時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

PR

×

Profile

風竜胆

風竜胆

Favorite Blog

罰 1 [ 柳内 大樹 … New! じらーるぺるごーさん

早起きしすぎていて… New! ブラジョンさん

気まぐれんな旅行屋… 富士家のぱこさん
マークス・ストーリー マークス5406さん
パパだって見たいん… 大希・大我のパパさん

Archives

May , 2026
April , 2026
March , 2026
February , 2026

Calendar

Keyword Search

▼キーワード検索

April 29, 2009
XML
 頭脳明晰で容姿端麗の元航空自衛官で現臨床心理士のスーパーヒロイン岬美由紀が活躍するのが「千里眼」シリーズである。美由紀は、自衛官時代に鍛えた動体視力により、相手の表情の変化を瞬時に判別し、それを臨床心理士の知識にあてはめて、相手の心を手に取るように読んでしまうことから「千里眼」というニックネームを与えられている。今回読んだのは、その文庫版新シリーズの5作目に当たる 「千里眼の教室」

○千里眼の教室(松岡圭祐:角川書店)



 ストーリーの方は、なかなかの荒唐無稽ぶりで、そこが結構面白い。何しろ田舎の高校が、いじめや世界史未修問題などに関する大人たちの隠蔽体質に反旗を翻し、生徒たちが日本からの独立を宣言して校舎に立てこもるというのだから。そこではウジガミールという紙幣まで発行して、才能のある者は優遇され、そうでないものは貧しい暮らしである。しかし、いじめや不正などは厳しく制限され、勉強もできるものが教えるという形できちんと行われている。現代の教育制度に対する一種のアンチテーゼの提起といったところだろうか。

 しかし、色々突っ込みどころが多くてなかなか楽しませてくれる。

・突っ込みどころその1
 題名だが、「千里眼」とは、その言葉の通り、千里先のことまで見通せる能力のこと。例えば月の裏側が見えるといったようなことだ。他人の心が読めるのは「他心通」と言うが、タイトルとしてはあまり売れそうにないな。

・突っ込みどころその2


・突っ込みどころその3
 実は、この爆弾、ある症状を治療する働きがあったのだが、単に最初の状態に戻っただけで、どうして高校独立などという突拍子もない行動を起こすのか。

・突っ込みどころその4
 主人公の岬美由紀、今は一般人のくせに、勝手に自衛隊のジェット機や戦闘ヘリを拝借して、口では有罪になってもかまわないような事を言っていたが、結果的にはおとがめなし。君は峰不二子か?


 でも、なかなか面白いことも言っている。以下は、この騒ぎが引き起こされるきっかけを作った犯人のセリフを引用したもの。

・その1:元不良を売りにしている生活指導の教師に対して
「元不良が生活指導!滑稽すぎる。なぜ人は、かって外道と呼ばれた者が立ち直ったことを、過度に賞賛するんだね?駄目人間がまともな人間になったというだけだろう。赤字が収支トントンになったようなものだ。ちっとも威張れることじゃない」

・その2:独立宣言を出した高校内で才能がある者が優遇され、いじめっ子が取り締まられていることに対して
「因果応報とはこのことだな!身体がでかくて声がでかいだけが取り柄のいじめっ子は厳罰に処せられて、知恵のある子は豊かになっていく。社会はこうでなければならん」

・その3:いじめを追放しようとPTAは最大の努力をしているという保護者に
 「追放?努力?はん!こう考えたらどうだ。いじめは犯罪だ。直接危害を加えるのは傷害罪。ひどい場合は傷害致死罪。(中略)傷害罪は十五年。傷害致死罪にいたっては二十年だ。懲役二十年。わかるかな?」

 いずれも、まったく正論だと思うのだが、世間ではなかなか声を大にして言いにくい雰囲気があるように思う。


○応援クリックお願いします。 人気ブログランキング にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ


風と雲の郷 別館「文理両道」は こちら

風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」は こちら







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  May 2, 2009 11:00:54 PM コメント(12) | コメントを書く
[日々の読書(ミステリー)] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: