GOlaW(裏口)

2009/06/06
XML



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


◆ 科警研。

 これほどまでに心揺れるキーワードがあったでしょうか。いえ、ありません(きっぱり)。
 『科捜研の女(テレビ朝日系)』『警視庁鑑識班(日本テレビ系)』シリーズにハマった人間にとって(一時期、当サイトの小説のネタ用に使われた技術をノートに書きだしていた程の熱中人にとって)、これほどまでにガッツポーズを取った題材はありません。
 余談ですが関西では『鑑識班』の連続ドラマシリーズの再放送もあり、夏には。

 かくして私は非常に胸を高鳴らせながら、このドラマを見ることになりました。……TBSの刑事ドラマを見るのは、『特命!刑事どん亀』以来久しぶりです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆ マインドリーディング・トリック

 実際の九十九が遭遇する事件は、手品を彷彿とさせるトリックが多いようです。
 たとえば、『右手に種を仕込むなら、左手を大きく振れ』という鉄則。爆破事件をできるだけ大きくすることで、カジノへ向く視線を減らし、結果的に関連性をぼやかせるということ。

 そしてそれ以上に『手品で重要な心理トリック』が多用されているのが印象的です。

 情報を少しずつ与え、偽の情報を構築させてみたり。
 個々の情報が正しくとも、それが起こるまでの状況の説明にはならないなど。

 それらの事件をひも解く九十九の姿は、手品の禁断のトリックを説明するようにも見えました。

 ちなみに今回九十九が言った内容は、手品の基礎であるのはもちろん、小説を書くのにも応用できます。
 映画などの台本も、このような『人の意表を突く』ための技巧が凝らされています。九十九の言葉をヒントに観察するのもちょっと楽しいかも知れません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


◆ 少しだけ、怖くなる

『少しずつ情報を与え、考えさせる。そして自分が考え付いたことならば、疑わない』
 少しだけ、怖くなりました。
 私達はそうやって、いくつの事実を誤認しているのだろうと。
 そしてメディアなどに、どれだけ情報操作されているのだろうと。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


◆ 科警研


 科捜研、というのは京都府警の管轄下の科学捜査研究所のこと。科警研と同じ役割をこなす場所です。

 『科捜研の女』ではそこの調査官がいろんなジャンルの捜査を数人で兼任してこなしていました。また、その調査の理論を細かく説明してくれるので、それを見るのもすごく楽しみだったり。
 建物は普通の研究棟。
 地味なんですが、それがまた味になっているドラマでした。

 それとは違い、このドラマは建物や中の様子も奇抜。タッチ操作の画面など、新世代の建物を感じさせます。

 彼らを見て思わず、『患者の医療に携わりながらも、その一方で論文を書いている』大学医を連想しました。

 そんな不思議な空間の、研究肌の人達を九十九がどう変えるのか。それがすごく楽しみです。 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


◆ 九十九という男、木村君の役

『彼が知りたいのは、自分のことだ』
 このドラマでまず私が感心したのは、主人公の設定でした。
 九十九が事件に関わる動機、それに次回以降に引っ張るだけの謎をちゃんと籠めた設定ですね。
 主人公の設定と主題、ドラマの細部がしっかり噛みあっていると、それだけで安心して見られます。

 木村君って記憶絡みのドラマ(『眠れる森』『空から降る一億の星』)が多くて、『記憶』ネタ好きの自分にはすごく嬉しい。
 そして記憶もまた、脳の機能の一つです。これまでの役での経験が、今回の役作りにいい影響を与えてくれると思います。

 いろんな好みも真逆になり、それでも空気が読めなくて。
 でも妙な気の使い方をするところは変わらずに。
 そんな変則的な二重人格ネタに、管理人はノックアウトされています(惚)。

 ところで彼の反応を見て、サヴァン症候群を連想しました。
 脳に障害があることを補うように、芸術や記憶力に優れる病気がサヴァン症候群といいます。

 九十九もまた、脳の一部に損傷を受けたことで、他の部分が補うように動きだしました。
 そのことに恩恵も受け、恐怖も受ける九十九。その葛藤がこれから出てくるのかと思うと、すごく楽しみです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


◆ 直前のイメージ、そしてフェイク

 九十九が真犯人を追いつめるために使った方法は、犯人が使った手腕の裏返しでした。
 直前に『犯行現場』の写真を見せることで、次に見せたものも『犯行現場』と錯覚させたのです。

 また、『不十分な技術で取った証拠など物証にならない』という確信も、犯人を協力する気にさせたのでしょう。
 協力的な態度をとれば、たとえ自分にとって不利な証言が出ても、後の公判でも無実だと思わせることができるから。

 だから『知らない』と答えることに抵抗が無かったのでしょう。
 研究段階の、物証として弱い機械に頼ることなく。その言質を取ることでアリバイを消滅させる手腕。
 それはある意味、手品師の手法だとも思えました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 個性派だらけの科捜研。
 研究肌の彼らが九十九の影響でどう変わっていくのか、楽しみです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 綻びから見えた真実から、さらに奥へと――脳の真理へと彼は手を伸ばす。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009/06/14 05:22:56 PM
[その他、芝居(ドラマ・映画・舞台)] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Free Space

 こちらはSMAP、ケディ・ティン、チェヨン(ジニー・リー)ファンの管理人によるHP、
GOLAW の裏口になります。
 よろしければ正面玄関にも足をお運びください。

 なにかあれば、Web Crapでお知らせください。(ブログコメント欄は閉じています)

西遊記関連の記事一覧
その他のドラマ記事一覧



このブログおよびHPの画像は全て 素材サイト様 のものです。無断使用禁止。

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: