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前回は第11章について簡単に触れました。今回は第12章の前半部分について取り上げます。雇用・利子および貨幣の一般理論第四編 投資誘因第11章 資本の限界効率(p135~p146)第12章 長期期待の状態(p147~p164)第12章では、予想収益を決定する要因についての考察です。したがって、利子率は所与であるとして、予想収益の期待に関する変化が市場価格に与える影響を考察することになります。*********************(1)顕著な事実は、我々が予想収益を推定する際に依拠しなければならない知識の基礎が極端に当てにならないということである。投資物件の数年後における収益を規定する要因について、我々の知識は通常きわめて乏しく、しばしば無視しうるほどである。(第12章 p147)将来の収益を推定するのは非常に難しいし、それを行うための基礎となる知識自体も非常に当てにならないものであるとこの部分では述べられています。将来の収益性をベースに投資分析をして実際に投資するに当たっても、それほど多くのことが分かるものではないということをまず心に留めておかなければならないのではないでしょうか。(2)証券市場がない場合には、われわれがすでに契約してしまった投資物件の再評価を頻繁に試みてもなんの役にも立たない。しかし、株式取引所は多くの投資物件を毎日のように再評価し、その再評価は個人に対して彼の契約を変更する機会を頻繁に与えている。(第12章 p150~p151)上場していない企業への投資と上場している企業への投資は、事業への投資という一つの共通点はあるものの、再評価、すなわち、流動性の観点から決定的に異なる部分があるということを、ここでは暗に示されています。(3)ある種の投資物件は、専門的企業者の真性の期待によるものよりもむしろ、株式取引所で取引する人たちの、株式価格に現れる平均的な期待によって支配されるのである。(第12章 p151)ここでいう「ある種の投資物件」とは、前述の「上場している企業」全般がそれに相当すると考えて差し支えないと思います。上場している企業の場合、流動性があるゆえに、ある個人が他の個人に投資物件を移転することが容易であるという特徴があります。その流動性のために、(企業の全存続期間の収益を現在価値に引きなおすという)収益還元法から算出される事業の本源的価値を求めるという視点ではなく、もっぱら市場参加者の平均的な期待、すなわち、市場価格の変動を狙って株式市場に参入する人も少なからず存在し、日々の価格変動はそうした人たちによってもたらされると言っています。したがって、投機的要因になりかねないですが、投資で大きな収益を上げるためには、事業の本源的価値とは全く別の次元にあるこの「投資物件の再評価がどのようなメカニズムで行われているのか?」についての知識があるに越したことはないと解釈できます。(4)慣行というものは、絶対的な観点からみればきわめて恣意的なものであるから、弱点を持っているとしても驚くにはあたらない。十分な投資を確保するというわれわれの現在の難問のかなりの部分を作り出しているのは、慣行の頼りなさである。(第12章 p153)ここでいう「慣行」というのは、投資物件の価値評価をするための物差しであると解釈して差し支えないかと思います。その物差しが極めて安定しているならば、投資リスクは近い将来におけるファンダメンタルを真に揺るがす情報だけであると言えます。しかし、実際の株式市場では、この投資物件の価値評価の物差しがその時々でころころと変わるという厄介な問題があることをここでは指摘しています。その「慣行の頼りなさ」については、次回以降で述べたいと思います。*********************水曜日は「ポートフォリオ状況」の報告を予定していますので、この続きは土曜日になります。次回は、いよいよ、「美人投票」に関する部分です。
2005年07月31日
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今回からは、「美人投票」の原典を読んでいきたいと思います。雇用・利子および貨幣の一般理論この「一般理論」のなかで、投資家が知っておいたほうが良いと私が思うのは、以下の部分です。第四編 投資誘因第11章 資本の限界効率(p135~p146)第12章 長期期待の状態(p147~p164)「第四編 投資誘因」そのものは第11章~第18章で構成されており、それを全て読むと非常に疲れます。かくいう私も全てを読んでいるわけではないので、とりあえず特に重要だと思った第11章と第12章の内容を何回かに分けて取り上げたいと思います。重要と思う本文を抜粋し、実際の投資についてどのように考えれば良いかを私なりに解釈するという形で進めていきます。まずは、「第11章 資本の限界効率」からです。*********************(1)人が投資物件または資本資産を購入するとき、その資産の存続期間を通じて、それから生ずる産出物を販売して、その産出物を得るための当期の費用を差し引いた後に、獲得できると彼が期待する予想収益の系列に対する権利を買っているのである。(11章 p135)これは、「資産価値は将来の収益性に依存する」という意味に他なりません。さらに、その後には「将来の予想収益を現在価値に引きなおす」という概念が説明されており、これはまさに「収益還元法」に他なりません。(2)一資産の予想収益の知識からも、あるいはその資産の限界効率の知識からも、利子率あるいは資産の現在値のどちらも導き出すことはできないということである。利子率については他の何らかの源泉をつきとめなければならず、そのあとで初めて資産の予想収益を「資本化」することによって資産を評価することができるのである。(第11章 p136)難しい言葉の羅列ですが、ここは我々を呆然とさせるような内容になっています。仮に、収益還元法を知っていて、資産がもたらす予想収益や資産の再調達コストについての知識があるとしても、実際の市場で付いている価格を説明することはできないだろうと言っています。実際には、割引率がどのような要因で付いているかをつきとめなければならず、その割引率で予想収益を現在価値に引きなおすことによって初めて資産を評価することができるとあります。(3)資本投下が危険の多いものである場合には、借手は彼の収益の期待額と彼が借入れをするに値すると考える利子率との間の差をもっと大きくすることを要求するだろうし、他方、それとまったく同じ理由から、貸手は貸出しに応ずるためには、彼の課する利子率と純粋利子率との間の差をもっと大きくすることを要求するからである。(第11章 p144)資本の借手にとっても貸手にとっても、予想収益を達成できる可能性について不確実な部分があるので、不確実性や危険性がある場合には、予想収益の割引率を高く見積もるべきであると言っています。さらに、好況期には、こうした割引率の評価が甘くなりがちであるともいっています。*********************第11章はもっぱら経済理論から導かれる「資産価値の評価」についての記述が中心でした。これ自体は、バリュエーションを一通り勉強していればすんなりと理解できる内容です。それを踏まえた上で、実際の資本市場はどうなっているのかを見るのが次の「第12章 長期期待の状態」です。
