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新型肺炎 「患者は中国発表の3~4倍の可能性も」厚労省新型のコロナウイルスによる肺炎をめぐり、野党側が厚生労働省などに行ったヒアリングで、出席した議員が「中国政府の発表よりも実際には患者数はもっと多いのではないか」と質問しました。これに対し、厚生労働省の担当者は「先週末に数理疫学の専門家から、海外での患者数などをもとに、中国の患者数を計算した数字の提供を受け、実際には発表の3倍から4倍程度の患者がいてもおかしくないという結果だった。それくらいの数を想定していないと、対応が後手に回ると考えている」と述べました。---現時点での中国の発表は「死者213人 患者数は9692人」とのことです。実数はその3~4倍かも、と厚労省は言っているわけですが、私はおそらくそんなものでは済まないだろうと思うのです。何故か。全日空のチャーター便で武漢から帰国した第1便の乗客200人あまりの中から、3人が新型コロナウィルスに感染していたと報じられています。200人中3人、つまり1.5%です。武漢では、地元の人たちより在留邦人の方が新型コロナへの罹患率が猛烈に高いのでしょうか?どう考えても、あり得なさそうです。ということは、在留邦人の間の罹患率は、現地での罹患率とかけ離れた数値ではないでしょう。武漢は1000万人ですから、罹患率1.5%ということは、15万人です。控えめに見ても、患者10万人はおそらくいるだろうと思います。ただし、帰国した3人の感染者のうち、2人は無症状とのこと。無症状でも感染が確認できたのは、おそらく日本への帰国者の第一便で念入りに検査できたからです。現地では、症状がない人はそもそも病院に行かないだろうし、行ったとしても患者が殺到している病院では診察などしてもらえず、帰されるだけでしょう。つまり、感染者としては認識されないであろうことは容易に想像できます。(日本も遠からずそうなるかもしれません)逆に言うと、10万人の感染者で死者が170人なら、死亡率はそう高くはなさそうです。死者や重症者は、中国でもかなりの程度把握されているでしょうから、軽度の患者に比べてはるかに実態に近い数字であろうことは容易に想像がつきます。もちろん、把握されていない死者がまったくいない、とは思えませんが(そもそも、今この瞬間も新たな死者が出ているのだろうし)、発表の何倍もいる、ということはない。つまり、死亡率は1%を大幅に下回るのではないか、と思います。もちろんこれも現時点では、です。先に書いたように、長期的(数十年単位)では、人間界に定着したウイルスの病原性は下がっていく傾向がありますが、数ヶ月の短期的傾向としては、必ずしもそうとは限らず、病原性が強まることもあり得ます。流行の今後の動向からは目が離せません。それにしても、ドラッグストアに行っても、マスクの在庫がまったくありません。先週風邪を引いてから、まだ完全には治っていないので、家の外ではマスクをしているのですが、今持っているものを使い切ったら、次のマスクは買えるのかな・・・・・。追記今朝の毎日新聞にある各国での新型コロナ患者数を合計すると、中国以外の患者数は、日本の13人(無症状の感染者は除く)を含めて合計140人ほどになりまが、死者はまだ一人もいません。各国政府が把握しきれていない患者が皆無ではないにしても、中国での状況に比べれば、これはかなり実態に近い数値だと思われます。死亡率2%なら、すでに3人くらいは亡くなっているはずですが、実際には死者が1人もいないんだから、現時点での死亡率は0%ということになります。この点も総合して考えると、残時点での暫定的な計算ながら、新型コロナの死亡率は1%を大幅に下回るのではないかと思います。もちろん、今後の数値の変動によって計算は変わるので(いつかは中国以外でも死者が出る可能性があります)、あくまでも現段階での暫定的な計算であることはお断りしておきます。
2020.01.31
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「その2」をアップした際、「その3もある」と予告したのですが、そのあと風邪をひいて鳥を見に(笛の練習にも)行けなくなってしまったりして、中途半端な数の写真しかありません。とはいえ、一応初見の鳥を撮影したので公開します。葛西臨海公園にてクロガモ。今シーズン、以前から葛西臨海公園にクロガモが渡来している、という話は知っていたのですが、数千羽のスズガモの中に1羽か2羽いますと言われても、到底見つけられるものではありません。距離も遠いし。ところが、クロガモの数が数十羽になったというので、改めて見に行ってみたら、今回はスズガモが少なかったせいもあって、容易に発見できました。ただ、遠いのは変わりません。とても鑑賞に堪えるような写真ではありませんが・・・・。クロガモ。何回か三番瀬で撮影したビロードキンクロ(あれも遠かったですが)の近縁種です。遠くにいるのはスズガモ。いつもは数千羽沖合に浮いていますが、この日は少なかったです。だからクロガモが容易に見つけられたのですが。クロガモ。文字通り全身黒くてくちばしの付け根が黄色いのがオス、茶色っぽくて頭が暗色、顔が明るい色なのがメスです。クロガモクロガモ。そして一番手前の岩陰すれすれのところにホオジロガモのオスが現れました。クロガモ。西なぎさの堤防の先端まで行って、一番距離を詰めて撮影しても、やっぱり遠い。クロガモと、写真手前左端に再びホオジロガモのオス。メスは1年前にやはり葛西臨海公園で撮影したことがありますが、メスは頭の色が違い、頬も白くありません。「ホオジロガモ」の名のとおりほおの白いオスは初めて撮影しました。これも距離が遠いのが残念ですが。
