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類書多し。別段新しいことは何も書いていないが、年配者が歎く、言葉の乱れ(揺れ)の例が殆ど紹介されている(新聞の小コラムの域を出ない)。当今キャンパスで午後に「おはよう」と挨拶する学生が多いとは、初めて知った。アルバイトの影響らしい。E
2010.07.31

ネオ・ナチとは違い、80年代中葉以降に台頭した「新しい右翼」の形成過程と現状が分析されている(様に見える)、7人の研究論文の寄せ集め。我が国に於ける「研究」とは大体そうなのだが、殆ど何も言っていない(酷い論文まがいのものがある)無味乾燥な文章ばかりの中、高橋秀寿氏の第1章だけは興味深く読んだ。政治運動の支持基盤を従来の階層や階級から分析するのでなく、ミリューという文化層の分析から捉え直している。読者傾向やライフスタイルと政治性との関連を説くということだ。日本でやってみると面白いのだが、おそらく「研究」だとは認められないだろう。しかし、新右翼と言えばどうしても安っぽくなるので、内容とのイメージギャップに頁は進まない。E
2010.07.30
埴谷雄高、武田泰淳、大岡昇平ら敗戦直後に登場した小説家から、大江健三郎を経て、村上春樹、村上龍、吉本ばななに至るまでの戦後文学の通史。コンパクトで記述は平易だが、何よりも今日から見れば余りにもめんどくさい時代、つまり政治の季節の文学と長く付き合ってきた元編集者の読みという点が貴重(?)だとは言えるかもしれない。D
2010.07.29
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本当に普通の本。品も良く、作家との対話も節度が十分保たれている。しかし、短すぎる。時間にすればものの5分ぶんくらいではないか。食い足りなさ過ぎる。E児玉清の「あの作家に会いたい」
2010.07.28
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85年に出た『日本人の子育て再発見』(フレーベル館)は、今日の日本の子育て再発見のはしりだったが、本著は前著からさらに江戸時代の教育論を付け加え、日本伝統教育論を作り上げた。広く読まれるべき本だと思う。日本人は、古来教育論が好きだということは、取りも直さず、子どもが好きな民族だということだ。C江戸の子育て
2010.07.27
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タイトルと副題以上のものは何もない。2000年以降に湧いて出た、何も言うことがないのに新書ばかりを出すミジンコ知識人の一人。ポストモダン以降ほとんどオートメーション化したとにかく首を振る動作だけは巧み。F「不自由」論
2010.07.26
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民主主義批判なるものは昔からあるが、本書はその本源である近代人権思想を討つという意気込みで、論旨もそれなりに意味は通っているし、本書の内容に関しては一応リベラルな政治学者はきちんと反論せねばならないだろう。出来なければ駄目である(おそらく駄目なのだろうが)。しかし、最後に「理性」を持ってきたら堂々巡りではないか。福田恒存や西部邁氏がやってきた民主主義批判の方が人生論を元にしているぶん説得力では数段上を行っている。現代ならば「情緒」を謳う藤原正彦氏の方が、実感として人に伝わるだろう。言葉遣いが伝統保守を謳う者としては少々下品であるし、何よりもリゴリスティックで何かしら豊かな「気分」に欠けていると言わざるを得ない。著者は作家野上弥生子の孫だというのは知らなかった。D民主主義とは何なのか
2010.07.25
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日本の戦後の豊かさの象徴である郊外の新興住宅地の濫觴を、1950年代のアメリカの大量消費型ライフスタイルをつくったレヴィットタウンに求め、アメリカに於ける郊外の画一性批判が1960年代の郊外への反逆の時代へ展開していくアウトラインが良く判る。さらに「家族のため」という名分に於いて消費が正当化されていくという指摘も鋭いものがある。つまり、マイホーム主義と大量消費が手を握り合うということだ。消費者/サラリーマンの再生産を担う場所としての郊外、マルクスには考えもつかなかった点だ。後半の日本の郊外批判はどれも上手に整理されており、現代日本の諸問題が新興住宅地から培養されているという、現代を見詰める時の基本とされるべき点について丁寧に記述されている。新興住宅地の共同性の欠如、働く者の不在、均質性、機能主義、外部の不在。つまり、私有財産と消費行為が作り出す過度に「閉じた」空間としての郊外、それは実は監獄に等しいということだ。B「家族」と「幸福」の戦後史
2010.07.24
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girlishであることにきちんと開き直った、かなり周到で真っ当に「賢しい」本。所謂「文学少女」なるものの嗜好が上手に並べられている。さらに岩波新書を読み漁る旧教養主義から、70年代以降の植草甚一から寺山修治、80年代の柄谷や蓮実、そして90年代の岡田斗司夫まで、「自らの思考を『教養』として積み上げていくことを快とする種族」への警戒感、そして「嗜好が体系性を備えて教養化していく」ことへの嫌悪を洩らす当り、パリ第4大学留学生だったこの著者、かなり「めんどくさい」ことは確かである。しかし、茲に「きちんと」並べられている少女もの小説は、その辺のコジャレたカフェ兼古本屋よりも親切丁寧で、押さえ処は全て押さえてある観あり。とうに男が時代小説を追う季節は過ぎ、高度消費社会、それは女子の時代である。物凄く楽しそうにしているのは大抵このラインの「ライフスタイルとしての嗜好」型である。男はなんもすることなし。だが、副題の「。」と「帽子」というペンネームに曰く言いがたい寒気と嫌悪と片腹痛さを感じる諸君は、今だどうにか男児である、ということは間違いない。C文藝ガーリッシュ
2010.07.23