2005年07月30日
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歴史上最も偉大な経済学者と言えばジョン・メイナード・ケインズ(以下、ケインズ)だということについて、異論を唱える人は殆どいないと思います。世間での知名度/経済政策への影響/引用された論文の数のどれをとっても群を抜いていると思います。また、ケインズは経済学者としてだけでなく、公人としても活躍していたし、投資家(投機家)としても成功を収めており、まさにスーパーマンと言えます。フリー百科事典「ウイキペディア」:ジョン・メイナード・ケインズ現在の経済学上では、ケインズが考案した思想は「ケインジアン」と分類されております。これは最も有名な著書である「雇用・利子および貨幣の一般理論」(以下、「一般理論」)に集約されています。そこでは従来の合理性をベースとした「新古典派」に対する批判をベースとした理論展開がなされています。雇用・利子および貨幣の一般理論まあ、こちらは経済学に精通している人が知っていればいい話だと思います。むしろ、投資家(投機家)からみたケインズとして有名なのは、例の「美人投票」だと思います。これも「一般理論」には掲載されています。私もそうですが、特に経済学に精通していなくても、投資家(投機家)であれば、この美人投票の部分を読むことは非常に有意義だと思います。今回のシリーズではこの「美人投票」に関する記述の部分を私なりに解釈していこうと思います。それによって、投資や投機に関する本質をさらに深く知ることが出来るのではないかと思います。ちなみに原典ではこの「美人投票」に関する記述は、「第4編 投資誘因」の「第12章 長期期待の状態」のP 154に掲載されています。(普及版の場合。)ちなみに、「一般理論」に書かれてある「美人投票」の部分は以下のような内容です。******************玄人筋の行う投資は、投票者が100枚の写真の中から最も容貌の美しい六人を選び、その選択が投票者全体の平均的な好みに最も近かった者に賞品が与えられるという新聞投票に見立てることができよう。この場合、各投票者は彼自身が最も美しいと思う容貌を選ぶのではなく、他の投票者の好みに最もよく合うと思う容貌を選択しなければならず、しかも投票者のすべてが問題を同じ観点から眺めているのである。ここで問題なのは、自分の最善の判断に照らして真に最も美しい容貌を選ぶことでもなければ、いわんや平均的な意見が最も美しいと本当に考える容貌を選ぶことでもないのである。われわれが、平均的な意見はなにが平均的な意見になると期待しているかを予測することに知恵を絞る場合、われわれは三次元の領域に達している。さらに四次元、五次元、それ以上の高次元を実践する人もあると私は信じている。******************「美人投票」の部分は、もっぱら投資家心理に関する部分に大きなフォーカスが当てられており、この部分だけを読んでいると、「投資的発想」というよりもむしろ「投機的発想」が前面に押し出されている感じがしますが、実は、この前後の文章に投資と投機を結びつける話がいろいろ書かれてあり、これが非常に面白いのです。次回からは、それについて触れていきたいと思います。今日の言葉:「『美人投票』的な発想から美人を選ぼうしたとき、その結果で選ばれた人は、自分だけの都合だったら絶対に選ぶはずがない人である可能性も十分有りうる。」
2005年07月27日
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今回は、VaR[バリュー・アット・リスク]の話についてです。VaRとは、個々の証券リターンの分布が所与であると仮定したときの、ポートフォリオ全体が被る損失額とその確率を把握するための金融工学的手法であり、ポートフォリオ全体のリスクを計量化するという試みの一種です。VaRで想定する個々の証券リターンの分布は、理論上はどんな分布でも対応可能ですが、リスク量の算出が容易であるという理由からいわゆる「正規分布」を使うことが多いです。(複数の証券リターンなので、厳密には「多次元正規分布」です。)すなわち、左右対称の釣鐘状分布です。個々の証券について、平均(期待リターン)と分散(ボラティリティ)と相関関係(連動性)が所与であれば、ポートフォリオ全体のリターンの分布は正規分布に従うという論理です。正規分布は以下のHPなどを参考にしてください。(また、YAHOOの検索なども利用してください。)*ウィキペディア(Wikipedia):正規分布*立教大学社会学部産業関係学科山口和範研究室*************************<数値例>例えば、個々の証券について期待リターンとボラティリティと連動性を計算できたと仮定して、そこからポートフォリオ全体に関するリターン分布のパラメータが以下のようになると計算できたと仮定します。平均:7%、標準偏差:20%(いずれも、年率とします。)このとき、1年後におけるポートフォリオ全体の損失が33%以内におさまる確率を計算すると97.7%となります。(これは-2σに相当する量です。)もし投資金額が1億円であるならば、「1年後にポートフォリオ全体の損失が3300万円以内におさまる確率は99.7%である」と言うことができます。*************************こうした統計的手法で実際にポートフォリオのリスク管理を試みた際に何が問題になるのでしょうか?詰まるところ、以下の3点に集約されるではないかと思います。(1)リターン分布に関する問題まず、証券のリターン分布が正規分布であるかどうかという問題があります。