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農業事故の多発の遠因は。N農業論すみ 過去30年にわたって、農作業中の死亡者を毎年400人前後も出し続けている日本の農業界。そんな事故のなかで特筆すべきは、トラクターとともに転落する事故のケースが群を抜いて多いことです。その原因として考えられるもとして、たとえば操作ミスがあります。また最近では農業者の高齢化もあるでしょう。しかし事故の遠因としてなにより危惧しなければならないのは、〔日本の地形を無視した形の〕農地の大規模化にもあるのではないのかと、私は思わずにはいられないのです。そんな話しの再録ですが、ご参考までによろしかった。 ↓『連休になると思い出す、ある農作業中の死亡事故。』田植えの時期となる5月になると、思い出すニュースがあります。それは2007年5月24日のニュース・・・ 『23日午前10時50分ごろ、山形県酒田市北俣の農道で、田植え機を運転していた 東京都足立区本木、浪曲師・玉川福太郎(本名・佐藤忠士)さん(61)が田んぼに落ち、 田植え機の下敷きになって、低酸素脳症のため、同日午後10時18分、死亡した。 県警酒田署の調べでは、福太郎さんは同市北俣にある妻の実家へ農作業の手伝いに 来ていたという。』 というものです。 農作業がお好きだったという玉川福太郎さんのご冥福を祈りつつ、考えるのは、日本農業における農業事故多発の現実です。そう、過去30年来、農作業中の死亡者が毎年400人前後もでている日本の農業界・・・これはつまり「悲惨な死亡事故が日本のどこかで毎日起きている」ということにほかならないのですから。 わたくしの現場の経験から考えられる、事故が減らないもっとも大きい理由・・・それは、なんといってもまず日本が山国であることです。 傾斜のきつい農耕地における農業機械をつかった農作業では、事故は起こるべくしておきるもの・・・それは多くの農業死亡事故が、農業機械とともに転落した場合の圧死であることから容易に推察できるのです〔この傾向は農業機械が大きくなるほど増加します〕。 現在の出版界には、農業の大型化だけを進めれば万事オーケーという景気の良い話だけを主張する動きがあるようです。しかし、まずは足元の身近な現場の問題を〔たとえば農作業事故〕着実に改善していくことこそが大事なのではないのかとわたしには思えてなりません。そのような産業としての基礎固めをおこなうことこそが、日本の農業に新規就農者を呼び込み発展させていくために必要なことだと思うのです。 農作業事故を減らす、そのためには・・・まず日本では農業事故が多いという事実の認識、そして自ら行う事故防止努力が大切です。 新規就農を予定されているみなさまは、自分が就農しようとしている農業の業種に適応した機械の操作に対する訓練を、できれば就農前に充分に積まれてください。すでに就農されている皆様には、 農作業の『馴れ』と『疲れ』は避けるべきもの、体調管理には万全を期されてくださいね。そして農業法人に就職された方には、「ヒヤリ・ハット」と、「指差し確認」の 実行を お忘れなきよう。 農業者の場合は、そのほとんどが経営主。事故は自己責任になりがちなのですから。 そんな農業の危険性を指摘せずに語られる農業論って 農業の現実にそぐわないよな って思うんです。 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
2012.05.30

中西部ばかりが米国の農業モデルではない。N農業論すみ 農場の大規模化を実行するには、作物の単一化をはかり、農業経営の集団化を行う必要があります。 そういった農業の現実のモデルとなっているのはおそらくは、米国の平原地帯で行われている麦や大豆の見渡す限りの大面積の圃場において、大型農業機械を使って行う農業なのでしょう〔オーストラリアは水の供給に難があるということで〕。 しかし、そのモデルである米国だって、あのイメージの農業が 出来る土地が、農地のすべてではありません。大面積での大型農業機械を使った農業は、実は米国の平原地帯の農地の60%程度で行われている農業にしかすぎないという現実があります。 ちなみに米国の残りの農地では、具体的には次のような農業が展開されているんです。 ● 米国東北地方 酪農、ブロイラー、果実・野菜 ● 五大湖地方 主要酪農地帯 ● アパラチア地方 たばこ、落花生、肉牛生産、酪農 ● 南東地方 牛肉、ブロイラー、落花生、野菜、果実 ● デルタ地方 ブロイラー、大豆、綿花、米、さとうきび ● 山岳地帯 牛及び羊の酪農、小麦、干草、てんさい、 ジャガイモ、野菜、果実 などなど。そして州としては、たとえば ● ワシントン州・オレゴン州 小麦、果実、じゃがいも ● カリフォルニア州 酪農、野菜、果実、綿花 といったところ・・・。 このように米国においても、それぞれの地方では、土地それぞれの風土に合った作物が植えられたり、家畜が飼われたりしています。つまり適地適作の農業が展開されているわけです。 そんななかでですよ、 ただでさえ耕地面積が少なく山国である日本の国土で展開される日本の農業が、あえて平原地帯の米国の大型農業を目指さねばならないという理由は、いったいどこにあるのだというのでしょう。 百歩譲って、どうしても米国の農業を目指さなければならないとするならば、平原地帯ではなく、たとえば米国の山岳地帯の農業をお手本にするのが現実的はないのかと、わたしはそうおもわずにはおられないのです。 日本の地形からみたら、そう考えるのがまともでしょう? → 前回分は こちら 。 NHKさん。“米国中西部以外での農業”も見たいんですよね、 いち視聴者としては。 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
2012.05.30

大型機械を使った農業は日本向きなのだろうか。N農業論すみずらっと並んだ大型コンバインが見渡す限りの黄金色に染まった小麦、あるいは見渡す限りの熟れた大豆を収穫する風景を、テレビなどでご覧になったことはありませんか。農業問題を取り扱った番組で流されることの多いお馴染みの光景ともいえます。この映像イメージは、主として米国の平原地帯での農業の姿です。いわゆる大平原での、大型機械を使った単一作物を栽培する農業における収穫風景ですね。そしてこの画面で想像されるこういった農業のイメージが、いまや多くの日本人の頭の中で想像される理想の農業にあたるのではないでしょうか。しかし実際のところは、こういった農業を、そのまま日本にあてはめるわけにはまいりません。なんといっても地形の問題があるからです。日本は、その国土に占める平野の面積といえばわずかに約25%、残りの70%近くが山間部という地形です。そう、日本は島国であると同時に、なんといっても山国であるために農地面積が少ないとい特徴があるのです。ただでさえ少ない平野では、人口増加や都市化にともなう開発が行われ、結果として、日本の国土のうちの農地面積は国土面積38万平方キロメートルのうちのわずか13・5%にしかなりません。米国の39・4%やオーストラリアの59・3%とは、比べるべくもなさそうです。では広大すぎる米国やオーストラリアではなく、山国であるスイスや、スイスほどではないにしても山がありそうなドイツやフランスを含むEUと比較ではどうでしょう。EU全体の農地面積の割合は、日本と同じく30%程度ではないかと思ってしまいそうになりますが、じつはEU全体の国土面積に占める耕地の割合は65・5%もあります。では同じ島国である英国はどうでしょう。しかしです。英国にいたっては、国土面積に占める耕地の割合は69・6%もある。こちらも日本よりもはるかに広いのです。具体的に耕地面積を比較してみると、ドイツは日本の3・6倍の1701万ヘクタール、フランスは6・3倍の2943万ヘクタール、前述の島国にであるはずのイギリスでは、3・6倍の1696万へクタールにもなります。・・・・。ここまで各国と比較して日本の農業のおかれている地形の特殊事情をご説明しました。そのうえで思うのですが・・・このような地形の日本では、大型機械農業を柱とした〔一般的に強い農業だと考えられている〕農業政策を推し進めるのは現実的に無理がある・・・と、そう思われてならないのです。不定期に つづく。 前回分は こちら 。 とくにNHKさんの討論番組でありがちな・・・・米国農業といえば 繰り返し流される“米国中西部での農業”。あれって洗脳っていっても いいんじゃないかと思うんですよね/苦笑。 意図があったり?「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
