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2022.07.26
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カテゴリ: 江戸時代を知る


 近頃のことだという。
 どういう者の身の果てなのか、両国橋で物乞いをする浪人が、四五歳の子を連れて往来で恵みを願っていたが、ある日、往来を通る者の情けもなくて、銭一枚も貰うことができずにいると、その子が空腹に也、しきりに泣いてやまない。親も不憫の思って辻に出ていた餅売りに、
「この者は空腹で嘆いているが、いまだに銭一枚ももらえずにいる。あとでもらったら払うから、一つくれますまいか」
と言うと、餅売りはそれを聞いて、
「わたしも今朝から売れずにいる。それはできない」
とつれなく行った所、ひどくその子が泣き叫ぶと、そばにいた雪駄直しの非人が、持ち合わせた銭を少し渡し、
「大変な御難儀ですね。立て替えます」
と行ったので、

とあつく礼を言ってその餅を買ってその子に与え、往来で頭を下げて銭を請い受け、その非人へ返し、その子を橋の上から川中へ投げ入れ、自分も続いて入水して果てたということだ。

 なんだかあまりにも救いのない悲惨な話。
 「人情噺小判一両」はもう一つの話を元にしているので、明日はそれを紹介しよう。





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Last updated  2022.07.26 00:00:12 コメントを書く
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