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錦江湾のベニハゼといえば今日ご紹介するオニベニハゼもその代表種といえます。こちらのオニベニハゼも、沖縄から伊豆あたりにかけて広範囲での発見例がありますが、前回のナガシメベニハゼ同様、錦江湾以外の海ではなかなか出会う機会が少ない種といえます。しかし、錦江湾ではナガシメベニハゼと同様な環境の-40m以深辺りでは、必ずといっていいほど見つけることが出来ます。大きさは4cmほどにもなり、ベニハゼの仲間のうちでも最大級の大きさで、和名のオニもその辺りが由来しているのでしょうか?このオニベニハゼも雌雄双方向への性転換が知られています。その仕組みは、最優位(通常最大の大きさ)の固体が雄となるものでオキナワベニハゼの性転換ルールと一致し、オキナワベニハゼと同様に、一夫多妻のハーレムを形成すると推察されます。写真は、以前撮影した若魚で2cmぐらいでした。非常に美形な個体だったので、わりとお気に入りな写真です。
2008/11/27
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今の私のダイビングスタイルの原点となった場所は間違いなく鹿児島・錦江湾だといえます。錦江湾の面積は東京湾と同じ程度ですが、東京湾は湾口部を除くと大部分が水深30m以浅の海が広がっているのに対し、逆に錦江湾の湾口部は比較的浅い海が広がり、湾央から湾奥部に200mを越える深海を抱く、内湾の深海という世界的に見ても非常に稀な環境です。湾口部が浅いため、外海との海水の入れ替わりが少なく、沿岸部には60万都市鹿児島市を代表に多くの人々が生活し、降雨が続けば火山灰などが堆積した鹿児島特有のシラス台地から流出した土砂が多くの河川を伝って流入するという厳しい環境のため、けっして透明度の良い海ではないですが、他の海では見られない特異な生物層が観察でき、非常に潜り応えのある海です。今日の写真、ナガシメベニハゼも錦江湾を代表する魚の1つかもしれません。このハゼ自体は、沖縄から伊豆半島あたりの広範囲に亘って発見例があるのですが、錦江湾以外では、年に数個体見つかるかどうかという稀種のようです。しかし、錦江湾では完全な普通種、急角度のスロープ状の海底地形のポイントの-20m以深の岩場のオーバーハング部を覗くとたいてい複数見つかります。事前の情報無しに、いきなり初めてのポイントで潜ったとしてもそれらしい地形の岩場で必ず見つけられるぐらいです。標準和名のナガシメは目に通る1本の青線に由来しているのでしょうが、オレンジ色を基調に淡い黄色とピンクで彩られた体色の美しさはほんとに惚れ惚れします。ナガシメベニハゼは、オキナワベニハゼやイチモンジハゼと同じく双方向に性転換することが知られています。しかし、オキナワベニハゼが最も大きい固体が雄となって一夫多妻のハーレムを形成するのに対し、(一旦雄となった固体も、より大きな雄が登場すると雌に戻ります。)ナガシメベニハゼの性転換には大きさによるルールは無いようです。
2008/11/25
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錦江湾で撮影したホタテエソです。前回UPしたクロユリハゼ科の1種-2を撮影した直後にガイドさんに見せてもらい、ダイコンの表示を気にしながらの撮影となってしまいました。伊豆では-30m辺りでも観察できるようなのですが、錦江湾ではちょっと深めで見られます。写真ではくすんだ感じにしか写っていませんが、赤・黄・メタリックブルーの組み合わせが非常に美しい魚です。
2008/11/20
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前々回に続きクロユリハゼつながりということで今日の写真は図鑑「日本のハゼ」のクロユリハゼ科の1種-2(ピンクダートゴビーSP)です。鹿児島・錦江湾で撮影したものですが、証拠写真しか撮れていません。写真はいづれも着底しているところを撮影していますが、ダートゴビーらしく、本来は(ホバリングというよりも)泳ぎ回っています。しかし、通常、新月の夜のように暗い錦江湾の深場に生息するため光に目が眩むのか?強力な水中ライトの光で着底します。写真ではごくわずかしか開いていませんが、鰭を開く事はほとんど無いらしく、ごく少数の人だけが撮影に成功しているようです。水温の低下と共に、ますます生息深度を下げていくそうで、来年の夏ごろまでチャンスは見込めませんがぜひもう一度チャレンジしてみたい被写体です。「日本のハゼ」では鹿児島県(錦江湾)のみに分布とありますが、その後、奄美大島や伊豆海洋公園でも発見されているようです。
2008/11/18
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先ほどFUJIFILMのホームページを見ていたら若手カメラマンむらい さちさんが撮影したウミガメの写真が公開されていました。太陽をバックにカメのシルエットを描写した写真で、カメの背後にある光芒の美しさが絶妙です。むらいさんは私と同じS5Proで水中撮影をされているようで、彼のブログには、S5で撮影されたものが何点か公開されています。その中に、太陽を背景にバブルリングを撮影したものがあるのですが、(こちらのページの右上のサムネイル画像からみれます。)カメの写真と同じく、光芒が奇麗な線を描いている写真です。しかし、カメとバブルリングの写真を比べると、決定的な違いを感じます。光芒の色。カメの方は白い光の線であるのに対し、バブルリングの方は、青い光が描写されています。私の個人的な感想ですが、光芒は白い方が開放感を感じるので好きです。過去に私も、マンタのシルエットを太陽を背景にして撮影した事がありました。その写真を、改めて見てみると、光芒は青いのです。なんとかならないものかと、保存しているRAWデータを引っ張り出して、試用期間中のSILKYPIX Developer Studio Pro で白い光芒を意識しながら現像しなおしてみました。 この写真は、暗いガラパゴスの海の-30m辺りから撮影したものなので、本来の光芒は青いほうが正確な描写なのですが、写真としては下のほうが映えるように思えます。好みの問題なので答えはありませんが、如何でしょう?
2008/11/15
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鹿児島・硫黄島で撮影したスジクロユリハゼです。ここのスジクロ君、見られる水深は他の一般的な海と大差ないのですが、驚くのはその数、ここにも、あそこにも、あっちにも、こっちにもって、感じででした。これだけいれば、理想の写真も撮り放題といったわけでもなく、そこには撮り手の実力という大きな問題が存在します。そこそこの回数、シャッターを切りましたが、結局鰭が中途半端に開いているものしか撮れませんでした。0810_DSF0041 posted by (C)anthias
2008/11/12
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昨晩、2日間の出張から帰宅。これからしばらくはほぼ毎週の巡業生活が続きます。さて、今日の写真は硫黄島で撮影したハダカコケギンポ。(おそらく)撮影中は、トウシマコケギンポかと思っていたのですが、調べていくうちに、ハダカコケギンポの線が濃くなりました。両者の外観上違いは、写真で識別できるようなレベルではなく、トウシマは北方系で模式標本が採集された紀伊半島でも生息数が少ないようです。対して、ハダカコケギンポは南方系で、撮影地を考慮するとハダカではないかと考えたわけです。(私の拙い知識では、この程度の推論しか出来ません。)以前、沖縄本島で撮影したものを載せた事があったのですが、赤色系の個体でした。色彩変異が多いのもこの種の特徴のようです。0810_DSF0018 posted by (C)anthias
2008/11/08
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また、更新をサボってしまいました。写真はキザクラハゼ、竹島でスジハナダイのチビを撮る前に悪戦苦闘して撮ったものです。人がめったに入らないポイントで、水深も水深なので、人にもカメラにも慣れていないのかほんとに近づくの苦労しました。で、結局、こんなピンの甘い中途半端な寄り写真しか撮れず。-悲-でも、このポイント、ナノハナフブキハゼやアケボノハゼ、スジクロユリハゼといったちょっと深場系の美麗ハゼがグチャッといます。こんなに生息密度が高いポイントは初めてでした。ほんと、すごすぎです。で、キザクラハゼですが、このポイントでは近縁種のナノハナフブキハゼよりも少なめのようです。偶然、見つけることが出来たのですが、こんな写真じゃあね。。。0810_DSF0037 posted by (C)anthias
2008/11/04
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