歌 と こころ と 心 の さんぽ

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2025.08.24
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カテゴリ: 世相

♪ アサッテの向こうにきっと夢がある儚くもまた美しきもの



 今夏、巷にある音が人工的なもの以外は本当に少ないと感じる。鶯は細々と啼きだした春、とうとう時鳥の声を聞かずに済んでしまった。鶯にしても以前は夏でも樹木の多い場所近くへ行けば、いつでもその声を聞くことが出来が、今年はそれもほとんど聞こえない。

 アオスジアゲハも来なくなったし、カマキリもいない。周りに土と草がないのだから当然とも言える。
 公園には子どもの姿もなく、親子で虫取している姿は今やアゲハチョウを見るよりも珍しい。



 先日、早朝ウォーキング中にツクツクボーシの声を聞いた。弱弱しく鳴く声を聞いて、充電し忘れたスマホをどこかに置き忘れてきたような心持ちだった。

 変わらないのはキジバトとカラスとムクドリくらいのもの。最近、ムクドリ20羽ほどがお隣の庭の上を通っている電線でしきりに啼いている。情緒もへったくれもない、ただの雑音だ。前の畑に伸び放題のキウイ木などがあり、そこを塒にしているのかもしれない。朝、出かける前のセレモニーかなにか知らないが、やけにうるさくて敵わない。

 カミさんが最近、夜に我が家の庭とも言えないところでコオロギが鳴いていたと言う。そんなところで鳴いているコオロギが可哀そうであると同時に、情緒が消えていくことが哀れに思える。ワビ、サビどころか、侘しさばかりが巷に溢れている。

 昨日は、二十四節季の処暑だった。「暦の上で暑さが治まるころ」とされている。

 こいうものも縁遠くなって、俳句でもやっていない限り言葉さえ知らないまま過ぎて行ってしまう。「暑さが治まるころ」なんて言われても、まったく実感できないのだからしょうがない。季節が当てはまらなくなってきていて、あまり意味をなさないということもある。

 しかし、星としての地球は確実に運行しているわけで、太陽の角度や位置が変わってい季節が移行しているのは確か。それが目に見える形、五感で感じられないものになっているのが悲しい。
 いつの世でも「昔は良かった」と言い、それが繰り返されるうちに、最初がどうだったかもわからなくなっていく。
 伝統は守るものではなく継承していくものという。しかし、自然は守らなければ継承も出来ない。“変わりゆくことが自然なことだ” と言ってしまえば、気は楽になるかも知れない。

 変化を求めるのが人間である以上、“過去にない世界を築いて行くことが最良の道” 。だとすれば、失われてゆくものなどに囚われず、新しいものを生み出すことだけに血道を上げるのが本筋ということになる。

 「未知そのものが人類の求めているものであって、そのために脳を発達させてきた。」AIに訊けばきっとそう答えるに違いない。



 自分の行動から意味を剥奪すること。通念から身を翻すこと。世を統べる法(のり)に対して、圧倒的に無関係な位置に至ること。これがあの頃の僕の、「アサッテ男」としての抵抗のすべてだった。



 まったく脈絡のないものなのにこの本が頭に引っ掛かっている。アサッテの方向に生きることが、人間には必要なんじゃないか。そう思える人がいることで、世界はかろうじてバランスを保つことが出来る?





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最終更新日  2025.08.24 10:07:43
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
◆2017年10月10日より つれずれにつづる「みそひともじ」と心のさんぽに改題しました。
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