GOlaW(裏口)

2006/12/09
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 血を吐くような本音の言葉。
 言葉に起こせぬ虚偽の自分。
 それを知った時、言霊は真実となり、人は前に歩き出せる。


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 お待たせして、非常に申し訳ありません(平謝り)。
 ということで、12日遅れの8話感想行きます。

 …『僕歩』の回で、今回がもっとも個人的なツボを直撃しました(号泣)。
 年を取るほどに、人は変われない。そのことを知っているから。
 だからこそ、今回の変化は、『偽善が事実になる』という奇跡に、私は胸を詰まらせ、泣きました。

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「コーヒーは嫌なんだけど」

 このシリーズでは『言葉の重さや力』を強く実感させますね。
 特に今回、二つ『言葉の重さ』を実感する場面がありました。

 その一つが『コーヒーは嫌なんだけど』から始まる居酒屋の下りです。



 それを言葉にするのも、言葉として受け取るのも、素面のままでは抱え切れなかったのですね。

 だからこそ『コーヒーは嫌』=『酒の力でも借りないと無理だ』と言ったのではないでしょうか。

 『偽善を抱えて生きること』、『利己主義を抱えて生きること』。
 互いの鏡像のような生き方を、酒ときっかけと、そして言葉が交わらせていきます。


『古賀さん自身は、少なくとも、ありのままだったわけでしょう?』
 こんな複雑な言い回しすら、私はすぐに意味を理解してしまう。
 それほどに、私は二人の言い分も気持ちも理解し、言葉の一つ一つに共感し…号泣しました。


 『利己主義』も『偽善』も、きっと人の心の自然な動き。
 互いに互いの鏡像を見ることで、久保と古賀は自分自身を見つめなおし、互いへの理解を深めていきました。

 互いの態度を認め合う過程を、私は視聴者として共有しました。
 そうすることで、『利己主義』や『偽善』に対する私の自責も、自覚しました。

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 もう一つ、私が『言葉の重さ』を自覚したのが手紙でした。
 『言う』言葉よりも、『書く』言葉の方が、ずっとたくさんのエネルギーと言葉の蓄えがいるんです。

 『言葉にする』とは、己の自覚を促すことです。
 里江の『言葉』を受け止め、返すほどの『言葉』を紡ぐには、久保の中に『事実』が無かったんです。

 彼が手紙を書くことができたのは、真剣にテルに向き合い、『偽善の言葉』を己の中で真実にすることができてからでした。



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 偽善と見栄が真実になるとき。 

> 道徳や倫理なんて、最初は子供が大人の真似(ふり)をして覚えるもの。
> 真似(ふり)をしながら身に付け、自分の中に真理として取り込んでいくもの。

 これ、私が前回の感想で書いたことです。
 確かに始まりは『偽善』でした。周りから押し付けられた『見栄』でした。

 だけど、その『偽善』の影響で、救われた人がいる。
 久保はその影響力の大きさと結果を知りました。そうすることで、久保は『偽善』の内容そのものに向き合い始めることができたんです。

 そして久保は『偽善』で始めた行動の重さと責任に気づきます。
 それを受け止めることができたとき、彼は更に成すべき事に気づくんです。

 久保はテルが危機に立たされた時に、『自分が為すべき責任』を迷わず果たしました。
 その時、『偽善』は真実になりました。


 それと同時に『見栄』でなった上司から、本物の上司にもなったのではないでしょうか。
 自分の行動の影響力を自覚し、危機には責任を果たし、部下には義務を感じられる。
 それこそが、本当の上司です。

 冒頭で『自分の決断の影響力』を見失っていた久保ですが、最後には『本当の上司』になっていました。


 最初は偽りでもいい。それに向き合うことができれば、必ず真実になるんです。

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 『仕事ができない』

 久保は最初、『テルは仕事ができない』からクビになったと思っていましたよね。
 でも、真剣にテルに向き合うことで、事実を知る事になります。

 テルは『できることは確実にできる』んです。
 仕事がまったくできないわけではないんです。そう思ってしまう、回りの無理解によるものだったんです。

 そのことに気づいたのは、『マレーバク』の説明のあたりからだと思います。

 だからこそ、『無理解による危害』にテルが晒された時に、
『今度こそ、この職場では『無理解』から守らなくては』
と思ったんだと思います。

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『無理解で、貶めようとする人々』

 知ろうとさえしないことは、非常に楽なことです。
 目に付く優劣で、人を貶めることは簡単です。

 そして、人を貶めることで、自分を持ち上げるのも。

 高野常務がテルに向けた笑いには、そんな『安易な貶め』が篭められていました。


 きっと多くの人に、そんな感情が秘められています。
『人を貶めて、自分の優位を確認し、その優位に胡坐をかきたい』
 そんな衝動が。

 相手を『生まれ』で、『親』で、『国』で、『趣味』で、『友人』で、『好きな芸能人』で、『肉体的・精神的特徴』で…。
 そんな多種多様な理由で、貶めたり、決め付けたりする人は多いです。

 その決め付ける人間の多さで、或いは発言する声の大きさで、『正当性』を信じて彼らは振り回します。

 …その内容は、弁論術もしくは統計学を齧った人間には通じないほどの、浅はかな理論なのに。


 だからこそ、そんな貶めを行なってはいけないんです。
 そんなことをすれば、自分はそこで止まってしまう。さらに上を目指せなくなる。
 中身の無い理論に縋る安寧に、意味なんて無いから。


 高野常務もまた、そんな『無理解』による貶めで、止まってしまっているんです。


 だけど、動物園の皆は違う。
 他者を理解しようとすることで、自分を理解し始めているんです。
 そうすることで、少しずつ前に歩いているんです。


 私達は『テル』以外にも、理解を示さなくてはいけない人々がたくさんいます。
 安易は貶めを捨て、自分とはまったく違うものを抱えた人を理解しようとしなくてはいけないのでしょう。


 そうすることで、私達は新たな段階へと、前へと『歩く』ことできるんです。

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 宮古の家庭事情。

「宮古の為に別れた」
 …嘘ですね(キッパリ)。
『妻から離婚を申し込まれた』
か、
『若くて綺麗で、都合の良さそうな女に乗り換えた』
かのどちらかと見ました(←言い切るな)。

『相手の人間性を見ないで結婚し、結婚後に人間性を否定する』
という久保の態度は、さすがに非道いと思いました。

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 さて、ビデオが待っています(汗)。
 できる限り早く見て、感想をUPしようと思います。

 それまで少々お待ちください。

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 己の中に、言葉にできるだけの中身を得たとき。
 人は、歩き出せる。





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Last updated  2006/12/09 10:13:11 PM
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