時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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April 19, 2008
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 判官びいきという言葉がある。ここで言う判官とは、源義経のことであるが、このような言葉が出来ることから分かるように、義経は、歴史上の人物の中でも、その人気はトップクラスであろう。

 戦の天才で、平氏妥当を果たしたものの、兄の頼朝と反りが合わず、奥州衣川で悲劇の死を遂げる。しかし、義経の人気は、様々な伝説を後に残している。一番すごいのは、義経ージンギスカン説であろう。義経は、衣川を逃れて大陸に渡り、ジンギスカンとなったというのだ。高木彬光は、「成吉思汗(ジンギスカン)の秘密」で、名探偵神津恭介に、この説をうまく証明させている。

 しかし、義経には似たような伝説がもうひとつある。やはり大陸に逃げ延び、清朝を起こしたヌルハチの祖となったというのだ。 「義経幻殺録」 (井沢元彦 :角川書店)は、この義経ー清祖説をモチーフにした歴史ミステリーである。義経ー清祖であることがはっきり書かれているという「玉牒天おう世系」を巡って、殺人事件が相次いで起こる。(「おう」の漢字が拾えなかったのでかな書きにした)

 この作品に出てくる登場人物がすごい。なんと主役を務めるのが、芥川龍之介なのである。そう「羅生門」や「蜘蛛の糸」などで有名なあの作家である。そして、龍之介と共に活躍するのが、江戸川乱歩の小説に出てくるあの人物である。中国読みにすると、ミン・ヂイと言う名になるらしい。さて、いったい誰か推理してほしい。その他にもロシアのロマノフ王朝生き残りとされるアナスタジア皇女も登場し、スケールの大きなミステリーになっている。「玉牒天おう世系」に関する謎解きは、まさに、「逆説の日本史」などの作者である、井沢氏の真骨頂発揮といったところだ。しかし、高木彬光の「成吉思汗(ジンギスカン)の秘密」のように、壮大な歴史上の謎を解明するのではなく、単に「玉牒天おう世系」の真偽についての謎解きとなっているのは残念であった。

○「成吉思汗(ジンギスカン)の秘密」(高木彬光)の記事は こちら

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Last updated  April 19, 2008 05:45:55 PM
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