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みなさんこんばんは。トランプ氏が次期大統領になりますね。今日はフランス映画を紹介します。『映画「木と市長と文化会館」(エリック・ロメール・コレクション DVD-BOX )』 エリック・ロメール / 日活原題L'ARBRE, LE MAIRE ET LA MEDIATHEQUE OU LES SEPT HASARDS監督脚本エリック・ロメール出演パスカル・グレゴリ-ファブリス・ルキーニアリエル・ドンパールロメールとのファースト・コンタクトは「友だちの恋人」だった。それぞれに恋人のいる女性が、互いの恋人達を好きになってしまうというテレビドラマならば1クールで延々やってしまいそうな筋立てを、たった102分でおさめてしまい、「ええっ?そんなんあり?」というエンディングで煙に巻く。何とも軽いタッチの映画を撮った人が、実は随分とお年を召していらっしゃると聞いて、二度驚いた。何でこんなに女の子の気持ちがわかるんだ?「人生って、恋愛って、こんなんでいいんだぁ。」と見た後肩から力が抜けていった。さて、この映画、ロメール映画の常連が登場している。文化会館を建てようと考える市長に「海辺のポーリーヌ」のパスカル・グレゴリ-、その恋人に同じく「海辺のポーリーヌ」に出演していたアリエル・ドンパール、市長の政策に反対する教師役に「パルシファル」他作品の多いファブリス・ルキーニ、市長と教師は、文化会館を作るために切り倒さなければならない老齢の柳の木を巡って対立する羽目になる。まあ、彼等を含めて登場人物のしゃべること、しゃべること。さすが、議論好きのお家柄。でも、あんまり台詞を真剣に聞いていても、その後の役には立ちません。どんなに理論武装して、こうこうこうと筋道を立てたところで、人生には常に偶然が待ってます。自然を破壊して文化会館を建設する案を出した事で、もともとの立場だった革新派から体制派の立場にたたされた市長という矛盾も軽く流し、物語は2つの対立勢力のうち、どちら側の勝利でもないけれど、誰もが納得、というやっぱり「そんなんあり?」のエンディングにたどり着く。子役の使い方もうまい。「四季の物語」シリーズから一旦ロメールが離れて撮ったため、「おいおい、『四季の物語』シリーズをちゃんと完成させられるのか?」と、個人的にはらはらしつつ、やっぱり見入ってしまった映画。木と市長と文化会館 [ パスカル・グレゴリー ]楽天ブックス
November 10, 2024
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みなさんこんばんは。ロイター通信によると、米人気歌手マイケル・ジャクソンさんの代表作「スリラー」を手がけた音楽プロデューサーのクインシー・ジョーンズさんが3日亡くなりました。91歳でした。今日はモジリアニの生涯を描いた映画を紹介します。『映画「モンパルナスの灯」』 ジャック・ベッケル / 東北新社Montparnasse 19脚本ジャック・ベッケル音楽ポール・ミズラキ 出演ジェラール・フィリップ アヌーク・エーメ リノ・ヴァンチュラ リラ・ケドロヴァ 漫画『あき姫(あきひ)』に「蒐集家」というエピソードがある。画商・あき姫の元を画家が訪ねてくる。蒐集家の所にある自分の絵を買い戻して欲しいというのだ。蒐集家は、画家の絵が気に入ったから傍に置いておくのではなく、画家が死んで値が上がるのを待っている。そんな絵を愛する心のない人の元に、自分の絵を置いておきたくない。蒐集家がその絵を手に入れた手段が後ろ暗いものであった事から、あき姫達は画家の願いを叶えるために、或るトリックで対抗する。このエピソードを読んだ時に、真っ先に浮かんだのが、この映画である。今でこそ異色画家として名が通っているが、生存中はとことん不遇だったモジリアニ。貧乏と酒と麻薬で身体を蝕まれ、ジャンヌとの結婚も周囲に反対される。パリで開いた個展はさんざんに貶されて、また酒に溺れる。自信喪失と酒でぼろぼろになってゆくモジリアニを冷静に見ている、物言いも憎ったらしい画商モレリを、リノ・ヴァンチュラが好演。最後にモレリが二足三文で彼の絵を買い叩いていく画面が登場する。モジリアニの生前の姿が悲惨であればあるほど、この最後の場面が与えるインパクトは強くなり、画商への反発はいやが上にも高まる。しかし実際、感動を与える絵が即売れる絵とは限らず、売れる絵がいい絵とも限らない現実も、厳然と存在する。映画ではそこまで問題提起はされず、一画家の生涯を描く範囲にとどめられている。『ファンファン・ラ・チューリップ』『夜の騎士道』など明るい青年役もできれば、このような神経質な画家の演技まで出来る、ジェラール・フィリップという役者の演技の幅広さを、改めて感じさせてくれる作品。モジリアニと同じく36才の若さで死んでしまった彼以上の役者は、おそらく見つかるまい。マックス・オフェルスが最初監督とされていたが、彼の急死によりベッケルが後任になった。モンパルナスの灯 HDマスター版 [ ジェラール・フィリップ ]楽天ブックス
November 6, 2024
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みなさんこんばんは。俳優の真田広之さんが制作&主演を務めたドラマ「将軍SHOGUN」が米国エミー賞で18部門を受賞し、真田さんも主演男優賞を受賞しました。これは日本人においても快挙です。素晴らしい。今日はフランス映画を紹介します。5月の花嫁学校La bonne epouse監督マルタン・プロボ出演ジュリエット・ビノシュ 1967年。フランスのアルザス地方にある花嫁学校、ヴァン・デル・ベック家政学校には今年も18人の少女たちが入学してきた。経営者である夫の突然の死をきっかけに、校長のポーレットは夫がギャンブル狂で学校が破産寸前で多額の借金を背負う身であることを知る。しかし、そんな夫の不始末がきっかけで、ポーレットは第2次大戦で生き別れになった元恋人アンドレと再会する。ポーレット自身も、セリフからナチから生き延びた女性だという背景が分かる。かつての思いが再燃する二人、そして、生徒が起こすいくつかの事件から、“良き妻”であることが女の幸せと説いていたポーレットは自己矛盾に苛まれ、次第に意識が変化していく。ポートレットが、なんとか窮地から抜け出そうと奔走する中、パリで5月革命が勃発する。抗議運動がフランス全土に広がってゆくのを目の当たりにしたポーレットや生徒たちは、これまでの自分たちの考えに疑問を抱き始め、ある行動に出ることを決意する。 20世紀に“革命?”なんて聞くと、我々日本人はぎょっとしますが、フランスは慣れてるんですね。もう国王はいないしギロチンの出番はない。60年代は学生運動が世界的に盛んになりました。日本でも安保闘争が遅ればせに起こった年代でもあります。良妻賢母を育てる教育者たる夫が、人格者どころかギャンブルに資産をつぎ込み、女生徒をこっそりのぞき見していたスケベ親父だったというのが、ポーレットの価値観の揺れ始めですね。実の妹とはいえただ働きさせていたとは、変な所でケチ。ポーレットとは年も違うし、すがる藁みたいな存在だったんでしょうね夫は。なんとラストはミュージカル調でした。意外とフランス好きですよね。生まれ変わった花嫁学校の一団が、革命が勃発しパリまでの道が通行止めになったと聞くと、車が動かなければ歩けばいい!と偉業を成し遂げた女性たちの名を呼び、冒頭の“守らねばならぬ規則”を悉く否定しながら、パリまで自分たちの足で歩きながら歌くラストは解放感に溢れていてよいです。5月の花嫁学校 [ ジュリエット・ビノシュ ]楽天ブックス
September 24, 2024
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みなさんこんばんは。B級映画の巨匠ロジャー・コーマンさんが亡くなりましたね。今日は確執が続く父と息子の映画を紹介します。ブルゴーニュで会いましょうPremiers crus 20歳でブルゴーニュを離れたシャルリは、パリで著名なワイン評論家として活躍していた。そんな彼のもとに、妹から実家のワイナリーが倒産の危機の報せが入り、シャルリは実家へと戻る。ワイン造りは妹の夫と父フランソワがこなしており、久しぶりに父親との再会を果たすシャルリだったが、父はワイナリーを捨てて出ていった息子を許すことができなかった。おまけに離婚で意気消沈。ワイナリー再建を決意し、新しい技法を取り入れるシャルリと、そのやり方を受け入れられない父。ぶつかりあう2人だったが、最高のワインを作り、ワイナリーを再建させるため、いつしか手を取り合うようになる。「 ブルゴーニュで会いましょう」と言われても、ワインに詳しくなければ「なんでブルゴーニュ?」と思うかも。ブルゴーニュワインは有名だから。原題「Premiers Crus(プルミエ・クリュ)」は、ブルゴーニュで「1級畑」を意味する言葉。ブルゴーニュの畑の格付けの中では、最も高い格付けである「グラン・クリュ(特級畑)」に次ぐ2番目の格付け。 「ワインづくりは家族あってこそだ。独りじゃ虚しい。」父はワインこそが家族を繋ぐ絆だと思っていたが、逆にこだわることによって息子と疎遠になっていた。今回再びワイン造りで息子と再会し、昔ながらのやり方にこだわる父親と、新しいやり方を試したい息子なので当然反発。しかしお互いにワイン造りに真剣であることにはかわりなく、やはり親子で理解・協力という流れになっていく。ま、安心して見ていられるドラマですな。それにしても見渡す限りブドウ畑というのは壮観な眺め。まあそれでも一年で立て直してしまうと、ワインづくりってそんなに簡単なもの?って感じがするよ。もう少し艱難辛苦を重ねた方が達成感があったのでは。ブルゴーニュで会いましょう [ ジェラール・ランヴァン ]楽天ブックス
June 28, 2024
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みなさんこんばんは。唐十郎さんが亡くなりましたね。今日はサンタクロースが登場する映画を紹介します。クリスマス・カンパニーSanta & Cie監督&脚本&主演アラン・シャバ出演オドレイ・トトゥ ゴルシフテ・ファラハニ そこは人間界から遠く離れた“サンタ”たちの世界。クリスマスまであと4日。サンタクロースとお手伝いのエルフたちは、人間の子どもたちへのプレゼントの準備に大忙しだった。ところが、プレゼントを作っていた9万2000人のエルフたちが一斉に倒れてしまう。何事かと妻のワンダに訊けば、「エルフは1人が倒れると他も皆倒れてしまう。大昔にも同じ例があり、その時はビタミンC豊富なフルーツを食べさせたことで治った」と言う。これまで寝ている子どもたちにしか会ったことのない大人嫌いのサンタクロースは、エルフたちの治療に必要なビタミンCを手に入れるため、仕方なく人間界へと向かう。職務質問されて、フツーに答えたサンタが怪しまれたところへ、問題を起こしてばかりの弟ジェイを引き取りに来た弁護士のトマが、ボケ老人と勘違いしたまま親切にアドバイスをしたことから、人間界について全く無知なサンタに頼られてしまう。タイムリミットは12月25日!果たしてサンタクロースはエルフたちを救い、無事プレゼントを世界中の子どもたちに届けることができるのか!? プレゼントを贈る仕組みが、エルフたちの分業でトップがサンタクロース。エルフが倒れたのも、実はブラックな雇い主サンタのせいじゃないかと思われる。子供たちにプレゼントを配布するサンタクロースが、子供たち大好きおじいさんではなく、大の人間嫌いという設定がミソ。ところが窮地を脱するためには、大嫌いな人間の子供たちと共闘しなければならず、その過程で頑なだった気持ちも解けていく。サンタの橇に乗ってパリの有名どころを観覧する子供たちが楽しそう。サンタクロースを信じていない人にも姿が見えてしまうサンタさん大出血サービス。ミセス・サンタがオドレイ・トトゥでめっちゃ美人。サンタさんは面食いだ。【中古】DVD▼クリスマス・カンパニー レンタル落ち遊ING城山店
June 25, 2024
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みなさんこんばんは。Hey! Say! JUMP有岡大貴が松岡茉優と結婚を発表しましたね。今日はフランス映画を紹介します。『ムッシュ・カステラの恋』 アニエス・ジャウイ / ジーダスLe goût des autres脚本&出演アニエス・ジャウイ&ジャン・ピエール・バクリ出演アラン・シャバセザール賞作品賞&脚本賞&助演女優賞&助演男優賞昔々、ある所に夫婦がおりました。夫は中堅会社社長ムッシュ・カステラ。奥様マダム・カステラの名前はアンジェリック。エンジェルとカステラ、ふわふわ、甘々のはずが、このめおとカステラ、時間が経ちすぎ、しっとりした味わいには程遠く…。「ちょっとイケてない」「イタダけない」普通のおじさんという役どころを演じさせたら、ジャン・ピエール・バクリが断然うまい。ミシェル・ブランもファブリス・ルキーニでもこのあたりの役はできそうだが、前者は「仕立て屋の恋」でエキセントリック度を増し、後者は知性が前に出すぎ、第一オジさんと言ってしまうには、まだ若い。下手をすると、「自分の地位を笠に来た嫌な奴」に見られかねない男を、土俵際で「でも、本質的には悪い人じゃないんだよね。」と見ている側に思わせる味つけが為されているため、唐突に始まった彼の恋を、暖かく見守ってゆく事ができた。恋の相手クララも、誰もが振り向く美女ではない。どちらかというとアニエス演じるウェイトレス・マニーの方が美人だと思う人が多いだろう。それでもカステラ氏にとっては、彼女こそ詩を捧げるミューズ。運転手のブリュノも、他人が何と言おうと、一月以上連絡がないアメリカに行った恋人を待っている。蓼食う虫も好きずき、というのが原題「他人の味=趣味」の指し示す意味か。単なる突如目覚めたオジサンの恋物語にとどまらないのは、この場面があるから。仲間の絵を買おうとするカステラに、クララが「私の歓心を買うためにそんな事するのやめて」と言うと「君は僕が本当にこの絵を気に入って買おうとしたとは思わないのか?」と返される場面。「所詮ああいう企業家には絵なんてわからないのよ。」と思い込んでいる自分は、一体何様?とクララが、はっとする。そこで-実際は違いますが-カステラが、不意に観客の方を向き、こう言ったような気がした。「そこで笑っているあなた、私を馬鹿にしてますが、その考えばっかりにとりつかれると、あなたもまたお山の大将になってしまいますよ。」とね。ま、そうならないように、先入観や思い込みにとらわれず、勧められたら、他人の味(=Le Gout Des Autres 原題)を試してみる事にしますよ、ジャウイ監督。【中古】ムッシュ・カステラの恋 [DVD]AJIMURA-SHOP
June 17, 2024
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みなさんこんばんは。植物が好きな3歳の男の子が、麻薬の原料で栽培などが禁じられているケシの一種を徳島市内の空き地で見つけ、警察への通報につながったとして表彰されました。すごいですね。映画9人の翻訳家 囚われたベストセラーを見ました。9人の翻訳家 囚われたベストセラーLes traducteurs監督レジス・ロワンサル出演ランベール・ウィルソン オルガ・キュリレンコ エドゥアルド・ノリエガ フランスの人里離れた村にある洋館に9カ国から翻訳家が集められた。全世界待望のミステリー小説『デダリュス』の完結編の各国語への翻訳のためだ。しかし9人は洋館の地下に隠された要塞のような密室に隔離されてしまう。海賊行為と違法流出を恐れた出版元が著者の同意のもと、彼らを隔離して極秘に翻訳を行わせることにしたのだ。 9人は外出はおろか、電話やソーシャル・ネットワーキング・サービスSNSなどの通信も禁止され、毎日20ページずつ渡される原稿をひたすら翻訳していく。そんなある夜、出版社社長の元に「冒頭10ページをインターネットに公開した。24時間以内に500万ユーロを支払わなければ、次の100ページも公開する。要求を拒めば、全ページを流出させる」という脅迫メールが届く。それは翻訳家に紛れ込んだ原作者の、出版社に対する復讐の始まりだった。 実はメインとして登場する小説がマクガフィンである。これ9人翻訳者出ているけれど、9人それぞれの個性を発揮して云々という群像劇ではないんですよね。ストーリー構成として時系列を入れ替えし『デダリュス』誕生の背景に迫っていく。現代パートに過去挿入はよくあるパターンだが、もう少し現代パートでも9人の翻訳者どうしの疑心暗鬼などを見たかった。多少仲間同士の反発とか動機の違いとか、ぶつかり合いは設定されているが、実際の所、途中から本来の目的メインに舵がきられてストーリーが走り出したため、9人のキャラが思ったよりなおざりにされている。そうすると、9人の意味ってあったのかな?低予算映画なので、あまり有名どころのキャストをそろえられなかったことも痛い。『ダ・ヴィンチ・コード』をはじめとするダン・ブラウン原作の小説『ロバート・ラングドン』シリーズの4作目『インフェルノ』出版の際、海賊行為と違法流出を恐れた出版元が著者ブラウンの同意のもと、各国の翻訳家を地下室に隔離して翻訳を行なったとの実話から着想を得ている。9人の翻訳家 囚われたベストセラー【Blu-ray】 [ ランベール・ウィルソン ]楽天ブックス
June 2, 2024
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みなさんこんばんは。熊本に台湾大手の半導体受託生産を行うTSMCが工場を建てましたね。今日は歌姫セリーヌ・ディオンの伝記映画ヴォイス・オブ・ラブを見ました。ヴォイス・オブ・ラブAline監督&脚本&主演ヴァレリー・ルメルシエ カナダの小さな田舎町に暮らす音楽好きの一家に、14人兄弟の末っ子として生まれたアリーヌ。彼女の特別な歌の才能に気づいた地元の名プロデューサー、ギィ=クロードは奇跡の原石を大切に育て12歳でデビューして以降、アリーヌは世界的歌姫へと成長していく。それは、自分を見いだしてくれたギィ=クロードとの真実の愛と出会う旅でもあった。 まあセリーヌ・ディオンといえば、映画『タイタニック』主題歌『My Heart Will Go On』で有名になった。しかし本人はあのイントロを聞いて「嫌い」といったそうで、もし断っていればあの名曲は誰が歌っていたのか。圧倒的声量が素晴らしい。そりゃ喉もつぶれるわ。アカデミー賞会場での衣装チェンジエピソードが語られる。3役もやったルメルシュの熱意は買うが、12歳を演じるのはさすがに難しかったのでは。いやだって御年58歳ですからね。 カナダってそんなに子だくさんで生活やっていけるの?と思ったけど一家で合唱団とか作って売れそう。最初にマネージャーになってくれた人をずっと思い続けているなんて、セリーヌって結構純情路線ですね。 セリーヌの半生を、愛を込めて忠実に再現。実在のセリーヌ・ディオンは今も活躍中で、世界に一人しかいない大スターへの敬意を表するために本作では役名をアリーヌとした。セリーヌ・ディオンの楽曲は、今回大抜擢されたフランスで活躍中の歌手ヴィクトリア・シオがカバー。ディオンの夫でマネージャーのルネ・アンジェリルは、この映画ではギイ=クロード・カマールと呼ばれている。ヴァレリー・ルメルシエは、前作『マリー・フランシーヌ』のプロモーション中に、ラジオで自発的に半分冗談めかして、次の映画はセリーヌ・ディオンについての作品になるだろうと語った。その後、プロダクション デザイナーのエマニュエル・ デュプレイが彼女に映画への出演を熱心に呼びかけ、ルメルシエはプロジェクトを進めることになりました。ヴァレリー・ルメルシエ自身はケベック州出身ではありませんが、映画にできる限り本物らしさを感じてもらいたかったため、残りのキャストはケベック州出身。ヴォイス・オブ・ラブ【Blu-ray】 [ シルヴァン・マルセル ]楽天ブックス
May 19, 2024
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みなさんこんばんは。俳優の村杉蝉之介さんって麻薬所持で罪に問われていたのですね。映画スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話を見ました。スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話Hors normes出演ヴァンサン・カッセル レダ・カティブ監督&脚本エリック・トレダノ オリビエ・ナカシュ 自閉症児をケアする施設「正義の声」を経営するブリュノ。他の施設などで見放された子どもたちも断らずに受け入れる彼の施設には、さまざまな問題を抱えた子どもたちであふれていた。この施設では、ブリュノの友人のマリクに教育されたドロップアウトした若者たちが働いている。社会からはじかれた子どもたちをまとめて救おうとしていたブリュノとマリクだったが、無認可で赤字経営の「正義の声」に監査が入ることになり、施設閉鎖の危機に迫られる。 邦題副題が全部中身を説明してしまっているが、つまりはそういう話である。日本では誰も受け入れない重い精神疾患の患者を受け入れる病院が、患者に暴力を振るっていることが明らかになり告発された。長い間見逃されてきたのは、告発したところで、収容されている人たちを受け入れる施設が他になかったからだ。もっと悪い所に行かされるかもしれないし、家族はどうなとしてくれというスタンス。本編の家族はもう少し子供たち寄りだ。何とかして彼らの居場所を作ろうとするが、社会はなかなか理解がないし、理解があっても一緒に働くのは、やはり彼らの言動が気味悪く映って難しい。施設で働く人たちにも給料が必要だが、困ってやってきた人たちがさほど裕福なわけではない。堂々巡りなのだ。にも拘わらず、社会は社会で規範を押しつけ、守られていないなら閉鎖するまでと厳しい決断をつきつける。ならばブリュノが最後に切れて「じゃあお前ら連れてけよ!」と言っても黙るばかり。監視する側は監視だけ、だめだった場合の子供たちの収容先まではフォローしない。ケア施設に働く2人の男たちの、ともすれば重くなりがちなテーマも含めた実話を、ユーモアを交えて描く。本物の介護者と自閉症の若者、その家族たちが多数キャスティングされている。スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~ [ ヴァンサン・カッセル ]楽天ブックス
May 14, 2024
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みなさんこんばんは。昨日の台湾の地震すごかったですね。今日は戦中のフランス映画を紹介します。わが父わが子Untel Pere et Fils/The Heart of the Nation出演ルイ・ジューヴェ レイミュ ミシェル・モルガン シュジィ・プランルシアン・ナット ダニエル・アンダイユ トミイ・ブウルデエル ルネ・ジュナンルネエ・デュヴィレエル製作&監督&脚本ジュリアン・デュヴィヴィエ脚色シャルル・スパーク 1871年。パリ・モンマルトルの農家フロマン家では、同地を包囲したプロシャ軍を破るため、父ピエールがクレマンソーの義勇軍に従って出撃、後事をマルセイユに住む弟のジュールに託して戦死した。二十年後、長兄のフェリックスはアフリカに赴いて死に、長姉エステルは独身だったが、弟ベルナールは妻ガブリエルをめとった。双生児が生れ、彼らはすくすくと育ったが、アランは飛行機に志し、マリイはモンマルトルの若い画家ロベールと恋に落ち、親の苦労は絶えなかった。やがて大戦が勃発、ロベールとアランは直ちに応召、まだ独身のエステルは看護婦を志した。アランは戦死し、ロベールは右腕を失って戦いは終り勲章を授けられたエステルにも、もはや患者からの便りが間遠になって来た頃、ある日彼女の許へ没落しはてたジュール叔父が訪ねて来た。弟ベルナール夫婦も、ロベール・マリイ夫婦が新奇なデザインの店を開いて自分達から遠ざかって行くのを唯眺めるばかりであったが、彼らの希望は祖先以来の宿願を果して医学を専攻している孫のクリスチャンにあった。しかし1939年、フランスはまたもや戦いにまきこまれ、クリスチャンも新妻をあとに出征して行った。ドゴール将軍の放送を聞くパリ市民達の中に、ノートルダム寺院に祈りを捧げつづけるベルナール夫妻の姿がみられた。 普仏戦争から第二次大戦まで、ずっと戦争が続いたフランスの一族四代の歴史が描かれる。ルイ・ジューヴェが親子二役を演じる。辛くも自身は戦争を逃れたが、父、兄、息子を戦争で失い、今また始まる戦争で孫が出征するため「どうか無事で戻ってきて欲しい」と祈るベルナール。やりたくてする戦争なんてない。しかし結局侵略を止めるためには武力V武力しかない。第二次大戦の反省を踏まえできたはずの国際連合も、常任理事国ロシアがまさかウクライナに侵攻し、もう一つの常任理事国中国が真っ向から異を唱えるとは思ってもいなかっただろう。実際戦争を止める機構として機能していない。よって常に個人の運命や家族の思いは、もっと大きな国同士の争いに翻弄される。 33年のアメリカ映画の大作「カヴァルケード」と対比されることがあるほか、題名はフランスのことわざ"この父にしてこの子あり"に由来している。本作品は完成直後進駐した独軍によって没収され、唯一本残っていたプリントをデュヴィヴィエがアメリカに持参し再編集の上、シャルル・ボワイエの解説を付けて公開した。わが父わが子 [ ルイ・ジューヴェ ]楽天ブックス
April 4, 2024
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みなさんこんばんは。X JAPANのベーシストHEATHさんががんで亡くなりましたね。映画私は確信するを見ました。私は確信するUne intime conviction監督&脚本&脚色&原案アントワーヌ・ランボー出演オリビエ・グルメ マリナ・フォイス スザンヌ・ヴィギエが3人の子どもたちを残して姿を消した。数々の証言や疑惑により、大学教授の夫ジャックが妻殺害の容疑者となる。ジャックの無実を確信するシングルマザーのノラは、彼の無実を勝ち取るため、敏腕弁護士のデュポン=モレッティに事件の弁護を懇願する。自らアシスタントとなったノラは、事件の調査を進めていく。食い違いを見せる、刑事、ベビーシッター、スザンヌの愛人らの証言。次第にこの事件の新たな真実や疑惑が浮かび上がっていく。 2000年にフランスで実際に起こった未解決事件の「ヴィギエ事件」を題材にした裁判サスペンス。 「夫(妻)が死んでいれば、相方を疑え」というのが警察の鉄則であるのは、皆もよく知っている。そして大概その予測は合っている。しかし今回の場合、そもそも妻が死んだかどうかもわからない。失踪である。子供ではなく、大の大人が失踪するなら、まず、自分の意思によるものと疑うべきだ。「子供を置いて出ていくはずがない」というのは、思い込みでしかない。ならば、そもそも殺害容疑で逮捕するものではなく、裁けない。それでも裁判になってしまった所が問題である。 モレッティ弁護士がしつこく主張するのもその点である。裁判は犯人探しではなく、不当に犯人と名指しされた夫の無罪証明が主眼だ。しかしマスコミが騒ぎ立て、この事件に夢中になった人々も、モレッティに弁護を依頼したノラもまた、探偵と化してヴィギエ家のプライバシーに踏み込んでいく。 容疑者とされてしまったスザンヌの夫ジャックが、声高に反論するタイプでないことも、マイナスイメージに転化する。突然の事態に戸惑っているだけなのだが「太々しい」「反論しないのは何かあるからだ」と思われてしまう。「推定無罪」こちらも原則であるが、しばしば忘れられがちだ。一旦火のついた世論は誰も止められない。しかし、姿なき民衆を裁くことは誰もできない。映画で裁かれているのは、実は責任を取らない立場から、あれこれと悪意による中傷を繰り返す民衆である。我々がその一人になる危険性に、警鐘を鳴らしている。一人でも多くの人に響くといいが。私は確信する [ マリーナ・フォイス ]楽天ブックス
December 6, 2023
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みなさんこんばんは。歌手の八代亜紀さんが免疫の異常によって発症するとされる「こう原病」の診断を受け、治療に専念するため年内の活動を休止すると発表しました。映画ローズメイカー 奇跡のバラを見ました。ローズメイカー 奇跡のバラLa fine fleur監督&脚本ピエール・ピノー出演カトリーヌ・フロフランス郊外。あふれる才能と魔法のような指で新種のバラを開発し、数々の賞に輝いてきたエヴ。だが数年前から巨大企業のラマルゼル社に賞も顧客も奪われ、亡き父が遺してくれたバラ園も今では倒産寸前に。助手のヴェラが何とか立て直そうと、職業訓練所から格安で前科者のフレッド、定職に就けないサミール、異様に内気なナデージュを雇う。だが3人は全くの素人で、手助けどころか一晩で200株のバラをダメにしてしまう。そんな中、エヴに新種のアイディアが閃いた! 交配に必要なバラがラマルゼル社のバラ園にしかないと知ったエヴは、フレッドにある“特技”を披露させる。パリの新品種コンクールまであと1年、はみだし者たちの壮大な奮闘が幕を開ける。 キレイな薔薇にはとげがある、いや苦労がある。素人ですらわかる。薔薇は育てるのが大変だ。育てている友人がいるが、世話が大変らしい。形にこだわったりしているわけでもないのに難しいのだから、コンクールに出品する薔薇を育てるのは手間と時間と金がかかる。しかしエヴにはそのどれもなかった。 職業訓練所からやってきた3人は、例によって使えない人達ばかり。しかしフレッドは次第に隠れた才能を発揮していき、サミールやナデージュも薔薇づくりに精を出すうちに、ジャイアントキリングを起こす。王道サクセスストーリー。最初は本当にイヤーな奴だったエヴが、メンバーそれぞれに愛情を持って接していくまでを細やかに描くのはさすがカトリーヌ・フロ。 本作のもう一人の華麗なる主人公であるバラの魅力でスクリーンを満たすために、フランス屈指のローズブランドであるドリュ社、メイアン社やスペシャリストが監修を担当、世界にひとつの新しいバラが誕生するまでの交配と栽培の過程が詳細に明かされる。また、パリのバガテル公園で開催されるコンクールが忠実に再現されているのも見所のひとつ。ローズメイカー 奇跡のバラ [ カトリーヌ・フロ ]楽天ブックス
December 3, 2023