2012.05.30

日本には、いろいろな農家と農業があります。N農業論すみ 野菜や果樹などの労働集約型の農家は、土地をあまり必要としません。むしろ労働力の限界から、農地を利用しきるためだけの目的で、水稲などを作付けしなければならない苦労まであります〔荒らすとまわりの農業者からのクレームがきたりするんですね〕。もっている土地が余ってしまう場面もあるわけです。ですから、このあまっている水稲を作付けする水田について、土地利用型農業を目指す農業者に貸し出したり作業委託を頼む場面があります。 反対に土地利用型単独農家では大規模な土地がなければ生計を立てられません。たとえば1haほどの農地では農業所得は生じず、5ha以上でなんとか、10ha以上の農地があって初めて農業所得が500万円程度になる。 そこで 労働集約型の農家が、土地利用型単独農家に土地を貸す場面がでてくる わけです。これでどちらとも経営がうまくまわる。 いっぽう、労働集約型の農家というほどでもなく、土地利用型単独農家でもない農家もいます。たとえば水稲の時期にはイネを作り、水稲が終わるとキャベツや野菜などの葉物野菜や小面積のハウス栽培で野菜をつくったり。これでも経営がなりたつ。 また、1haほどの土地を持ち、〔自分のウチが食べる分+α 程度の〕野菜や米の作付けだけをする程度の兼業農家もいます。また年金収入で暮らしている後継者のいない農家もいます。これもまた農家であるわけです。ほかにも畜産を中心におこなう畜産農家もありますし、加工事業が経営の柱となっている企業家然とした農家さんもいます。たくさんの耕作放棄地ばかりを管理する不動産屋さんのような農家さんすらあります。このように、ひとつの集落にはいろいろな農家と農業があるわけです。しかしくくりでいえば、全部が『農家』でありますし、おこなっているのは『農業』であるわけです。というわけで、まずは 『日本にはいろいろな農家があるという現実と、そのいろいろな農家が経営する農業がある』というお話しでした。 語る方と聞く方とに、このような↑ 日本農業の実情の共通認識が あったうえではじめて、農業の問題が語れると思うのです。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
2012.05.30

「ギラン・バレー症候群」についてのこんなはなし。Hすみ安岡力也さんの訃報によって注目されることになった「ギラン・バレー症候群」。そんな「ギラン・バレー症候群」について、その発症原因についてのはなしです。4月分の再掲載ですが、よろしかったら。安岡力也さんのご冥福をお祈りしつつ・・・。 ↓『手先や足先が急に動かなくなります。数日のうちに動かない部分が 段々と、体の中央部に向かって進行していきます。私の場合はその まま呼吸筋まで麻痺し自分で呼吸できなくなってしまいました。 もちろん顔面が麻痺して、見たり、しゃべったり、食べたりするこ とができなくなるのです。私の場合はさいわい1ヶ月ぐらいで完治 しましたが、1年以上たってもなかなか回復せず、場合によっては 足や手に運動障害が残る人もいます』これは罹患した患者の体験談ですが・・・。こういった症状を引き起こす病気が ギラン・バレー症候群 なのです。日本での発症は、年間約2000人前後といわれている免疫系の病気であるこのギラン・バレー症候群は、かかる原因も、病状も、そして回復にかかる期間も個人によってまちまちであるという点が特徴でもある病気です。そして、このギラン・バレー症候群の症状をヒトに引き起こさせる原因ではないかといわれているものに カンピロバクター食中毒 があります。 その原因とされる理由ですが、カンピロバクターとギラン・バレー症候群の因果関係に関する研究報告については、つぎのようなものがあります。■ 1982年・英国 45歳の男性がカンピロバクターによる下痢症状がみられてから 15日後にギラン・バレー症候群をひきおこす■ 新潟大学 1990年にカンピロバクター感染後のギラン・バレー症候群患 者2名を報告。