時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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September 21, 2008
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カテゴリ: TVドラマ


「キジも鳴かずば撃たれまい」

 以前このブログでも紹介した、内田康夫の旅情ミステリーである浅見光彦シリーズの一つ 「箱庭」 のドラマ化されたものが、金曜日の夜放映されていた。フジテレビの金曜プレステージ 「浅見光彦シリーズ第三十二弾 箱庭」 である。

○原作の「箱庭」(内田康夫)



 オープニングは、日本三景のひとつである 「安芸の宮島」 として知られる宮島の、厳島神社の場面。厳島神社は、593年(推古天皇元)に創建され、、平清盛にもゆかりの深い歴史ある神社で、広島県の誇る文化遺産の一つでもある。祭神は、宗像三女神(市杵島姫命、田心姫命、湍津姫命)。この厳島神社に隣接して「大願寺(だいがんじ)」がある。明治の神仏分離までは、厳島神社の修理・造営などを受け持ってきた寺だ。この寺に伝わる秘仏厳島弁財天は空海の作と言われ、日本三弁天の一つに数えられている。また、この弁財天は、厳島神社の祭神である市杵島姫命と同一とされている。

 今回、光彦は、「旅と歴史」の取材で、そんな歴史ロマンあふれる宮島を訪れる。ところが、望遠鏡で対岸を覗くと、パトカーが見え、何か事件が発生した様子である。廿日市市大野にあるヤクショウ鼻という小さな岬で、小山田誠吾という男が死体で発見されたのだ。小山田は、前日の夕方、「紅葉谷公園の墓」のことを訪ねていた。しかし、宮島の紅葉谷公園には墓はないのである。

 一方、光彦の義姉である和子のところに、「キジも鳴かずば撃たれまい」と文字が切り貼りされた不気味な手紙が届く。そして、その手紙には、和子が中学時代の親友である三橋静江といっしょに修学旅行先の宮島で写った写真が同封されていたのだ。光彦は手紙の消印を手掛かりに、島根県益田市を訪ね、静江が勤めていた病院を探し当てるが、既に静江は病院を辞め、代議士の大貫泰三の付添看護婦として、山口県の岩国市に移っていた。






 光彦は、静江を訪ねて、岩国に向かうが、途中で美しいバレエのインストラクター岡村里香と知り合う。岩国を訪ねた光彦は、そこにも紅葉谷公園があることを知る。そしてそこには、吉川公のお墓があるのだ。岩国では、更に第二、第三の殺人が起こり、里香の母親も犠牲になる。その裏には、政財界を揺るがすような一大スキャンダルと歪んだ親子の情愛があった。

 広島県西部から山口県東部の美しい風景が、うまく織り込まれ、旅情を誘う作品であった。しかし、犯人の、親としての歪んだ情愛に比重が置かれすぎて、この作品の一番のポイントとも言える、静江が、一番良かった時代の修学旅行の思い出を支えに、幸福とはいえない人生を生きてきたということが、十分に描ききられていないのではないだろうか。


(原作)
・内田康夫:「箱庭」

(出演)
・中村俊介 (浅見光彦)
・田丸麻紀 (岡村里香)
・五十嵐めぐみ (浅見和子)
・野際陽子 (浅見雪江) ほか

●今回ドラマに出てきた観光地
 ・ 厳島神社
 ・ 錦帯橋 :岩国市にある名橋。鵜飼も行われている。
 ・ 益田市 :柿本人麿ゆかりの地だが今回は光彦が静江の勤めていた病院を訪ねたくらい。

●原作「箱庭」の記事は こちら

ジオラマの小型版 箱庭風旅シリーズ...



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Last updated  September 23, 2008 09:07:19 PM
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