GOlaW(裏口)

2005/06/02
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「喰われちまったんだよ、お前は!」
 直進する白い光も、ワイングラスに歪んだ像を結ぶように。
 純粋なる思いも、過ぎたる力に歪んだ姿を映す。


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 第五話の道徳的な話と、今回のダーティな話。その両方をやっちゃう『恋におちたら』ってすごいと思います。
 そして私も、その両方が嫌いじゃない。

 …むしろ”陰謀・知略・策謀・暗躍”という、ノアールな匂いに胸がドキドキ言ってます。
 悪の陰謀は、更なる悪知恵と力でねじ伏せるべしっ(←ドラマが違うって、それは)。

 『ロイド』の桜庭が考えていることが、手に取るように分かりますよ(←陰謀物に擦れ過ぎじゃっ)。

 ここから数行は推測です。
 『ロイド・ブラザーズ』にとって、フロンティアを傘下に加え、本社の巨大化に繋げることが目的。
 そのために”もっとも安易・安価で安全な方法”として考えたのが、”離反分子”となる島男を動かすことでした。”島男”を(子会社を与えることで)駒とし、後は煽るだけ。それだけで目的を達しました。
 …つまり、”島男”に求めたのは”体裁の良い離反者”であることだけ。彼の経営者としての能力なんて『ロイド』は期待していないでしょうね。


 高柳もそれには気づいているのでしょうね。そして『(島男を手駒に仕立てるだけの)ロイドの資金力』に恐れをなしたのでしょう。

 そして、それに気づいていないのは島男だけです。
 …無条件に人を信じるところだけは、本当に変わってないですね(呆)。
 『ロイド』や高柳の間では、本当に子供のように見えてしまいました。

 社会の陰謀・策謀の中で生きるにはまだまだ甘いぞ、鈴木島男(←いや、それを叱咤激励するなって…。汗)!

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 確かに島男は完全に高柳を模倣しました。
 その中に、フロンティア初期の記憶がほとんど残っていない(七海との最初の出会いの記憶)と思われます。

 まるで”コンピュータ”のようです。
 最新の演算能力を持つOS(島男)に、基本プログラム(考え方)と拡張ツール(やり方)をインストール(模倣)したようでもあります。
 しかし、彼にはデータ(経験)が無く、そこから演算された自動修正(臨機応変さ)ができません。


 それはある意味では、『他人と自分を型に嵌めることで理解しようとする』島男らしい行動かもしれません。

 そこまで考えたとき、一つの仮定が起こります。

 もしかして『ハイアイランド』売却の時に、これと同じことが起こったのではないでしょうか。
 泣く泣く父親の家業を継ぎ、その時に父親と同じ考え方を”模倣”したのかもしれません。
 …これはさすがに、穿ち過ぎですね。

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 彼は、島男と同じ人生を歩んできたのかもしれません。だからこそ最初は、過去の自分に手を差し伸べるつもりで、彼を営業部にいれたのかもしれませんね。
 そして自分と同じように変化するのを確信し、あるいは願ってもいたのでしょう(『麻薬から逃れられない』発言)。
 …その一方で、自分と違う可能性を望み、自分を引き帰させてくれる事も望んでいたのでしょう(六話での迷い・七話ラストでの落胆)。

 後半にしてようやく、高柳というキャラクターにも惹かれ始めています。

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「プロキシの履歴から、どこにアクセスしていたかを調べて!」
 それ、クラッキング(パソコンへの侵入技術)の応用で履歴ぐらい消せます(おひっ)。
 島男なら、無線ハッキングで遠隔操作できる”自壊プログラム”を自分のPCに仕込んでいそうですね(←そーゆー発想がすぐ出る自分が怖い)。
 株購入に関しても、効率よく使うためのプログラムを組んでいそうです(←それは、さすがに無理だろう…)。

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 左右対称の決別のシーンはやはり印象的でした。
 高柳と同じように『引用』してみせたり、名前呼びをしてみせたり。無骨な男性の手の高柳の手と、華奢な島男の手。
 時に島男の”詰めの甘さ”や、高柳の恐れを詰め込んで。
 クビになったときの、寂しさを滲ませる表情も印象的でした。

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 島男の地位と名声は所詮、IT業界という水物商売の中の産物。それが長続きするとは思えません。
 『ロイド』の干渉力と相打ちになる可能性が高いと予測しています。

 できればシリーズは『プログラマー』と恋愛の両方を手放さないで欲しいと思うのですが…。

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 島男が新しく手を出したのは、ネットゲームとドラマのネット配信。
 …この辺りって、『フジテレビが某IT業者と提携を拒みまくった理由の一つ』だったような(滝汗)。怨念を一瞬感じてしまいましたよ(怖)。

 とはいえ、私も『著作権・肖像権概念の無い国』にはちょっぴり憤りはあります。
 そういった国の執念めいた海賊技術を舐めてるな、島男は(頭痛)。
 国内ですら、『Winny』などの違法コピーツールの氾濫している現在で、ネットドラマの配信が儲かると思わないです(きっぱり)。

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 『恋におちたら』は各話、監督の特徴も強く反映されるようです。
 今回は鈴木監督らしく、CGや魚眼レンズを多用していましたね(鰹の頬が赤いのはうけました)。

 アカウントの消失シーンはそれなりに頑張っていたな…という印象です。
「違うでしょ、ああいうときは画面をいくつも出して、その中に文字を並べて、その文字を虫食いのようにランダムに消去していくんだっ!」
 とテレビの前で力説した自分がちょっと怖かった(←…拘るなよ、そういう部分で…)。

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 97年の『沙庄妙子 再会の挨拶』(フジテレビ系)以来の極悪人モードに突入中の草なぎ君。
 ご本人が短編ドラマのメイキング映像に「自分の顔が怖い…」とつぶやいたというエピソードもあるぐらい、悪役には実は向いています。
 でもまだ、声が甘く柔らかいな…とも思っちゃいました。これから悪役を経験するうちに、変わってくるのかな(期待半分、怖さ半分)。
 前半の状態からここまで変わっちゃうと、それだけで十二分に怖いですけどね。

 次回への楽しみは「鏡を見る」シーン。
 島男の人格崩壊をもう一度観れるかなと期待しています。

 そして、何に自分の『像』を写すのか。それも気になっています。
 一番ベタなのは『香織の瞳』ですが、個人的には『自分で叩き割った鏡』や『汚れた水溜り』がいいなぁ…と思ってます。
 でも一番のダークホースは、『社長室のリクライニングの捻子』でしょうか。

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 ここで、いつも楽しみにしているサイト様をもう一度整理。
『無駄な事なんて一つも無いんだよ。』
 脚本担当の佐藤志麻子さんファンの視点から見るドラマの感想はすごく参考になります。いつも楽しみにしています。

『YASHAファンサイトみまほしの森-改 うぇブログ』
 こちらも佐藤志麻子さんファンのブログ。すごく参考になります。

 そして今回はこちらも読み応えありです。『限界は超えるためにある ~Impossible is Nothing~』より
ヒルズに恋して~改め~恋におちたら!第8話と自分。
 経済に対する鋭い突っ込みは、さすがの一言です。

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 『ロイド』が用意したチェス盤の上で。
 力に『喰われし』黒の歩兵と、力を『失った』白の王が対峙する。
 二人の進路(過去)が交錯し―――チェス盤から去るのは、どちらか。





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Last updated  2005/06/06 08:44:53 AM
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