2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
全2件 (2件中 1-2件目)
1
ようやくカゼも一段落、先週は過半を寝込んで過ごしてしまうという情けない体たらくであったが、土日を越して何とか可動状態にまで復帰できたようである。(完治とは行かないが)この場をお借りしてご心配いただいた方々には心よりお礼申し上げる。 さて、最近あちこちで『無防備地域宣言』により平和を、という動きが見られるようである。この運動がジュネーブ諸条約自体を曲解・利用しているという至極最もな指摘はさておき、これが実行動上でいかに危険な行為であるかを『実際の戦争』に関する考察を交えてつらつら述べてみたいと思う。 本運動の目的は、武力の存在しない都市であることを事前に宣言する条例を採択することで、万一の戦争勃発の際に紛争地域となることを避けて住民の安全及び財産の保全を図ることにある。(と私は解釈している)そのために自衛隊・米軍を含む一切の軍事力を地方自治体の地域から排除しなければならない、ということだそうである。根拠としてジュネーブ条約の第59条があると力説し、一般の住民に国際的なコンセンサスを得ている正当な行為であるがごとくに宣言しているが、これはジュネーブ諸条約自体を全く学んでいないことの証左である。その細部については既に多くの諸氏があちらこちらで指摘しているので、これについてはここでは割愛する。(興味をお持ちの方は、「条約」「ジュネーブ諸条約」「無防備地域」「根拠」「野戦軍」などをキーワードに検索していただきたい)○ジュネーブ条約追加第一議定書より抜粋第59条 無防備地域 1 紛争当事者が無防備地区を攻撃することは、手段のいかんを問わず、禁止する。 2 紛争当事者の適当な当局は、軍隊が接触している地帯の付近又はその中にある居住地区であって敵対する紛争当事者による占領に対して開放されるものを、無防備地区として宣言することができる。無防備地区は、次のすべての条件を満たしたものとする。 (a)すべての戦闘員が撤退しており並びにすべての移動可能な兵器及び軍用設備が撤去されていること。 (b)固定された軍事施設の敵対的な使用が行われないこと。 (c)当局又は住民により敵対行為が行われないこと。 (d)軍事行動を支援する活動が行われないこと。 3 諸条約及びこの議定書によって特別に保護される者並びに法及び秩序の維持のみを目的として保持される警察が無防備地区に存在することは、2に定める条件に反するものではない。 4 2の規定に基づく宣言は、敵対する紛争当事者に対して行われ、できる限り正確に無防備地区の境界を定め及び記述したものとする。その宣言が向けられた紛争当事者は、その受領を確認し、2に定める条件が実際に満たされている限り、当該地区を無防備地区として取り扱う。条件が実際に満たされていない場合には、その旨を直ちに、宣言を行った紛争当事者に通報する。2に定める条件が満たされていない場合にも、当該地区は、この議定書の他の規定及び武力紛争の際に適用される他の国際法の諸規則に基づく保護を引き続き受ける。 5 紛争当事者は、2に定める条件を満たしていない地区であっても、当該地区を無防備地区とすることについて合意することができる。その合意は、できる限り正確に無防備地区の境界を定め及び記述したものとすべきであり、また、必要な場合には監視の方法を定めたものとすることができる。 6 5に規定する合意によって規律される地区を支配する紛争当事者は、できる限り、他の紛争当事者と合意する標章によって当該地区を表示するものとし、この標章は、明瞭に見ることができる場所、特に当該地区の外縁及び境界並びに幹線道路に表示する。 7 2に定める条件又は5に規定する合意に定める条件を満たさなくなった地区は、無防備地区としての地位を失う。そのような場合にも、当該地区は、この議定書の他の規定及び武力紛争の際に適用される他の国際法の諸規則に基づく保護を引き続き受ける。○前提(無防備地域宣言成立と開戦) 本『無防備地域宣言』について考察する上で、彼ら運動を推進する「主義の方々」の主張が全面的に認められ、以下の事項が起こった場合について時系列に沿って考察する。設定する条件は以下の4つである。(1) ある地方自治体『A市』で「無防備地域宣言」が採択され、これがどうにかして認められた。(2) 『A市』の地理的位置は、上陸適地の海岸方向から大人口を抱える『B平野』へと抜けるための交通の要衝である。(3) その後、突如『C国』が日本に侵攻した。(4) 日本海沿岸からから上陸した『C国軍』は、『B平野』占領を企図して侵攻中である。 これは特段無理のある設定ではない。B平野を関東平野とするならば、新潟付近に上陸して一路関東平野を目指す某国軍をイメージしてもらえばよい。その場合、三国山脈を抜けた出口にある前橋、高崎、渋川の各市が無防備地域宣言をしているA市に該当するような状況だ。北海道在住の方ならば、釧路付近に上陸した某国軍が石狩平野をめがけて侵攻する様子を想像してもらうことになる。この場合A市となるのは夕張、芦別、旭川各市が考えられるだろう。離島の場合でもわずかな変更で同様の設定を行うことが出来る。無防備地域宣言をした竹富町(島)を占領すべく、C国軍が上陸してきた場合などである。この場合のB平野は沖縄本島(あるいは石垣島)などになる。○無防備地域占領戦 A市が『無防備地域宣言』を行い『日本において』(ここ重要)これが認められたという仮定がある以上、自衛隊はA市に戦力を配備して防御したり、通過して移動することは許されない。 