1991年に同7名を報告■ 都立衛生研究所 抗体検査結果から、ギラン・バレー症候群患者52名中31名の カンピロバクターの陽性反応が確認■ その後の米国の研究統計 ギラン・バレー症候群患者の10~30パーセントがカンピロバ クター既感染者であり、その数は425~1275名と発表されたと、いったもの。このようにカンピロバクターとギラン・バレー症候群の間の因果関係に関する検証は、ここ30年でようやく解明されつつあるといったところなのです。さて、そのような結果を踏まえていえることですが・・・ギラン・バレー症候群を発症したくないのなら、まずはレバーや肉類を“生”の状態での摂食を避けることが、とりあえずはいちばんの予防法になるということでしょうね。 厚生省の関連ページは こちら 。 今回の「ギラン・バレー症候群」をはじめとして、生レバー規制問題 の主因となった病原性大腸菌。さらには鳥インフルエンザや新型イン フルエンザの問題もそうですが・・・工業的な大型畜産のあり方には 人類が負うべきリスクが多すぎるような気がしてなりません。「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
2012.05.26

植物はヒトの都合に合わせて養分を吸うわけではない。Kすみ 「栄養分をやり過ぎても、植物には支障がないのではないか」という質問と、「作物が枯れないかぎりは、できた作物を食してもいいのではないのか」という質問をいただきました。・・・が、そんなことはないんです。やはり植物にも、養分を取りすぎて、生育がうまく行かない場合がある。そのような作物を食べ続けることによってヒトに影響がでることもある。そんなケースを説明してみました。よろしかったら、ご参考に。 ↓ 土に栄養が過ぎる状態が続く 〔土に養分が溜まりすぎる〕状態が続く と・・・つぎのような作物の症状が表れることが ままあります。 ● サトイモのイモがまったくなっていない ● ミカンを植えたが、実がならない ● サツマイモのつるだけがのびる ● イネがのびて、穂は遅れてでたが倒伏した ● お花の咲く時期に花がこない こういった状態は「樹ボケ」や「ツルボケ」とよばれてきました。 養分があればあるほど、吸っちゃう。身体を大きくする方向へ進んでしまうわけです。 では、どうすればいいのでしょう。 最初に土の検査をやって、その作物にとって必要な養分を検査するという方法があります。その後必要な養分しか やらない。 またこんな方法もあります。 生育にあわせて肥料を分けてやる。 植付け前にある程度施して ↓ 樹ボケ、ツルボケにならない程度の生育をはかり ↓ 花芽がつきはじめた時点から ↓ 植物が利用できる程度に少しづつ ↓ 生育に合わせて肥料 をほどこしていく と、いうやり方ですね。 というふうに、植物が利用できるくらいの適度の養分を やっていくということが、 植物にとっても、ヒトにとっても、自然環境的にも、 やさしい ということになります。 さて、そして・・・「有機」なら話は別だろうと かんがえているあなた。 有機の元肥一発施肥が、樹ボケ、ツルボケをひきおこす危険性は一番高いんですよ。注意が必要です。たとえ実がならない植物〔葉物のホウレンソウやコツナとか〕でも、硝酸が過剰になる場合もありますから、気をつけてくださいね。 生ゴミリサイクル肥料をつくられている あなた。こちらも、いっしょですよ。いじょう、「栄養分をやり過ぎたら、植物にも支障がでる」し、「その支障がでた植物を食べ続けると、ヒトにもいずれ支障がでる」というお話しでした〔これは放射性物質にも、カドミウムや水銀にも通じる話ですよね〕。 逆にですね、土に溜まっている養分を抜くという農業も 現実には存在するんですよ。 「本当は危ない有機野菜」「夢で終らせない農業起業」
2012.05.17

大量の有機物でおこった環境破壊のいち例。Hすみ熊楠の詠んだセンダンの歌 関連でとなります。よろしかったら。。 ↓昭和天皇と南方熊楠ゆかりの神島・・・その神島の植生が危機に瀕しているのをご存知ですか?有機物が無制限に入り続けたがゆえの環境破壊の実例は こちら。時系列で どうぞ。 ■ 神島にふん害 テグス糸の再設置検討(2010年1月28日) ↓ ■ 神島にテグス糸張る 田辺、鳥のふん害防止に(2010年2月9日) ↓ ■ ふん害にテグス効果 国指定天然記念物「神島」(2010年7月7日) ↓ ■ ふん害防止で釣り糸張る 天然記念物の神島(2010年11月11日) ↓ ■ 神島でまた斜面崩落 9月の台風影響か(2011年10月7日) ↓ ■ 鳥類の飛来防止にテグス 天然記念物の神島保全(2011年10月29日) このまま食料輸入を続け、その残渣を“まずは土づくり”とばかりに、 土中に投入しつづけていくものだとするば・・・日本列島もいずれは 神島のようになっていく可能性もありそうですよね。「本当は危ない有機野菜」「夢で終らせない農業起業」
2012.05.14

日光と、汚染されていない水があれば。Kすみ 日光の大切さを確認した分 の つづき、清潔な水が作物栽培のポイントだという話しになります。それを実感するために、ここでは水栽培をご紹介します。 ↓ ヤサイの種をさっとまいての水栽培・・・スプラウト栽培っていいですよね。 ヒトにとって手軽で新鮮なミネラル供給源となりえます。また最近ではスプラウトでしか摂れないスルフォラファンなんていうものもあるみたいですし。 いろいろな培地が利用できますが、重要なのは 清潔 。いかにすれば、清潔なスプラウトが得られるのかを考えるのが栽培の ポイントとなります。 そして栽培中に清潔さが保てるという条件さえ整えれば、いろいろな 培地で栽培を試してみるのも、おもしろいですよ。たとえば農業の「水耕栽培」では、〔水だけをながしたタイプ以外の〕水耕栽培の培地として、スポンジや砂・石・焼き物・おがくず・杉皮・モミガラなどといったさまざまな素材が使われています。 神経質にならなくとも、かたぐるしくかんがえなくとも、とりあえず清潔な水に留意すればだれにでも植物栽培はできるということにほかなりません。 まずはスプラウト栽培を体験されることで、「植物の体を支えられるものであれば、植物の育つ培地は土でなくてもかまわない」という現実を体験されてみませんか〔ことがおこった場合でも、日光と汚染されていない水があれば、なんとかなるということですね〕。 水を汚染しないこと。これが基本となります。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
2012.05.08

肥え過ぎた土の養分を抜くのも農業。Gすみ 肥えすぎた土地を、痩せさせることも、また農業です。 そのまま作物を植えつけると、作物が「樹ボケ」や「つるボケ」の状態になるほどに肥えている土地の土は、改善しなければなりません〔硝酸態窒素が地下水に乗って放出されることで環境を汚染するのを防ぐためでもありますから〕。 どうやって痩せさせるのか・・・まずは過剰になっている養分がなにであるかを調べ、その養分だけを土地に施さないという方法があります。その上で作物を植えつける、収穫する。これを繰り返していけば、過剰になっていた成分は確実に減少していきます。 極端に肥えた土地では、特別な植物を使う方法もあります。 たとえば、生育するにあたって、肥料分を多く必要とする家畜の飼料作物を育てます。またそんななかでも、とくに養分の溜まりやすい傾向にある『家畜ふんたい肥を数十年にわたって連用し、カリや塩素、そしてナトリウムが過剰になっているハウス』では、水を貯めてイネを栽培してもらったりもします。 このように、飼料作物やイネといった作物を育てて、そして収穫し、〔ここからが重要〕その土地から持ち出すことで、土地を痩せさせていきます。 このように、土地に過剰蓄積した窒素や塩類を除去することを『除塩』といいます。そして除塩に利用する作物のことを、〔土をきれいにしてくれるという意味から〕『クリーニングクロップ』とよびます。クロップは作物という意味ですから『クリーニングクロップ』とは、土地をクリーニングしてくれる作物ということになりますね。植物って、使いようですよね。 ・・・まあ しかし、です。 よくよく考えれば、はじめから、栽培しようとする作物に適量の養分を入れておきさえすれば、このような手間をおこなうこともないのです。 そのことを常に頭において、土の肥やしすぎに注意して 営農しようではありませんか〔なんだかヒトの肥満の話も似ていますよね/笑〕。 どれくらいの効果があるのかは、よくはわかりません。が、『放射性 物質に対するヒマワリ』なども、ある意味クリーニングクロップ という ことになりますよね。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
2012.05.07

植物はヒトの都合に合わせて養分を吸うわけではない。Gすみ 「栄養分をやり過ぎても、植物には支障がないのではないか」という質問と、「作物が枯れないかぎりは、できた作物を食してもいいのではないのか」という質問をいただきました。・・・が、そんなことはないんです。やはり植物にも、養分を取りすぎて、生育がうまく行かない場合がある。そのような作物を食べ続けることによってヒトに影響がでることもある。そんなケースを説明してみました。よろしかったら、ご参考に。 ↓ 土に栄養が過ぎる状態が続く 〔土に養分が溜まりすぎる〕状態が続く と・・・つぎのような作物の症状が表れることが ままあります。 ● サトイモのイモがまったくなっていない ● ミカンを植えたが、実がならない ● サツマイモのつるだけがのびる ● イネがのびて、穂は遅れてでたが倒伏した ● お花の咲く時期に花がこない こういった状態は「樹ボケ」や「ツルボケ」とよばれてきました。 養分があればあるほど、吸っちゃう。身体を大きくする方向へ進んでしまうわけです。 では、どうすればいいのでしょう。 最初に土の検査をやって、その作物にとって必要な養分を検査するという方法があります。その後必要な養分しか やらない。 またこんな方法もあります。 生育にあわせて肥料を分けてやる。 植付け前にある程度施して ↓ 樹ボケ、ツルボケにならない程度の生育をはかり ↓ 花芽がつきはじめた時点から ↓ 植物が利用できる程度に少しづつ ↓ 生育に合わせて肥料 をほどこしていく と、いうやり方ですね。 というふうに、植物が利用できるくらいの適度の養分を やっていくということが、 植物にとっても、ヒトにとっても、自然環境的にも、 やさしい ということになります。 さて、そして・・・「有機」なら話は別だろうと かんがえているあなた。 有機の元肥一発施肥が、樹ボケ、ツルボケをひきおこす危険性は一番高いんですよ。注意が必要です。たとえ実がならない植物〔葉物のホウレンソウやコツナとか〕でも、硝酸が過剰になる場合もありますから、気をつけてくださいね。 生ゴミリサイクル肥料をつくられている あなた。こちらも、いっしょですよ。いじょう、「栄養分をやり過ぎたら、植物にも支障がでる」し、「その支障がでた植物を食べ続けると、ヒトにもいずれ支障がでる」というお話しでした〔これは放射性物質にも、カドミウムや水銀にも通じる話ですよね〕。 逆にですね、土に溜まっている養分を抜くという農業も 現実には存在するんですよ。 「本当は危ない有機野菜」「夢で終らせない農業起業」
2012.05.07

春の小川も、用水路。Gすみ田植の開始に先立って、各集落では田の水路の清掃が一斉に行われます。なんといってもイネは水稲とよばれてきたほどに、イネ栽培には“管理された水”が必要になりますからねっ。そのような“水”の管理問題に関する、昔からの約束事についてのお話となります。ご参考までに、よろしかったら。 ↓ 『春の小川も用水路』 なにげなく見過ごしてしまいがちなのですが、冬の時期に枯れていた田畑地帯にある小川が春になると流れていることに気づかれたことはありませんか。じつはこれ、自然な小川ではなく農家の手によって人為的に流されている用排水路の場合が多いんですよ。農家を主体にした水利組合の管理のもと、計画的にながされている農業用水なんです。 田の水を管理する水利組合は、農業生産を行う上で欠かせない用排水施設の整備・管理や農地の整備いわゆる土地改良を目的として設立された農家の人たちの組織です。この土地改良区は全国に約7,000・関係する農家は約300万人・関係する農地は約300万haといわれています。 そんな日本の農業用用排水路の総延長は なんと 約22万km! この距離は、ほぼ地球5.5周にも達っするのだそうです。現場にいるわたくしなども、この話しを聞いたときにはさすがにびっくりしました。いや、すごいものですね。