時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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August 10, 2010
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瀬戸内海の島に伝わる奇妙な儀式とそれに伴う恐怖を描いたホラーミステリーだ。

○「凶鳥の如き忌むもの」(三津田信三:講談社 )



 今回言耶は、18年ぶりに開催される「鳥人の儀」を見るために、瀬戸内海に浮かぶ鳥坏島(とりつきじま)に渡る。この儀式は、鵺敷(ぬえじき)神社の巫女が大鳥さまと一体になるというもののようだが、18年前に行われたこの儀式では、鳥女という化物が現れて、島に渡った人間は、ただ一人だけを残して消えうせてしまったという。今回儀式をとり行うのは、その時の生き残りの朱音(あかね)の巫女。島に渡ったのも前回と同じ8人。案の定、儀式の最中に、巫女が消えうせ、人々が消えていく。

 まだレビューを書いていない「首無の如き祟るもの」を含めて、このシリーズは3作しか読んでいないが、神とペアで化物が語られている。「厭魅の如き憑くもの」ではカカシ様に対して厭魅、「凶鳥の如き忌むもの」では大鳥様に対して鳥女、「首無の如き祟るもの」では淡首様に対して首無といった具合だ。これは、日本では、神と妖の境界があいまいだからなのだろうか。それとも神は、荒魂と和魂の二面性を持っていることの反映なのだろうか。

 結局は不思議など何もなく、言耶によって真相が解き明かされるのだが、「鳥人の儀」の正体はあまりにもおぞましいものだった。本当に戦後の日本を舞台にした物語かと設定を疑いたくなるくらいだ。

 最後に、この小説、影禿鷲の飛び交う島が瀬戸内海にあると言う設定になっているが、風光明美な瀬戸内海に、さすがに禿鷲は似あわないだろうと思う。一体作者の瀬戸内海のイメージはどんなんだと問い詰めたくなってきた(笑)。


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Last updated  August 10, 2010 09:22:10 AM
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