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みなさんこんばんは。夏の高校野球ベスト4が出そろいましたね。今日は女優シャルロット・ゲンズブールが母を撮影したドキュメンタリー映画「ジェーンとシャルロット」を紹介します。ジェーンとシャルロットJane par Charlotte第75回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション《カンヌプルミエール》 第48回セザール賞最優秀ドキュメンタリー賞ノミネート 第25回ソフィア国際映画祭ドキュメンタリー部門オフィシャルセレクション第32回ストックホルム映画祭ドキュメンタリー部門オフィシャルセレクション出演ジェーン・バーキン シャルロット・ゲンズブール ジョー・アタル監督・脚本 シャルロット・ゲンズブール スノッブでアヴァンギャルド、フレンチポップのレジェンド、セルジュ・ゲンズブールのパートナー、娘という特異な環境下で家族の形を築いてきたふたりの女性。彼女たちはセレブリティの母と娘ということ以上に、1960-70年代と1980-90年代、ふたつの時代をセンセーショナルに彩ったシネマ&ファッションアイコンでもあった。シャルロットが監督デビューを果たした『ジェーンとシャルロット』は、母ジェーンがこれまで誰にも語ることのなかった娘たちへの想い、パブリックイメージとの狭間で感じた苦悩や後悔、最愛の娘ケイトを自死で失って以降の深い哀しみを、ふたりの間に流れる優しい時間の中に紡ぎ出した貴重なドキュメンタリー。誰にも踏み込めなかった母と娘の真実の姿が、感動的に綴られている。 2018年、京都。シャルロット・ゲンズブールは、母であるジェーン・バーキンを見つめる撮影を開始した。これまで他者を前にしたときに付き纏う遠慮の様な感情が、母と娘の関係を歪なものにしてきた。自分たちの意思とは関係ないところで、距離を感じていた母娘。ジェーンがセルジュの元を離れ家を出て行った後、父の元で成長したシャルロットには、ジェーンに聞いておきたいことがあったのだ。3人の異父姉妹のこと、次女である自分より長女ケイトを愛していたのではという疑念、公人であり母であり女である彼女の半生とは一体どんなものだったのか。シャルロットはカメラのレンズを通して、初めて母親の真実と向き合うことになる。 公開直前にジェーン・バーキンの死が報じられたこともあって公開二日目は満員でした。ジェーン・バーキンも3度結婚、うち2度は事実婚ですが、作曲家ジョン・バリー、ミュージシャンセルジュ・ゲンズブール、監督ジャック・ドワイヨンと華麗なるパートナー遍歴を持つんですね。この中ではどう見てもジャック・ドワイヨンがまともそうでしょうと思ったのに、彼とも別れてしまう。結婚に向かない人なのか。セルジュ・ゲンズブールはそうでしょうね。彼がDVというのはあまりにはまりすぎで今更驚きませんが、シャルロットを置いて出て来たことで、ジェーンの中にはずっとわだかまりがあったとか。でもシャルロットのダーリンがイヴァン・アタルであることを考えると、やはりシャルロットはファザコンなんですな。【送料無料】ジェーンとシャルロット/ジェーン・バーキン[Blu-ray]【返品種別A】価格:5,486円(税込、送料無料) (2024/3/14時点) 楽天で購入
August 21, 2023
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みなさんこんばんは。俳優のヘルムート・バーガーが亡くなりましたね。映画ポルトガル、夏の終わりを見ました。ポルトガル、夏の終わりFrankie出演ブレンダン・グリーソン ヴィネット・ロビンソン イザベル・ユペール マリサ・トメイグレッグ・キニア ジェレミー・レニエ パスカル・グレゴリーポルトガルの避暑地、シントラ。深い森と美しい海に恵まれ、歴史ある城跡が点在する世界遺産にも認定された神秘的な町。女優フランキーは、この地に家族や友人を呼び寄せる。夫、かつての夫、息子、義理の娘の家族、さらには最も信頼し、愛する年下の友人。何気ない夏の終わりの休暇の様相を呈していたが、実は自らの余命が長くないと知るフランキーが、最愛の者たちの人生を今のうちに少しだけ演出しようと仕組んだ集まりだった。しかし、集められた家族達は、この旅がそれぞれの人生のターニングポイントとなることなど、その時誰も想像だにしていない。アイリーンはニューヨークを拠点にする映画のヘアメイクアップアーティスト。フランキーの信頼も厚く、彼女の仕事関係で唯一の友人と言える存在だ。フランキーの誘いを受け、恋人で映画の撮影監督でもあるゲイリーとこの地を訪れるが、フランキーにとってゲイリーは、なにか軽く、底が浅い男に思える。大切なアイリーンのパートナーとして、ふさわしくないと直感が囁くのだ。そして何より、ニューヨークへの移住が決まっているものの、どこか情けないフランキーの息子ポールと彼女が結ばれることを強く望んでいた。アイリーンは到着早々にゲイリーからプロポーズを受けるが、その性急な申し出にどうも気持ちが付いて行かない。一方、母からアイリーンを暗に勧められたポールも、母の敷いたレールの上を進むような人生に抵抗を感じている。義理の娘シルヴィアは結婚生活に問題を抱えていた。夫と一人娘の3人家族でこの旅にやってきたが、彼女は夫との離婚を望んでおり、この休暇中にも娘と2人で暮らせるアパートを隠れて探し続けている。娘のマヤは思春期で、両親の不仲に敏感に反応し、シルヴィアを追い詰めてくる。今回もいつも通り母と衝突したマヤは、ひとり“リンゴの浜”へと向かい、そこで同年代の少年と出会う。両親が離婚しているという彼との会話は、マヤの心になにか温かいものを残すのだった。フランキーの夫ジミーは、その日の朝、目を腫らしていることを、朝食を買いに立ち寄ったパン屋のマダムに指摘される。アレルギーだと取り繕ったが、本当は違う。最愛のフランキーとの出会いは鮮烈で、彼女からのアプローチで結婚生活が始まった。フランキーはジミーの前に、この旅行にも参加しているミシェルと結婚していたが離婚。彼女と離婚した後に、自らがゲイだと気付いたミシェルはジミーに忠告する。「フランキーの後は、物事が変わる。人生が変わるんだ。」 ジミーはフランキーについてもう一つ言う「ほとんどの人はフランキーにノーと言わない。People seldom say no to Frankie.」家族も含めてフランキーの号令のもとに集まった人たちは「彼女が言うんだからしょうがない」って女優の我儘につきあわされてると思ってるが、実はフランキー自身がいろいろ自分のいない先々の事を考えていた事実は周囲にはわからない。タカビーな外見を保つために彼女自身が知らせないからだ。ただ自分がいなくなった後、人が思い通りに行動するよう仕向けるなんて遠大な未来計画、成功するはずがない。それが証拠に、この旅行の時点でもフランキーが思いもしなかった出会いが生まれている。その瞬間を高所からじっと見ているフランキーが、もう半分天国に行ってしまったひとのような視点になっている。 この映画はイザベル・ユペール自身が大女優でフランキーが彼女自身を投影したようなキャラになっている。彼女でなければ成り立たなかったのでは。ポルトガル、夏の終わり [ イザベル・ユペール ]楽天ブックス
July 31, 2023
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みなさんこんばんは。ジョンソン元英首相は下院議員を辞職しました。新型コロナウイルス対策下でのパーティー問題を巡り、虚偽答弁疑惑で下院が調査していたが、抗議の姿勢を示し調査の結果次第では議会から追放処分を受ける恐れがあったそうです。今日も怒れる親父の映画を紹介します。今日の親父はメル・ギブソン。ブラッド・ファーザーBlood Father出演メル・ギブソン エリン・モリアーティ ディエゴ・ルナ ウィリアム・H・メイシー監督ジャン=フランソワ・リシェ原作&脚本ピーター・クレイグ 元犯罪者のジョン・リンクは、トレーラーハウスでアルコール依存症のリハビリをしながら細々と暮らしていた。血生臭い世界から足を洗った彼の前に、数年前から行方不明になっていた一人娘のリディアが、突然姿を現す。ギャングとトラブルを起こし、警察と殺し屋から追われているというのだ。窮地に陥った娘を救うため、リンクはこれまで培ったアウトローのサバイバル術を駆使して迎え撃つことを決意する。 2008年シルベスター・スタローンがピーター・クレイグの小説『ブラッド・ファーザー』を脚色し自身で監督・主演するつもりだった。リディアが作中でテレビで見ている映画は本作の監督ジャン=フランソワ・リシェの作品『アサルト13 要塞警察』。リディアの母が出てくるシーンも撮影したが最終的に全編カット。父と娘のドラマに集約した。メル・ギブソンがタトゥー・アーティストを演じたのは『ファーザーズ・デイ 』に続き二度目。御年61歳の演技。 髪も伸ばし放題、髭ももしゃもしゃの胡散臭いおっさんだったメル・ギブソンが、娘を守るためにぱりっとしたイケメンに変わる。ありがちだ。スタローンが主演だったらうまくイメチェンできたのか想像できない。それにしても最近メル・ギブソンの映画を見なくなった。人種差別発言や元恋人へのDV容疑などのスキャンダルにより物議をかもしたからか?本当に久しぶり。アクションはそれなりに入ってますが、ただ結構説明に尺を取ってるんですよね、娘がそもそもこうなった経緯とか、回想場面とか出せばいいのに全部台詞で言っちゃう。それが若干間延びした印象を与える。そして途中でバイクの下に爆弾を仕掛けるのだが、それって結局相手が踏んでくれないと爆発しないんですよね。相手を倒すには行き当たりばったりすぎないかな。ブラッド・ファーザー スペシャル・プライス【Blu-ray】 [ メル・ギブソン ]楽天ブックス
June 30, 2023
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みなさんこんばんは。各地で線状降水帯が発生していますね。関東でも発生の可能性が出てきました。今日もジャック・ガンブラン主演&ニルス・タベルニエ監督作品を紹介します。映画シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢を見ました。シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢L'Incroyable histoire du Facteur Cheval出演ジャック・ガンブラン レティシア・カスタ監督&脚本ニルス・タベルニエ フランス南東部の自然豊かな田舎町。寡黙で空想好きの郵便配達員シュバルは、変わった形の石につまずいたことをきっかけに、愛娘アリスのために「おとぎの国の宮殿」を建てることを思いつく。さまざまな苦境に直面し、周囲の人々にバカにされながらも、来る日も来る日もたった1人で石を運んでは積み上げ続けるシュバル。そんな彼に、過酷な運命が容赦なく襲いかかる。新聞や雑誌や絵葉書で見知った遠い異国の景色の断片を組み合わせるようにして、幅26m、高さ10mに及ぶ、複雑な意匠をこらした建造物を完成させた。木製の手押し車で石を拾い集め、積み上げること9万3000時間。愛娘のために世界にふたつとない“おとぎの国の宮殿”を手作りするという彼の果てしない挑戦を支えたのは、夢を信じる心と深い愛だった。 一見華やかさを好む風に見えるフランスがこんな地道かつ地味な主人公の映画を作るとは。 建築の技術があるわけではない。図面を引いてから創り出したわけでもない。だからこそ試行錯誤が山のようにあっただろう。「人生は重き荷を背負いて歩く」という文言の如く、シュヴァルは来る日も来る日も気に入った石をリヤカーに載せて帰ってくる。歩いた距離は地球5個分だとか。寡黙で朴訥で言葉を飾るわけではないシュヴァルの心の中になにがあるかは、宮殿を見るしかない。楽しみにしていた娘がいなくなっても、変人扱いされてもぶれない姿勢もきっと人々は見たのではないか。絵葉書から得た情報で各国の特徴を備えた宮殿をつくりあげてしまう無学の芸術家シュヴァル。 ほぼ全編を通し、現存する理想宮で撮影を敢行した。1969年、当時の文化相アンドレ・マルローの尽力により仏政府の重要建造物に指定。現在では世界中から年間 175000人が訪れる一大観光スポットとなっている。完成時は76歳であった。さらに2年後には妻と自分が眠るための“終わりなき静寂と休息の墓”を共同墓地に築き始め8年かけて完成。1924年、88歳で死去した。シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢 [ ジャック・ガンブラン ]楽天ブックス
June 3, 2023
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みなさんこんばんは。大型の強い台風2号が来ていますね。今日から2日間ニルス・タベルニエ監督作品を紹介します。映画グレート デイズ! 夢に挑んだ父と子を見ました。グレート デイズ! 夢に挑んだ父と子De toutes nos forces出演ジャック・ガンブラン ファビアン・エロー監督&脚本ニルス・タベルニエ 体が不自由で車椅子生活を送る17歳のジュリアンは、失業して久しぶりに帰ってきた父ポールとの時間を楽しみにしていたが、息子との接し方が分からないポールは口をきこうとしない。そんな父の態度に不満を募らせるジュリアンは、若き日の父がトライアスロンの選手だったことを知り、自分もトライアスロンに挑戦することを決意。トライアスロンの中でも最難関とされるアイアンマンレースに出場することを決め、反対する両親を説き伏せて父とのチームを結成する。無謀にみえるジュリアンとポールの挑戦は、やがて周囲の人々も巻き込み、夢に向かって一丸となっていく。 車椅子生活を送る少年と頑固で不器用な父親が、ハンディキャップを乗り越えてトライアスロンに挑戦し、親子として真正面から向き合っていく姿を描いたドラマ。息子ジュリアン役はオーディションで見出されたファビアン・エロー。 ただですねえ…実際に二人で出場するとなると、二人分動かなきゃいけないのは年取ったお父さんなんですな。最初に池でジュリアンの乗ったゴムボートを引っ張って戻ってこなきゃいけない。次はジュリアンを乗せてサイクリング。これだって二人乗り。坂道あり。こけたらどうするんだ。息子は漕ぐわけじゃないから途中で寝られるが、お父さんは寝られない。ゴールしたいと息子が言うから。ラストはマラソン。これ映画だから全部撮ってるわけじゃなさそうだけど、途中でへたりこんでたよ。そりゃそうだよ。全くやったことないのに、鍛え上げてトライアスロンやらなきゃならないんだから。心臓発作で倒れるというオチなのかな?と心配になった。実話らしいがお父さん本当に頑張った。鉄人だと思う。でも息子はお父さんの前で風を感じただけだよね。すみませんなんだか意地悪な見方になってしまった。グレートデイズ! -夢に挑んだ父と子ー [ ジャック・ガンブラン ]楽天ブックス
June 2, 2023
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みなさんこんばんは。南仏カンヌで開催中の第76回カンヌ国際映画祭でコンペティション部門に出品されている役所広司さん主演作「パーフェクト・デイズ」が公式上映されましたね。独のヴィム・ヴェンダース監督が昨秋、東京で撮影し、日本人キャストが出演した作品になります。東京都渋谷区の公共トイレを改修するプロジェクト「THE TOKYO TOILET」から派生して企画、製作されたそうです。今日から2日間ジャック・オーディアール監督作品を紹介します。ディーパンの闘いDheepan監督&脚本ジャック・オーディアール出演アントニーターサン・ジェスターサン カレアスワリ・スリニバサン カラウタヤニ・ビナシタンビ2015年・第68回カンヌ国際映画祭最高賞パルムドール 内戦下にあるスリランカからフランスに渡るため、偽装家族となった元兵士ディーパンと女と少女の3人は、パリ郊外の集合団地でささやかな幸せを手に入れようとしていた。しかしその矢先、3人は新たな暴力に見舞われてしまう。 スリランカとフランスを比較すれば、民族紛争はなく、海外と戦争をしているわけでもないフランスははるかに平和で安全だ。不法なので脱出や生活手段を得るためには多くの金が必要だったとしても二重の脅迫者は現れない。しかし結局世界のどこにいっても暴力と搾取はついてくる。ディーパンの妻と称して渡仏したヤリニは、紹介で家のお手伝いの仕事を得るが、その家の息子がドラッグディーラーだった。本当の家族を守れなかったディーパンは、疑似家族を守るために立ち上がる。その姿からは、やはり自由を得るには戦うしかない=結局暴力しかないと言われているようだ。占領され自由を他者から与えられた日本人にはわかりにくい感覚だろう。しかし、同時に家族の絆が幸せな未来を築けることも示唆している。両者の主張が全く逆で、曖昧なように感じた。両方あってよし、ということなのか?子供社会でもそれなりの差別はあるだろうに、一番最初にコミュニティになじむ娘イラヤルの屈託のなさとたくましさが救いである。主人公ディーパンを演じたアントニーターサン・ジェスターサンは、スリランカ内戦の元兵士で、フランスに亡命後に作家として活動しており、今作で演技に初挑戦した。元少年兵士からすれば、今回の町のチンピラなど簡単にのせる実力を持っていただろう。カレアスワリ・スリニバサンとカラウタヤニ・ビナシタンビも演技経験はない。彼等が演じる現実はフィクションでも自然な感情表現にはリアルを目指したオディアール監督。ディーパンの闘い [ アントニーターサン・ジェスターサン ]楽天ブックス
