♪ 綿菓子のような笑顔で受け止めて求肥の様に包んでくれる |
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使わない白生地の在庫を、旧知の同業先輩に引き取ってもらった。短大で助教授として長年染色を教えていた大野比呂志氏は、教え子もたくさんいて中には染色を生業としている人も幾人かいる。自分で使わなければそちらに回してもらってもいい。 綿、麻、レーヨンなどの天然繊維ばかり 10歳年上の彼は、今年83歳になる。今でもグループ展に出品したり、たまに着物の注文もあるらしい。現役バリバリとまではいかないとしても、今でも作品制作を続けているという。至って元気で前向き、それでいて謙虚な人柄は多くの人に好かれていて、昨年で55回目を迎えた「中部染色作家協会」の会長を、古田好孝氏に代わるまで務められていた。 中部染色展は 昭和40年12月6日に発足した伝統ある公募展で、着物が衰退してしまった今は着物の作品は少ないものの、作家志望の若者たちが頑張って出品している。前年はコロナで中止になったので一年振りの開催となり、応募数が少なめだったようですが協会の頑張りによって、継続されているのが素晴らしい。 私も大野氏に誘われて入会し、「中部染色作家協会賞」を頂いたことがあるが、組織というものがやっぱり肌に合わなくて、わずかの間在籍しただけで退会してしまった。 お宅にお邪魔して久しぶりにお会いし、突然の訪問で失礼ではあったがゆっくり話が出来て楽しかった。私にはない人徳と頼まれれば断れない人の好さ、温厚で実直な努力家である彼を改めて見直すこととなった1時間だった。 夕方には上がるとの昨日の予報は大外れの雨。名古屋市守山区のお宅は、302号が目のまえを通っていて西知多産業道路直結しているのでほぼ一本道。ますます強くなった雨の中を1時間半ほどかかって帰ってきた。 この機を幸いに買ったばかりの万年筆で礼状を書き、短歌を詠んで割り箸のペンでしたためて差し上げる事にしよう。 |
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