
普段はゴルフのことばかり書いていますが、今回は少し真面目な番外編です。
最近、市販薬として販売されるようになった「プロトンポンプ阻害薬(PPI)」について個人的に思うところを書いてみます。
タケプロンSやオメプラールSといった薬は、 プロトンポンプ阻害薬(PPI: proton pump inhibitor)
に分類される薬です。
これらは、消化性潰瘍の第一選択薬とされており、胃粘膜壁細胞のH+分泌の最終段階であるプロトンポンプ(H+/K+-ATPase)を特異的に阻害し,H2受容体拮抗薬(ガスターなど)よりも強力に胃酸分泌を抑制します。
従来この薬は、医師の診断を受けて処方箋がなければ手に入らないものでした。
しかし最近は OTC 化が進み、ドラッグストアでも購入できるようになっています。
「市販で買えるようになった」というのは便利であり、多くの人にとってPPIが身近になった変化です。
PPIが効くのは、消化性潰瘍(胃・十二指腸潰瘍)、胃食道逆流症(GERD)、ピロリ菌の除菌補助などに使われます。
私自身、社会人になってから胸やけや胃の痛みを感じるようになり、上部内視鏡(胃カメラ)を受けました。
その結果、 GERD Grade M と診断され、医師からPPI(確か、ネキシウム)を処方してもらいました。
薬を飲んでいる間は症状がかなり改善し、「こんなに楽になるのか」と感動したほどです。
本当に便利で、生活の質を上げてくれる薬だと思いました。
ただし、その便利さと同時に 危機感 も覚えています。
なぜなら、胸やけや胃の不快感の背景には、時に胃がんなど深刻な病気が隠れていることがあるからです。
実際に「オメプラゾール」の 添付文書
には
「 8.3
」
と書いてあります。
PPIを飲めば症状は抑えられてしまうため、「大丈夫だろう」と思ってしまい、受診が遅れるリスクがあるのです。
実際、GERD持ちの自分にとっても「薬を常備できたら安心」という気持ちは強くあります。
けれど、同じくらい「隠れた病気を見逃さないようにしたい」という強い思いもあります。
「病院に行かずに薬を買える」のは確かに便利です。
ただし、 人生で初めてこうした症状が出た場合や、症状が長く続く場合・繰り返す場合には、自己判断で済ませずに必ず受診することが大切です。
市販化は生活を助けてくれる一方で、「気づきを遅らせる可能性がある」という点を忘れてはいけません。
処方なしでもPPIが買えるようになったのは、GERD持ちとしては正直ありがたいと感じます。
でも同時に、「本当に薬だけで済ませていいのか?」という危機感もあります。
初発時、症状が繰り返すときには、薬に頼り切らずにきちんと検査を受けること。
その意識が、健康を守るためには欠かせないと思います。
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