ではC国軍はどうかというと、無防備地域は侵攻するC国軍に対して「無抵抗で占領される」ことを意味するため、C国軍はA市を無血で占領し、占領地域として施設等を接収・活用することが出来る。(通過はもちろん、戦力の配備も自由である) この段階で『無防備地域宣言』は完全に終了する。C国軍の占領下にある以上、その段階ではA市の『主権』はC国に移動している。A市が旧主権国の日本において認められていた『無防備地域宣言』は無効となる。(主権が変わるのだから当然である)ここで改めてC国A市として宣言を・・・と考えているのならば、彼らの脳内にはケシのお花畑でも広がっていると考えるべきだ。占領下の都市で軍政に対して反抗した市民は一般に抵抗分子として扱われる。日本という国において(仮に)認められた行動でも、他国を軍事力を持って占領しようと言う意図を持つC国がこれを認めるとは考えがたい、むしろ相手にもされまい。相手にもされないどころか、おそらくは様々な理由をこじつけて極刑をもって処断される状況となるだろう。彼らお得意のデモや署名運動などはもってのほかである。なぜならその場で撃ち殺されることにもなりかねないからである。侵攻してきたC国軍がわざわざ条約の条件を満たして撤退する意味など存在しないのである。○「元」無防備地域奪還戦 交通の要衝であるA市がC国軍の拠点となった以上、(前提条件によれば)そこからB平野全体が危険にさらされることになる。我が国としてはB平野(とそこに居住する大人口とその財産)を防衛するために、C国軍の拠点と変わり果てたA市を攻撃し、これを奪還する必要が生じる。A市のC国主権下における『無防備地域宣言』が行われる可能性は前述のようにほぼ皆無であるから無血奪還はあり得ない。結果としてA市はC国軍(防御)vs自衛隊(攻撃)の戦場となることが容易に予想される。 このようにしてA市は「無防備地域宣言」の有無に関係なく戦場となるのだが、その犠牲の「量」については大きく異なることが考察できる。 なぜならば自衛隊の目的は「国家、国民の防衛」であるからだ。よって自衛隊が防御側で戦闘を行っていた場合(すなわち無防備地域ではない場合)、A市市民は国民保護法等の規定に基づき自衛隊他が全力で避難させることになり、戦闘時にはそこには極めて限定された国民(避難を拒否した、あるいは間に合わなかった)しか所在しないと考えられる。 しかし日本国内において市民を避難させうる十分な占領地域及び手段を有しないC国が防御側となった場合これを行うことが可能かどうか。あるいは仮に可能であったとしてもそれを行うかどうか。C国軍の目的は「B平野(もしくは日本)の占領」であり、A市市民の保護にはないことを考慮すれば結果は推して知るべしということになる。市民の大半は避難することは出来ない、許されないだろう。結果として無防備地域宣言をしなかった場合を遙かに上回る市民の命が失われることになるだろう。○無防備地域周辺の状況 占領戦時においては、無防備地域が存在していた場合はそこでの自衛隊等の行動が制限(禁止)され、周辺地域を含めたエリアの防衛行動に多大な支障をきたすことは容易に想像できる。これによって無防備地域周辺は人命・財産等ともにより大きな被害を受ける。また無防備地域を拠点とすることでC国軍の行動はより幅を持つことができ、結果として更なる広大な地域が侵攻の危機に晒される。その反面、奪還戦時に周辺への影響は大きな変化は無い。○無防備地域宣言の有効性 前述の理由により『無防備地域宣言』を行っても行わなくても、A市が壊滅的損害を受ける可能性があることは理解いただけたと思う。ただしA市が損害を全く受けずにすむ可能性が一つだけ存在する。それは・・・・C国軍がA市占領後反撃を一切受けることなく速やかに日本を降伏させるか、停戦に持ち込むことが出来た場合だけである。この場合C国主権下のA市として、ほとんど損害の無いままA市とA市市民は存続しうる。結論『無防備地域宣言の真の目的は何なのか』 無防備地域宣言をもし本当に行い、これを認めさせることが可能とした場合の本当の目的、その主張の裏に隠されているものが何なのか。 まずその主張の裏に見え隠れするのは、周辺地域との協調を忘れた極めて利己的な発想である。「自分だけが安全ならば」「自分だけが損害を受けなければ」というこの利己的な行動の裏で、周辺の他の地域はより一層の損害を受けることになる。ただしこれは戦争の実相、あり方を考えれば実に幼稚な考え・判断で、全く無効であることは「奪還戦」の項で述べた。彼らがその損害を完全に防止する可能性などほとんど無いのである。 ではその真の目的はなんなのだろうか。「ジュネーブ条約」「平和運動」「非武装中立」と言った使い古された美辞麗句に騙されている「市民」はある意味で被害者である。彼らは真実にたどりつくだけの思考力・知識を有しないは故に利用されているだけだ。 だがしかし本「無防備地域宣言」が採択され万が一にも認められた場合、その恩恵にあずかることが出来る勢力は存在している。 それは本稿の仮定における『C国』及び『C国に協力する日本人』である。無損害で地域を占領でき、温存した戦力をもってA市市民を盾に周辺地域を占領することが出来るC国。そのC国に協力することで、自らの発言力を増し地位を向上させうる協力者達。ここまであからさまな外患誘致、反政府活動は今まで存在していない。我々は美辞麗句の元に忍び寄る危機を見逃してはならないのである。
Nov 15, 2005
コメント(6)
風邪を引いて寝込んでおります・・・治ったらレス&更新しますのでご容赦を・・・
Nov 8, 2005
コメント(7)
全2件 (2件中 1-2件目)
1

![]()