そんな、網の目のように張り巡らされた日本の用排水路についてのおはなしです。 田植えに先立つ2ケ月前、水稲農家の苗づくりと並行してこなわれるのが、集落ごと・水の流れる系統ごとの用水路の清掃です。イネの栽培がおわってからおよそ半年、繁茂した草や、その後の増水などで埋まった土砂などが用水路から除去されます。もちろん投げ込まれたゴミの処理も、当然あります。。 この用水路清掃には、その水利を利用する方たちが参加するわけですが、かなりな時間と労力がかかります。自分の経験では、ひとつの水利系統で半日くらいの出役となります。 規模を拡大したり・高齢化の農家の農地を借りたりして田畑を耕作する方は、この共同清掃に何らかの形での参加が義務付けされますので、これがなかなかに大変。耕作規模が大きくなるほど、水路を多く利用するほど、出役は増えるわけですから、その負担も大きくなっていくわけです。これもまた、日本の耕地面積の土地集積が行なわれにくい大きな原因 の ひとつにあげられますね。 余談ですが・・・農外から農業に進出しようとする企業や、現場を知らない農業評論家の方には、農業を行うに当たってどうしても必要となる、このような作業に関する認識が欠けているようにおもえてなりません。そうそう、新規就農された方などは、こういった就農前には分からな かった地域の共同作業の多さに驚かれる場合も・・・多々あるんですよね。したがって、農家の絶対数が減ると・・・水害はまちがいなく増加する・・わたくしはそうみています〔経営効率を重視する“先進的農家”が、管理を喜んで肩代わりしてくれるとは思えない気がするものですから〕。 そういった農村におけるある種の義務や慣習についても踏み込ん でいます。 ↓ 。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
2012.05.01

土地を“肥満”させないために。Gすみ たとえば 日本で一番栽培されている作物であるイネ、そのイネを例にとって品質の揃った良いコメを、同時に収穫するための努力の例をご紹介します。そういった努力は、土の肥満防止にもつながりますから。↓ イネの植えられる田んぼでは、その田とその田に植えられるイネにあわせて、与える肥料の量がきめられます。そうなんです、肥料を与えるだけ与えたとしたら、イネの収穫が皆無になる場合がありますから。 またイネの必要とする以上の成分が与えられると、あまった肥料分は排水に乗って、あるいは地下水に溶けて河川や海に流れ込み、いずれ環境に悪影響 をおよぼすことになってしまいます。 そこで作物が無駄なく吸える肥料の量をみきわめるわけですが・・これを「田んぼの設計をたてる」といいます(もちろん有機肥料もおなじように考えます)。 具体的には、田んぼの土の性質やイネの品種、毎年の生育状況・栽培環境にあわせて肥料の種類や量をきめていきます。 具体的には ● 酸性土壌・砂質土・腐食が少ない・漏水しやすい などの土の性質 ● 活着不良・分けつ遅延・軟弱徒長・熟期遅延・倒伏などの、例年の イネの生育 ● 日照不足・冷水かんがい・整備田・秋落ち田・谷間などの栽培環境 といった項目をチェックし、それぞれの田への適当な施肥量を検討します。 やせた田と、たとえば野菜をつくったり・家畜ふん尿がはいった肥えた田では与えられる肥料の量や種類はちがいますし、水のあったかいところと、冷たいところの肥料の量や種類もちがいます。また、イネの品種によって与えられる肥料の量や種類もちがってきますものね。 こうやって、それぞれの地域の、それぞれの田とイネに適合した資材 とと、そのやる量が、正しく選ばれていくわけです。こうやってできあがった設計を、農家さんにお知らせします。 ・・・普段何気なく目にされることの多い田んぼだとは思いますが、イネがうまく育ってくれるためには、〔試験場や改良普及所、民間の農業資材業者といった〕農業関係者のこういった栽培の工夫〔と環境対策〕 が活かされているんですよ。 さあ、 植え付けのシーズン の 始まりです。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
2012.05.01
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