時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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January 28, 2010
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 これは、最近の高校生も同じような傾向にあるようで、理科4教科とも必修でなくなった現在では、地学の履修率は7%を切っているという。理工系の場合は、大学入試の選択科目は物理と化学が多いということもあり、この傾向はおそらく今後とも続いていくのだろう。

 ところが、最近になって、昔はそれほど興味が無かった「地学」関係の本をよく読むようになった。今日取り上げる、 「地学のツボ」 (鎌田浩毅:筑摩書房)もそんな一冊である。

地学のツボ(鎌田浩毅:筑摩書房)



 著者の鎌田氏は、京都大学大学院人間・環境学研究科教授であり、この本は、京都大学での教養科目として、文科系の学生が受講者の大半を占める「地球科学入門」という講義をベースに作られたものだということだ。ページを開くとまず、ハワイのキラウェア火山から噴き出す真っ赤なマグマの写真に目を奪われる。大体の内容を想像できるよう、目次の章建てだけを紹介してみよう。

第1章 地球は生きている - 地震と火山
第2章 地球は動く! 地学におけるコペルニクス的転回
第3章 地球の歴史

第5章 大気と海洋の大循環
第6章 地球の外はどうなっているか - 太陽系と地球
第7章 進化し続ける宇宙への探求

 地学の一番の魅力は、そのスケールの大きさだろう。空間的にも、時間的にも、普通の人には想像し難いような広く長い時空のレンジを取り扱う。社会科学や人文科学など、所詮は人間が出現してきて以降の、本の僅かな活動の結果を追っているに過ぎず、地学の扱うレンジに比べれば誤差のようなものだ。これほどのロマンあふれる学問が他にあるだろうか。

 本書の中で、興味深かったものをいくつか紹介しよう。地震を起こすメカニズムとして、プレート・テクトニクスという理論は最近はよく知られているが、最近はこれに加えて、プルーム・テクトニクスと言う新しい考え方が出ているということだ。これは、地球内部のマントル内で、プルームと呼ばれる塊が、大規模に循環し、これが地球の変動と結びついているという考え方である。入門書ながら、このような新しい知見も入っていることが、地学の魅力である。また、海洋深層水の大循環は、最近話題の地球温暖化とも大きな関連があり、この方面に関心のある人は、ぜひともこの程度は知っておく必要があるだろう。

 しかし、「地学」という名前はどう考えてもぱっとしない。以前ツイッターでもつぶやいたことがあるが、「地球科学」と言う名前に変えるだけでも、相当イメージが変わってくると思うのだが。


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Last updated  January 28, 2010 07:11:58 AM
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