「絵とは思想であり、思想とは肉体である」「絵は個性である」などという言葉をはっきりと言った美術評論家だった。ヨーロッパ絵画を論じた部分は面白い点もあるが、しょうもない政治性が出た箇所は底が浅い。D
2010.07.22
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現役作家の文章論としては、小粒でもぴりりとくらいの気の利いた内容が所々にある。つまらない文章読本を読むよりも、「小説の読み方」というものが入門者にも良く判るように書かれているとも言えるし、そういう風に読むとなかなか面白い本なのではないか。D小説の秘密をめぐる十二章
2010.07.21

人のいる「雰囲気」を重視している点に日本建築の独特の空間表現があるというのは、矢張りユニークな見解だろう。西洋建築理論とは違うアプローチ、即ち、構造としての機能主義ではなく、人がどう歩き、何を見、何を感じるか、そして人垣までをも考えた空間全体の「雰囲気」の機能から、法隆寺から厳島神社、平等院といった日本の代表的建築物を論じている。ここに「信仰」という問題と「風土」という問題をしっかり入れれば、ほぼ完璧な日本建築論が誕生することになるだろう。小著ながら、それくらいの高い学問の息吹さえ感じさせてくれる。C
2010.07.20
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大凡の内容は近代批判としてオーソドックスなもの。それはそれでいいとしても、1952年生れの著者故か、バードランド・ラッセル、多田道太郎、エンデの『モモ』に老子やガンジーの味付け、「頑張ろう」は止めよう、やっぱり愛だ、等々のメーセージは黄色いTシャツを着て騒いでいる連中でも言いそうなことばかり。おまけに、エピグラムのように章の頭に長田弘や谷川何とかのビューティフルどころかどうしようもない詩(の様なもの)が掲げられていて、読んでいくうちにその能天気さに嫌気がさす。なぜ、スローフードを「学ぶ」為にわざわざワークショップに通って、得体の知れない宇宙の話を聞かされねばならないのか。何故、ツリーハウスを広めるため環境教育センターなどというものを設立する必要があるのか。ともかく本著は、70年代流行の進歩派知識人の陥穽に余りにも無自覚である。つまり余りにも「不」自然であるということに尽きる。昔ながらの暮らしぶりを淡々と、と何故言えないのかと言えば、取りも直さず実は著者の「賢しら」が「伝統」という言葉(と実体)を実は忌み嫌っているからに他ならない。この著者の略歴、NPOやNGOか環境共生型「ビジネス」か何か知らないが、ともかく「busy 忙しそう」である。Eスロー・イズ・ビューティフル
2010.07.19