正規分布によると、2σを超えて損失が発生する確率は2.3%、3σを超えて損失が発生する確率は0.15%となっています。しかし、実際に証券のリターン分布が平均回りにおいて厳密に左右対称ということはありません。仮に、過去のリターン統計から正規分布であると概ね認められるとしても、問題はそれが各種イベント(テロ・ブラックマンデーなど)によって、正規分布のパラメータから推測される期待損失をあっさりと突き破ってしまうことです。それは、「ファットテール(太い尾)」という問題として有名で、緊急時には過去想定されていた連動性とは比べ物にならないくらいにそれが高まり、分散投資の理論を覆すほどに株価は下落するのです。9・11のテロでは、いくつかの保険会社が保険金の支払い不能で破産したという話がありました。それはまさに、「VaRのリターン分布に関する前提条件が破られた瞬間」だとも言えます。(2)予測可能性と事後処理に関する問題仮にリターン分布に関する問題を解決したとしても、VaRで分かることと言えば、「確率1%で大きな損失をするかもしれない」という類の話だけで、リスク管理として本来重要な「それがいつ起こるのか?」「実際に起こったときにどう対処するのか?」という問いに対しては全くの無力です。これは、「テロが確率1%で起こって、その結果、ポートフォリオが大損を被るかもしれない」と言っているようなもので、「テロはいつどこで起こるのか?」「実際にポートフォリオが大損を被ったときどう対処すればよいのか?」ということを何も考えていないのと同じです。(3)統計的頻度の利用可能性に関する問題そもそも、統計的頻度というのは理論上、「無限回の試行を行った際の極限値」です。現実の世界でこうした無限回の試行を行うことが出来ることは有り得ないにしても、少なくとも十分な回数の試行が出来る状態のときに限り有効です。分かりやすい例では、秀逸なトレーダーは1回に賭けるリスク量を制限しているという点です。トレーダーが破滅しないためには1回のトレードで賭けるリスクを制限することで、自ら検証済みのシステムの統計的頻度(リスク/リワード比率)に賭けることが出来るようする必要があります。VaRとは、1億円を持っている人が「確率1%で全財産を失う」ということが分かっていたとして、「確率1%だから期待損失は100万円だな」という感覚でリスク管理をするようなもので、これは明らかにずれた感覚です。その確率1%の事象(すなわち、全財産を失う)が起これば全ては終わりです。統計的頻度ではリスク管理が出来ないのです。VaRによるリスク管理はこのあたりを根本的に勘違いしています。今日の言葉:「リスク管理の基本は、『リスクはいつか起こるものである』という前提を持つことである。」P.S.VaRは、銀行勘定のポートフォリオのリスク管理にVaRを導入すべきであるという国際決済銀行規制(BIS規制)から始まったものです。本来のリスク管理の意義を考えると、危なっかいことこの上ありません。
2005年07月24日
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今回は、バリュー投資家にとっては普段は殆どどうでもいいと考えがちな「地政学的リスク」なるものを、少しばかり考えてみたいと思います。しばらくなりを潜めていた「テロ」ですが、ここ最近また頻発するようになってきました。(イギリス、エジプトのことです。)いやいや、もちろん分かっています。「テロ」といって私が把握しているのは、せいぜい日本のメディアがよく報道するベースのものに過ぎず、世界中を見渡すとどこか知らない国で日常茶飯事のようにテロは起こっていることは。そして、当然ながらメディアとてそれを全て把握しているわけではなく、仮に大部分を把握していたとしても、話題性や経済的効果という基準による優先順位があり、とりわけインパクトの強いものを取り上げているに過ぎないということも分かっています。ただ、株式市場に大きなマイナスインパクトを与えるのはこうした経済的効果の大きい国で起こったテロであることは常識的に理解できますので、それに限って言えばメディアの報道ベースでも十分なのではないかとも考えたりします。株式投資におけるリスクは心理的要因にも大きく左右されるとよく言いますが、「地政学的リスク」もこれに入るかもしれません。ここ最近のテロで話題性・経済的効果のいずれをとっても他のテロとは比べ物にならないものといえば、やはり誰もが2001年9月11日に起こった「ニューヨーク同時多発テロ」と答えるでしょう。人間は、「想定外」のことをリスク要因であると認識します。逆に、ホリエモンさんがいうところの「想定の範囲内」については、それがリスク要因であると認識する人は少ないでしょう。「9・11」のそれは、*犯行声明などもなく何の前触れも突然起こったこと(一部報道ではそうした犯行声明があったという話もありますが、真偽のほどは分かりません。)*飛行機が大都市のビルに突っ込んでくるという、従来の常識では考えられない形で行われたこと*「多数の死傷者」「アメリカの繁栄の象徴である高層ビルの崩壊」という経済的なマイナスインパクトがあったことなどの特徴があり、私もその日の夜は思わず釘付けになってテレビを見ていました。ちなみに、株式は大して持っていなかったです。(その時は株式につぎ込めるほどのお金を殆ど持っていなかったという言い方のほうが正確ですが。)テロの後の株式市場の動きはすさまじいものがありました。殆どの投資家が狼狽売りをしている状況だったことを考えると、バリュー投資家といえども保有しているポジション次第では相応のダメージを覚悟しなければならないのではないかと今振り返ってみてもそう感じます。ただ、人間には「慣れ」というものがあり、その後、世界各国でテロが頻発(アフガニスタン、イラク、ロシア、インドネシア、イギリス、エジプトなど)しているにも関わらず、「9・11」のときに見られたような暴落はあまり見られません。それは、先進各国にありがちな「まさか自国でテロが起こるなんて」という平和ボケから、「テロは起こるものである」ということを前提とした認識を持つようになったからかもしれません。まあ、さすがに日本で起こるとあらゆる意味で大変なことになると思います。それは起こってほしくないと心から祈っております。また、テロとは少し違いますが、一般的に株式市場には「みんなが有頂天になったころに不意打ちするかのように暴落がやってくる」という特性があります。