Flatのガンプラ製作日記

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2021.08.09
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カテゴリ: 本の感想
書籍の感想です。
今回は「悪魔と呼ばれた男」です。


悪魔と呼ばれた男 (講談社文庫) [ 神永 学 ]

神永さんの作品はいくつも読んでいますが、神永さんの作品の特徴は
私は「疾走感」とよく読んでいます。
先に先に進むパワーがとても強くと読みやすいうえにぐいぐい引き込まれる、
そんな作品ですね。

ただ、今回の作品は読みやすさは相変わらずなのですが、場面変転が

なので、いつもの「疾走感」は少々抑え目な印象でしょうか。

この作品、タイトルにもある「悪魔」が誰なのか、が大きなテーマで
あるわけですが、それを何重にも覆い隠すためだと思うのですが、主人公である
天海の捜査、腐敗した警察内部の動き、犯人と思しき人物の動き、その犯人の
部下(?)と思しき人物の動きなどが次々と描かれます。
しかも、それが必ずしも時系列にはなっておらず、天海が捜査していた
変死女性の死ぬ前のエピソードが後から語られるなど、少々難しい作りに
なっています。
さらに、天海の小学生時代の凄惨な記憶が事件に大きく関与しているため、
子ども時代の話もふんだんに出てきます。

果たして誰が本当の悪魔なのか・・・

捕まえるのか、という感じになるのですが、「もう一段裏があるのか・・・?」と
思いながら、読み進めていくと、なるほど・・・という感じで納まります。

悪魔と言えばルシファーが有名ですが、彼(?)はもともとは大天使で神に
謀反を起こして堕天使として地獄に落とされたと言われています。
ルシファーが謀反を起こした理由はもしかしたら天界の腐敗に嫌気がさしたから

そして、警察の仕組みで裁けない悪、警察の腐敗に対して振るわれた力、
これこそがこの小説における悪魔だったのです。
警察(天使)からすれば悪魔の所業ではあるのですが、
どっちが悪なのか分かったものではありません。

エピローグはそんな悪魔に少しだけ救いがもたらされていました。
納得感のある終わりで良かったです。





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Last updated  2021.08.09 09:59:14
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