あの丸山眞男が音楽では意外と保守的でロマンティックだったというのは、進歩派の知識人が梅干のオムスビが好きだとか何とか言うのと同様、別段驚くに値しないと思うのだが。本著は、丸山眞男の思想や相貌を座談の中から偲び草風に浮かび上がらせ、音楽を通じて丸山の思想を描き出すという意味で、見事な著となっている。丸山云々よりも、ケンウッドに努めていたというこの著者のバランス良い語り口に師への私淑の姿勢の程が判るし、師を囲んだ座談の雰囲気も匂やかに伝わってくる。寧ろ、だからこそ本著は、丸山眞男入門としても第一等に据えられるべきものだと思う。トーマス・マンとフルトヴェングラーの箇所が読ませ処。C
2010.07.18

本書を眺めていると、今日の学校教育問題の大半が校舎を木造にすることで解決するように思われる。郷愁でしかないと思われようが、しかしおそらく、これは確かだ。C
2010.07.17

「倫敦に住み暮らしたる二年はもつとも不愉快の二年なり」と語った漱石。しかし、日本の「近代文明」との出会い、苦悩、確執という点、つまり、後の漱石作品を生み出した文明への焦燥と苛立ちを持ち帰ったという点では、我が国にとって漱石先生の「不愉快」はとてつもなくありがたかったのである。本書は新書ながら英文学者としての二つの著作『文学論』と『文学評論』が書かれた背景を探りながら、近代日本の不可避的なディレンマの本質を見ようとする。が、新しい視野があるとは言えない。最後に、漱石の苦悩はスウィフトよりも大きかったという一文を書いたことは立派である。D
2010.07.16

そりゃあこれだけ「エラク」なれば「よかった」と言えるのだろうが。内容については前半の自伝に関しては薄いというしかない。後半も、普通の教養主義の域をでない。E
2010.07.15

バブルという時代の哀しいくらいの愚かさのなかで、哀しいくらいに愚かな男と女が織り成す哀しいくらいに愚かな恋愛劇。風俗小説としての価値を唱える者もいるが、小説としてならともかく、この程度のお話なら80年~90年代の安物のVシネマでも描いていることだ。傑作というのは逆に、余りにも賢しい評と言える。E
2010.07.14
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最早恥ずかしいくらい紋切り型のタイトル(副題を含む)から判るように、例の「~は、そもそも近代になってから」論である。それにしてもこの著者、まるで呪いのように、学級制度への辛辣な批判を並べ立てている。パック・ツアーやファースト・フードと「学級」というシステムを並列させて執拗に記述しているのだが、全学連か全共闘の時代の様な古めかしいアレゴリーが終始連発して食傷する。しかし、こういう論者の特徴であるが、なまじ進歩派の体でやっているので、歴史を鑑みよとはいかないという苦しさがある。さて、学ぶべきはアメリカ流か? ヨーロッパ流か? せいぜい考えれば宜しい。しかし、「学級」というものの「幼稚さ」を論う部分には大いに共感する。E 〈学級〉の歴史学
2010.07.13
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女性短歌史と言うが、実際は戦後、男性短歌史なるものはほぼ不毛に近いのであるから、本書はそのまま戦後短歌の歴史である。女性の短歌の「めんどくさい」ところをよく読んで、適切な整理が施されている。よくまとまった本である。D疾走する女性歌人
2010.07.12
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原題は「The vices of economists―The virtues of the bourgeoisie」である。品の無い邦題であるが、著者の批判は、「バウハウスの最良の建築やサムエルソン流の経済学の背後に潜んでいる」貴族的高慢な理論、そしてけち臭く機械論的な経験主義に基づく小農民的な研究活動に向けられ、ヒュームやアダム・スミスの「知的かつ道徳的な徳目」を見直すこと、つまり「ブルジョアの徳目」への回帰が提唱される。正直のところ「新しく謙虚なブルジョアの経済学」と言っても判然とし無いところが多い。しかし、本書の批判の独特の語り口から来る面白さは章題を見れば判るだろう。「お砂場遊びの坊やたち」「統計的有意性はお呼びでない」「黒板経済学の不毛」「社会工学の思い上がり」。こんな女性経済学者がいるとはと、アメリカ学界を見直したが、著者紹介を見ればこの女性、53歳までは男性だったとのこと。いろいろな意味でさすがはアメリカ、である。Cノーベル賞経済学者の大罪増補
2010.07.11
人間が如何に仕事を為してきたかという結果として歴史を見た時、そこには様々な人間の生き方が見えてくる。前半のアインシュタインの就職願書やガリレオの初心、オーウェルの野心等々は、記述が浅すぎて「西国立志伝」でも読む方が面白いだろう。寧ろ後半の「余暇」や「効率」「副業」等々を巡るエッセイや、教育や大学の濫觴、秘密結社ラダイトに関する文章が興味深かった。事例多かれど内容薄しの典型。D
2010.07.10
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村上春樹、俵万智、吉本ばなな、林真理子、上野千鶴子、立花隆、村上龍、田中康夫らの流行の様相を分析する「文学社会学」とでも云うもの。上野千鶴子の陳腐さ、村上龍の田舎臭さを再確認。本著、ほとんどがどこぞの文学サークルでおふざけでペチャクチャおしゃべりされているようなことだが、そこに社会学的な味付けと、サークルの女子よりはキツイ「ちゃかし」があること以外は、80年代論のアウトライン以上の意味は無い。ただ、立花隆の「胡散臭さ」に言及した点のみ、本書は読める。しかし、どれも「論」というご大層なものではない。この著者の「褒める」筆はさて、如何なものか? おそらく、チープこの上ないものだということは大方予想がつくが…。F文壇アイドル論
2010.07.09
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ポツダム宣言に対する日本側の「黙殺」という返答が、rejectとして翻訳されたことが原爆投下の切っ掛けの一つである、とは全然思わないが、通訳の現場にいた著者の翻訳という作業に纏わる様々なコミュニケーションの齟齬・喰い違いの例はなかなか面白い。「歴史をかえた」というおおげさな部分よりも、太宰や川端の翻訳や、日本人の「倫理」と「ethics」の違い等、異文化理解の難儀を丁寧に分析する第五章の方が読み応えがある。D歴史をかえた誤訳
2010.07.08
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現代スポーツに於ける勝利至上主義、公共事業との癒着、商業主義、それらの行き過ぎを批判するのは結構だが、この世に「プロ」スポーツがある限りそれは致し方ないことで、寧ろ相撲取りに過剰にスポーツマンシップなるものを求めようとしたり、フェアープレイをぎゃあぎゃあ騒ぎ立てるジャーナリズムが異常なのではないか。いつからか「アスリート」などと格好良い言葉で自己満悦するようになった者達が「脳みそ筋肉」なのは、世間様の大半が承知していることでもあるだろうし、勝負事をやる以上、意固地な勝利への執着はどうしても付き纏う。だが、日本古来の「武道」に関しては勝手が違っている。「道」がついているものをスポーツと同次元で捉える本書の瑕疵である。寧ろ、日本の中高生のクラブ三昧をきちんと批判してみねばならないだろう。この部活動は我が国特有と云ってもいいが、とにかくしんどすぎる。とにかく、役人に「文化」活動にタッチさせてはならないということは、徳川幕府も知っていたことだ。E子どもにスポーツをさせるな
2010.07.07
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バブル以降に建てられた現代建築60作品を、マテリアル系、記憶系、ナチュラル系、IT系、グローバル系、等々に大別して紹介している。こうして見ると、差異化の果ての何とやらである。小さなコンセプトだけがひらひらと宙に舞っている印象。当然であろう。「建築への意志」という代物を受け入れる基盤自体が溶解したのが「末期」近代であるのだから。さてさて、ときちんと悩んでいる「建築家」はいるのか。ライフスタイルや環境ではどうにもならないのだろう。Eキーワードで読む現代建築ガイド
2010.07.06
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著者は1969年生まれ、現役の社会科教諭。中高生に対する近現代の歴史認識についての教授法への関心から、独学で中国語を学び、一年間北京に留学。そこで中国での歴史教育の現場を観察する。よく出来たドキュメンタリーであり、また、歴史事項についての一つ一つの比較考察も良く判り、一応「フェアー」な立場から両国の歴史観のとんでもないギャップについて記している。面白いのは太平天国の乱や義和団事件やらをあくまで愛国的なものとして肯定的に捉えているという点。さらに、金や遼、元といった異民族の征服王朝についても、あくまで「中華民族」という枠組の中での統合の趨勢としてとらえるという典型的なネーション・ステートの人工的歴史観である。矢張り、ネーションステートというより共産党的歴史観に他ならないのだが、読み進めながらの感慨は、日中の歴史観の共有など笑止の沙汰であるということを改めて確認したことと、その確認の得体の知れない憂鬱さに他ならない。さて、我々日本人は…巧く「いなし」ながらもテーブルの下でガンガン膝を蹴り合うくらいのストレスに堪えられるだろうか。しかし、面倒臭いことをよくも詳しく調べたことと感心した。そして中国の学制の状況や、学生が(内容はともかく)我が国の子供よりは一生懸命勉強しているのだということは(はっきり)判った。C日本は中国でどう教えられているのか
2010.07.05

