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2026.09.08
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6462 プラスチック押出成形とは  プラスチック押出成形の装置

プラスチック押出機を使う成形をプラスチック押出成形というなら。

1.いろいろな断面形状を作る装置(一般的にこれを押出成形という場合が多い)
2.丸棒、板や肉厚のパイプを作る装置(固化押出し)
3.シート、ベルト、波板などを作る(Tダイ、引取ロール)
4.フィルム(袋なども)を作る(インフレーション)
5.ボトルなど作る(ブロー)
6,コルゲートチューブ
7,熱収縮チューブ


2,3.4、5、6は、装置産業であって、それらの製造ライン一式、使用樹脂を示し、メーカーから購入すれば、作業標準など示され、メーカーが製造過程の指導をしてくれる。製品を作る会社はオペレーターを育てればいい。射出成型と同じだ。ただし、メーカーに寄って、技術力に差があるから、使いこなす側も技術力が必要だ。

しかし、私が携わっている、プラスチック押出成形とは、1の一般押出成形です。自社製品として販売するのではない。受注生産です。作ってほしいと頼まれてつくるのです。

パイプ、チューブ、ホース、多色、インサート、コーティング、プロファイル、ペレット

○ 押出機その他機械の購入について

 何かプラスチック押出製品を作りたいなら、それ用の装置が必要です。一品なら、専用機としてそれを出来る装置を装置メーカーから購入すればいい。全く技術を持っていなければ技術指導込みで注文すればよい。例えばLDPEチューブを作りたいなら、サイズと長さの話をすれば至れり尽くせりの装置が提案され価格が合えば購入すればよい。

こういう購入は、自社で使う押出製品を社内で作る会社が多い。射出成型の会社と同じで、その製品ができるかできないかは、メーカーの責任になる。その装置の使い方の指導も見積もりに入っている。

  そうではなく、私が言うなんでも引き受ける押出成形をやるなら、仕様を指定し、押出機、引取機、巻取機、自動カッターなどを個別にそれぞれのメーカーから購入するが、金型と水槽は自分のデザインで自分が最寄りの鉄工所へ特注する。装置メーカーへ注文すると、他の押出成形屋へ横流しされるので、秘密保持と価格優先である。(但し金型についてノウハウは公開している)自分が想定したサイズと樹脂が成形可能な装置を発注している事は言うまでもない。小回りが利く装置です。それらの装置で何が出来るかは装置メーカーの責任では全くない。

私の注文通りにできていなければ、それは、直してもらう。金型も同じ。

1 どんな設備が必要か、設備の選定 

まったく新規に押出成形ラインを設備する。

 最低必要な設備  

 2 金型本体 口金 ヒーター
 3 冷却金型
 4 水槽(バキュームボックス)
5 引取機 
 6 自動切断機 回転刃 上下刃

8 丸鋸自動切断機
 9 バキュームポンプ
 10 キャリブラー各種

 共通設備(必要なら)          
 1 乾燥機(ドライヤー)
 2 粉砕機(クラッシャー)
 3 混合機(ブレンダー) 
 4 製品送りベルト



 5 オンライン加工設備(グロメットカッター、スパイラルカッターなど) CV.MGJ


 6 踏み台、机、椅子など
 7 エアーリング(予備冷却用)
8 熱炉または、LPGバーナー(金型整備用)
 9 サンドブラスト

1-1 押出機

 能力半分での吐出量、1時間に何Kgなのかを知る。主に製造しようとする製品の1時間に何Kg消費と大体同じ押出機を選ぶ。

仕様指定 口径 L/D 圧縮比 スクリュータイプ 温度コントロールゾーン数

   例 50φ 25 1/3 フルフライト 圧縮 計量 供給の3ゾーン ホッパー冷却

メーカーは好み、価格と予備部品、ほとんど、買いっぱなしで、その後、接触することはほとんどない。押出機も他の装置でも計器の故障など当りはずれがある。これも、どこのものを選定したからということではなく、良くも悪くもたまたまで、いろいろのメーカーのものを、もしテストできたとしても、実際に使うものとは違うのであまり意味はない。だいたい、どこのメーカーの押出機でも大差はない。えい、と、決めてしまって、あとはそのことを考えないこと。次回に生かす。