May 27, 2023
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みなさんこんばんは。連休中石川県で大きな地震がありましたね。久々に映画館に行ってきました。映画午前4時にパリの夜は明けるを見ました。午前4時にパリの夜は明けるLes passagers de la nuit/Passenger of the Night出演シャルロット・ゲンズブール エマニュエル・べアール監督&脚本ミカエル・アース 1981年、パリの街は選挙の祝賀ムードに包まれ、希望と変革の雰囲気に満ちていた。そんな中、エリザベートは夫と別れ、子どもたちを1人で養うことに。深夜放送のラジオ番組の仕事に就いたエリザベートは、そこで家出少女のタルラと出会い自宅へ招き入れる。タルラとの交流を通し、エリザベートや子どもたちの心は徐々に変化していく。シャルロット・ゲンズブールが主演を務める。2022年・第72回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品。 深夜ラジオ「夜の乗客」はミカエル・アース監督の幼少期、実際に放送されていた「Les choses de la Nuit(夜の出来事)」という番組がモデル。視聴者参加型のコーナー「Quel est votre prénom?(君の名は?)」では、ゲストがスタジオ内の小部屋に案内され、自分の人生を語る。 テレビの深夜番組の台頭を横目に、深夜放送のラジオ番組はエリザベートをはじめ、眠れない夜を過ごす人々を支え、人と人とをつなぐ架け橋となっていた。 がちがちの個人主義国家だと思っていたフランスで、人と人の繋がりが大事だよ、と訴える映画を見るとは思わなかった。日本の人情映画と通じるものがある。シャルロットがかつてのジェーン・バーキンの年になっちゃたんだね。それにしても最近映画で見なかった。旦那さんの映画も見ないけど、単に日本で公開されていないだけ?解決を求めないオープンエンド。息子はこれからタルラと会えるのかな?というのも曖昧。アメリカ映画なら再会してハッピーにしただろう。 1984年、25歳にして急逝した俳優、パスカル・オジェに捧ぐオマージュとして登場する、エリック・ロメール『満月の夜』(84)やジャック・リヴェット『北の橋』(81)。ほか多数引用されている当時のアーカイブ映像のなかにはクレール・ドゥニが監督した『ジャック・リヴェット、夜警』(90)からジャック・リヴェット本人が登場するシーンも。タルラもロン毛でパスカル・オジェに憧れている示唆も。昔の映画が出てくると懐かしいですね。これらの映画陣を見に行ったかつての映画館ももう日本ではなくなってしまっている。午前4時にパリの夜は明ける【Blu-ray】 [ ミカエル・アース ]価格:4,306円(税込、送料無料) (2024/3/14時点) 楽天で購入
May 9, 2023
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みなさんこんばんは。料理の鉄人に出ていた陳健一さんが亡くなりましたね。今日もイドリス・エルバ出演映画を紹介します。映画フレンチ・ランを見ました。フレンチ・ランBASTILLE DAY出演イドリス・エルバ リチャード・マッデン監督ジェームズ・ワトキンス 革命記念日前夜のパリ市街で爆弾テロが発生。過去に命令を無視してテロリストを射殺したこともある、CIAきってのアウトロー捜査官、ブライアーが捜査を担当することになる。ブライアーは早速、容疑者として浮上したスリの若者マイケルを確保するが、マイケルが濡れ衣を着せられていることを感じ取る。マイケルのスリの腕前を買ったブライアーは、無実の証明のために捜査に協力するよう持ちかけ、マイケルもそれに応じ、2人は真犯人を探してパリの街を駆けめぐる。イラクで命令を無視し、テロリスト6名を射殺した当局きってのアウトローでCIAのはぐれ者捜査官ブライアーがそもそもバディを組めるキャラなのか?と思うが物語上正反対のキャラがなりゆきでバディになるのは『48時間』などでよくあること。たまたま盗んだバッグに爆弾が入っていて、それを置いたためにテロリストと認定された(第三者が見ればそうなる)ドジなマイケルは無罪を証明するためにやむなく協力。情報を提供して協力を仰いだ女性捜査官があっさり殺される場面は何となく予想ができた。警察の内部に腐敗ありというのもよくあるパターン。反発しつつ協力する関係というのはどこの国でもウケる。しかしイドリス・エルバ背が高くてカッコいいな。リチャード・マッデンがその分小さく見えてちょこまか動くスリっぽいし。ただこれまでこういう大掛かりなテロを扱った映画は絵空事として見ていられたのだが、最近はそうでもなくなった。本作は2016年2月19日にイギリスで公開予定だったが、2015年11月のパリでのテロ攻撃後、公開延期。その後、2016年4月22日にイギリス、アイルランド、スウェーデンで同時公開。フランスでは、映画はストーリーの日付に合わせて2016年7月13日に公開されるも2016年のニーストラックテロ事件後、スタジオカナルは、「犠牲者とその家族へ敬意を表す」として本作に言及しつつ、2016年7月17日には本作を劇場から引き揚げた。これだけ無差別テロが増えると何だか映画なんだかリアルなんだかわからなくなってくる。フレンチ・ラン【Blu-ray】 [ イドリス・エルバ ]楽天ブックス
April 10, 2023
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みなさんこんばんは。大相撲優勝力士が決まりましたね。大関貴景勝が優勝しました。今日から2日間連続で音楽家の映画を紹介します。パリに見出されたピアニストAu bout des doigts出演ランベール・ウィルソン クリスティン・スコット・トーマス ジュール・ベンシェトリ監督&脚本ルドヴィック・バーナード パリ、北駅に置かれた1台のピアノ。マチューの楽しみは、自分を追う警察官の目を盗んでそのピアノを弾くことだった。そこへ通りかかった音楽学校のディレクター、ピエールはマチューの才能に強く惹かれ、ピアニストとして育て上げたいと声を掛ける。乗り気ではないマチューだったが、実刑を免れるため無償奉仕を命じられた音楽院で、ピエールや厳しいピアノ教師エリザベスの手ほどきを受けることに。生い立ちに恵まれず夢など持たずに生きてきたマチューは、周囲との格差や環境の壁に直面しながらも、本気で音楽と向き合うようになっていく。 最近NHKBSでも放送される街ピアノ。たまに「えっ何この人うまい!」という人いますよね?マチューが弾いていた所を偶々通りかかった音楽学校のピエールが、才能を見抜いてスカウトってまるでシンデレラ物語じゃないですか。実話?と思っていましたが最後にテロップが出ないのでフィクションの世界の話。教授から息子の部屋を借りてるのに恋人を連れ込むのはいかがなものか。恋愛王国フランスではありなのか。 脚本&監督のルドヴィック・バーナードは、「3人の登場人物がお互いを救い、助け合う」というメッセージを伝えたい映画として製作し、若い男性がベルシーの街ピアノを演奏しているのを聞いて、この映画のアイデアを思いつき、教授たちとの関係を描くにあたっては、インスパイアされた映画としてアメリカ映画『グッド・ウィル・ハンティング』を挙げた。そのためストーリーとしては平凡な印象を与える。奇跡のピアニストをキャスティングで見つけることができなかったため、ルドヴィック・バーナードは、彼が「magnetic」と呼んだジュール・ベンシェトリを選んだ。 原題の Au bout des doigts は「この指で未来を拓く」といった意味。パリに見出されたピアニスト【Blu-ray】 [ ジュール・ベンシェトリ ]楽天ブックス
January 23, 2023
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みなさんこんばんは。日本代表残念でしたね。ベスト8の壁がまたもや。今日もモーパッサンを特集します。今日は映画です。映画女の一生を見ました。女の一生Une vieヴェネツィア国際映画祭国際批評家連盟賞監督&脚本ステファヌ・ブリュゼ 男爵家のひとり娘として生まれ、17歳まで修道院で教育を受けてきた清純な娘ジャンヌは、親の決めた子爵ジュリアンと結婚し、幸せな人生を送るはずだった。しかし、ある時、乳姉妹だった女中のるロザリーの妊娠が発覚。その相手は夫のジュリアンだった。それ以降、ジュリアンの度重なる浮気や母の死、溺愛する息子ポールの裏切りと、ジャンヌの人生には数々の困難が待ち受けていた。 現代人が見たら「とてつもなく男運の悪い女性のひたすら不幸な一生を見て何が面白いのか」と思うだろう。反面教師としてモーパッサンはこの小説を書いたのか?すぐそばで行われている夫の不貞を知っても見て見ぬふりをするなど、いくらでも“賢い”選択肢があったが、賢くなるにはあまりにもジャンヌは純粋すぎ、そして無力だった。 乳姉妹の夫から身分を盾にほぼ強制的に関係を持たされ、果ては妊娠させられて当の本人の妻から「名前を言え」と言われるなど、どこまでも理不尽な扱いを受けるロザリーが強い。ジャンヌの恨みを受けても彼女を最後まで支え続ける彼女に対して、ロザリーどころか他の人妻にも手を出してしまうジュリアンが懲りない男で本当に情けない。ジャンヌが恋に落ちたとはいえ、両親も見る目がない。自分達が先に死ぬのだから、もう少し結婚相手の性格を見極めるべきだった。 嘆くだけの母親と始終家にいない父親を見ていればそうなるよな、の絵にかいたような一人息子ポールの放蕩っぷりも全く悪びれてない。「あれだけ苦労した母を自分が楽にさせたい」と思うどころか、嘘八百を並べて財産をむしり取ろうとする。これも苦労させまいと甘やかしたジャンヌの責任である。ジャンヌの救いは、ロザリーという自分より遥かに逞しく賢い女性と出会えたことだけだ。 フランスの文豪ギイ・ド・モーパッサンが1883年に発表し、これまでにも何度も映画化されてきた「女の一生」を映画化。女の一生 [ ジュディット・シュムラ ]楽天ブックス
December 7, 2022
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みなさんこんばんは。日本の探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウから持ち帰った試料を詳しく調べている宇宙航空研究開発機構(JAXA)の化学分析チームは試料の成分が、世界で9個しか見つかっていない希少な「イブナ型炭素質(CI)隕石」と同じだったと発表しました。俳優同士の親子共演ってなかなか見られませんよね。今日紹介するのはその貴重な一作です。田園の守り人たちLes gardiennes出演 ナタリー・バイ ローラ・スメット監督グザブエ・ボーボワ音楽ミシェル・ルグラン 1915年、第一次大戦中のフランス。老母オルタンスと中年の娘ソランジュは男たちの不在の中、農場を切り盛りしている。人手の足りなくなったオルタンスは、若い娘フランシーヌを雇う。オルタンスはフランシーヌの働きぶりに満足していた。フランシーヌは、戦地から一時帰宅したオルタンスの次男ジョルジュと惹かれ合う。しかし、ソランジュの夫がドイツ軍の捕虜になり、そのうえオルタンスの長男コンスタンスの戦死の知らせが届く。さらには娘ソランジュと、駐留するアメリカ兵士の間に醜聞が生じ、オルタンスはその罪をフランシーヌにおしつけ解雇する。追い出されたフランシーヌは戦地のジョルジュに手紙を書くが返事はない。フランシーヌは妊娠していた。 農民たちの姿を描いた19世紀フランスの画家ミレーの絵画を彷彿させる田園風景の中、第1次世界大戦を背景に、夫や息子を戦場に送り出した女たちの静かな戦いと、渦巻く思いを描く。戦時中でありフランスはドイツと闘っていたが、銃後の女性達の間にも静かなる闘いが行われていた。最初はよく働いてくれる気立てのいいフランシーヌを気に入って、家族同然のような接し方をしていたオルタンスが、家族を守るために切り捨てるのは孤児の彼女。理不尽な扱いを受けながらも健気に生きる彼女の方が、実は古い価値観から抜けられず土地に縛られたオルタンスよりも自由で幸せなのでは。家を守り、息子を守ろうとする母世代を代表するオルタンス、新しい時代に向けて生きようとするフランしーぬとソランジュの娘世代が対比される。 ミレーの絵画とはずばり『落穂拾い』『晩鐘』フランスの名女優ナタリー・バイと娘のローラ・スメットが劇中でも母娘役を演じ、映画初共演を果たした。2017年・第30回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門では「ガーディアンズ」のタイトルで上映。田園の守り人たち [ ナタリー・バイ ]楽天ブックス
October 15, 2022
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みなさん、こんばんは。NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で和田義盛役を演じている俳優横田栄司が、10月の文学座公演「欲望という名の電車」を降板することが発表されました。エディット・ピアフの伝記映画を紹介します。愛の讃歌 エディット・ピアフの生涯PIAF/PIAF: THE EARLY YEARS 第一次大戦さ中の1915年12月19日。パリの舗道にひとつの生命が生み落とされた。父は大道芸人のルイ・ガション、母はリーナといった。生まれた子はエディット(B・アリエル)と名付けられた。やがて彼女は淫蕩な母親に捨てられ、宿に預けられたが、戦場から帰った父のルイが引きとり、その影響もあって道端で歌うようになった。大人顔負けのパリの舗道に生まれ、パリを愛し、歌を愛し、ひたむきに愛することで生涯を貫いた偉大な歌手エディット・ピアフ。これは、彼女が歌手として栄光を手にする前の、いわば、手探りで生命の糧を求めて歌い続けた青春の日の記録。大道芸人の子として、行きずりの人々と街角から人生を学んだエディットは、歌うことをおぼえたその日から歌い続け、歌に酔い、恋に溺れることによって、悲惨な体験をたぐい稀な美しいものに変えた女性だった。 映画はベルヴィル街72の路上で生まれたという伝説を踏襲しており、彼女がこの世に出てくる場面から始まる。子供の頃から美空ひばりなみにコブシがきく歌い方を身に着けていたピアフ。ピアフは小さなスズメという意味で、母親に捨てられ、父親は彼女のあがりをかすめるようなろくでなし。ものごころついたエディットには、ごろごろ異母妹や異父妹がいてびっくり。そんなエディットにとって、父親的存在だったルブレーによって名付けられた芸名である。ルブレーが殺害され容疑者として逮捕された事で、エディットはまた父親を失ってしまう。かなり我が強いキャラクターに設定されているが、逆にその我の強さがないと生き抜けないくらい悲惨な前半生だった。 フランスの偉大なシンガー、エディット・ピアフの生涯を、彼の異母妹であるシモーヌ・ベルトーが書き、ベストセラーとなった伝記を基に映画化。愛の讃歌 エディット・ピアフの生涯 HDリマスター版 [ ブリジット・アリエル ]楽天ブックス
September 14, 2022
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みなさん、こんばんは。イギリスのエリザベス女王の国葬に天皇陛下が参列される方向で調整していることが関係者への取材で分かりました。ジャン・ギャバンとミシェル・モルガンが夫婦を演じた映画を見ました。愛情の瞬間LA MINUTE DE VERITE出演ジャン・ギャバン ミシェル・モルガン 音楽&出演ポール・ミズラキ 監督&脚本ジャン・ドラノワ 結婚十周年を迎えた医師ピエール・リシャールは、その日の夕方、ムーラン街のガス自殺者の部屋で、自殺した青年と舞台女優の自分の妻マドレーヌが一緒に写っている写真を見た。帰宅して、妻にその写真を見せると、彼女は静かに語り出した。 戦時中アトリエ座の公演で、彼女は絵描きの青年ダニエルに話しかけられた。彼は足繁く彼女の楽屋を訪れて愛を告白した。マドレーヌの友達モニにペニシリンが必要になったとき、ダニエルが闇のペニシリンを手に入れてくれた。感謝の気持から彼が似顔絵描きをしているキャバレーを訪れたとき、ダニエルは客と喧嘩して傷を負った。彼女は彼をアパートへ連れ帰って介抱したが、彼はなおも、マドレーヌに求愛するのだった。その情熱にひかれたマドレーヌは、彼を忘れるため、イタリアへ旅興行に出かけたりした。あるとき一座の仲間と気晴らし旅行をしたときアッシ高原で図らずもダニエルに会い、久しぶりの出会いに二人は熱い接吻を交す。ここまで告白したとき、怒ったピエールは別れ話を切り出す。その時電話がかかり、電話器をとったピエールが知ったことは。 邦題は“愛情の瞬間”英語題名は“真実の瞬間”どちらも合うような気がするが愛情の瞬間ってわかりづらいな。 相手の男が死んだ後になって妻が実は浮気していたと気づいた医師が、帰って妻を問い詰めると彼女は経緯を語り始める。韓国ドラマで終わったばかりのドラマ『夫婦の世界』もドロドロの愛憎ものだったが、こちらもある種『夫婦の世界』ではある。夫婦にしかわからない“ここまでは許せるけどここからはだめ” “嫌な所があるけれどこんないい所がある”自分の物差しで考えた時、相手と一緒に暮らすことを選ぶかどうするか?とを決めるある一瞬に向かってひたすら過去を遡ってゆく。マドレーヌに共感できる人もできない人も半々ではなかろうか。そして三角関係からはじかれる側は誰に言われずとも自ら悟ってしまうのが本当にあるあるで、ダニエル・ジェランの一途な瞳は反則だと思う。IVCベストセレクション::愛情の瞬間 [ ジャン・ギャバン ]楽天ブックス
September 12, 2022
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みなさん、こんばんは。桜島が噴火しましたね。今日はジャン・レノがおじいちゃん役を演じた映画を紹介します。プロヴァンスの休日AVIS DE MISTRAL/MY SUMMER IN PROVENCE出演ジャン・レノ オーレ・アッティカ アンナ・ガリエナ クロエ・ジュアネ ルーカス・ペリシエ ユーゴ・デシウ シャルロット・ドゥ・トゥルケイム監督ローズ・ボッシュ レア、アドリアン、テオの三きょうだいは、祖父のポールとの初対面を果たそうと南フランスのプロヴァンスへ向かう。面倒な性格の彼に威圧されてしまう三人だったが、聴覚障害を抱えるテオがポールになついたのを機に、レアとアドリアンも彼に親しみを覚えるようになっていく。ある日、アドリアンが軽い気持ちでSNSにポールを登録してしまい。 『レオン』でナタリー・ポートマンと親子とも恋人ともつかない関係を演じていたジャン・レノが何とおじいちゃん役!いや、まだまだ恋愛現役張れるでしょ!アンナ・ガリエナも、『髪結いの亭主』の美しき髪結いを演じていたのが嘘のようなおばあちゃん役で若すぎる!現役ばりばりだったジャン・レノがそんな役を演じる年になるとは。まあ娘が若くして結婚したという設定なんだね。 ストーリーは予定調和的。もともと子供の母親との喧嘩が継続中の所に、無理やり子供達を預けに来るのもどうかと思うけど、二人の間を取り持とうとする祖母が話をもちかけたんだったりして。それにしても、それまでの素地が全くないのに、いきなり孫と祖父になって仲良しバカンスを楽しもうといっても無理。食べ物の好き嫌いもあるし、都会っ子と農業中心の祖父母の生活リズムは全く違う。それでもSNSに夢中で田舎のアバンチュールにも興味深々な兄姉に比べて、まだ素直な末息子テオがきっかけでジェネレーション・ギャップは次第に解消されていく。関心の向く先が少ないのが幸いした。実は頑固だけど孫思いの祖父という役柄にジャン・レノがマッチ。「こんな所早く帰りたい」と思っていた筆頭の長女の危機を救ったことで、孫たち皆の心をつかんでしまう。しかし田舎にも若者を誘う悪は潜んでいるんだなぁ。村の行事として祭りや闘牛が登場するが、祭りではフラメンコが披露され、フランスよりもスペインにイメージが近いのは場所がカマルグ地方だから。プロヴァンスの休日 [ ジャン・レノ ]楽天ブックス
July 25, 2022
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みなさん、こんばんは。フィギュアスケートの羽生結弦選手が「決意表明の場」として記者会見を開き、第一線を退く意向を表明しました。同選手は会見の冒頭で「プロのアスリートとしてスケートを続けていくことを決意しました」と話しました。今日はイヴ・モンタン主演作を紹介します。枯葉~夜の門~LES PORTES LA NUIT出演イブ・モンタン ピエール・ブラッスール セルジュ・レジアニ監督マルセル・カルネ脚本ジャック・プレヴェール音楽ジョセフ・コスマ パリに残された家族にレジスタンス仲間の死を伝えに来たディエゴは、当の本人にそのアパルトマンで再会。ナチの手から警官に渡されて助かったのである。彼、レイモンを裏切ったのは実は、英雄扱いで先に帰還していたギーだった。その姉のマルーは別れを決意した夫と共にパリに舞い戻ったところをディエゴと知りあい、運命の相手と互いに確認するに至る。裏切りの発覚を恐れるギーに、義兄はディエゴに対する嫉妬から、銃を渡し、その殺害をけしかけるが。 たった一夜の出来事をディエゴとマル―、両親の心配をよそに夜遅くまで恋人と語り合うエチエンヌ、秘密を抱えた親子マルーの弟ギーとその父セネシャル、マルーと離婚寸前の夫ジョルジュなど複数のドラマで描く。物語には死神役でセルジュ・レジアニが登場。死神といってもただ死ぬ人の周りをうろつくのではなくディエゴに「この女といちゃいけない」と死を避ける行動を促しもするため、運命を予言する人と言った方がいいのかも。どんなに運命が変わらぬものであっても人間は抗おうとし、そこにドラマが生まれる。 カルネ=プレヴェールの“詩的リアリズム”コンビの戦後第一作だが、戦争の疲幣を重く引きずった内容なのに、台詞の例のごとくの調子の良さが相容れず、36年の「ジェニイの家」以来のこの名コンビは実質的にここで解消。あの“枯葉”が主題歌として唄われる作品であるにも関わらず、日本では未公開。主演カップルは当初、ギャバンとディートリッヒに決まっていたが、ディートリッヒが脚本の出来に不満で降り、彼女にお熱だったギャバンもついでに降板してしまい、まだ若くミュージックホールで成功を収めていたモンタンとレジアニが抜擢。枯葉~夜の門~【Blu-ray】 [ ピエール・ブラッスール ]楽天ブックス
July 20, 2022
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みなさん、こんばんは。人気漫画ゴールデンカムイが実写映画化されるそうですね。映画サンドラの週末を見ました。サンドラの週末DEUX JOURS, UNE NUIT/TWO DAYS, ONE NIGHT出演マリオン・コティヤール アカデミー主演女優賞ノミネート全米映画批評家協会賞主演女優賞ニューヨーク映画批評家協会賞主演女優賞ボストン映画批評家協会賞主演女優賞&外国語映画賞ベルギー・アカデミー賞作品賞&監督賞&主演男優賞受賞シドニー映画祭グランプリファブリツィオ・ロンジョーネ オリヴィエ・グルメ監督&脚本ジャン=ピエール・ダルデンヌ リュック・ダルデンヌ 体調が思わしくなく休職していたサンドラは、復帰のめどが立った矢先の金曜日、ボーナス支給のため一人のクビを切らなくてはならないと解雇を通告される。ところが、同僚の計らいで週明けに職員たちが投票を行い、サンドラのためボーナス返上を受け入れる者が半分以上になればクビを回避できるという。その週末、月曜日の投票に向けサンドラは同僚たちの説得するため奔走するが。原題は「二日と一夜」土俵際に立たされたサンドラが社長に直談判してもぎ取った、状況をひっくり返せるか否かのタイムリミットだ。それにしても社員の雇用を守るシステムたる労働組合とかないのがもどかしい。自分より生活苦にあえいでいる仲間に、「金をあきらめてくれ」と頼むのは酷だ。ましてや自分は仲間と同じ立場。個人の交渉力に依存する雇用確保なんて、判断も個人裁量になるから危うい。そして本当の問題は会社のシステム自体の問題なのに、サンドラの雇用を維持する代わりに契約社員の契約を切るなんて、経営者が一つも身を切っていない解決で最悪だ。本来なら内部留保を吐き出すべきなのに。 訪ねていく全員がサンドラに協力してくれるわけではないところがリアル。土日に同僚の家をまわるサンドラは、何度も自分の無力さに泣き、何度も自己嫌悪に陥る。しかし、同僚の中にはボーナス派から復職派へ転向してくれる者も現れる。それがささやかな希望の光となり、サンドラを前へ進ませる。 この映画の最初のアイデアは、2000年代初頭、ダルデンヌ兄弟がフランスの大きな工場で他の労働者がボーナスを得るために何人かの労働者が解雇された実際の事件について読んだときに生まれた。マリオン・コティヤールは脚本を読まずにオファーを受けた。エディット・ピアフのように強い女性も演じることができるマリオンが、今回はべそべそ泣きながらも夫に励まされ、同僚と連帯して強くなる女性を好演。サンドラの週末 /マリオン・コティヤール 【字幕のみ】【中古】【洋画】中古DVDテックシアター
May 18, 2022
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みなさんこんばんは。ラグビー日本代表の稲垣啓太選手がモデルの新井貴子さんと結婚したことを発表しました。今日は人質奪還のために命を賭ける男たちの映画を紹介します。スペシャル・フォース 壮絶!人質奪還作戦FORCES SPECIALES/SPECIAL FORCES出演ジェイモン・ハンスウ ダイアン・クル―ガ― フランス人女性ジャーナリストのエルサは、アフガニスタンの首都カブールで取材を行っていた。しかしタリバン系武装組織のリーダー、ザイエフを批判した事で怒りを買い誘拐されてしまう。事態を重く見たフランス政府は、コバックス率いるフランス軍特殊部隊『スペシャル・フォース』へ救出命令を下す。 部隊は敵のアジトを見つけ、エルサ一行を奪還するが、怒り狂ったザイエフは、部隊を追撃し皆殺しにするよう部下たちに命じる。 友好的な村で休息中の部隊は、ザイエフたちの急襲を受け、エルサを連れて退避しようとするが、エルサは虐殺される村人を助けるよう懇願する。 心を動かされた隊員たちは、任務外である村人の救出を決断し勇敢に戦うが、多勢の敵を前に次々と命を落としてゆく。生き残った隊員たちは、エルサを連れ国境を目指すが、彼らの前に極寒の高山が立ちはだかる。 ミッション・インポッシブルフランス編。相手がタリバンなので拉致の方法や宣言の仕方などがニュースで見ているそのまま。頭に黒い布を被せてあらかじめ言いたい言葉を指示。問答無用で銃を撃つ。 エルサを守るために特殊部隊が一人、また一人と命を落としていく“そして誰もいなくなった”バージョン。エルサがフランス軍派遣に批判的だったこともあって、メンバーの中には彼女を救うことと命を引き換えにしたくないと思う者もいたが、最後に任務=使命感が勝つ。夜昼で寒暖の差が激しい自然も彼等の敵になり、自分達を助けてくれた村人を救いに戻ろうとするなど、帰還には様々な壁が立ちはだかる。 フランス軍特殊部隊の戦いを描いているためフランス空軍と国防省が製作支援を行った。半分プロパガンダ?エルサと隊員とのロマンスはいらなかったかも。
May 7, 2022
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みなさん、こんばんは。ウクライナのゼレンスキー大統領は国連の安全保障理事会の会合でオンライン演説を行いました。ゼレンスキー氏は、ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊のブチャで多くの民間人の遺体が見つかったことについて、「第2次世界大戦以降、最も悲惨な戦争犯罪だ」としてロシアを強く非難しました。今日はフランス映画を紹介します。沈黙は金Le Silence-est d'Or出演モーリス・シュヴァリエ フランソワ・ペリエ マルセル・デリアンダニー・ロバン レイモン・コルディ ポール・オリヴィエ ロベール・ピザーニローラン・アルモンテル監督&脚本ルネ・クレール音楽ジョルジュ・ヴァン・パリス撮影アルマン・ティラール 活動写真というものが、パリでもまだ大変めずらしい見世物であったころ、シネマトグラフ・フォルチュナと名のる撮影所があった。その昔は二枚目役者であったエミールは、この撮影所では所長&プロデューサー&監督。彼を父親のように敬愛している青年ジャックは、監督助手&大道具係&大事な使者の役も勤める。女にほれっぽいくせに振られてばかりいるジャックは、女を口説くテクはパリ一というエミールに、女を手に入れる方法を教わる。そんなある夜帰宅すると、田舎娘マドレーヌが彼を待っていた。エミールの旧友で今も寄席芸人をしているセレスタンの娘だった。マドレーヌの母親こそエミールが生涯ただ一度惚れた相手であるため、やむなく彼女の面倒を見ることになるうち再び恋の炎が。ところがジャックが彼女に一目ぼれ! おしゃれで粋な時代のフランス映画。一人が何役もこなしたりと、まだシステム化されていないフランス映画界の内幕を背景に、モテ男が若い娘にふらっと心を動かされるが、年相応の相手のために身を引くというメインプロットが進行。これを見るとヘプバーン&ボガードカップルはやはり違和感があってウィリアム・ホールデンと結ばれるべきだったんだよなぁ。まあエミールのラストシーンを見ると、どこまで失恋がこたえていたのかはわからないけど。モーリス・シュヴァリエの何をやっても下品にならない所がいい。 ルネ・クレールが、1946年フランスにおいて、パテ・シネマと米国RKOラジオ協同作品として原作脚色監督製作。「シュヴァリエの流行児」以来約十年スクリーンを遠ざかっていたモーリス・シュヴァリエが主演。1906年当時のパリ市街、サイレント映画撮影所、ミュージック・ホール、映画館などが再現された。【中古】 沈黙は金 /ルネ・クレール(監督、脚本),モーリス・シュヴァリエ,フランソワ・ペリエ 【中古】afbブックオフオンライン楽天市場店
April 8, 2022
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みなさん、こんばんは。ソ連のウクライナ侵攻が行われる中での北京パラリンピックが終わりましたね。さて、今日もジャン・ルノワール監督作品を紹介します。そして今日から2日間チャールズ・ロートン主演映画を紹介します。自由への闘いTHE LAND IS MINE/Dette Land et mit出演チャールズ・ロートン ジョージ・サンダース モーリン・オハラ 監督&脚本ジャン・ルノワール脚本ダドリー・ニコルズ ナチスにより占領されていたフランスのある村をエリック・フォン・ケラー少佐が支配し、ヘンリー・マンビル市長や駅長のジョージ・ランバートなどは、彼におもねることで利益を得ていた。鉄道で働くジョージの親友ポール・マーティンは、占領下のドイツ兵と仲良くなる。一方、校長、尊敬されているソレル教授、若い学校教師のルイーズ・マーティン、ポールの妹、ジョージの婚約者は、ナチスの命令に公然と静かに抵抗する。ルイーズの仲間の学校教師である中年のアルバート・ローリーは臆病な男であり、威圧的な母親、エマ・ロリーに人生を支配されていた。アルバートは密かにルイーズを愛しており、町の人はその事を知り冗談の種にしていた。町の誰かが、反ナチスのリーフレットを密かに印刷して配布し、ナチスを阻止することを目的とした車両基地での妨害行為により、2人のドイツ兵が殺害される。フォン・ケラーはこれらの行為の背後にいる人物を見つけようと躍起になり、アルバートが尊敬するソレル教授も逮捕されてしまう。「真実は私がジョージ・ランバートを殺したかったということです、しかしできなかった。私は弱すぎる。私は臆病者です。誰もがそれを知っています。検察官でさえ。だから彼は私をからかっています。Well, the truth is I wanted to kill George Lambert, but I don't think I could have done it. I'm too weak. I'm a coward. Well, everyone knows it; even the prosecutor. That's why he's making fun of me.」「真実は占領下で生きることを許されません。危険すぎます。我々は嘘の上に生きています!彼らが新秩序と呼ぶ邪悪な世界全体がそうであるように。The truth can't be allowed to live under the occupation. It's too dangerous. The occupation lives upon lies! As the whole evil world they call the New Order does.」前半弱々しい生徒にもからかわれる頼りない教師が、後半法廷に立つことでどんどんかっこよくなっていく姿が圧巻。映画の終わりにアルバートが生徒たちに読み始めた本は、「人間と市民の権利の宣言」。ウォルター・スレザックはシカゴの電車でチャールズ・ロートンに出くわし、脚本のコピーを渡すと彼は徹夜で原稿を読み出演を快諾。ジャン・ルノワール監督は常にチャールズ・ロートンを主役として考えていた。もともとは「TheChildren」というタイトル。【中古】 自由への闘い(IVC BEST SELECTION)/チャールズ・ロートン,モーリン・オハラ,ジャン・ルノワール(監督、脚本),ロタール・パール(音楽) 【中古】afbブックオフオンライン楽天市場店
March 14, 2022
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みなさん、こんばんは。『セックス・アンド・ザ・シティ』シリーズのミスター・ビッグ役として知られるクリス・ノースが、複数の女性から性的暴行を告発され、所属事務所からの解雇や、ドラマを降板させられるなどの事態となっていますね。さて、今日から二日間ジャン・ルノワール監督作品を紹介します。今日はあの有名な文芸作品の映画化について紹介します。ボヴァリー夫人MADAME BOVARY監督&脚本ジャン・ルノワール 1839年7月、田舎のチャールズ・ボヴァリー博士は、ヨンビルで、レ・ベルトーの患者であり農民ルオー氏の若い娘エマと結婚するが、すぐに夫のシンプルなライフスタイルに飽きてしまう。 2年後の農産物品評会で、ボヴァリー夫人はロドルフ・ブーランジェと出会い、恋愛関係に。手術に失敗した夫を捨て、エマは娘のベルテと一緒にルーアンに旅行し、ロドルフと一緒に暮らそうとする。しかしロドルフにそのつもりはなかった。失意のエマはオペラを見に行き、若者レオンと出会う。 原作未見で映画を見たが、いやぁ、エマって悪妻ですね。原作を読んでいる人には何をかいわんやでしょうけど。だって、夫は何一つ悪くないですよ。 確かに田舎医者との生活は退屈だし、豊富な話題を提供してくれる相手ではない。でもそれは最初っからわかってたことでしょう?いや、若いからわかってなかった?いろいろと理想を持っていた?でもそれはエマ側の勝手な思い込みなわけで。彼女は二度恋愛するけれど、全然学ばないんだなぁ。自分が何を望むか。 チャールズも無茶な手術を他人に「あんたこの手術を成功させれば一躍有名になる」と言われてその気になって実行するとか、決して仁術のセンセイではないのだけれど、それでも借金してまで無駄遣いするとかそういう所はないですよね。それどころかエマの嘘を全然疑わない。いやそりゃあエマは絶望して死ぬとかいいでしょうよ。でも後に借金どっさり残された旦那はどうするの?この旦那ならきっと律儀に払う気がするんですよね。家とか全部取られちゃうんじゃないか。 オリジナル版は190分とかなり長いがこちらは短縮版。いやどこを長くするの?と。これくらいでちょうどいい。フローベールの原作は、風俗壊乱の罪で裁判沙汰になり法廷に立ったフローベールが 「ボヴァリー夫人は私だ!」 と言ったのは有名な話。珠玉のフランス映画名作選 ボヴァリー夫人 [DVD]ぐるぐる王国DS 楽天市場店
March 13, 2022
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みなさん、こんばんは。北京オリンピックでスピードスケートの女子団体パシュートが行われ、日本代表が銀メダルを獲得しました。今日もビリー・ワイルダー監督作品を紹介します。ろくでなしMauvaise Graine 監督&脚本ビリー・ワイルダー音楽フランツ・ワックスマン出演ダニエル・ダリュー 1930年代のパリ。裕福な医者の息子アンリ・パスキエは放蕩三昧の生活を続けていた。父は放蕩生活の支援を断ち切るためアンリの愛車ビュイック・ロードスターを売り払ってしまう。後日、その車の新しいオーナーがキーをつけたまま路上駐車しているのを発見する。アンリは誘惑に負け、最近、知り合った若い娘とのデートに車を盗み乗り去る。だが、後をつけてきた3人組の男たちに捕まりガソリンスタンドへ連れて行かれる。そこは車の窃盗団の秘密基地だった。窃盗団はアンリを同業者だと思い込み、自分らのビジネスと競合しないよう警告する。一方、そこでアンリはジャンを紹介される。彼はアンリに妹のジャネットと同居するアパートに泊まるよう誘う。ジャネットは高級車に乗ってる男たちを車から誘いだし、兄の共犯者たちがその隙に盗み出すと言う手口だった。 コメディとロマンチック・ラブストーリーの名手ワイルダーにして一つもコメディ要素がない、それだけに稀有な作品。それもそのはず33年ヒトラーの台頭と共にフランスに亡命した時の作品でワイルダーの監督デビュー作でもある。ここからこなれていくわけだ。ワイルダー作のこれが最初だったらちょっとファンにはならなかったかも。しいてコメディの要素を見出すならば、警察が手入れに入ってどうにか逃げようとする泥棒仲間の逃走劇の部分か。 主人公が金持ちのくせに絵にかいたようなろくでなし。ろくに結果も出さないのに親に反発して簡単に善悪の境を越えてしまう。仲間内で自分がどんな風に思われているか自覚がないのもいかにもお坊ちゃん体質。どんな影響をもたらすか人の死という重大事に直面してやっとわかる。大人への通過儀礼としてはあまりに重すぎる。 当時17歳のダニエル・ダリューがジャネット役で初々しい魅力を披露している。珠玉のフランス映画名作選 ろくでなし [DVD]ぐるぐる王国DS 楽天市場店
February 22, 2022
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みなさん、こんばんは。芥川賞&直木賞が発表になりましたね。映画夜明けの祈りを見ました。夜明けの祈りLES INNOCENTES/THE INNOCENTS監督アンヌ・フォンテーヌ出演ルー・ドゥ・ラージュ アガタ・ブゼク アガタ・クレシャ第2次世界大戦の傷痕残る、1945年12月のポーランド。赤十字の医療活動で慌ただしい毎日を送っていたフランス人女性医師マチルドは、一人のシスターから助けを求められてある修道院に向かう。そこで彼女が目にしたのは、ソ連兵によって妊娠させられた7人のシスターだった。信仰と現実の間で板挟みになっている彼女たちと、宿している命を救おうと決意するマチルド。何とか時間を作ってシスターたちと向き合うマチルドだったが。 本作は、明らかにされていない戦争犯罪の逸話を掘り起こしたものだ。“戦勝国ならば何をしてもいい”とばかりに第二次大戦末期には兵士たちによる暴挙が世界中で行われた。敗戦国は被害にあっても立場が弱く訴えていく先がない。最たるものが女性である。修道女たちは宗教上の理由で中絶することもままならず、子供を産みどこかに養子に出すことで折り合いをつけていた。妊娠したのは自分の意思ではないのに、妊娠中ずっと罪びととしての意識を抱かなければならないことも妊婦にとってはマイナスなのに、さらに特段医療を知っているわけではない面々で子供を産もうという無謀としか思えない行為に、放っておけない医師が立ち上がる。彼女自身も車で修道院に通っている間に兵士たちに乱暴されそうになる場面があり、一層暴力によって支配しようとする男たちへの怒りが沸き上がる。 しかし真の敵は男たちではなかった。終盤に明らかになるもう一人の敵はまさに“女の敵は女”。自身の歪んだ倫理観により尊い命を殺めてきた当人が、自身も望まぬ妊娠をさせられた身でありながらその選択をし、一切罪の意識を抱えてない風で退場するのがまた痛々しい。原題は“無垢なる者“だがマチルドが修道院の日課の合間を縫って診察していたことからつけられた邦題“夜明けの祈り”もなかなか良い選択だ。夜明けの祈り [ ルー・ドゥ・ラージュ ]楽天ブックス
January 20, 2022
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みなさんこんばんは。大晦日ですね。秋篠宮家の次女・佳子さまは29日、27歳の誕生日を迎えられたんですね。今日はリーアム・ニーソンが頼れるパパを演じるシリーズの最終作を紹介します。96時間/レクイエムTAKEN 3/TAK3N監督オリヴィエ・メガトン脚本リュック・ベッソン出演リーアム・ニーソン ファムケ・ヤンセン フォレスト・ウィテカー かつてイスタンブールで犯罪組織を全滅に追い込んだ、元CIA秘密工作員ブライアンはロサンゼルスに戻り、再び家族の絆を取り戻そうとしていた。そんな折、前妻レノーアが、彼の家で死体となって発見される。運悪く現場で警官と遭遇したブライアンは、殺人事件の容疑者として指名手配される。 妻との復縁も見えてきて娘は妊娠中。すっかり落ち着いた状態のブライアンに降ってわいた災難。今まで徹底して娘を守ってきたブライアンが、今度は無実の罪で追われる身に。そして追うのは自身も彼が犯人だと思っていないロサンゼルス市警の切れ者刑事。“妻殺しで刑事に追われながら真犯人探し”というと映画『逃亡者』みたい。主要人物の一人を殺すというのはシリーズにおいてタブーの一つなので、本作でめでたく?シリーズは幕。また、これによって残された家族が一人になってしまい、ブライアンのマギー愛が暴走する。何せ殺人犯が捕まっていないことを知っているのは自分一人で、娘も狙われるかもしれない危険があるのに、側にいて守ってやれないブライアンの焦燥感たるや。 相手をばったばった倒しにいくアクションは、今回もスタントは一切なし。ガタイがデカいので馬力はあって小さい敵は倒せそうだが、その分体を動かすのが大儀だろう。 ただ今回は“96時間以内に何かをしなければならない”という縛りが作品上はない。よって物語には緩みが生じる。後この完成作が出るまでに、リーアムが一人で奮闘するアクション作品が上映されているので、本シリーズの特色がやや薄まった感がある。また今回はミルズの孤軍奮闘ではなく元CIAの仲間も協力しているにも関わらず、あっけなくやられてしまうのが意外だ。“娘が妊娠中”という設定を生かしてもう少しタイムリミットを意識したサスペンスを生み出せなかったものか。96時間/レクイエム<非情無情ロング・バージョン>【Blu-ray】 [ リーアム・ニーソン ]楽天ブックス
December 31, 2021
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みなさん、こんばんは。パラリンピックも終わりますね。今日は二人の作家と画家の確執の日々を描いた映画を紹介します。映画セザンヌと過ごした時間を見ました。セザンヌと過ごした時間CEZANNE ET MOI/CEZANNE AND MOI監督&脚本ダニエル・トンプソン出演ギョーム・カネ ギヨーム・ガリエンヌ サビーヌ・アゼマ デボラ・フランソワアリス・ポル 1852年の南フランス。銀行家の息子であるポール・セザンヌは、学校でいじめを受けていたエミール・ゾラを助けたことから彼と友人になる。青年となったセザンヌは画家になるべく、詩人を目指して南フランスを出たゾラを追うようにしてパリに向かう。しかしサロンに出品した作品が落選し、美術学校への入学を断られ、さらには父親から援助を打ち切られてしまう。 最初優位だったのは裕福な家の息子のセザンヌだった。ゾラはその名前からもわかる通り、イタリア移民の子として虐められていた。救うのはいつも優位な方。なぜなら余裕があるから。セザンヌがゾラを救った時から二人の友情は始まった。 画家と作家、それぞれに個性がある同志が気脈の通じた親友になるというのは、実話と言えども信じがたい。少年時代の下地あってのことか。映画の中ではゾラが常識人、セザンヌが奔放ないかにも芸術家タイプに設定されている。少年時代の大胆さがそのまま大人になったようなセザンヌは、人づきあいがへたくそでぶつかってばかり。反してゾラはマネの知己を得、知識人として意見を求められるなど、人間関係を広げてゆく。唯一の悩みは子供ができないことだったが、セザンヌの一言に推されて決断する。 お互いの世に出る時期がずれた事で、遅れた側にはいつしか焦りが生まれ、進む者にはいつまでも後ろを走り続ける者がひたすら頑固に見えてしまう。先を行く者はゾラ、後ろでくすぶっているのはセザンヌ。余裕を持って助けられるのは優位に立つ者。今回手を差し伸べたのはゾラだったが、二人が手を取り合うことはなかった。必ずしも嫉妬心が理由とは限らない。一言で言えば“人は変わる”に尽きる。 史実ではゾラが画家を主人公にした小説「制作」を書いたことでセザンヌが怒って疎遠になった事になっているが、映画はその後セザンヌがゾラに会いに行くシーンが登場する。希望的観測ではなく、らしい手紙が現存するらしい。セザンヌと過ごした時間【Blu-ray】 [ ギョーム・カネ ]楽天ブックス
September 5, 2021
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みなさん、こんばんは。ラムダ株を日本に持ち込んだのは五輪関係者らしいですね。そしてそれが7月にわかっていたのに隠蔽していたとか。今日はモノクロとカラーに切り替わる映画を紹介します。婚約者の友人FRANTZ監督&脚本フランソワ・オゾン出演ピエール・ニネ パウラ・ベーア 第73回ベネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞) 1919年のドイツ。婚約者のフランツが戦死し悲しみに暮れるアンナは、フランツの墓に花を手向けて泣いているアドリアンと出会う。フランツと戦前のパリで友情を育んだと語る彼に、アンナとフランツの両親は次第に心を開いていく。やがてアンナがアドリアンに婚約者の友人以上の感情を抱いたとき、彼は自らの秘密を明かし……。第1次世界大戦後のドイツを舞台に、戦死した青年の友人を名乗る男性と、残された婚約者や遺族の交流を描く人間ドラマ。エルンスト・ルビッチ監督作『私の殺した男』の基になった戯曲を、フランソワ・オゾン監督がアレンジ。ドイツ出身のルビッチがフランス人の青年の視点から描いたのに引き換え、オゾンは恋人を失ったドイツ人女性の立場から描く。それぞれがかつての敵国サイドに立って映画を撮ったというわけだ。 フランソワ・オゾン監督は映画をモノクロとカラーに分ける。単純に過去=カラー、現在=モノクロとしたのかと思いきや、現在ある時点でいきなりカラーに変わる。ではヒロイン・アンナの心象風景ということか。色の意味は視聴して是非確かめて欲しい。 ヒロインを主人公に据えたため、ルビッチよりもロマンス色が前面に出ている。最初は終戦直後で「ドイツ人何するものぞ」だったフランツの父親が生前の彼を語るアドリアンに軟化し、母親はアンナがこのまま独り身でいるよりはと、ドイツ人でアンナに言い寄る地元の男よりも彼と一緒になることを望む。アンナもぐいぐい押してくるドイツ男より控えめで影のあるアドリアンに惹かれていき、彼もまんざらでもなさそうに見える。だがここでアドリアンが主役でないことが災いし、彼が本当は何を考えていたのかがアンナともども視聴者にわからないため、二人のロマンスの行方がわからなくなってしまう(いい意味で)。苦悩しながら国を越え愛を貫くといえば聞こえはいいが、簡単ではない。果たして…。 視聴して心に残るのは、男の脆さと女の強さ。そして脆いからこそ男を愛し、強いからこそ女を愛した一組の男女。婚約者の友人【Blu-ray】 [ パウル・ベーア ]楽天ブックス
September 1, 2021
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みなさん、こんばんは。今月6日東京 世田谷区を走行中の小田急線車内で乗客が切りつけられ、20歳の女子大学生など10人が重軽傷を負った事件がありました。こわいですね。映画トランスポーター イグニションを見ました。トランスポーター イグニションTHE TRANSPORTER REFUELED監督カミーユ・ドゥラマーレ製作&脚本リュック・ベッソン出演エド・スクレイン 美女アンナからの依頼を受けたフランクが約束の時間に現れると、彼の愛車に3人の女性が乗り込んでくる。銃口を向けられた彼は、拉致された上に猛毒による影響で余命12時間と宣告された父親の姿を見せられる。プロの運び屋としてのルールから外れた仕事を強いられたフランクは逆上するが、タイムリミットは刻一刻と迫っていた。 『トランスポーター』シリーズの主役を務めてきたジェイソン・ステイサムだが、もうトランスポーターシリーズに出演しないと言ったため、新星エド・スクレインが主演に。出演しない理由はステイサムが要求したギャラをEurocorpが蹴ったため。やりたくない仕事だったからわざとふっかけたという噂もある。エド・スクレインは本作出演のために彼はゲーム・オブ・スローンシリーズを抜けた。ジェイソン・ステイサムのお色気シーンは肉弾戦っぽかったがこちらは線が細い分見ていられる。ただベッソン自体そんなにお色気シーンに関心がなさそうだ。さて、ステイサムほどの存在感のない主役を支えるべく登場したのがフランクの父親だ。何をやってるのか不明だが、誘拐されても肝が据わっているし美女ともすぐねんごろになるしとまるで往年のスパイみたい、と思っていたらそうだった。美女と別れても父親が捕まって結局悪者と対峙しなければならなくなるなど、ストーリーの分岐点に必ず登場していた。ただこうなるとトランスポーターシリーズではなく007もどきになってしまった。輸送するブツの奇想天外さとそれをどうクリアしていくかという知略とスピード、そしてクールさのなかに垣間見せる優しさなどを見せるのがシリーズの醍醐味だったのに。もう続編は作らなくていい、というか見ないと思う。トランスポーター イグニション【洋画 中古 DVD】メール便可 ケース無:: レンタル落ちバンプ
August 17, 2021
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みなさん、こんばんは。日本はフェンシングでも団体で金メダルを取りましたね。今日はオリンピックがらみの映画を紹介します。世界にひとつの金メダルJAPPELOUP監督クリスチャン・デュゲイ脚本&出演ギョーム・カネ 出演ドナルド・サザーランド ダニエル・オートウィユ チェッキー・カリョ 幼いころから父の指導を受けながら、馬術の障害飛越競技に熱中してきたピエール・デュランは、父の期待をよそに弁護士になる。しかし、馬術への情熱を捨てることができず弁護士を辞め、再び選手としてオリンピックを目指すことに。パートナーには小柄で荒々しいが、秘めた才能を持つ若馬ジャップルーを選び、夢に向かって練習を開始する。 映画を見ていてアメリカの実話「シービスケット」を思い出した。サラブレッドの子であるにもかかわらず不遇をかこっていた競馬馬が、ぱっとしなかった調教師も騎手も救ってしまうアメリカンドリームのような実話で、アメリカで映画化。本編も、優れた跳躍力を持ちながら、万民に認められていたわけではなかった癖のある馬ジャップルーと、弁護士をやめたとはいえ、騎手としての天賦の才を持っていたわけではなかったオーナーのピエールという二つのダメ要素が組んだことで、相乗効果が生まれて優れた結果を残す。ジャップルーの場合は障害飛越競技なので、スピードもさりながら障害物を落とさないことが求められる。1984年のロスオリンピックでは、騎手を振り落として帰ってしまい世界で嘲笑された。しかしソウルオリンピックでは見事に雪辱を果たす。馬がどう思っていたかは推し量れないが、ピエールの臥薪嘗胆の想いはそりゃあ強かっただろう。4年に一度の舞台でしかないオリンピックならなおさらだ。彼を支える父、妻、ジャップルーを世話する女性調教師ら周囲の人達も皆善人で、ジャップルーを買いに来るアメリカ人すらなぜか一人と一頭を引き裂くまいとする。なんでみんなこんなにいい人ばかりなんだ。 フランスの著名な馬術選手ピエール・デュランの実話を映画化。弁護士としてのキャリアを捨て障害飛越競技の選手となった彼が、暴れ馬のジャップルーと共にオリンピック出場を目指して奮闘する。馬術経験のあるギョーム・カネが乗馬シーンに挑み、脚本も兼任。世界にひとつの金メダル [ ダニエル・オートゥイユ ]楽天ブックス
August 3, 2021
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みなさん、こんばんは。大相撲の貴源治が大麻使用を認めましたね。白鵬といいちょっと大相撲乱れてますね。今日もマレーネ・ディートリッヒ作品を紹介します。狂恋MARTIN ROUMAGNAC/THE ROOM UPSTAIRS出演マレーネ・ディートリッヒ ジャン・ギャバン監督ジョルジュ・ラコンブ フランスの地方都市、クレールヴァル、第二次大戦前。この町で小鳥屋の店を開いているバツいちのブランシュ・フェランは、ある晩レスリングを見物に行ってマルタン・ルウマニャックと知り合う。マルタンは石工からたたきあげた建築請負師で、姉のジャンヌと二人暮しの独身男。ブランシュはマルタンに好意を抱くが、ブランシュ頼みの伯父は、彼女と領事の結婚を目論んでいた。やがて領事の妻が亡くなり誰もがブランシュはパリに行くと思い込むが…。 原題はジャン・ギャバン演じる男の役名。小鳥を売る冴えない店にいても美しさを隠せない未亡人と、粗野で一本気の建築業者。まさに美女と野獣カップル。お互いに自分にないものを求めたが、現実的に考えればやはり釣り合わないのでは?と誰もが思う取り合わせの二人がリアルに恋人同士だった。熱愛中のカップルにつかみ合いの喧嘩をやらせるとは人が悪い。超大物同士、唯一の顔合わせが実現。そしてこれがディートリッヒ唯一のフランス映画。フランスでは大ヒット作に。そりゃあ誰でも見たいだろう、二人とも世界的に有名なんだから。 ジャン・ギャバンからマレーネに送った手紙の中では彼女は“エンジェル”呼びになっていてまさに熱々。戦争中兵士となってマレーネの元を離れたギャバン、慰問でリリー・マルレーンを謳い続けたマレーネ。第二次大戦をまたいで続いた仲なのになぜか破局。 監督が彼女に求めたイメージは外見はつんとすまして冷たく見えていても、中には燃えるような情熱を秘めている、どんな男も虜にできる美貌を持ちながらも、一人の男に献身的な愛を捧げる、といったようなギャップを持っている女性である。そして本作でも彼女の外見と中身のギャップは重要な要素である。【中古】 狂恋 /ジョルジュ・ラコンブ(監督),マレーネ・ディートリッヒ,ジャン・ギャバン,ピエール=ルネ・ボルフ(原作) 【中古】afbブックオフオンライン楽天市場店
August 1, 2021
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みなさん、こんばんは。緊急事態宣言は延長するみたいですね。バッハ会長が来ないから?昨日のルイ14世つながりでこの映画を紹介します。映画ルイ14世の死を見ました。ルイ14世の死A MORT DE LOUIS XIV/THE DEATH OF LOUIS XIV出演ジャン・ピエール・レオ パトリック・ダスンサオ監督&脚本アルベルト・セラ 77歳を目前にした太陽王ことルイ14世は、マルリーでの狩りの後、脚の痛みに襲われる。侍医ファゴンは、坐骨神経の病と診断するが、その後何日たっても痛みは一向に引かなかった。夜間にはさらにひどくなり、食事を取ることすら難しくなる。 おフランスといえば豪華絢爛、ましてや太陽王というならばさぞや、と思いきや、当時の衛生事情たるや酷いものだった。王侯貴族もさして変わらず、ルイ14世の祖父アンリ4世は、長い事洗わない髪の毛(ふさふさは鬘)が非常に臭かったとか。だから77歳なんてとんでもない長命で、当時で言えば大往生。 だとしても本人はこんなにも早く死ぬとは思わなかったはずだ。最初はたいした怪我だと思わなかった足が次第に嫌な臭いを放ち、歩くことができなくなる。そして寝たきりになり、やがて食べられなくなり言葉を発することもできず、緩慢な死に至る。ハンプティ・ダンプティの詩さながらに(兵士はいないが)皆よってたかっても誰も王様を救えない。心の中では死を意識しながらも、王を空言葉で励まし続ける臣下たちと、次に備えて去っていく者たち。秘密結婚をしたと言われる愛人もやってこない。太陽王すら、死を自分の思うように迎えることはできない。 死期が迫るフランスの太陽王ルイ14世の最後の数週間に迫る宮廷ドラマ。自身が作らせた華麗なヴェルサイユ宮殿の寝室で死の床にある君主の姿を映す。ヌーベルバーグを代表する俳優ジャン=ピエール・レオがルイ14世を演じる。脚本家やプロデューサーとしても活動してきたアルベルト・セラ監督の長編劇映画4作目。監督は死の床の数週間だけに焦点をあて、左脚の壊疽から死に向かう王=レオは、ほぼベッドの上。セラ監督がインスピレーションの源としたのは、宮廷の生活をつぶさに記録したサン=シモン公の「回想録」と廷臣であったダンジョーが書いた「覚え書,別名ルイ 14世宮廷日誌」。ルイ14世の死 [ ジャン=ピエール・レオ ]楽天ブックス干物茶漬け(東海道)沼津宿セット【ギフト】(ファストフィッシュ認定商品)価格:2970円(税込、送料別) (2021/2/16時点)楽天で購入
May 8, 2021
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みなさん、こんばんは。あっという間に緊急事態宣言が発令されますね。この間解除されてから間もない気がします。今日から二日間スコット・イーストウッド出演作を紹介します。スコットは昨日紹介した映画の監督で俳優でもあるクリント・イーストウッドの息子です。映画スクランブルを見ました。スクランブルOVERDRIVE出演スコット・イーストウッド監督アントニオ・ネグレ脚本マイケル・ブラント デレク・ハース「アル・カポネが銃撃用に改造した車だ」などと、ひと目でその車の伝説を語る膨大な知識を持ち、兄のアンドリューは頭脳、弟のギャレットはメカニックを担当、それが高級クラシックカー専門の世界一の強盗団、フォスター兄弟だ。彼らにとって、どんな盗みも成功させるのは当たり前。大事なのは、誰も思いつかない〈驚愕の手口〉で、いかに美しく完璧に盗むかだ。今回もオークション会場から搬出された世界に2台の37年型ブガッティを奪うはずだった。しかし、落札したのが残忍なマフィアのモリエールだったために、兄弟は囚われの身に。 命が助かる条件は、敵対するマフィアのクレンプが所有する62年型フェラーリ 250GTOを1週間で盗むこと。アンドリューの恋人で一流ハッカーのステファニー、指名手配中の天才スリの美女、火薬を自在に操る爆弾オタクら寄せ集めチームで、犯罪史上最大の強奪作戦に。 何事もそつのない兄と違って悪者に捕まってしまう弟。いつの時代も賢い兄は弟の尻ぬぐいに走らされるのであった。ワイルドスピードの脚本家が参加したので、カーチェイスシーンはもちろんあるがオリジナルシリーズのファンからすれば、やっぱり小粒に見えるらしい。車の盗難をメインとしたコンゲームでもある。名もなく貧しい庶民グループが知恵とテクニックで金持ちの裏をかくというコンゲームの定説を踏襲。 マシュー・グードとアレックス・ぺティファ―がもともとキャスティングされていたが紆余曲折あって今のキャストに。『ダウントン・アビー』シリーズでは最後にレーサーやってたけどいくらなんでもこういう激しいカーチェイスがある車もの映画にマシュー・グードは優男すぎるのでは。ギャレットの彼女より天才スリの美女の方が派手めだった。スクランブル [ スコット・イーストウッド ]楽天ブックス
April 23, 2021
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みなさん、こんばんは。緊急事態宣言は21日解除されるみたいですね。さて、今日は犯罪映画を紹介します。インファナル・シティ女捜査官サンドラLA TAUPE ボルドー税関の麻薬局に配属されたサンドラ。平和に見えるこの街だが、裏では麻薬密売が蔓延していた。最初の仕事で命令を無視したサンドラは、新顔という事も重なり上司と同僚から煙たがられてしまう。そんな中、押収した大量の麻薬が強奪され、同僚が殺害される事件が発生する。その犯行の手口から内通者の存在を確信したサンドラは、独自に調査に乗り出す。しかし、偶然に再会した元恋人で刑事のジャックから、彼女の本当の身分を明かされてしまう。サンドラは警察の内務調査官だったのだ。同僚からも敵視される事になったサンドラは、麻薬局内部、そして街にはびこる巨大な悪と孤独に戦う決意をする。果たして裏切り者は誰なのか?そして彼女の運命は?! 警察内部の汚職を暴く役目ということで、最初っから皆に煙たがられるポジション。それに加えて余所者、女性という要素が拍車をかける。孤立無援の中で必死に事件に取り組む女性捜査官。をを、いいですな。 「私は孤独が似合う女」なんて劇中で言ってしまっているので、てっきりハードボイルド路線を予測していたら、途中から訳ありで別れた元彼ジャックが異動先に登場。恋愛が中途半端に盛り込まれてて、大体なぜ別れたのか描かれてないのだから、出会うなりさっさとくっつけばいいのに「私は仕事に生きるの。仕事だけの関係でいましょう」と突っ張る。しかし途中から恋愛モードになだれこみ、彼が撃たれて瀕死の重傷を負うと「やっぱり女は…」って皆言うだろうなぁの取り乱しっぷり。わざわざ悪の親玉の所に出向いて恫喝するんだよ。そんなのリーダーにあるまじき振る舞いだし、まあ、男性ならやらないな。内務調査をやるならあんなに感情を見せるのはダメなのでは。 あと、この惹句は煽りすぎ。そもそも「運命は?!」と問うほどの人生の岐路に立たされてない。インファナル・シティ 女捜査官サンドラ 【字幕・吹替え】【中古】【洋画】中古DVDテックシアター
March 20, 2021