『文学界』出版を引き受けたことが機縁となり、爾来五十年余におよんだ小林秀雄との親交の折節を述懐される。文学というものにアウラがあった「古きよき時代」、酒を飲み、喧嘩をし、からみ、女を取り合う、そういった文人のくだらない行動一つ一つが何かしら「文学」という雰囲気の元で醸成されまたフィードバックされる、そういう時代の事だ。面白いエピソードも多いが、矢張り近代日本の「青春」の姿そのものについて我々は今一度考えねばならないし、こういう時代への羨望は呑み込んだ上で、自身が修羅場を生きているのかということを思ってもいい。D
2010.07.04
この著者、地味な存在ながら日本の山や森にまつわる精神の様相を描いた渋い著作が多い。本著は、江戸時代から自然林の乱伐荒廃に立ち向かった先人たちの様々な軌跡を誌す。特に、三河の古橋家の「志」の継承の様は見事としか言いようが無い。日本人は木を植え、木を育ててきた民族である。例えば明治の人間は近代化と共にそういう反省が出来る率直さを持っていた。明治15年、大日本山林会は全国の顕著な造林功労者を初めて表彰する。特別一等賞は熊沢蕃山であった。何ともゆかしい、それでいて志を感じるエピソードである。C
2010.07.03
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ズーミングは駄目、写真に関係性というものが写らなくなる、とは至言である。この人は矢張り、何歩か抜けている写真家だと思う。E天才アラーキー写真ノ方法
2010.07.02
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プロダクトデザイナーなる職業の人が一体どういうことを考えているのだろうと思って読んだが、少々拍子抜けした。差異化の果ての云々という議論をしてもよいが、何よりも現代日本の高度消費社会の商品サイクルの中でこういう職業を持つ人の得体の知れない空虚感は何処からか伝わるような気がする。もう、調子に乗る時代ではなくなったと言うことだ。Eデザインの輪郭
2010.07.01
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