Flatのガンプラ製作日記

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2021.02.07
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カテゴリ: 本の感想
書籍の感想です。
今回は「ランドスケープと夏の定理」です。


ランドスケープと夏の定理【電子書籍】[ 高島雄哉 ]

久々に本格的なSFを読んだな~という感じです。

主人公のネルスは姉に若くして地球随一と謳われる宇宙物理学者を持つ。
姉は天才にして、気が強く、なんでも思い通りに進めようとする存在で
ネルスはたびたび姉に振りまわれていました。

姉は量子ゼノン技術とそれを応用した記憶転送技術を研究しています。

転送するものです。
取り出した魂は量子化されているので、それこそ一瞬のうちの別の場所へ転送が
可能で、応用すれば遠く離れた場所への魂へ転送し、そこで作業して戻ってくる
なんてことも可能になる・・・という画期的なものです。
しかし、この「戻ってくる」という部分が問題で、もし転送された魂が戻ってくるときに
肉体の方が何らかの経験をしてしまっていると、記憶の断面がずれてしまい、
元の場所に収まることができないのです。そこで量子ゼノン技術というものを
使って、体を完全に停止した状態にしておく、というものです。

なんか壮大な話ですね。

で、3年前、記憶転送技術の被験者となったネルスですが、転送中に量子ゼノン停止が
解けてしまい、転送した魂が戻れなくなってしまいます。

この失敗の結果、魂は2つになってしまったのでした。
それ以外、ネルスは姉と一度もあっていなかったのですが、急にL2(ラグランジュ2)
の宇宙ステーションに呼び出されます。
研究をして、量子ゼノン停止を安定的に継続できるめどができたようなのですが、
果たして姉の目的は・・・。


それこそ天才の姉ですら思いつきもしなかった理論を発見します。
そういう意味ではネルスも天才と言えるのかもしれません。

ネルスの発見した理論は「知性定理」と呼ばれるもので、
「あらゆる知性はお互いに翻訳が可能」というものです。
同じ物理法則の中で生きている者同士は結局同じ法則の中に縛られているわけで
そういった意味では鳥であろうと、虫であろうと最終的には翻訳が可能という可能性を
示した論文です。
姉の発見も凄いしキーとなるのですが、ネルスの発見のこの物語のキーとなり、
この第一の定理(夏に発見したので、「夏の定理」とネルスは呼んでいる)の先に
第二、第三の定理もあったのです。
これより人類は新たなステージへと進むことになるのです。

ラスト、ネルスはちょっと前に幸せになっていて、そんなことには無縁だと思っていた
姉も幸せになっちゃうのはとても不思議だったけど、面白かったです。

世界のすべての謎を知りたい、自分がいま思いつかない疑問を知り、その謎を明かしたい
とおよそ世界全ての解き明かしたいなどという彼女がそういう幸せを選ぶというのは
弟をライバルだと感じ、自分も負けられないと思った結果なんですかね。

内容は難しい言葉がバンバン出てきますので、少々難しく感じますが、とても面白いです。





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Last updated  2021.04.03 13:53:14
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