そうした「不測の事態」に対して耐久力があるポートフォリオになっていることはもちろん、心理面でもそれに対する備えが必要かもしれません。「まさか暴落が起こるなんて」ではなく「暴落は起こるものである」という前提で考えなければなりません。ただ、それに過剰反応しすぎるのも考え物です。巷のエコノミストが煽りがちな「地政学的リスクから株式を保有しない」という論理は、長期に亘って株式で資産形成を考えている人間にとっては「愚の骨頂」だと思います。バリュー投資家であれば、あくまでもその企業の本源的価値を基礎とした株式保有でいいのではないかと思います。ただし、「暴落は起こるものである」という心理面の備えは怠らないということで行きましょう。次回は、金融工学的手法からリスク管理しようとするVaR[バリュー・アット・リスク]に関する話をしたいと思います。「VaRって何?」と思う方が殆どかと思います。詳細は次回に示しますが、事情を知っている方には「今日の言葉」にその特徴を示しておきたいと思います。今日の言葉:「釣鐘状分布でリスク管理を試みると、それは各種のイベントによってことごとく裏切られるものである。統計学者はそれを『異常値』と呼ぶが、投資家はそれでは通用しない。」
2005年07月23日
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今回は2本立てです。1.ブログフラッシュアップ先週は海外旅行に行っていたこともあり、自分のブログはもちろんのこと、他の人のブログも見ることが出来ませんでした。そんなわけで帰国後は、一通りブログ徘徊をしたのですが、その中から、「おっ!」と思ったものをフラッシュアップ形式で取り上げたいと思います。今週はいろいろ面白い話あり、考えさせられる話ありでした。感想は敢えて書きません。(1)「バリュー投資CMB研究所」内田さん(7/13の日記)「スクリーニングのコツはスクリーニングしないこと」(2)「バリュー投資日記」早川圭さん(7/15の日記)「エンジュクでセミナーの講師をやります」(3)「J-Coffeの株式投資日記」J-COFEEさん(7/19の日記)「分割は敵対的買収対策の切り札」(4)「sup_bearishの株式投機メモ」sup_bearishさん(7/15の日記)「『あっちの世界』にいってしまったような感じ」(5)「株で貯金を増やしちゃOH!(ブログ版)」タツさん(7/17の日記)「あなたにとっての絶好球は他のバリュー投資家とズレていないか?」(6)「tallman_investment」tallmanさん(7/18の日記)「成長株は人気が離散するか成長が鈍化するまでは売り切らない」(7)「なまけもの投資日記」カンガエルさん(7/18の日記)「株式投資で若くして財をなす人もいる一方で、債務免除のために自己破産をしている人も増えており、両極端な世の中になりつつある」(8)「初心者からのバリュー&グロース投資」海苔さん(7/19の日記)「信用で取引しようとしている初心者様への警告」(9)「愛犬こなつのバリュー株式投資」konatsu6483さん(7/12の日記)「銘柄公開は投資方針に反した売買を出来ないようにするため」(10)「ayumixのバリュー投資のあゆみ」ayumixさん(7/16の日記)「経済的自立を目指すために、実際に最初の第一歩を踏み出しているのはどのくらいいるのか?」(12)「田舎父さんのブログ」田舎父さん(7/16の日記)「私は私のペースで着実に資産を増やしていければいい」(13)「フージャース株主友の会」okenzumoさん(7/16の日記)「資産2億円の達成に浮かれず精進したい」以上、ブログフラッシュアップでした。他にも気になる記事はいくつかありましたが、このあたりで・・・。2.業界の自主規制話は変わりまして、2つめの話題は、私にとっては立ちはだかる「壁」のような存在です。昨日、*モルディブ旅行*ミュージカル鑑賞(夢から醒めた夢:劇団四季)という「ゴールデン夏休み」が終わり会社に行った日のことです。久しぶりの会社なので、溜まっていたメールチェックや回覧物チェックを最初に行っていたのですが、その回覧物の中に「当部所属員による有価証券自己売買ルールの改定について」なるものがあったのです。(ちなみに、上記にある「当部所属員」とは、私が勤めている会社の中で、運用部門にいる人のこと。)具体的には、「日本証券投資顧問業協会」という団体が策定している自主ルールである「業務運営にあたり留意すべき基準について」に対応して、社内コンプライアンスである「有価証券自己売買ルール」を改定するというもので、*所属員が利用している証券会社の口座情報の届出*購入は純投資目的として最低6ヶ月は保有することを義務付けるというものです。信託銀行は顧客から資産を預かって運用を行っているという手前、インサイダー取引は勿論のこと、顧客との利益相反の疑いがある取引を防ぐために、所属員の自己売買についても監視体制をしっかりしようというものです。もっと平たく言うと、「当社の運用部門で働いている人が、自己資金で個人的投資をやることそのものについては否定しないけど、これからは、それは全部届け出した上で行い、当社で定めた一定のルールに違反するとどんな人事処分を下されても文句は言えないよ。」というものです。ポイントとして、以下のような取引が禁止されることになります。「投信」は規制の対象外だったような気がします。(1)先物取引(2)オプション取引(3)信用買い(4)信用売り(5)その他、保有期間6ヶ月以下の短期売買(6)株主提案など議決権行使を目的とした保有このルールの適用は来期からだと思いますが、私が行っている取引のうち、いくつかが引っ掛かることになります。(「信用買い」「保有期間6ヶ月以下の売買」あたりです。)これを見た瞬間、「上等じゃ-!ゴルアー!(まさま2004さん風に言ってみました)」と思いましたね。せっかく、この世界(個人的投資)で頑張ろうと思った矢先ですから、出鼻をくじかれたとはまさにこのことです。今の私に1億円くらいあれば、「こんな大してやりたいとも思ってない副業(年金運用)のために、本業(個人的投資)の足引っ張られてたまるか!」となり、速攻で会社辞め確定です。今の資金状況ですぐにそうした大見得を切ることは出来ないまでも、「せっかく効率のよい副業(個人的投資)を見つけたのに、こんな本業(年金運用)のルールに足引っ張られてたまるか!」というくらいは思っています。もちろん、自主規制を遵守するという点だけについて考えれば、「現物投資だけの長期保有をベースとしたバリュー投資」という、本来の王道(でも効率がいいかどうかは分からない)を行くということで回避できなくもないですが、それでも、売買をいちいち会社に届けないといけないという非常に鬱陶しい問題があります。運用機関の人間で個人的投資を本格的にやっている人はごく少数派でしょうから、「inatoraは債券ファンドを担当しているのに、こんなに個人的に株式投資をやっているのか?」「本業の仕事はやる気あるのか?」などと白い眼で見られかねません。だから、やる気なんぞないっちゅうねん!(笑)またも、「ボヤキ」になってしまいました。最近、「投資日記」でなく「ボヤキ日記」になっているのが自分でも良くわかります。仕事上、ボヤキがたまたま投資の話題になっているだけで・・・。機関投資家の人間としては失格であるというのは自覚しながらも最低限やらなければならない仕事はしているのですが、それでも機関投資家の論理には一生付き合いたくないという気持ちが日に日に強くなっています。何としてもこの窮屈な状況を打破せねばと考えるようになっている今日この頃です。今日の言葉:「とりあえず、会社なんて辞めちゃうんだよ。辞めてみたらどうってことないと思うから。」(転職をしたある先輩の言)
2005年07月20日
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ようやく帰国しました。状況把握をしてみようと思います。1.ポートフォリオ状況事前の予想どおり、特に大きな時価変動もなく、波乱なき1週間でした。それというのも、市場平均も堅調なようだったからかもしれません。今月も市場平均にアンダーパフォームするのか?まあ、致命傷を喰らっているわけではないので、どうでもいいことなんですけど。ただ、「YAHOOファイナンス」や「LIVEDOORファイナンス」で、この一週間の「値上がり率」や「値下がり率」を見ていると、上下に激しく動いている銘柄が多々あったようで、相変わらず騒がしい株式市場であることだけは確認できました。自らの保有銘柄についての個別銘柄ベースでのイベントも殆どありませんでした。強いて言うならば、「9651 日本プロセス」が業績の上方修正をしたことくらいでしょうか?企業のIT投資が順調で、その恩恵を受けたのが要因です。それにしても、システム関連系企業の業績が割といいですね。今後も期待できます。2.海外旅行記行き先を言っていなかったのですが、実は「モルディブ」に行ってきました。一部の人には「ハワイ」と言っていましたが、急遽変更となりました。*海がきれいで魚が泳いでいるのが見える*島でのんびり過ごすタイプのリゾート地*リゾート地ゆえに物価が高い*観光客は多国籍*(私はやらないが)ダイビングをする人にとっては最高*(利用しなかったが)ビジネスルームにインターネットはある*これといったお土産がないといった特徴があります。場所は、インド洋のど真ん中です。詳細は世界地図なんぞで確認してください。当然、ブログなどは見なかったですし、書かなかったです。メールも沢山頂いていたようで、関係者にはご迷惑をお掛けしました。基本的には、日本で一生過ごしたいと考えていますが、株式投資によってフィナンシャルインディペンデンスを勝ち取り、海外旅行に好きなときに行けるようになるというのはいいことだと感じた次第です。3.その他(1)ブログフラッシュアップ久しぶりに、投資関連のブログやHPを徘徊しました。次回は、特にインパクトのあったものを「フラッシュアップ」として取り上げたいと思います。(2)会計の勉強先日お伝えしてご心配をかけた「ボヤキ」についてですが、「学校に行く」という形で勉強することにしました。会計の原則論的な部分を学ぶことで財務諸表を読む力をつけて、今まで以上に株式投資に強くなりたいと思います。こちらについても、いずれ取り上げたいと思います。他にもいろいろありますが、とりあえずこの辺で。今日の言葉:「人は海のようなものである。あるときは穏やかで友好的。あるときはしけて、悪意に満ちている。ここで知っておかなければならないのは、人間もほとんどが水で構成されているということである。」(アインシュタイン)
2005年07月16日
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突然ですが、月曜日から土曜日まで海外旅行に行ってきます。久しぶりに日中に株価を見ない生活となり、完全にオフモードです。とか言っておきながら投資本を読書用に持っていこうとしているあたり、少し病気かも知れませんが・・・。株価を見ることが出来ませんし、何か大きなイベントがあっても対処が出来ませんが、現状のポートフォリオを勘案すると放置プレーで全く問題ないと考えておりますので何もやっていません。戻ってきてから、株価なり、ファンダメンタル情報なり、掲示板なり、を見ても「なんだ。行く前と殆ど変わってないじゃん。」となる可能性が大だと勝手に予想しています。リゾート地でゆっくりすると共に、先々のことも含めてじっくり考えるいい機会だと思っています。なお、次の日記の更新は来週の日曜日になりますので、よろしくお願いします。今日の言葉:「海外旅行に行って何日も株価を見られないことが心配になるポートフォリオを組んではいけない。」
2005年07月10日
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今回は「トレーダー分岐点」というブログを書かれているMU’さんから頂いた投資に関するアンケートに対する返答をしてみたいと思います。これに返答することで、これから投資を始めようとする初心者に、投資の良書について何かアドバイスが出来るのではないかと考えたからです。MU'さんのブログ「トレーダー分岐点」質問は6つあります。その中には、単に質問に答えるだけで終わるのは不十分と感じるもののありましたので、コメントも付け加えております。**************************質問1.今まで投資をやったことが無いあなたのパートナー(奥さんや旦那さん、彼氏彼女)が投資をはじめたいと言い出しました。パートナーは財務諸表の読み方はもちろんPERなんて言葉も知りません。そこで、一番初めに読むように薦める書籍は何ですか?6つ質問の中で、一番難しいです。「投資の入り口に関する話」だけにここを間違うと大きな回り道をしかねないからです。書店にある投資本でまともだと思う本は1割もないので、ランダムに本を漁っていると9割の投資家予備軍は間違った路線に突き進むことになります。