時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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November 30, 2008
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 今年の2月にテレビでやっていた、なぜか笑えてしまう映画版のイメージがやっと薄れてきたので、原作の方を読んでみた。 「犬神家の一族」

 物語の舞台は信州。信州財界の巨頭犬神佐兵衛が亡くなった際に残した遺言状が、犬神一族に惨劇をもたらす。その遺言状は、犬神家で養育していた佐兵衛の恩人の娘である野々宮珠世に、佐兵衛の母親の違う3人の孫佐清、佐武、佐智の誰かと結婚することを条件に、犬神家の全財産と相続権を意味する「斧、琴、菊」を送るというものであった。そして、遺言状はまた、珠世が相続権を失った場合に有利な立場を青沼静馬という人物に与えていた。この、いかにも内紛を招きそうな遺言を遺した佐兵衛の真意はなんだったのか。そして、案の定、「斧、琴、菊」を模した、不気味な惨劇が幕を開いたのである。

 生首、近親憎悪、ラバーマスクの下の崩れた顔、湖に逆さに突き刺さった死体、衆道の契りといった、いかにも横溝といったおどろおどろしい世界が、少し古めかしい文体とよくあい、読者を魅了する。そして、最後は、金田一がみごとに、犬神家の絡まった憎悪の糸を解きほぐしている。


○「犬神家の一族」(横溝正史:角川書店) と石坂浩二主演DVD




○映画「犬神家の一族」の記事は こちら

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Last updated  December 29, 2008 06:46:59 AM コメント(10) | コメントを書く
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