私が主に作る製品の大きさによると、40~50mmΦということになる。価格を出来るだけ安くしてもらうのは当たり前だが、プラスアルファーとして、予備品を出来るだけ付けてもらうこと。ヒーター、サーモカップル、コード、計器などなど。

インドネシアでは、200ジュタ(200万円)以下で手に入る。

1-2 金型

チューブ金型本体は、図面通り、キャリグレーションダイは、製品の外径から、内径を何mmと基本図面に指定するだけだから簡単にできる。どこの鉄工場でもできる。

プロファイルの金型はその人の考え方、やる人が責任を持ってデザインし、最後まで完成させる。これこそ他人や他社に差をつける絶好のチャンスである。PVCやPS以外の樹脂で簡単にすばやく客先の期待に添えるような製品ができるようになるにはその人の資質が問われる。

人に依るが、がんじがらめの、ぎりぎりの金型は、私にはなじまない。金型はある程度のガイドと考え、金型の前後に何かをして、形状を決める。その後、固定したい部分があれば、修正して固定する。これも経験を積めば、どの部分を最初から固定できるかがわかってくる。ただし、一発でOKということは奇跡に近いので、意気込んで何とか一発でOKしようと、金型を作る前に、あれこれ考え込んで悩んだり、遅れたりすることは、要領が悪い典型。まずやってみること。勘が良くなければならない。


エッジング、グロメット、製造装置




冷却金型でエッジングの方法は例外で、PA(ポリアミド)にしか使えない。そのほかの樹脂では、灯油で変質してしまう。

太田化工。この工場の中に、エッジング・グロメットやスパイラルチューブの製造工程がある。

1-3 その他の設備

押出機と同じで、生産量、製品サイズ、生産速度、製品形状などを参考にし、あとは本人の好み。日本からでもよし、台湾、韓国、シンガポールからでもよし。買ったあとで、何らかの問題が発生しても、今後に生かすヒントが増えたと考え、後悔しないこと。くよくよしないこと。これでよかったと思うこと。

1-4 予備品、スペアーパーツ

設備を購入するときに、前もって、必ず必要になるもの、消耗が早いものについては、予備品も購入しておくといい。コストダウンの要求の変わりに、現物サービスを増やしてもらうことも一つの方法。

  真空計、アンペアメーター、回転調節ツマミ、温度調節機、サーモカップル、ヒーター、ブレード(自動カッター、粉砕機)、タイミングベルト、スポンジシート、種々サイズOリング引取機のベルト、電磁クラッチ、ボルト、ナット、カッターナイフ、各種ベルト、チップソー、1mmゴムシート、アルミサイジングプレート、漏電遮断機、各種スウィッチ、各種ホース、各種継ぎ手、メッシュ、バリ取り道具、ポンチ、タガネ、小型ヤスリ、テフロンテープ、マグネット各種

今から57年前に出会った仕事でした。私のウェブサイトの最初のページに2019年に書いた文章を載せています。私の基本姿勢です。
http://otaenplaext.net/concept136.html

(1)押出し機(2)ダイ(3)冷却機(4)引取り機(5)切断機
A.ホッパー B.スクリュー C.加熱シリンダー D.ヒーター E.サイジングダイ



小口径チューブ用 キャリブレーションダイ(バキュームボックス)



固化押出しで作ったPOM(ポリアセタール)製のブロック、ソフトクリームを絞り出す装置のソフトクリームが出る場所、一色と三色の前面と側面、54年前に日本で初めて作った、今でも、出口のデザインは変わっていないようだ。


スパイラルチューブの製造装置、チューブを作り、スパイラルカットをし、定尺切断まで、一ラインでやってしまう。これも52年前の日本で初めて作った。


2 押出成形用金型
溶融金型は、ストレート、クロス、オフセット、多色、インサイドマンドレル

冷却金型は、ブロック、キャリブレーションダイ(直接バキューム、バキュームボックス)
      サイジングプレート(素引き)


原料は、知る限り全て、混ぜ物、添加物、出来るものはすべてに対応する。



https://www.jstage.jst.go.jp/article/kobunshi1952/11/2/11_2_120/_pdf/-char/ja


この「押出成形用ダイス」という文章は、よく書かれていると思うが、「3-3.サイジング方法とダイス構造」の“第1表”は、間違えているというか、ご自分で確認していないと思う。パイプ、チューブに関する話だし、すべての樹脂で、全てのダイスを使えるし、内径規制か外径規制は薄い厚いにかかわらず、どちらの寸法を重視するかで決めると思う。

また、ここでは、溶融金型だけに触れているが、冷却方法についても、一体というか対で、一つの金型にならなければならないはずだ。むしろ、冷却金型で寸法が決まるので、冷却金型の方が重要だ。

「6の終りに」に書かれている文章は、よくわかっておられると思う。

プラスチック押出成形に関して、技術の国家試験はない。試験をしようがないからだ。もし、あったら、私が審査員になれるかもしれないが、実地試験の問題を出しようがない。

改めて、http://otaenplaext.net/concept136.html 押出成形1
http://otaenplaext.net/concept34.html プラスチック押出成形の実態
を読み返してほしい。

写真は、PT.AFMIに設置した物、現PT.TOPLA ABADI



  押出で一番肝心な場所、冷却方法だ。断面形状を決める場所だ。樹脂により、大きさにより、形状により、引取速度により、この方法は、異なる。


2-1  金型(固化押出に対して溶融押出)

 溶融押出の金型は溶融と冷却の二つが必要です。その間にはエアーギャップといっている空間がる。成形時その距離がかなり重要です。

 今、装置メーカーが作るチューブの金型、冷却金型 水槽は至れり尽くせりだが、何か一つの樹脂、それもグレードの特性が決まっているもの、でしか出来ない。一種の装置製品となってしまう。

 融通が全く利かないし、製品の物性に問題があった場合はメーカーの責任にはならない。射出の金型は金型メーカーが、製品が出来るまで責任を持つ。押出はそういうわけにいかない、全て成形屋の責任である。それを理解しない、中途半端なプラスチック成形をしっているという人が多い。

 私の水槽はどんな成形方法でも先端を交換すれば冷却金型が装着できるようにしてある。

 それはさておいて、私の金型の経歴を記しておく。詳しくはないのであまり参考にはならないでしょうし、それぞれを生かすにはテクニックが必要です。


 2-2 チューブ、パイプ、ホースの冷却金型の色々

A まず、ナイロン用キャリブレーションダイが与えられた。間接予備冷却の後、直接真空で引っ張り、キャリブの内側に密着させる。同じ径のパイプを5~10Cm通過し、水槽に入る。この方法は、キャリブの入り口に溶融樹脂を密着させ抵抗が大きいため、比較的急に固まる樹脂だけに使うことが出来る。PA、HDPE、PC、POM、PMMAなどである。

キャリブレーションダイは、尻尾が短い。実際は50mmほど長い


B PAでも5φ以下になると、Aのキャリブではスピードが上がらない。そこで、サイジングプレート(素引き板)、単に、アルミ(ステンレス、ブロンズ)板に穴を開けただけのいたって簡単な方法でやってみた。ほどほど、スピードを上げることが出来たが、製品の楕円を直すのに若干の工夫が必要だった。水圧を出来るだけ少なくする。プレートを通過するときに隙間から漏れる水の位置と、量に気を使った。溶融樹脂をプレートに密着させ、しごく方法は出来ない。必ず、フリーにしなければならない。軟質の樹脂は、これでしかできない。

 しかし、この方法も、固化速度が遅いPEやPPなどの細物は出来ない、どうしても楕円になってしまう。

C PAで11や12の可塑剤入りでもAで製品は簡単にできるが、チューブの艶や物性が落ちる。そこで考え付いたのが、Aの前に穴を開け、そこから出る水で、予備冷却することだった。これはこれで、問題は解決したが、その他の樹脂にはあまり有効ではないのでその他には使っていない。

D A、CキャリブでLDPEのチューブを作っていたが、スピードがあがらないし、表面がささくれ状態でうまくいかない。BではPAしか出来ない。スピードを上げる必要があった。そこで、バキュームを一杯にかけるのではなく、減圧ということは出来ないかと考えた。ボックスの中を減圧し、そこを通過させるという方法である。一番の心配は、冷却水を供給しながら、排水を兼ねたホースを使って減圧するので、安定するかどうかだった。これが、見事に何の問題もなかったので、すんなり成功した。細いチューブもこの方法でOK、LDPEをはじめ固化速度が遅い、固化しても硬度が低い樹脂のチューブには適している。ただし、これですべてが解決したわけではない。

 問題点は長時間運転の給水量の安定と予備冷却水量の安定化である。

E-5 S-PVCやエラストマーのように、LDPEより柔らかい樹脂はどうか、水やエアーで予備冷却し、バキュームを少しだけにしても、キャリブの入り口の抵抗で樹脂を引き取れない。かといって、Bのように接触させないわけにはいかない。

キャリブの材質をかえてやって見ることにした。アルミが、一番抵抗が少なく、柔らかい樹脂に適していることがわかった。アルミにもいろいろ種類があって、出来るだけやわらかいものがいい。しかし、減りも早い。 その後は、真鍮で作っているが、樹脂が引っかかりやすい場合は、アルミでうまくいくことがある。このことは異形にもいえる。接触面積を少なくし、抵抗を減らす為である。サンドブラストでホーニングすれば、接触面がざらざらになって抵抗が少なくなる。そのあとメッキも考えられる。

 F-6 いろいろやっている中で、POMやPCチューブはなかなか収率が上がらなかった。スピードを上げたほうが、より徐冷になり表面はきれいになるが、楕円傾向になってしまうなど、他の障害が出てしまう。

一瞬、表面だけ急冷にし、その後はDにしたがってみた。サイジングプレートをバキュームボックスのキャリブの前に貼り付け、溶融樹脂を密着で通過させた。

 POM,PC,LLDPEの細物、特に肉薄の製品に威力を発揮する。インドイネシアではボトルの吸上げポンプの下に着くLLDPEチューブの生産に使っている。コントロールケーブルチューブ(架橋HDPE)の一番内側の“PEライナー“にも使っている。


3 押出成形のメリット デメリット
“プラスチック押出成形とは“で検索すると、何社からや専門家と称する方から、必ず、押出成形のメリット、デメリットという項目が紹介される。しかし、私にしてみれば納得できない事ばかりが書かれている。大丈夫かなと思う。

メリット、デメリットは、何に比べてなのか分からない。決めていない。例えばデメリットとして、小ロットの生産には、金型を使うから向かないと書いてある。なるほどね。製造業は勿論、あらゆる産業で少なければ少ないほど、割高になるし、多ければ多いほど割安になる。聞いていて変だとは思わないのでしょうか。

私なら、射出成型機と射出成型でできる製品と比較して、どちらが優位か不利かを書きますね。

優位
1,長いものができる
2,成形ライン、金型が安価
3,小ロット
4,OK品ができ始めれば、ロスタイムなし、連続生産
5,かなり、軟質樹脂でもできる
6,スパイラルカット、定尺カット、縦切り、穴あけ、切り込みなど連続加工ができる
7,バリ取りはなし

不利
1,三次元製品ができない、内外径変化は出来る
2,短かくて、量が多くて、硬い製品に向かない
3,OK製品ができるまでの調整が難しい
4,金型の手入れ、整備に気を遣う、手間取る。特に停電
5,技術が必要、勘が必要
6,硬い樹脂でのカット品は、両端仕上げが必要
7,金型は自分の責任、ライン装置メーカーに頼れない


4 プラスチック押出成形に携わる人に必要な基本知識

プラスチック押出成形において、基本中の基本知識を書いておく、何か、問題があったとき、これらのことを確認すると解決する場合がある。これを知らずに押出成形を語るなかれ。

1,長さは変化する 製品、出来たばかりから数日間後まで短くなる。樹脂によって収縮率は異なる。また、吸水によっては、硬さも長さも変わる。

 2,厚い方に曲がる。 溶融金型から出るときは、隙間が広い方から大量に出るので狭い方に曲がって出るが、冷却すると厚い方に曲がる。厚い方が冷える速度が遅いため収縮度が増す。

 3,冷却金型の入り口は、テカテカに磨いてはダメ、ザラザラ、艶消しにして、滑りをよくしなければならない。

 4,厚い部分がある、または、角棒、丸棒など内径がない製品は、巣ができないように、超徐冷をしなければならない。

5,製品には冷却速度の違いによる歪が残っている。

5 再度、樹脂別冷却金型

チューブの成形方法の基本形は、4種類。私が作る水槽には、これらの金型を取り換えセットできるようにしている。

5-1 素引き(サイジングプレートSPだけ)しごきは除外する。小さい製品向き。ただ、アルミプレートの穴を通過するだけだから、水面は、ぎりぎりまで低く調整する。水に勢いによって製品が動いてしまうようでは良くない。エアーギャップによって、チューブの外径、肉厚を少し変化させることができる。 5φ以下の丸棒や異形も小物ならこの方法でできる。小さい製品なら、基本的に全樹脂に適応する。但し、巣に注意。大きい製品には適さない。

固まった状態で軟質の樹脂、ポリウレタン(PU)は丸くするのが難しいが、どんなに大きくてもこの方法しか出来ない。外観が丸い製品に関して、予備冷却や水槽内で如何に丸さを保てるようにするかが工夫である。S-PVC,エラストマーも同じだ。

素引きでできる樹脂のチューブは、簡単にできるので、私の技術指導はいらない。



5-2 6ナイロン用ドライキャリブ PA,POM、PC、PPその他、比較的冷却速度が早く、硬度が高い樹脂。キャリブの入り口での抵抗で製品が伸びてしまわない樹脂。6ナイロンの場合、キャリブの内径は、製品の外径の4%プラスがちょうどいい。PC,POMは2%がいい。ノズル・マンドレルの比率は、隙間が大きめになるように選ぶ。

  断面が密閉形状なら、多角形もこの方法を使う。密封とオープンの違い。




5-3 LDPE用ウエットキャリブ バキュームボックスを使い、間接バキュームようで、入り口のR部に、いくつかの小さな穴をあけ、少しの水を出す。LDPE、N11,N12可塑剤入り,比較的冷却速度が遅く、冷却後も硬度が中間ぐらいの樹脂。予冷の水の量で寸法や表面の状態が変化する。キャリブの内径は、製品の8%プラス、ノズル・マンドレルと製品の比率(引落率)は丁度か若干隙間が大きめ、引き落とし率は、製品の2~3倍くらいがいいが大きい物はそうもいかないので、1,2~1,5ということもある。

ウェットキャリブの図面は省略します。



5-4 5-1と3の組み合わせ。1と違うのは、密着させること。予備冷却水を多く使うこと。PC,N6,POM、LLDPEの細物に最適。スピードはほどほど上がるし、丸くもなる。

この例、PCチューブの場合 成形方法が今までと同じでは、問題は解決できない。ナイロンの方法ではスピードを上げれば楕円になってしまう。サイジングプレート(SP)だけではスピードは上げられるが、押出方向で外径が変化しやすい。現在では当たり前だが、当時、まだ、水を補給しながら真空ポンプで内部を減圧するバキュームボックスという成形装置はなかった。自分で設計し作った。給水しながらバキュームを安定させられるのかが一番心配だったが、作ってみれば驚くほど安定していた。我ながらびっくりだった。ただし、そのままでは、表面に気泡が付着し細かい凹みができる。つやが不足した。溶融状態でしごかなければならない。

 アルミのSPでしごいた後、キャリブレーションダイに通過させながら、真空で減圧したボックスに通すことにした。SPとキャリブの間で、SPを急冷するためと、気泡の付着を防ぐために水をスプレーした。製品はまん丸になり外径も安定し、つやもOK.巻きつけたときの、隙間は全く無くなった。しかし、今度は、押出方向の樹脂量のむらが内径(肉厚)のバラツキになってしまい、相変わらず、微妙な厚さむらがあって電灯ですかしてみると色むらに見えた。この原因はSPと溶融樹脂とのすべりというかひっかかりというかそこら辺にあると考え、徹底的にプレートの材質とストレート部分の長さを換えて試作を繰り返した。結論は、材質SUSでランドは可能な限り短く、実際には0.5mmで生産した。原因はモノマーの付着によるすべり具合(抵抗)の変化によるものだったと一応結論付けた。これで、光漏れと色むらは解決した。

モノマーと称しているものとは、エアーギャップ(溶融金型と冷却金型の間)で、もやもやと、上がっている蒸気のようなもの。多かれ少なかれ、あらゆる樹脂で発生し、間接冷却(例、C.die)金型の場合には入り口に付着する。ある程度たまってくると製品が抱き込んで金型に入ってしまう。製品に悪さをする。エアーなどを吹きかけ付着を最小限にしたい。また、ある程度たまってくれば生産を止めて掃除することもある。長時間流すものは定期的に取り除く。ナイロンやPCは特に注意が必要。

5-5 5-2と3の組合せ。5-2と同じ樹脂、形状の安定化。

C 異形(プロファイル)の金型
異形(プロファイル)の金型は、チューブなどと同じように溶融、冷却(断面を決める)の対が必要です。

冷却金型の隙間は、製品図面の隙間より樹脂により速度により0.何ミリか広くする。溶融側は、その隙間に使えることなく、また、隙間に余裕があり過ぎないようするだけです。しかし、それが難しい。

1.平らな製品でも、平らな隙間にしたら、平らには出てこない。例えば、製品寸法が厚さ1mm幅20mmに、隙間を引き落とし2分の1として、2×40の隙間にすると、樹脂にもよるが、上下辺が外にアールになり、真ん中3mm厚、両端は1mm、幅は35mm位になる。

2.引き落とし率も樹脂や大きさによって異なる。

3.開きがある場合は、開く具合も考慮する。

4,出方を予測し、隙間を自分で決め金型を作り、試作の結果を見て、修正をする。その樹脂にあわせてトライアンドエラーで根気良く修正していくしかない。これに近道はない。経験と勘の世界である。

 冷却金型では、肉厚のバランスを変化させ、調整することは出来ない。


クロスとオープン、両要素がある製品の溶融金型の例

6 プロファイルの冷却金型
  溶融金型の方は、S45Cで作るが、冷却の方は、錆びることを嫌って、一般的には真鍮(ブロンズ)で作る。
6-1 製品の外回りに対して。隙間の全体を製品より0.2~0.3mm広くして、トライしてみる。溶融金型の隙間も同じで、一発でOKになることはないので、修正を繰り返すしかない。これこそ勘の世界、収縮は内側にすることは間違いないが、どの程度かが問題。思い切って多くとり、経験をつむことも必要、やって見なければわからないことは、どんどんやってみる。やってみる速度が第一。溶融金型の隙間調整と同じく、製品が通過する部分の隙間調整も、経験と勘の世界です。



 6-2 金型を有効に使う

   a 成形速度。 
   b 樹脂温は低く、粘度を上げること。
   c エアーギャップと金型に入る角度。
   d 予備冷却エアーを使う。 
   e 金型入り口のR。  
   f 冷却水とバキュームで引く位置、使う、ふさぐ。
   g 重ねたブロックの押さえ方,隙間の作り方。
   h 金型の後ろで広げる、閉じるなどの簡単な装置。
   i 入り口で押さえるために、何かを使う。
   j マグネットを有効に使う。


7 溶融押出と後加工で、多分、日本で初めて作ったもの(多分)

スパイラルチューブ、縦割りチューブ、コイリングチューブ、三次元曲げチューブ、フレアー加工、ラッパ加工、突起加工、蛇腹加工、両端径が違うチューブ、外径一定で内径が違うチューブ、内径一定で外径が違うチューブ。これらはチューブの各種です。

PA6やHDPEで小口径棒(穴が開いていない)巣ができないように、溶融押出で作ること、また、それをスプリングに加工、

小型の異形品、開放型、エッジング,グロメット(切り込み加工もある)、ベルトコンベアーガイド、エスカレーターチェーンガイド、



小型の異形品、密閉型、マガジンケース、ICケースなどなど、
http://otaenplaext.net/concept178.html
他人や他社がやったこと、外国で作られているもの、一切、参考にしていない。というより、関係する文献がなかった。勿論、押出成形加工に関する日本の文献もなかったでしょう。自分で作ったりやったりした人がいなかったと思うから、私が日本で最初だと思う。

固化押出では、もちろん、電磁クラッチを使った押出機を使ったし、丸棒は6φ~200φ、PA6,PA66、POM,PBS,HDPE,LDPE、プレートでは、幅500と300で、厚さ5~50mm、原料は丸棒と同じ。大型異形品(プロファイル)、万力や鉄道の枕木の両側につくリテーナーという名前の製品など、肉厚パイプなどなど、これらの品ぞろえも日本でトップだった。GL樹脂って、今でもあるのでしょうか。印象的な樹脂だった。神戸の三ツ星ベルトまで、届けた覚えがある。

チューブの成型方法では、バキュームボックスの前にそれ用に作ったキャリブを作ったが。それだけではうまくできない製品、樹脂もあって、アルミプレートやステンレスプレートを付けたり、その前にエアーや水のリングを付けたりもした。

