2004/10/29
XML
チャンピオン戦ラテンには、東京、千葉、神奈川、埼玉、栃木、福島、そして茨城から「腕におぼえあり」の28組の選手が参加していました。フロアサイドで待機している私たちの緊張はますます高まっていき、怖くて客席を見られませんでした。

「チャンピオン戦ラテン1次予選、1ヒート、背番号1番から...。」
ついに選手がコールされました。

私はざーっと鳥肌がたちました。フロアに出ていく足の運びがぎこちなく、つないでいる彼の手は氷のように冷たくなっていました。

「身体、動くかしら」

心配になってきました。呼吸はますます浅くなり、引きつった笑顔から乾いた咳が出ました。体全体が心臓になったように鼓動が頭に響きます。

その時、ガクっという衝撃が手から伝わってきました。

彼がコケたのです。

「うっそー!なんで何もないとこでコケんの?ギャグ?」



本当に笑いながらギクシャク入場した私たちですが、音楽が鳴り始めると「カチッ」とスイッチが入りました。

筋肉が勝手に覚えていたリズムを刻み始めるのです。

最初の種目はサンバ。続けて、チャチャチャ、ルンバと3曲連続で踊ります。1次予選は夢中で、周りのことは一切憶えていません。「音楽、あなた、私」それだけでした。

無事、予選を通過し、2次予選を待っていると、以前いっしょにスペイン旅行に行った友達が来てくれました。いつも定点録画しているビデオを彼女に託し、2階席から撮ってもらうことにしました。

2次予選は1次ほど緊張しませんでしたが、なんと1曲目のサンバの出だしを間違えてしまいました。主賓席の真ん前です。しかしさっきまで緊張してコケたりしてたうちのリーダーが、うまくごまかしてくれました。えらい、感謝!これでこそ、パートナーです。

なんとか予選を通過して、いよいよ準決勝。だんだん落ち着いてきて、ビデオを撮ってくれている友達に手を振る余裕さえ出てきました。

しかし、このころから、昨日ひねった左足首が痛くなって来ました。思わず、ルンバでバランスを崩しそうになり、このまま踊りきれるか心配になってきました。

「ここで落ちるわけにはいかないんだ」

何たって、背番号1なんですから。必死に踏ん張って踊りきり、そして、ついに決勝。

決勝に残った6組は、一組ずつ紹介されて、フロアに登場します。背番号1の私たちが紹介されると、会場から大きな拍手が起こりました。地元の方達がこんなに応援して下さっている、私は感動して、足の痛みも背中の痒さもぱっと消滅してしまいました。

音楽がかかると、普段の何倍ものパワーで踊っていました。「応援の力」です。すべての種目を踊り終えると、私たちはスタンドの全てのお客さんに向かって心からお辞儀をしました。これまでこんなに感謝をこめて誰かにお辞儀をしたことは、多分、なかったと思います。



私たちは準優勝で名前が呼ばれました。実力以上の成績だと思います。銀メダルを受け取り、周りを見回すと、そろいのスタッフジャンパーを着た大会事務局の方々が、皆さん仕事の手を休めて私たちに温かい拍手を送って下さっているのが見えました。胸から熱いものが込み上げてきて、もうまわりがかすんで見えなくなりました。

オリンピックや野球やサッカー、色々な競技で「ここまでこれたのは皆さんの応援のおかげです」というインタビューを耳にしますが、あれは本当です。すべて、応援して下さっている皆さんのおかげなんです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2004/10/29 11:51:30 AM
コメント(8) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

StarTrees

StarTrees

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: