GOlaW(裏口)

2006/11/23
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 子を愛する。子に愛される。
 普遍的でありながら、これほどまでに尊い物は無い──


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 今回の主役は幸太郎と真樹ですね。
 テルも少しずつ変わろうとしているけれど、今回は幸太郎の心を映す鏡としての役割が大きいですね。

 今回、テルは結局何もしていないんですよね。
 テルはただ単に、幸太郎親子にきっかけを示しただけなんです。

 幸太郎の気持ちが爆発するきっかけを。目標を見つけるきっかけを。
 真樹が幸太郎の気持ちに気づくきっかけを。
 秀治が自分の否を認めるきっかけを。

 ただそのきっかけすら、彼らの中で芽吹くのを待っていただけなのかもしれませんね。

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 幸太郎にとっての絵について。


 母親からはずっと否定され続けていた幸太郎にとっては、『現状の自分』を肯定してもらうことは救いでもあったと思います。

 同時に『絵を書くこと』という、一つの目標が生まれたのだと思います。
 母親が与えることのできなかった、『夢』を。

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 真樹について。

 『自分のため』。
 そのために、幸太郎を勉強に追い込んでいたわけではないのでしょう。
 この学歴社会の中で、『学歴の有無』は確かに子供の可能性を奪いますから。

 ただそうやって『勉強させなければ』と焦るうちに、彼女の視野はどんどん狭くなってしまったのは事実です。
 彼女が頑張るほどに、『幸太郎の学力』以外のものが見えなくなりました。
 幸太郎の『個性』や『思考』、『将来を選び取る力』が分からなくなりました。

 それだけではありません。頑張ることで疲れてしまったのでしょう。真樹は幸太郎の努力の道筋を、『真樹当人にとって頑張りやすい方』へと決めてしまいました。

『ママに恥を掻かせないで』
 幸太郎にとって悪いことだから、ではなく。自分にとって嫌なことだから。
 そう、押し付けてしまったのですね。

 そうなってしまった彼女を、私は決して責めることはできません。




 『真樹当人にとって頑張りやすい方』へ、彼の歩く道を決めてしまってはいけないんです。
 なぜなら、幸太郎本人が、自分の歩く道を決める権限と責任をもっているからです。
 理由は分からなくとも、漠然と『母は自分が歩きやすいように道を決めている』と幸太郎は感じていたでしょうし、だからこそ反発したんだと思います。

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 子供から受け入れられるとは。

 子供は決して、『親の分身』ではありません。
 育った環境のため、『親とよく似た思考や趣味』をしているかもしれませんが、同一ではないのです。

 『子供は、自分と異なる個である』ことを、受け入れた時。
 初めて『自分と異なる個』から愛される尊さを、実感できるのだと思います。

 家族とは、全てを知っていてなおかつ、自分を愛してくれる数少ない人間なのですから。

 真樹が幸太郎の絵を見、『自分が愛されていた』という事実を知った時。
 それがどんなに尊いことなのかを実感したのだと思います。

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 『在るが侭』を受け入れること。

 子供が本当に望むのは、『あるがままの自分で、受け入れて欲しい』ということのかもしれません。
 “無理に背伸びして、それでも伸びることができない自分”を否定されては、自分という個を否定されたのも同じ。
 親から否定されることは、存在意義(レゾンテール)の消失にも繋がりかねないほどの、衝撃なのです。

 だからこそ、『あるがままを受け入れてほしい』と願うのです。
 その証拠として、“ただ、笑って欲しい”と願うのかもしれませんね。

 私も親戚の家に行くのですが、その時に親戚(5歳)から
「Uraraちゃん、笑って」
と言われ、はっとしたことがあります。

 その子を見て、笑顔を見せられること。それだけでも、本当に違うのかもしれません。

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 家族こそが、カウンセラーということ。

 幸太郎はテルに対し、その本音を語ります。
 『言葉の深読みなどができず、他人に語ることをしない』テルだからこそ、幸太郎は全てを言えました。それは一種のカウンセリングでもあります。
 そのカウンセリングを受けることで、幸太郎は自分の言葉で、『笑顔』という単語を引き出せたんです。

 眼鏡屋でテルが言った『笑った顔』という言葉。
 その時、母親を動かしたのは、その言葉が『幸太郎の本心』であったからです。
 幸太郎の本心を引き出し、必要とする時点で受け渡したテルは、無自覚ながらにカウンセラーであったのかもしれませんね。

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 秀治と真樹の夫婦について。

 …一歩間違えたら、徹朗(『僕と彼女と彼女の生きる道』の主人公。家庭に無関心すぎたため、妻に逃げられた)と同じ道を歩いていたんですね。
 ただ、徹朗よりはまだ家庭に関心があった方かな? 徹朗はどちらかというと、『自分の否を認めない』タイプだと思いますし。

 『僕と彼女と彼女の生きる道』の可奈子も、“一人だけで子供を育てている孤独と圧迫感”から破滅したような女性ですからね…。

 前回のドラマでの主題も受け継いでいるのを、ひしひしと感じました。
 …このまま『僕の生きる道』の主題まで来ない、ですよね(…主人公の秀雄も、再検査をしたんでしたっけ。遠い目)?

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 今回、一番吹いたのは
『お父さんは、自分が悪いってわかってても、
 絶対自分は悪くないって言う人だったから』
 というシーンでした。

 …管理人のトラウマの急所を直撃しました。
 …大変なんですよね、そういう人と付き合うのは…(遠い目)。

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 テルに対し、古賀が積極的になりましたよね。
 動機はどうであれ、彼も前へと歩き始めたのだな…と感じました。

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 来週は園長が主役ですね。

 道徳や倫理なんて、最初は子供が大人の真似(ふり)をして覚えるもの。
 真似(ふり)をしながら身に付け、自分の中に真理として取り込んでいくもの。

 だから、『ふりをしなきゃ』と思いつめる必要なんて無いと思うんですけどね…。

 来週、園長がどんな結論を出すのか楽しみです。

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 『在るが侭』を受け入れる。
 それは難しくは無い。
 ただ、そのことを喜び、笑えばいい。





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Last updated  2006/11/23 05:24:42 PM
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