プロファイルの冷却金型は、冷却用の水、空気の通りやバキュームで吸う場所を様々な、組み合わせができるようにした。どんな樹脂でも、どんなサイズでも、私ならできるようにした。デザイン、完全に私のオリジナルである。


8 原料

1.押出成形用の原料は、MI(MFI,メルトフローインデックス)ができるだけ低い方が良い。各原料メーカーは、押出用のグレードを持っている。その中から、選ぶことになる。ブロー成型用も使える。
2.被覆やコーティングには、溶融低粘度樹脂でも可能。
3.無機質の物質、例えば、ガラス、炭素などの短繊維、また、粉末を混ぜた樹脂も可能。
4.複数の異なる樹脂の混合(アロイ)でも可能、ただし、混ざらない樹脂もある。木目


9.押出成形、こんなに楽な仕事
押出成形、順調に流れていれば、こんなに楽な仕事はない。
こんな話がある。私が、貸工場で独立開業し、一人で仕事をしていた時、細い道の向いに、射出成型をしていた会社があった。そして、その会社の駐車場が、私の工場の隣にあった。
その社長さん、駐車場側にある私の工場の窓から、顔を出してよく覗いていた。“お前の仕事楽でいいな、座って、居眠りしていても、製品ができているものな”と、恨ましがられていた。
当時、射出成型は、一人付きっ切りで、ドアの開閉、製品を取り出したり、物によっては、インサートをセットしたり、休む暇がなかったからだ。

“押出成形 難しい“で、検索してみたら、こんなのが出てきた。
https://contents.jobcatalog.yahoo.co.jp/qa/list/1381096863/

「プラスチック成形(プラスチック押出機)の仕事をしている方に聞きたいのですが、仕事内容はきついですか?
プラスチック成形(プラスチック押出機)の仕事をしている方に聞きたいのですが、仕事内容はきついですか?求人に「押出機の操作」と書かれた求人がありましたが、きついでしょうか?

前、プラスチックを溶かして形にするから、整備の時にその固まったのを削り落とすのが大変と聞きましたが、どうなんでしょうか?」
こんな、問いに対し、2人からの回答があった。





それを読んで、本当に、聞く方も答える方も双方とも、プラスチック押出成形の仕事に関して、無知だと思った。プラスチック成形技能士でも、何の成形かは知らないが、押出成形に関しては無知でしょう。

それに、質問の内容も答えも、体力的にきついか楽かを問い合わせらしい。そんな疑問なら、この世のすべての仕事に関して、その人の仕事に関して、やる気の問題だし、体力の問題でしょ。

体力的にきついかどうかを聞いているらしいが、双方とも、既に良品が流れている(製造している)間の事を言っているのでしょう。それなら、後期高齢者の私でも、3ライン、4ライン、一人で監視することができるほど、楽で、そのほかの粉砕やバリ取りなどの仕事もできるよ。
しかし、おいおい、それ以前のこと、金型デザイン、金型セット、金型メンテナンス、スタート、製品化、試作、原料選定、などの仕事があるよ。それらを含めて、きついか、難しいか、問いも回答もしてほしいですね。

最期に、金型整備で、固まった樹脂を削り落とすという作業はないですよ。ある会社は、整備の作業標準が間違っていますよ

10 押出部門の悪条件

“順調に生産、流れていれば、こんなに楽な仕事はない。全自動で製品ができているのだから”と書いた。
1. 停電 これは最悪、時間、原料のロス、ストレスの元。再立ち上げ、順調に流れだすまで、急に忙しくなってしまい、動きまわらなければならなくなる。夜に起きたら最悪。
2. 冷却水にCaが含まれている バキュームポンプを壊す、給排水、バキュームパイプを詰まらす。冷却金型の狭い隙間、小さい穴を詰まらす。順調に流れだすまで、修理や穴詰まりを無くななければならない 
3. 経営者、上司が無知 仕事や人の評価ができない。これは、どうにもならない。
こんな悪条件がある押出部門では、仕事が大変どころか、存続しない方がいい。

 プラスチック押出成形に関わる人は、最低、これくらいの知識と技術が必須です。また、売る製品の見積もりの出し方も知っていなければなりません。

経営者も営業担当も、固定費を知らない会社もある。





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Last updated  2026.09.08 08:40:20
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