2016/03/18
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テーマ: 社交ダンス(8693)
カテゴリ: アートのはなし
もうすぐ開花を迎えそうな上野の桜並木には、ピンク色の提灯が並んで風に揺れていました。

仕事が一段落したので、今日は休暇をとって美術館巡りをします。

まずは国立西洋美術館のカラヴァッジョ展から。

『エマオの晩餐』 カラヴァッジョ (1606年)
チケット3.jpg



常設展が模様替えか何かで見られなかったので、6月まで使える鑑賞券がもらえました。

チケット2.jpg


光と影のドラマチックな絵画で有名なミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョは1571年にミラノで生まれました。

バロック絵画の草分けとしてローマで活躍し、後のレンブラントやルーベンスなどに影響を与えたと言われています。

スポットライトのような光の当て方で表情を際立たせ、見る側に緊迫した臨場感を与えてくれますね。


『聖ヨハネの斬首』カラヴァッジョ(1608年)
聖ヨハネの斬首.jpg



彼は絵の才能は素晴らしかったんですが、無法者だったみたいです。

飲んで暴れて傷害事件を起こし、挙げ句の果てに殺人の罪まで犯してローマからナポリへ逃亡、イタリア各地を転々としながら短い38年の生涯を閉じました。



アーティーチョークの油炒めとバター炒めを頼んで、運んできた店員にどっちがバターだと尋ねたら『匂いでわかるだろ。』と言われてカっとなって皿を投げましたとか。

当時のローマは刀剣を持ち歩いてはいけないことになっていたそうなんですが、剣の不法所持でもなんども捕まっていたようです。

彼の描く酒の神バッカスは仏顔ですね。なんでも許してくれそう。


『バッカス』 カラヴァッジョ (1595年頃)
バッカス.jpg


日伊国交樹立150周年記念ということで今回はすごい作品が世界初公開されてました。

行方不明になっていた彼の絵が2014年に発見されたんです。

それがこちら。


『法悦のマグダラのマリア』カラヴァッジョ (1606年)
マグダラ.jpg



展示されていたカラヴァッジョの作品は全部で12点ですが、それ以外に彼の画法に惚れ込み模倣して継承した『カラヴァジェスキ』と呼ばれる画家たちの絵画が多く展示されていました。

短命だったカラヴァッジョが残した作品は全部合わせても60点くらいだそうですからそのうちの2割が日本に集結したのは凄いことです。





いままで ウフィツィ美術館 トレド大聖堂 ティッセン=ボルネミッサ美術館

日本でも ボルゲーゼ美術館展 でセクシーなヨハネの絵とか見ましたがこういうのもちょっとね。

でもカラヴァジェスキの中には好きなタイプの絵がいくつかありました。

ラ・トゥール の作品もそうです。彼がカラヴァジェスキだったというのはここで知りました。西洋美術館に常設されてる『聖トマス』も並んで展示されてましたよ。


『煙草を吸う男』 ジョルジュ・ド・ラ・トゥール (1646年)
ラ・トゥール.jpg


いつもこの中の一枚を持って帰っていいと言われたらどれにするかを考えるんですが、今回の一枚はこちら。


『スピネットを弾く聖カエキリア』 オラッツィオ・ジェンティレスキ(1618-1621年)
ジェンティレスキ.jpg




 斬首とか宗教色強いのはちょっとね。

そういえばカラヴァジェスキの一人、タンツィオ・ダ・ヴァラッロの『長崎におけるフランシスコ会福者たちの殉教』という絵も印象的でした。描かれている日本人が日本人ぽくないんですよ。画家は日本から帰国した宣教師に話を聞いて描いたんでしょう。

『果物籠を持つ少年』カラヴァッジョ (1593-94年)、果物は美味しそうですけど家に飾るには少年がちょっと暑苦しいでしょうかね。




カラヴァッジョ展は上野の国立西洋美術館で2016年6月12日まで開催されています。

ご興味ある方、公式サイトは こちら です。





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Last updated  2016/03/19 11:37:50 AM
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