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2020.03.11
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テーマ: お勧めの本(8052)
​​ ・小川糸さんの作品は「ツバキ文具店」が初読みで2冊目で、在宅で末期がん患者さんの最期に関わることも多い仕事をしている医療人としても読んでみたいと思ったので図書館本で。

・雨の降る日曜日に家でしみじみ読む本としては最適かもしれない。終盤で優しい気持ちになって涙を流している自分に気が付いた。これはとっても幸せな時間といってもいいのだろう。いいお話だなと思った。バッハの無伴奏チェロ組曲を聴きながら・・・


〇健康であることのありがたみや、お金のありがたみや、友人たちが周りにいてサポートしてくれるありがたみだった。あって当たり前だと思っていたものが、いかに貴重な存在か。確かに私は、そのことを癌になってから思い知ったのだ。
●人生の末期になって苦しみの中でこそ自分の支えに気が付くことができる、それを強めるのが大切だという小澤竹俊先生の教えに通ずる。とくに特別なイベントはなくても当たり前のように過ごしていた平凡な日々のありがたさに気が付くと幸せになれるのだと思う。

〇でも、百ちゃんが教えてくれたのだ。死を受け入れるということは、生きたい、もっと生きたい、もっともっと長生きしたいという気持ちも正直に認めることなんだ、って。
〇面白いことに、生きたい、まだ死にたくない、という気持ちを素直に認めてあげたら、心が軽くなった。
●これはまだ知らなかった感覚なので新鮮に感じた。まだ生きたいという本心を抑え込むのではなく正直に認めてこそ、それは叶わないという現実を受け入れてこそ次のステップに進めるという解釈でいいのかな?現実的には人それぞれだとは思うけど。難しいところかもしれないとは思う。

〇ジタバタして、何とか運命から逃れようとする人もたくさんいます。でも、人は生きている限り変わるチャンスがある。それもまた、事実ですから。期待しましょう。
●そして怒りをぶちまけていた「先生」も自らを反省して受け入れて最後を迎えたらしい。押しまくるのではなくて、そういう「待ち」の気持ちも大事かもねと思ったりする。

・雫さんの死後の章、死の直前に初めて会った妹の梢の視線からの章が泣ける、最後の章、亡くなって3日目に約束通りにタヒチ君と犬の六花がビーチで手を振るシーンは、予想通りだったんだけど、ハッピーとはいえなくても、温かくてとっても良かった。

・ところで「ライオンの家」って?
〇「百獣の、王ですか?」「つまり、ライオンはもう、敵に襲われる心配がないのです。安心して、食べたり、寝たり、すればいいってことです」

・では「おやつ」って?
●ライオンの家で週1回日曜日に、ゲストさんのリクエストで狩野姉妹が作るおやつを、ゲストさんの思い出のメッセージとともに皆で食する会がある。実際には最期が近いゲストのリクエストが採用されるようで採用されたおやつを本人はもう食べられないことが多いみたい。でもそのメッセージにある意味人生が凝縮されているともいえるのかもしれない。

・アニマル療法、音楽療法、アロマテラピーなど代替医療的な緩和ケアについてもいろいろ語られていたのもまた勉強になったような気がする。

・とくに大きく盛り上がったり感動したりするわけでもないのだけど、人と人の気の気持ちが交わって優しい気持ちになるお話は小川糸テイストなのだろうかと思った。





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Last updated  2020.03.15 18:01:57
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