時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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November 16, 2008
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「アンガー・マネジメント」

○「アンガー・マネジメント」(安藤俊介:大和出版)



 世の中には、「瞬間湯沸かし器」といったニックネームがつくくらい怒りっぽい人がいる。しかし、怒りっぽいことが、自分の性格で変えようもないと思っているのなら、自分にとっても、周りの人にとっても、不幸なことである。実は、「怒り」とは一気に「怒り」に達するのではないということだ。怒りが生じるまでにはいくつかの段階がある。だから、そのどこかで、怒りをコントロールするチャンスがあるのだ。

 なぜ人は「怒る」のか。この本によれば、キーワードは「コアビリーフ」と「トリガー思考」だ。「コアビリーフ」とは、 自分の判断基準のことである。つまり、「物事はこうでなくてはならない。」というその人の考え方だ。人は、見聞きした物事や他人の言動などを、自らのコアビリーフに照らして判断する。また、「トリガー思考」 とは、怒りが表に出るきっかけになる考え方であり、「裏切られた」とか「バカにされた」などと感じることだ。この二つが組み合わされることにより、怒りが生れ、大きくなっていくのである。

 それでは、どのようにすれば、「怒り」をコントロールできるようになるのだろうか。ここで書かれていることは、企業の経営戦略と同じように、まずはビジョンを持つということである。なりたい自分(ビジョン)を思い浮かべて、それに向けて色々な方策を展開していくのだ。そのための、様々なテクニックやツールも紹介されている。

 例えば、 「カチン」ときたときや「ムカッ」としたときには、頭の中に空白をつくる「ストップシンキング」反応を遅らせる「ディレイテクニック」などのテクニックが有効である。怒りがどの段階にあるかをを客観的に判断するための「スケールテクニック」を使うと、怒りに対処しやすくなる。

 感心したのは、「アンガーログ」というツール。怒りをもっと客観的に「見える化」して、怒りの背景を知ることができるのだ。これにより、自分の怒りを分析して、「認識の修正」を行うことで、「怒るしくみ」を「怒らないしくみ」に変えていくことができるという。

 この本を読んでいて一つ思ったことがある。「アンガーログ」のようなツールは、他人の分析も可能ではないかということだ。どこにでも、やたらと怒りやすい人は存在する。自分が変わっても、相手が変わるとは限らない。ましてや、それが、権力を持っている人間だったら、最悪である。この本で紹介されている手法やツールをそのままというわけにはいかないだろうが、応用することによって、怒りやすい人に対して、どのように対処すべきかという手がかりを与えてくれるのではないかという気がする。もっとも、一番良いのは、その人にこの本を読ませることなのかも知れないが。

「怒り」(アンガー:anger)に流されないよう、心に「碇」(アンカー:anchor)をうて! 

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Last updated  December 13, 2008 07:58:49 PM コメント(8) | コメントを書く
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