時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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January 29, 2008
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「イタリア幻想曲」 に関する記事を書いた。今回紹介する 「上海迷宮」 (内田康夫:徳間書店)は、 「イタリア幻想曲」 に続いて、光彦が海外で活躍する作品である。舞台はもちろん、題名の通り中国上海。

 舞台が上海と言うことで、今回のヒロインも中国美女・曾亦依。日本で中国語学校の教師と法廷通訳の仕事をしている。光彦は、義理のあるT女子大学の林教授から、亦依に会って欲しいと頼まれる。光彦が、てっきり見合い話だと勘違いして、亦依と頓珍漢な会話をしているところがなんとも微笑ましい。

 実は、亦依の用件というのは、父親が上海で殺人容疑で逮捕されたことに対する相談であった。おまけに彼女の同郷の友人・賀暁芳が新宿で殺されており、彼女はその第一発見者でもあったのだ。ということで、光彦は事件を調べるため、亦依と共に、上海に行くことになる。

 ところで、浅見光彦といえば、旅情ミステリーである。残念なことに、今回の上海行きでは、それほど旅情を感じさせるようなところはなかった。やはり、光彦の行き先は、風光明媚な日本の風景がよく似合うような気がする。

 亦依は、学生のころに見た「赤いトカゲ」の夢が忘れられないと言う。林教授も、亦依の父の維健もフロイトやユングの研究者といった設定なので、これは、何か深い心理学的な意味が隠されているのかと思ったのだが、案外単純な理由だったのは、少々期待はずれであった。これは内田センセらしいフェイントなのか?それとも、あまり、ココにはまり込むと、それこそ迷宮に迷ってしまうことになりかねないので、深く立ち入らなかったのか?

 最後に、危険な連中に拉致された亦依が助かったエピソードは、いかにもご都合主義で、ありえないだろうと思うのだが。 


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「上海迷宮」(内田康夫:徳間書店)



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Last updated  June 20, 2008 07:50:13 AM コメント(6) | コメントを書く
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