とはいえ、私と同じバリュー投資を目指すことを前提とするならば、以下のような理論面でも実績面でも確かな3冊がありますので、まずはそちらをおススメします。(1)「普通のサラリーマンでも15年で2億円作れる!」(2)「超特価バリュー株「福袋銘柄」で儲ける週末投資術」(3)「謎のトレーダー「しん」の〈株〉バリュー投資法」このように、最近の日本ではバリュー投資の世界においては分かりやすく実践的な本が出ています。また、投資先進国であるアメリカ人が書いた良書と違い、「日本の事情」も考慮されており、非常に読みやすいはずです。この3冊を読んでバリュー投資が理解できない人は、バリュー投資を諦めたほうがいいと思います。(多分、投資そのものも諦めたほうがいいと思います。)あとは、これらの本で紹介されている「良書」を順に読み進めていくうちに、バリュー投資の体系的な考え方を次第に身につけていくことができると思います。そこで紹介されている本はかなり被っているはずで、それこそ真の良書だと言えます。**************************質問2.パートナーはある程度、用語や投資の仕組みについて理解し始めました。いよいよ財務諸表の読み方を勉強しようと思います。読むように薦める書籍は何ですか?巷にある決算書関連の本の中から分かりやすいものを選択するということでいいと思います。とりあえず、私が持っている本で2冊ほど紹介しておきます。(1)「賢明なる投資家(財務諸表編)」――パン・ローリング(2)「入門 決算書が面白いほど分かる本」――中経出版**************************質問3.あなたが今までに一番影響を受けた書籍は何ですか?「賢明なる投資家」を挙げておきたいと思います。バリュー投資は今でこそブームになっている感がありますが、ここがバリュー投資の原点だと思います。個人的には、「これを読まずしてバリュー投資を語るなかれ」と思っています。それだけ、得られるものが多い本だと思います。**************************質問4.今まで読んだ書籍で印象に残る名言がありましたら教えてください。いくつかありますが、私が一番好きな言葉を挙げておきます。ベンジャミン・グレアム「貴方の意見が他人と違うことと、貴方の意見の成否は全く関係ない。貴方が持つデータとその根拠が正しければ貴方は正しいのである。」(賢明なる投資家より)この言葉には「もっと自分に自信を持ちなさい」という意味が込められています。もちろん、独りよがりでないことは重要ですが、自分がこれだと思う投資哲学を見つけたら、他人がそれに対してどう言おうがそれを貫くべきだと思います。投資の世界では、自分に自信を持っていないせいか、意思決定を他人に委ねたり、他人の意見に付和雷同してしまう人が非常に多いです。昔からある話だと「銘柄推奨」などはその最たる例です。また、インターネット時代になって、個人投資家が投資に対して簡単に意見を発信できるようになっていますから、そうした発言を受けて自分の投資スタンスをコロコロ変える人も多々見受けられます。そうした「迷える投資家」にぜひ贈りたい言葉であると思います。**************************質問5.あなたが一番好きな書籍は何ですか?「バリュー投資入門」を挙げておきたいと思います。入門というタイトルですが、そこそこ難しいことも書かれています。それでも「賢明なる投資家」を現代風にアレンジしており読みやすくはなっていますし、実践的な投資アイデアが沢山詰まっています。それでいて「賢明なる投資家」の哲学は忘れていないので、バリュー投資の本質を見誤ることはない本だと思います。**************************質問6.その他お勧め書籍、ご意見がありましたらお書きください。成功する投資家を目指すために読んでほしい本は沢山ありますが、消化不良を起こしてしまうのも問題ですので、時間をかけて多くの良書をじっくり読んでいくということで良いと思います。とりあえず、「平均的な投資家に対して差をつける」ということで、PERの本質に迫るための以下の2冊を勧めておきます。(1)「投資家から自立する投資家へ」(パン・ローリング)(2)「MBAバリュエーション」(日経BP)「利益の経済的実質」や「バリュエーション」の基礎を身につけることで、PERの盲点を知ることが出来ます。すなわち、「利益は操作されやすいもの」「PERは利益成長率と事業リスクを加味して判断すべき」という視点が身につけば、投資判断を誤る可能性が格段に落ちると思います。**************************今日の言葉:「良書は間違った方向に行かないために必要な教師のような存在である。問題は、投資の世界ではそれが驚くほど少ないことである。」P.S.MU'さん、アンケート収集は進んでいますか?集計結果を楽しみにしています。
2005年07月09日
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今日は「パーシャルオーナー」のサイト主である角山さんのコラムを見て感じたことを書いてみたいと思います。バリュー投資の界隈では言わずと知れた「現役大学教授がこっそり教える株式投資必勝ゼミ」の著者である榊原正幸氏についてです。榊原氏は、東北大学経済学部の助教授を経て、現在は青山学院大学国際マネジメント研究科(社会人の再教育を主とした夜間大学院)の教授を勤めており、専攻は会計学です。青山学院大学国際マネジメント研究科のHPhttp://www.gsim.aoyama.ac.jp/JPN/index.html東北大学助教授時代のプロフィールhttp://www.econ.tohoku.ac.jp/profile/sakaki.htmlこれらのプロフィールと榊原氏の過去の著書を見る限り、株式投資は個人的趣味であり、本職では会計学と株式投資をリンケージした形で研究論文を書いている訳ではないと判断できそうです。実際、所属している学会も、・日本会計研究学会・税務会計学会・The European Accounting Association・The American Accounting Associationと、会計関連ばかりです。日本において証券投資について研究している(つもりにになっている)学会である「ファイナンス学会」「JAFEE(日本金融・証券計量・工学学会)」などはもちろんのこと、海外における証券投資関連の学会にも所属していません。少しマニアックな話になってしまいますが、青山学院大学にも東北大学にも「ファイナンス理論」ではそれなりに有名な先生が揃っています。