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みなさん、こんばんは。今日から医療従事者のワクチン接種が始まりますね。今日は南アフリカが舞台の映画を紹介します。輝く夜明けに向かってCATCH A FIRE製作アンソニー・ミンゲラ製作総指揮シドニー・ポラック監督フィリップ・ノイス出演ティム・ロビンス 1980年、アパルトヘイト体制下の南アフリカ共和国。黒人のパトリック・チャムーソは反アパルトヘイト運動には関心がなく、家族のためにセクンダ石油製油所でこつこつと働いていた。ある日、彼は自分が監督する少年サッカーチームが決勝戦に進出した事からやむを得ず仕事を休まなければならなくなり、病気と偽り仕事を休んだ。その夜、自分が働く石油精油所がANCのテロによって爆破された。 警察の捜査はパトリックにも及び、逮捕された彼はニック・フォスら白人警官の拷問を含めた厳しい尋問を受ける。妻のプレシャスにまで尋問が及んだ事を知ったパトリックは偽りの自白をし、釈放された。パトリックはこれをきっかけにANCの闘士となり、反アパルトヘイトのテロに身を投じていく。 実話をもとにした映画化。もしかしたら彼は、誤認逮捕さえなければテロリストにならなかったかもしれない。お題目のようにシュプレヒコールを唱え、始終戦意を持った同志達と暮らすうちに、休日を穏やかに家族と過ごしていたパトリックの顔がどんどん険しくなってゆく。対するニックは最初から黒人はテロリストと決めつけ娘に銃を持たせることも自衛手段として割り切っている。少しも黒人と妥協して生きていこうという姿勢が見られない。敵意と銃を向けられれば、黒人側にも敵意しか育たない。むしろ敵意よりも融和を説いたネルソン・マンデラの方が稀有な存在だ。パトリックも彼との出会いがなければ、とっくに命を落としていたかもしれないし、南アフリカ共和国の独立は、血塗られた歴史の上に成り立っていたかもしれない。原題はボブ・マーレーのアルバムより。フランス・イギリス・南アフリカ共和国・アメリカ合衆国合作映画。ティム・ロビンスが演じたニック・ヴォスには特定のモデルはおらず、複数の人物を組み合わせた架空のキャラクターだ。輝く夜明けに向かって [ ティム・ロビンス ]楽天ブックス
February 17, 2021
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みなさん、こんばんは。台風10号すごかったですね。映画ボン・ボヤージュ~家族旅行は大暴走~を見ました。ボン・ボヤージュ~家族旅行は大暴走~A FOND/FULL SPEED出演アンドレ・デュソリエ ジョゼ・ガルシア監督ニコラ・ブナム 整形外科医のトムは夏休みを迎え、家族でバカンスに出掛ける。最新テクノロジーが搭載されているという真紅の新車に、妊娠中の妻ジュリア、9歳の娘リゾン、やんちゃな7歳の息子ノエを乗せて出発する。予定になかったトムの父ベンが参入してきてジュリアはお冠。意気揚々とハイウェイを進むトムだったが、突如として車のブレーキが利かなくなって時速160キロメートルで暴走。さらに、役立たずな警官や追走してくる男との遭遇、後部座席に潜む謎の存在(若い女性)によって一家は大混乱に陥っていく。 ワンシチュエーションもののコメディ。映画が進むとわかるが、父ベンがほとんどの騒ぎの元になる。家を出る時トイレットペーパーを便器に落っことして知らずに出ていき、それが下の階の水漏れになったり、SAで知り合った見知らぬ若い女性が「ヌーディストビーチに行く」と聞いて家族の了承も得ないで隠して乗せてあげたり、サイドストーリーでトムの患者である「妻の顔がだんだん腫れてきた」と夫から電話が入るが、これも安いクスリを黙って使っていたベンのせい。時間が進むと共に唇と言わず目と言わずどんどん変形していくが、怖いというより笑える。演じているアンドレ・デュソリエはエリック・ロメール映画にも出ている渋い中年だったのにすっかりおじいちゃんになっていた。止まらない車をどうやって止めるのか。また止まらない車からどうやって妊婦を含めた家族を救うのかがオーソドックスな作品ならサスペンス味たっぷりに描かれるのだが、コメディなので緊張感ゼロ。かなり下ネタも出てくるのでそういうのが嫌いな人は見ない方がいいかも。 未見だけど『ヒャッハー!』(何だこの日本語は)シリーズの監督だとか。【ポイント10倍】ボン・ボヤージュ〜家族旅行は大暴走〜 (本編92分)[GADS-1636]【発売日】2018/2/23【DVD】サイバーベイ
September 7, 2020
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みなさん、こんばんは。安倍首相がアベノマスクをやめたとか。本当にくだらないニュースですね。どっちでもいいですそんなもん。さて、今日はフランス映画を紹介します。フランス特殊部隊 RAIDRAID DINGUE/R.A.I.D. SPECIAL UNIT監督&出演ダニー・ブーン出演ミシェル・ブラン イヴァン・アタル サビーヌ・アゼマ フランス特殊部隊のRAIDを目指す警官ジョアナ。勤務中に遭遇した強盗事件をきっかけに、彼女はRAIDに入隊することになる。厳しい試験に合格した者のみが、RAIDの正式な隊員になれる試験の中、教官のフロワサーは勇敢で常に努力を怠らないジョアナを認め始める。フロワサーはジョアナの抜群の直感を買い、彼らは様々な事件へ立ち向かう。大臣の援護という職務につくジョアナは、その裏でうごめくテロリストの巨大な陰謀へ巻き込まれていく。“教官と新人”による異色のコンビは、大臣を守り切れるのか?RAID部隊VS凶悪テロリストの勝敗は。 いや凶悪テロリスト勝ってもらっちゃ困りますってば。ジョアナの父で内務大臣にミシェル・ブラン、ジョアナの婚約者の母親がサビーヌ・アゼマ、しばらく出てないなぁと思ったイヴァン・アタルが際物役で出演するなど配役陣が意外と豪華。DVDだとシリアス路線か?と思いきや、ヒロインのジョアナがとんでもないどじっこなのでコメディ要素満載。逃げてきた強盗犯を助け、追ってきた銀行家をのしてしまうなどは序の口で、大統領の警護をすれば、頭を車にぶつけて血を流させ、どっちが凶悪犯かわかりゃしない。RAIDがどこから侵入するかを敵方テロリストにぺらぺらと明かしてしまう。本当にこんな隊員がいたら国家の危機だ。全く適性がないのに、なぜか「彼女をRAIDに入れてから解雇しろ!」という実力者の父上からのミッションインポッシブルのせいで合格になり、“疫病神”という異名をとるものの凄腕の隊員フロワサーと組んだために、知らず知らずのうちにどんどん実力をつけていく。本国フランスでは国産映画第1位のヒットを記録している。フランス特殊部隊RAID【動画配信】楽天SHOWTIME
August 6, 2020
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みなさん、こんばんは。九州の豪雨の行方不明者はまだ見つかっていないのですね。映画告白小説、その結末を見ました。告白小説、その結末D'APRES UNE HISTOIRE VRAIE出演エマニュエル・セニエ エヴァ・グリーン ヴァンサン・ペレーズ監督ロマン・ポランスキー共同脚本オリヴィエ・アサイヤス 私小説がベストセラーとなった後、スランプに陥った作家デルフィーヌ。そんな彼女の前に、熱狂的なファンだと称する美女エルが現れた。謎の脅迫状にも悩んでいたデルフィーヌは、献身的に支えてくれるエルに信頼を寄せ、やがて2人は同居生活を始める。だが、時折ヒステリックになるエルの不可解な言動に困惑するデルフィーヌ。ある日、エルの身の上話に衝撃を受けたデルフィーヌは、彼女の壮絶な人生を小説にしようとするが…。ロマン・ポランスキー監督が贈るミステリーサスペンス。スランプ中の女性作家と、彼女の大ファンだという女性が辿る運命を描く。 昔ならエマニュエル・セニエがつかみどころのないエル役だっただろう。ポランスキー監督の『赤い航路』で演じたミミのような。ところでエルElleとはフランス語で「彼女」の主格。だからグリーンの演じた女性は単に“女性”というだけ、無個性な名前だ。 まずデルフィーヌの悩み事を解決して懐に入り、次に生活を侵食し自分以外の外界の接触を断とうとする。デルフィーヌへのエルの執着は次第に生命の危険が及ぶレベルになっていく。よくあるストーカー気質のファンかと思いきや、ある事に気づく。デルフィーヌ以外は誰も彼女の姿を見ていない。そうかそういうことか。 名匠ロマン・ポランスキー監督が、フランスで注目を集める作家デルフィーヌ・ド・ヴィガンの小説を映画化。原作はフランスのもっとも権威ある文学賞のひとつであるルノドー賞や、高校生の選ぶゴンクール賞を受賞。監督の妻エマニュエル・セニエとは5回目のコラボ。奥様だからあぜ道の泥の中にも突き落とせるのか、あんな綺麗な人を。カンヌ映画祭出品時には別のエンディングだった。告白小説、その結末 [ エマニュエル・セニエ ]楽天ブックス
July 14, 2020
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みなさん、こんばんは。小池さん当選しましたね。映画ルイの9番目の人生を見ました。ルイの9番目の人生THE 9TH LIFE OF LOUIS DRAX出演エイデン・ロングワース ジェイミー・ドーナン サラ・ガドン アーロン・ポールバーバラ・ハーシー モリー・パーカー オリバー・プラット 監督アレクサンドル・アジャ 制作&脚本マックス・ミンゲラ 9歳の誕生日を前にした主人公の少年ルイに、母親のナタリーが「猫には9つの命がある」ということわざを引用する。ひどい難産の末に生まれたルイは、一年に一度のペースで生死に関わる事故に遭ってきた。つまり、すでに8つの命を使ったルイを猫に喩えながら、これが最後の命だから、どうか大切にしてほしいと願っているのだ。 生まれてから毎年命にかかわる事故に見舞われてきた少年ルイは、9歳の誕生日に、ナタリーと、別居中の父親ピーターとピクニックをした渓谷で、断崖絶壁から海中に落下してしまう。奇跡的に命を取り留めるが昏睡状態になってしまう。彼を目覚めさせようと担当医パスカルは奔走する一方、ルイの事故遭遇回数の多さに疑問を抱き、ルイがセラピーを受けていた精神科医ペレーズに接触する。ルイの周囲では父親が行方をくらまし、母親のもとに誰からのものかわからない警告文が届くなど、不可解な出来事が頻発。地元の警察が事件の可能性を探り始める。さらにパスカルも悪夢に悩まされ……。 いくら何でも9回毎年事故に遭うというのはおかしい。ましてや赤ん坊の頃から続くのだから、絶対に本人の意思ではありえない。ならば身近にいる者の仕業に違いないというのはミステリの当然の帰結だ。更には最大の近親者が側にいないというのだから、犯人はもう決まったようなものだ。最近頻発するリアル社会の事故においても、容疑者とされるのは大抵“そういう存在”ではないか。…と、ほぼ90%容疑者を示唆しながら、映画は昏睡状態のルイのモノローグにより、これまでの彼の苦難とラッキーを語り、一方で『パンズ・ラビリンス』のような恐ろしい存在と言葉を交わす夢遊状態のルイを映す。あまりに悲惨な人生を歩いてきたルイの現実逃避の表れかと思われたが、空想の世界に登場するクラゲや恐ろしき怪物にもそれぞれ意味があった。“空想があまりにも悲惨な現実を救うための手段”という意味合いは『パンズ・ラビリンス』と似ている。 リズ・ジェンセンのベストセラー小説を映画化。原作の映画化を切に願っていた故アンソニー・ミンゲラ監督の息子マックス・ミンゲラがプロデュースと脚本を務める。ルイの9番目の人生 [ ジェイミー・ドーナン ]楽天ブックス
July 6, 2020
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みなさん、こんばんは。そういえば最近救急車の音を聞かなくなりました。基幹病院がのきなみクラスターになってるから?映画はじまりのボーイミーツガールを見ました。はじまりのボーイミーツガールLe coeur en braille出演シャルル・ベルリング ヴィクトールはクラスの優等生マリーに恋をしている12歳。秀才のロマンからのアプローチもはねつけるマリーに、落ちこぼれのヴィクトールは遠くから見つめるだけだった。ところが、そんなマリーがヴィクトールに急接近!「勉強を手伝ってあげる」と家に招待してきた! 親友のアイカムから「どん底のお前に最後のチャンスだ」と煽られたヴィクトールは、「女は信用できない」と平静を装いつつも、ウキウキと出かけていく。 マリーの指導で徐々に成績があがってきたある日、プロのチェロ奏者になる夢をマリーから打ち明けられる。そしてマリーと初めて手を繋いで下校したヴィクトールは、別れ際に頬にキスされすっかり舞い上がるのだった。 だが、マリーには、誰も知らない秘密があった。だんだんと視力が落ちる病気にかかったマリーは、音楽学校に行くためそのことをひた隠しにしていたのだ。秘密を守るため、マリーには“目”が必要だった。それに気づいたヴィクトールは、利用されていたことにショックを受けるが、マリーの情熱に動かされ、彼女の夢を叶えることを決意する。その日から2人の秘密の作戦が始まった! 12歳にして男子を振り回す小悪魔マリーに扮するのは、フランスでは若き天才ヴァイオリニストとして知られる、アリックス・ヴァイヨ。 ああなんでいつも大人になるのが早いのはオンナノコなんだろう。そしてオトコノコは一足先に音内になってしまったオンナノコにいつも振り回される。で、振り回されるうちに大人の階段を知らず知らずのうちに登っていく。嫉妬も打算もごまかしもいっちょまえにあるけど、どこか詰めが甘くて大人達に簡単に見抜かれる。でも、その抜けている所が子供らしさでもあるんだよなぁ。『小さな恋のメロディ』フランス版。はじまりのボーイミーツガール [ アリックス・ヴァイヨ ]楽天ブックス
April 29, 2020
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みなさん、こんばんは。図書館が全面閉鎖になりました。借りることも返すこともできません。さて今日はイタリアのトスカーナを舞台した二人の女性の映画を紹介します。歓びのトスカーナLA PAZZA GIOIA/LIKE CRAZY出演ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ監督パオロ・ヴィルズィ自称伯爵夫人のベアトリーチェは、イタリア・トスカーナ州の自然豊かな丘に立つ診療施設ヴィラ・ビオンディでは女王のような存在だった。ある日ヴィラ・ビオンディに、やせ細ったドナテッラがやってくる。彼女とベアトリーチェは同室になり、少しずつ親交を深めていく。イタリアでは1978年に「バザリア法」が成立、2015年には精神病院は閉鎖されている。そうかといって罪を犯した精神病の人たちが減るわけではないので、そうした人々の居場所は必要になる。彼等を収容する司法精神病院や、私立の精神病院は、いまだ存在する。また、従来の精神病院の代わりに、「コムニタ」という、精神科のケア付きのグループホームがあって、ベアトリーチェとドナテッラは、ここに収容されているという設定。 原題は「La pazza gioia」。「狂うことの快楽」、あるいは「狂った人の快楽」という意味で、扱いに注意を要する題材である。 主役二人を演じる演者がうますぎるので、視聴者は「本当に精神的に不安定な人は、平気な顔してこういうことをしてしまうのかもしれない」と思う。ベアトリーチェの恐ろしさは最初はわからない。当初描かれる彼女の言動は、高級レストランやカジノに行きたがるが一度も金を払うそぶりを見せなかったり、タクシーを使って遠距離を旅しても、最終的には支払いという形で自分に帰ってくる程度の怖さだからだ。彼女が仕出かしたことは、元実家で母親に会った時に分かる。同時に彼女の脆さを利用した正常な精神を持つ人たちの狡さも。 そこへいくとドナテッラは目つきからして怪しい。体にはタトゥーがいたるところにあり、精神が不安定になると拒食に走り自傷傾向もある。後半彼女が息子を抱いて何をしたかもわかって来る。但し刃物を持ち出して他者を害するほどの勢いはない。彼女が衝動的な行動に至る動機もやはり後半でわかる。二人の女性がそこに至る経緯を描くことで、精神的脆さを個人的問題にとどめず、社会全体で考え受け入れていく道を説く。『神曲』でベアトリーチェがダンテを導いたように。歓びのトスカーナ DVD [ ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ ]楽天ブックス
March 3, 2020
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