の準備 

●仕掛けのタネ明かし 

だいたい、↑こんな風でめでたしめでたし、と終わるのが常套ストーリーですが、『カラスの親指』は、最初、詐欺師コンビもまひろも、最初のトーンは暗め重めで、これは陰鬱な作風で行くのかな~っと覚悟しかけると、やがて同居人が増えてぬくもりが出てきて、ホッとしました。
トップテン入り二作品のうち、本作のほうが上位です。やっぱりそうだなと思う内容でしたね。 
題名の”親指”は、おとうさん指を現し、それぞれの指を家族に見立てた会話シーンがある。



『背の眼』
『向日葵の咲かない夏』
『骸の爪』
『片眼の猿』
『ソロモンの犬』
『シャドウ』
『ラットマン』
『カラスの親指』
『鬼の跫音』
『龍神の雨』





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最終更新日  2009年08月03日 16時44分05秒


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