GOlaW(裏口)

2010/06/26
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「あの子、日本に連れてきたの、あなたでしょ」
 戯れに拾った子猫を捨てるように。彼は『代役がいるだろう』と言った。


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◆ デジャブ

 『父親に逢うという夢を見せ、叶えた次の瞬間に目の前で奪い、追放した』葉月蓮介。
 『日本で憧れのアイドルと一緒に歌うと言う夢を見せ、叶えた次の瞬間に目の前で奪い、インドに追放した』ウリナリスタッフ。
 あまりにぴったりと重なる符号。脚本スタッフによって意図的に重ねられたとしか思えないまでの一致に、私の胸の中には激しい怒りが渦巻きました。


>「あの子、日本に連れてきたの、あなたでしょ」
 私は画面の前で息を呑みました。
 ああ、この言葉。まったく同じです。私がケディを応援しながら、スタッフに心の中で叫んだ言葉と。
 私の時は年(精神年齢)相応に怒り狂うことしかできなかったけれど、真絵美は社会人としての冷静に指摘していました。……彼女がシュウメイの味方で本当に良かった。



> あいつの想いを無駄にしたくない」
 今だから分かる。『ウリナリ』の脚本家スタッフだって、弄ぶためだけにケディを上海から日本へ連れてきた訳じゃない。
 あの脱退を掛けた不可能な条件(『シングルを74万枚売ったら残留。ただし同時発売のアルバムにも同時収録』)だって、きっと葉月にとっての広告と同じ。
 不条理な条件に立ち向かう姿を描くことでケディを魅力的に見せ、その後のインドを中心とした『南々見組』での活動での求心力にするためだったのだと、今では信じています。


 あの時、『ウリナリ』のスタッフがヒールを引き受けたのだって、きっと葉月と同じ理由ですよね。
>「上手くいくか分からない」
 だから最初からそうだとは言えなかった、と。
 でもあの時の私はあまりに幼すぎて、『ウリナリ』スタッフを信じられなかった。ケディも『中国の受験戦争』を理由に『南々見組』からも脱退しました。
 結局、全く上手くいかなかったから、『ウリナリ』スタッフはヒールのまま印象に残ってしまったけれど。

 葉月の言葉こそ、あの時の『ウリナリ』スタッフの本音だったのですよね?

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 日本語同士ですら、言葉で想いの全てを伝えるのは難しいですね。
 文法間違い、推敲忘れによるぶった切り、人による言葉のニュアンスの違い――っていうのは私の事ですが(滝汗)、そういったことから正しい想いが伝わらなくなってしまいます。

 ましてや、異国の言葉になれば、正しく伝えることは難しい。
>「オブラートに包んだら分からないでしょ」
 そう、細かいニュアンスを異国の言葉で理解しろという方が、無理を言ってるのかもしれません。



 難しい発音をしっかり覚えて、まっすぐ伝える真絵美も。
 ただ一言を丁寧に書き写すことで、ひっそりと伝える蓮介も。
 その言葉だけは絶対に間違ったニュアンスを入れずに伝えたかったんです。

 毎回、脚本スタッフの言語の扱い方が上手くて、本当に舌を巻きます。
 うん、今回の二人の言葉は特にすばらしかった! 言語フェチとして、大満足です!

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◆ 恋するレゴリス・デザイナー

 どんな無茶を言っても、それが自分への甘えだと分かっているから。
 どんなに酷い事を言っても、本音がそこにない事を知っているから。

 蓮介と対等に張り合える理由には、まるで恋のような信念がそこにあるんですね。
 いえ、それは『友人としての理解』ではなく『恋愛相手についての、他に対する優越感』でもあるのでしょう。

 シュウメイが現れ、彼女の前に『自分の知らない蓮介』がいる事実。
 そのことがきっかけで初めて気付いてしまったのでしょう。


 友人としてシュウメイを大切にする真絵美。
 時に蓮介を庇うような発言をしながら、シュウメイと彼の距離を近づける真絵美。
 それは彼女の恋心から矛盾しているけれど、『自分の好きな人と、友人が仲たがいしてほしくない』という想いが優先されたの事でしょうね。
 その矛盾がどんどん彼女を苦しめていきます。

 彼女が風見に振りむいてしまったのは、孤独から逃げるため? あるいは葉月への恋愛感情を否定するため?
 あるいはその両方なのかもしれませんね。

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◆ 同じ条件だから

 父親が産業スパイをしていた事実に傷つく柚月。
 彼女ははじめ、まっすぐに警告に行きます。……自分はあなたを守る、それを証明するために。
 ですが柚月はまったく相手にされず、そのまっすぐな想いは歪むのです。――同じ条件なら決して負けない、と。

 シュウメイと全く同じ条件の広告で、モデルとしての力を見せる。
 それさえ見れば、自分の方がずっと魅力があると気付いてくれると信じて。


 ですが彼女の想いは裏切られます。
 彼女は『家具があって、自分がある』、主役が二つの広告にでることになり。
 シュウメイは『ただ、シュウメイだけを映す』広告に出ることになりました。

 その広告を見て、柚月は気付いてしまうのです。……シュウメイは、ただその単品だけで張り合える力をもっているのだと。


 彼女としては『君のおかげ』と言われても嬉しくなかったでしょう。
 柚月が、シュウメイの魅力に気付かせたということになるのですから。

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◆ 偽りの恋、膨らんで

 シュウメイの中で今、復讐と愛のどちらが大きくなっているのでしょうか。

 『芝居とは心の追体験学習』とは私の持論ですが、好きだという気持ちを演じることで、『偽りの好き』がどんどん膨らんできてしまったのではないでしょうか。

 『復讐』さえも厭う気持ちが、彼女のストライキにつながり。
 混乱してきた彼女は『復讐のため』という言い訳のために、『怒っていない』といい。

 自分の本音さえどこにあるのかを分からなくなりつつ、葉月への信頼を囁き続けるのです。


 そして。
 シュウメイの父親の事を聞き、とうとう彼女は葉月を許してしまったのですね。

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「あいつの想い、無駄にしたくない」
 企業家としての冷徹な仮面が、少しずつ変わり始める。





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Last updated  2010/06/26 10:19:51 PM
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