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ここは、ヨーウィの潜む深い森の、さらに深奥。
時折、夜行性の小動物がたてる密かな気配と、捕食された小さな悲鳴が響くのみ。
森閑とした闇の中、真珠色の柔らかい光を帯びたドームのみが、異世界だ。
まるでそれ自体が、小さな惑星ほどもありそうな広さの中、
数え切れぬほどの人間が、無言で、PCに向かっている。
PCからの放熱と人間の息遣いは、音も聞こえぬ空調によって吸い込まれ、
響くのは、キーボードを叩き続ける、幾百もの10本の指から発せられる音のみだ。
ドーム中央に吊り下げられた大きなスクリーンに、次々と映し出されるキーワードを
確認する以外に彼らの指が止まることはない。
Saikinsi、turuoka、1021、nimy、2038、12、tanisi、38、laramy、kosumosu・・・・・・。
また、いくつもの文章も入力される。今この時は、日本の演歌、唱歌に集中しているようだ。
時折、幾人かが、PCの前から立ち上がる。
音もなく、空いたPCは次の人間でうまり、作業は続けられる。
次々と抹消されるアドレスとキーワードを映し出していた巨大スクリーンが、
にわかに点滅を始めた。
それを見守る多くの人間たちの口からは小さな感嘆がもれ、静かなどよめきとなった。
皆、いっせいに同じアドレスを入力する。
幾百ものモニターに姿を現したのは、もう馴染みとなった同じ画面構成、同じ文調。
おお、またも作りおったか。
いずれは戻ってくるとは、思っていたが、こうまで早くとは・・・。
にしてもさすがは、 山椒大夫様 、いつもながらの見事で華麗な技。
一画では、幾人かに肩を抱かれた人間が、祝福を穏やかに受けている。
この人間には、もう馴染みとなった手柄なのだ、もう早、10本の指がキーボードの上で踊りだした。
勝利と祝福の時間は瞬く間もなく、先ほどと同じ作業に取って代わられる。
ここは、ヨーウィの潜む森に人知れず建てられた、人力検索(哀)工場。
ここに集合する人間達の任務が終了する日は、来るのだろうか・・・・・。
※ 「ヨーウィ」とは、アボリジニの伝説で、 ユ~カリ♪
の根っこを引っこ抜いた穴に生まれた
悪霊のことだそうです
当初、掲載しておりました日記は、後日の公表とさせていただきます。
早速に頂いておりましたコメントも、コピらせて頂きました。
Benvenuto! Singora N! 2008.05.10 コメント(26)
つれづれ草23=Nさんへ 私信です。 2008.04.23 コメント(8)
覗くだけじゃなく、ちゃんと読め 2008.03.03 コメント(8)