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2007年12月01日
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テーマ: 京都。(6234)
カテゴリ: 伝統文化
明治から昭和初期にかけての数寄屋建築は、古風なだけでなく、ちょっとモダン。基本をふまえていながら、ちょっとした意匠がシャレていて、見ていてとても面白いのです。吉田山荘や四君子苑など、わずかながら京都市内で見ることができます。この日は伝統未来塾の授業で、普段は入ることのできない明治の名建築「廣誠院」を見学することができました。日本の茶室研究の第一人者、中村昌生先生の解説つきです。

廣誠院外観

廣誠院は、木屋町二条下がる、高瀬川沿いにひっそりとありました。通常は非公開なので、看板もありません。近くには高瀬川の起点、一之船入があります。

高瀬川・一之船入

現在、廣誠院は臨済宗の寺ですが、もともとは鹿児島の門閥から官僚・軍人を経て実業家として活躍した伊集院兼常(いじゅういん・かねつね)の屋敷でした。伊集院兼常は裏千家の茶を嗜み、建築や造園にも優れた審美眼を発揮して「近世の(小堀)遠州公」と呼ばれたそうです。この建物は明治25年(1892年)頃にできたもので、彼にとって13軒目の住宅だったとか。それだけ経験を積んでいれば、洗練された建物ができそうですよね...

廣誠院の土間庇

まず目に飛び込んでくるのは、長い土間庇です。3m以上も出ています。しかも、その庇を支えるのが、実に細い丸太なのです。見ているこっちが不安になるほどの細さですが、それが全体に軽やかな印象を与えているのです。

廣誠院の庭1

軒下には見事な紅葉が広がります。日本の住宅の大きな特徴は「庭屋一列」といって、庭と住宅が一体となって空間をつくっているのが良いとされることです。屋根の中に自然があるように見えます。

廣誠院の庭2

室内に目を転じると、床柱がしぼり丸太で数寄屋風。書院でも格式ばった角柱ではないところが江戸時代と違うところです。小壁の欄間も、普通は左右に分かれるのに、ここでは一枚板の透かし彫りと、新しい試みがなされています。

廣誠院書院欄間

和室は照明が難しいのですが、このように実にモダンな工夫がされてます。

廣誠院書院の照明

茶室も宙づりになったような軽やかさ。人数制限5人までの見学です。円窓から外を眺めると、船に乗っているような気分になりました。裏千家12代又妙斎(ゆうみょうさい)の作です。

廣誠院の茶室

廣誠院の茶室の円窓

表に出て、庭から建物を眺めます。眼下の池は、高瀬川から水をひいています。細長い石橋が絶妙です。

廣誠院の庭と建物


・明治から昭和にかけては大工の技術が発展した時代です。この時代の数寄屋の名建築は、電動工具に慣れた今の大工では建てられません。もし技術があったとしても、建ぺい率や耐震、防災上の規制などで難しいのです。戦後、何千万円出しても買えないような材料が使われた建築が古いというだけで無惨にも壊されてきましたが、近年、ようやく文化庁がその価値に注目し始めました。

・名建築は、教養豊かな富豪が、建築家を介在させず、職人と直接コミュニケーションしながら建てたケースが多いですね。南禅寺界隈にも名棟梁・北村捨次郎が関わった別荘などがあります。

廣誠院の庭3

「普請道楽」の結晶は素晴らしい! 知性と資本の融合が形になって現れています。これが現代の建築技術ではつくることができないなんて、実に残念です。戦後、ニッポンの建築界はゼネコンばかりが栄えて、技術を引き継ぐことを忘れてしまったのでしょうか。経済合理性の末に文化が廃れるなんて、現代ニッポンの問題そのもののように感じます。

*廣誠院は事前に封書で申し込んで認められれば参観可能だそうです。





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最終更新日  2012年04月19日 07時39分42秒
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