時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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January 16, 2010
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「カンナ」 シリーズも、QEDシリーズの延長線上にあるものと言って良いだろう。

○「カンナ 飛鳥の光臨」(高田崇史:講談社)


 この物語の主人公は、鴨志田甲斐。QEDシリーズに登場した鴨志田翔一の弟である。彼の実家は、伊賀の出賀茂神社という規模は小さいながらも歴史と格式のある神社なのだが、翔一が後継ぎとなるのを嫌い家を出ているため、甲斐が神社を継ぐことになっているようだ。QEDシリーズで翔一は忍者の子孫と言う設定だったが、当然甲斐の実家も伊賀流忍者の家系である。この甲斐とコンビを組むのが、中村貴湖という現役東大生だが休学中で、出賀茂神社の巫女のアルバイトをしているという口うるさいがかわいいという設定の女の子だ。彼女もまた伊勢服部流の忍者の家系である。そして、彼らと行動を共にしているのが、甲斐の高校の同級生で甲賀流の子孫である柏木竜之介とミニチュアブルテリアながら忍者犬のほうろく。このグループで事件を甲斐けるするというのが基本的な構成である。

 今回彼らが遭遇する事件は竜之介の勤め先の出版社である「月刊歴史探究」で起こった密室殺人。これに、出賀茂神社で起こった社伝盗難事件、そして甲斐が兄ともしたる早乙女諒司失踪事件さらには歴史上の「大化の改新」と蘇我氏にまつわる謎が絡んで、事件は混迷していく。

 読んだ感じは、「忍者がいっぱい」ということかな。しかし甲斐たち新世代は、その前の世代と比べて、ほとんど忍術は身についていないようなのが少しなさけない。例外が貴湖の代謝をコントロールをして、脈や呼吸を長い間止めるというもの。つまりは「死んだふり」だ。これが、作中では結構役立っているのだが、つい、「お前はダンゴ虫か?」と突っ込みそうになる。

 密室殺人事件の方は、「QED 出雲神伝説」のトリックと似ていたが、蘇我氏に関する謎の方は何とも興味深い。しかし、歴史資料を素直に読めば、このような解釈になるんだろうな。

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文理両道
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(本記事は「本の宇宙」と同時掲載です。)







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Last updated  January 16, 2010 11:02:22 AM コメント(4) | コメントを書く
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