◇16日◇楽天モバイルパーク新井さんって、褒めたり称えたりする事は有るけれど、ミスを責めたり咎めたりする事はしないよね。常に選手がポジティブな感情でいられるように努めている。それが新井さんのいいところ。
広島は守乱から失点を重ねて連勝が止まり、交流戦を黒星で終えた。
2回1死一、三塁から遊撃ゴロを矢野が二塁へ送るも、菊池がはじいて先制を許した(記録は二塁失策)。さらに2死二、三塁では一塁線への当たりを堂林が倒れ込みながらグラブに当てるも、つかみきれず2者が生還。新井監督は「いつもしっかり守って助けてもらっている」と責めなかった。先発アドゥワは3回に2ランを被弾。序盤の失点が重く、終盤に追い上げるも追いつくことはできなかった。
地味だが強い。広島は交流戦最終戦となった16日の楽天戦(楽天モバイル)に3―5で敗戦。球団創設20年目にして楽天に初優勝をさらわれたが、赤ヘル軍団も10勝8敗で7年ぶりの勝ち越しを決めた。セ首位で21日からのリーグ戦再開を待つが、新井貴浩監督を中心とするチームの風通しは12球団屈指のレベルになりつつある。新井さん、上手くイジったな。(笑)
4連勝フィニッシュこそ逃したが、チーム防御率2・18は両リーグトップで先制した試合24勝8敗1分け。「守り勝つ野球」こそ最大の武器だが、強みはそれだけではない。他球団の関係者も「広島は雰囲気いいよね」とうらやむ新井監督のマネジメント力だ。
それを象徴する出来事が大瀬良大地投手がノーヒットノーランを達成した7日の試合後に起きた。新井政権ではプロ初安打や初勝利を達成した選手の節目に、チームの勝敗に関わらず全員で祝うのが恒例だ。大瀬良の際も首脳陣や選手らがロッカールームに大集結した。
新井監督は乾杯の音頭役に「今日のアレ、何? どうしちゃったの!?」と矢野雅哉内野手を指名。矢野はこの試合で三塁走者としてスクイズのサインと勘違いし、三本間で挟まれてアウトになっていた。そんな若武者を指揮官自らイジった格好だ。
ただ、当の矢野は「今日はスイマセンでした」とひとまず謝ったものの、続けて「あれだけ粘ったのにアツさん、何で三塁まで来てくれないですか!」。何度も三本間でアウトになるまいと粘りながらも、一走だった36歳の会沢が二塁までしか進めなかったことにツッコミを入れたのだ。イジられ役の〝イジり返し〟で大爆笑に包まれたことは言うまでもない。
こうした現象を新井監督の腹心である藤井ヘッドは「要は(独り)ぼっちを作らないこと。長いシーズンで試合の勝ち負けは必ずあるし、勝った試合でも仕事をできた選手、できなかった選手は必ず出てくる。ミスは必ず起きるもので、大事なのは誰かのミスを誰かがカバーする『カバーのし合い』。それをたくさん繰り返せた方が、チーム力は上がると思っている」と解説した。
もちろん首脳陣と選手、先輩と後輩の上下関係は存在する。一方でチームを「家族」と例える新井監督が重視するのは、互いの立場に関係なく何でも言い合える関係性。結束力がより強固なものになれば、開幕前の下馬評の低さを覆す快進撃もまだまだ続きそうだ。
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