先日、ジャズとクラシックを聴かせてくれる 音楽サロン「アーデン」 で、CDとLPレコードの聴き比べをさせてもらった。
同じ音源のディスクを両方セットし、交互に切り替えて聞く。
想像していた通りハッキリとその違いが出た。
CDは確かにクリアーで、すべての音が立ち上がって、生き生きとしたサウンドを聴かせてくれる。それに比べて、レコードの方は少しくぐもった感じがするものの、音の広がりと奥行きは全く違った。
演奏しているその場の”音のない音”、見えない何かが存在するような、空間の広がりの中から聞こえてくるような感じとでも言おうか。
全ての音が均質に出ているCDに比べ、音の抑揚と陰影をも感じさせるLP。その違いはやはり大きかった。
今は亡い、ここの玉(真空管)アンプを制作した友人も、”如何に空気感を表現するか”を口癖のように言い、その制作に心血を注いでいた。
ビル・エバンス(ピアノ・トリオ)のライブ盤を聴いたわけですが、食器が当たる音など高い音ははハッキリ出ているのに対し、ぼそぼそと客の話す低い声が、CDでは聞こえないのにレコードではちゃんと聞こえてくる。
これは一体どういうことだろう。
エジソンが発明したこのレコード盤の溝をトレースするという原始的?な方法で鳴らす方が、最先端のデジタル技術を使って鳴らすよりも豊かな音がするというのは・・・
音の柔らかさと、会場全体の空気が伝わってくるようなダイナミックレンジの広さは、レコードの方がはるかに優れているのは確かのようです。
アンプの特性とスピーカー、カートリッジとプレーヤーの相性、システム全体のクオリティー、それらの全てがうまくマッチしないと、こういう微妙な違いは再現できないでしょう。
真空管アンプを使って自分のスピーカーを鳴らしてみたい。好きなレコードを掛けてじっくり聴いてみたい。
さもライブハウスにいるような臨場感でエリック・ドルフィーを、リー・コニッツやミルス・ブラザースをこの部屋で聴けたらどんなにいいか、想像しただけでもワクワクします。
フィリップスのWコーンのユニットは、玉のアンプの方が良い音がすると聞けばなおさらだ。
「日歌」が千首を超えたのを機に、 「游歌」 とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートすることにしました。
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