しかし、榊原氏はこれらのファイナンス学者と共同研究をしている気配もなさそうです。もっとも、アメリカのファイナンス学者と違って、日本のファイナンス学者はいわゆる「個人的投資」に興味がない人が殆どですから、こういう人たちとはウマが合わないのかもしれません。日本のファイナンス関連の研究環境に関する最大の問題点はまさにそこに集約されると思いますし、ファイナンス関連の研究論文の質が欧米諸国のそれと比較して見劣りしているのもそこに原因があると思います。以前から書いていますが、経済や経営や証券投資といった「実学」に分類される研究については「学者自身が世間知らずでは話にならない」と思っていますので、証券投資という世界に限って言えば、榊原氏のような実践的スタンスのほうが私は共感を持てます。そして、証券投資の研究というと、それに関連するあらゆる分野についての基礎が必要であり、そういった意味では「経済」「経営」「会計」「統計」「心理」「論理」「文化」などといった枠を超えた「学際的研究」であるはずです。にも関わらず、「専門分野が違うから交流がない」という「縦割り」なところがあります。また、証券投資の研究ですから研究者自身が「如何にして利益を上げるか?」というスタンスをもっと前面に押し出してもいいと思います。「大学教授なのに怪しいセミナーをやっている」と考える人はいるかもしれませんが、証券投資の研究という性質上、これくらいのことがあってもいいのではないかと私は思います。バートン・マルキール著「ウオール街のランダム・ウオーカー」には、「学者は露骨に金儲けをしてはいけないという不文律がある。」というくだりが確かありました。他の分野であればそうかもしれまんせん。しかし、証券投資の研究で「利益を上げる」ということに興味が持てない研究者はこの世界に向いていないと思いますし、今後の投資教育の必要性を鑑みても、より実践的なことに興味がある研究者に取って代わられるべきだと思います。今日の言葉:「金を儲けられないファイナンス学者は、刀を持たない侍と同じである。」P.S.「ウオール街のランダムウオーカー」については突っ込みどころがたくさんあります。個人的には、「自分は個人的投資で実績を上げた」という自慢話と「ランダムな市場」をどう矛盾なく説明するつもりだろうか?というところですね。個人的な趣味・・・個人的投資での成功仕事上の立場を維持するために必要な論文・・・効率的市場という区分が一番すっきりするのではないかと個人的には思っています。この世界の学者も本音と建前の使い分けがあって難儀なものです。もっと本音だけで生きていければ楽なんでしょうけど。
2005年07月06日
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タイトルにもありますように、今回は完全に「私的なボヤキ」ですが、どうかお付き合いくださいませ。1.会計の勉強最近、会計のコアとなっている「原則論的な部分」を突っ込んで勉強してみたいと感じています。すなわち、公認会計士や大学の先生が興味の対象としている部分についての勉強です。私自身が既に示しているように、バリューをベースとした株式投資の場合、会計に関する知識が多少いい加減でも、バリューとプライスのギャップが大きいと判断するに足る銘柄を探し、そのギャップが埋まるまで待つことさえ出来れば、超過リターンを稼げる世界であります。機械的投資はその最たる例ですが、PERやPBRという、会計の観点から見れば非常に限定的な情報しかもたらさないファクターを当てにした投資でもそれなりに勝てることは多くの実証研究で示されています。逆に、どんなに会計やビジネスに関する知識に長けていても、それ以外の面(特に、メンタル面)が株式投資向きでなければ絶対に勝てない世界だと思います。これは、ギャンブリング(賭け事)におけるメンタルコントロールの重要性を考えればすぐに分かります。そんな中で敢えて会計に関する原則論的な部分の知識を深めようと考えているのは、私がまだ利用できていない株式投資のアイデアを追求することで、今まで以上に高い投資リターンを上げることが出来るようになるのではないかと考えるようになったからです。株式投資にはそれこそ研究すべきテーマがたくさんあると思います。そんなテーマの一つとして会計の勉強があり、株式投資に直結する研究として「GAAP(一般に認められた会計原則)の盲点を突く」ということに興味を持つようになった次第です。私が会計の勉強をする主たる目的は個人的な株式投資の意思決定、すなわち、より精度の高いバリューの測定が出来るようになるためですが、知的興味としての一面もあります。すなわち、株式投資から離れたことも含めて会計に関する包括的な体系について勉強してみたいという知的興味もあります。既にその目的に合致した良いテキストについて情報をいくらか得ていますが、さらに情報収集をしています。あと、手始めに簿記2級の試験でも受けてみようと思います。(簿記2級レベルの勉強は自主的にテキストで勉強はしていたが、試験は受けていないので。)そんなわけで、最近は会計系のサイト(公認会計士や大学の先生が作っているサイト)をネットサーフィンすることが多いです。また、独学ではどうしても限界があるので学校に行こうかとも考えていますので、会計系の専門学校やアカウンティングスクールについても調査しています。2.機関投資家の論理最近、「機関投資家の論理」で証券投資を考えることについて以前にも増して疑問を抱くようになっており、「このままこの仕事をやってていいのか?」と一人で考えることが非常に多くなっています。「機関投資家の論理」については以前にもさんざん述べましたので、ご興味がありましたら過去の私の日記を見ていただければと思いますが、「安定した給料を貰っているから」という割り切りでやっていくには精神的限界を感じるようになってきています。相場の堅調さがサポート材料になっている点は割り引かなければならないですが、個人的投資でいくらかの実績を残し、自分なりの投資スタンスを確立できるようになってくるとなおのことそう思います。個人投資家が成功するための論理と機関投資家が成功するための論理があまりにもかけ離れていることを実感しているからです。ところで、この運用業界は「同業他社への転職」に限って言えば、それなりに潰しが利く業界です。過去において、私の身近なところでファンドマネージャーやアナリストが同業他社へ転職するという話は普通にありました。それは、今いる会社に対して「人間関係」「仕事のやり方」「金銭面での待遇」などで何かしらの不満を持っていたり、あるいは、希望の職種に就けない(例えば、アナリストになりたいのにディスクロ資料の作成をやらされているとか)といった理由で転職することが多いようです。しかし、私はそうした事情とは無関係で、「同業他社に転職したところで根本的な問題は解決しない」と考えています。そもそも、機関投資家の論理で投資を考えるということに精神的限界を感じているからです。ともかく、「この世界でずっとやっていくのだけは何としてでも避けたい」ということは考えています。このあたりはもはや「のっぴきならぬ状況」まで来ているだけに、種々の制約はあるものの、将来のことも含めて真剣に考えています。そんなわけで、7月から当面の間はブログの更新頻度を週4日から週3日にしようと思います(水・土・日の3日)。勝手ながらですが、今後ともご贔屓にいただければ幸いです。*今日の言葉はありません。
2005年07月03日
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今月の運用報告とコメントです。1.運用パフォーマンス*昨年末を10000とした形式で基準価格を表示しています。基準価格:153355月末比 約 +2.8%昨年末比 約 +53.4%2.ポートフォリオ*現物と信用を分けて記載することにしました。*ウエイト順です。重要な影響を与える銘柄のみ記載しています。*短期売買目的のトレード銘柄は記載していません。*仕込み中の秘密銘柄は記載していません。*ウエイトの詳細は、フリーページをご覧下さい。*現物ポジション(1)8191 光製作所(2)9651 日本プロセス(3)7839 SHOEI*信用ポジション(1)9702 アイ・エス・ビー(2)9651 日本プロセス(3)7902 ソノコム3.売買アクション*短期売買目的のトレード銘柄は記載していません。*仕込み中の秘密銘柄は記載していません。*購入9702 アイ・エス・ビー*売却8917 ファースト住建4.コメント(1)6月の運用パフォーマンスは、前月末比約+2.8%、年初比約+53.4%でした。プラスではあったものの、市場平均であるTOPIXやJASDAQに対しては劣後しました。また、ウエイトの大きい銘柄のちょっとした値動き(オークションの指値の違いといったところか)による時価変動という域を出ていないだけに、プラスという実感はなく、トントンという感じです。(2)今月の売買は購入と売却が1銘柄ずつだけでトレードも殆ど実施しませんでした。*9702 アイヱスビー6月2日に自社株買いの決議を行っており、これを「インサイダーの買い」というプラスのシグナルと捕らえ、6月9日に買い増ししました。7月中には中間決算の発表がなされるでしょうから、そこで何らかの結果が出ます。上方修正の可能性が高いと踏んでいますが、株価がどうなるかという保障は全くありません。*8917 ファースト住建4月の決算発表時に想定していた水準の売上が上がっていなかったことを確認しての売却です。もう少し様子を見るという選択肢をとる方もいらっしゃいますが、ここは、この業界をよく調査している投資家さんの「いまひとつだ」という感想をもとに、私は売りを決めました。こういう場合、私が余計な投資判断をしないほうが良いのかもしれません。(3)保有銘柄でパフォーマンスに重大な影響を与えるイベントは以下のとおりです。*8191 光製作所、1960 サンテック(現在非保有)3月決算だった2銘柄の配当が来ました。今回は生活費に充当するため、証券会社の口座には入金はしません。したがって、パフォーマンスには配当を取り込んでいません。*8917 ファースト住建売上が期待されているほど伸びなかったということは既にご紹介のとおりです。残念です。*9651 日本プロセス6月も引き続き、自社株買いを実施。この会社は暴落局面が来てもそれほど影響は来ないのではないでしょうか。当然のように放置プレーです。*9702 アイエスビー「上方修正の可能性&インサイダーの買い」に関するいくつかの証拠が固まってきました。6月2日に自社株買い決議を行っていることは以前から伝えていますが、6月末時点の報告で早速それを実施していることが確認できました。6月も終わり半年が経ちました。正直言ってうまくいきすぎだと思っていますが、パフォーマンス面でカッコ悪いところを見せることにならなくてホッとしています。6月という単月でみれば市場全体は割とホットな相場でしたが、私には殆ど無縁だったようです。そのため、6月のパフォーマンスはプラスだったものの、TOPIXやJASDAQには劣後しています。まあ、全ての上昇局面を捕らえることなど不可能な話ですから、そういうこともあるという程度に考えたほうが良いでしょう。ホットな相場だと「乗り遅れてはならない」と無理をしがちですが、これは感心しません。日々の値上がり率や値下がり率を見ると、低位株が活況であることが良くわかります。バリュー投資家にとっては近づきたくない相場だったということだけは確認できます。一方で、私自身が本業でやや忙しめだったこともあり、一年で一番重要な四季報が出たにも関わらず調査が殆ど出来ておらず、売買も既存銘柄だけでした。7月に入って少し落ち着いてくると思われるので、そろそろ本格的に取り組みたいと思います。そんな中、組入れを検討しても良いのではないかと考えている銘柄が4つほどありました。実際に組入れるかどうかは、詳細の調査とポートフォリオ全体のバランス次第です。ちなみに、小売業2社と不動産業2社です。不動産業のほうは、一つは言わずもがなのフージャースです。こちらについては、okenzumoさんがよろしく調査しているので、ファースト住建に乗ってこちらに乗らないというわけにも行きませぬ。もう一つは秘密です(バリュー投資家にはなじみのある典型的な資産系銘柄だということだけ申し上げておきます。)小売業のほうは、一つは割安、一つは成長という位置づけです。具体的な銘柄名については、調査段階につき秘密です。今の相場でレバレッジ度を200%オーバーにするつもりはないので、その範囲内での買い付けか、既存銘柄との入れ替え(それだけの魅力がなければ見送り)、といういずれかのスタンスで臨みたいと思います。今日の言葉:「投資はマラソンのように長丁場である。折り返し地点で上位であるからといって決して油断してはならない。」
2005年07月02日
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