2020.01.30
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「新型コロナウイルスは人類史上最凶、致死率15%」は誤り。ネットで拡散、実際は…中国・武漢で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大するなか、「致死率15%、感染率83%で人類史上最凶」という情報が拡散している。しかし、これは発生当初に武漢で入院した重症患者の致死率で、感染率についてもある家族の状況を調査したデータだ。現時点の致死率は3%程度とされており、「人類史上最凶」も含め、誤った情報だと言える。引用元となっている中国語ツイートのソースになっているのは、台湾のニュースサイト。たしかに、そのサイトには「中国と香港の最新の調査:武漢肺炎の死亡率15%、感染率83%」と書かれている。このニュースで言及されているのは、イギリスの医学誌「ランセット」に掲載された中国と香港チームの論文だ。しかし、いずれも前提条件があり、その数字を一般化できないことに留意が必要だ。「ランセット」の論文を見ると、「死亡率15%」とは武漢で2020年1月2日までに入院した重症患者41人の間での死亡率のことだ。感染者全体の死亡率ではない。41人は全員肺炎を発症しており、うち13人がICUに入り、そのうち6人が死亡したことから「致死率15%」という計算になる。また、「感染率83%」は、「ランセット」に掲載された、ある家族での親族間の感染率に関するデータをもとにしている。中国・深センの7人家族を調査し、武漢の患者を見舞いに行った6人のうち5人が感染し、さらに見舞いに行かなかった1人も後に感染。さらに感染者のうち1人は無症状患者だったことを報告している。この家族の状況を社会全体にそのまま一般化することはできない。---こういう時だからこそ、フェイクニュースには注意したいものです。致死率15%というのは、実際は上記記事のとおり、重症化して入院した人たちの中での脂肪率です。それでも、「実際は死亡率3%程度」と言われても、それも相当の高率と感じるかもしれません。ただし、それもいろいろな前提条件を考慮する必要があります。新型肺炎の死者6割に持病、平均年齢73歳…中国当局分析新型コロナウイルスによる肺炎で、22日までに死亡した感染者17人(48~89歳)のうち、全体の6割近くは感染前から心臓や腎臓などの持病が確認されたと、中国政府の国家衛生健康委員会がホームページに掲載した。平均年齢は73.3歳で、60歳未満は2人だった。死者17人のうち、持病を抱えていたのは10人で、慢性腎不全やパーキンソン病、糖尿病などだった。最も若い48歳の女性は、糖尿病と脳梗塞の病歴があった。2番目に若い53歳の男性は、持病が報告されていない。未成年の死亡はなかった。---死者が17人だった時点での分析ですが、死者の最年少が48歳かつ糖尿病と脳梗塞の既往ありなので、生命の危険があるのは、ほぼ高齢者と元々持病のある人に限られる、と言ってよいかと思います。つまり健康な現役世代は、命の危険を恐れる必要はあまりない、高齢者と基礎疾患のある人は注意する必要がある、ということになろうかと思います。加えて、死亡率3%というのは顕在化した患者数に対して、でしょう。当局も把握できていない発症者は、特に軽症者は他にも相当いるでしょうし、しかし死ねば大騒ぎになるので、当局が把握できていない死者はそう多くはないだろうと思われます。つまり、実際の死亡率は3%よりもっと低い可能性が高いのです。世の中の本当にヤバイ病気は、健康な若者にも命の危険があります。例えば、先の記事で紹介した、1918-19年に猛威を振るったスペイン風邪がそうです。この病気は、元々は米国が発生減とされ、第一次世界大戦に米国が参戦するとともにヨーロッパに伝播し、戦場で戦っていた敵味方の軍隊の間で急激に広まったと言われます。戦場で戦っている軍隊は、非常に非衛生的な状態だし、兵士たちは狭い空間で集団生活しているので、感染症などあっという間に広がるのです。兵隊がバタバタ死ぬくらいなので、スペイン風邪の死者は高齢者よりむしろ若者の方が多かったといわれます。Wikipediaに「スペイン風邪死亡者」というカテゴリーがありますが、20代30代で亡くなった人がゴロゴロいることがわかります。高齢者も少なくないですが、歴史に名が残る人物は、功成り名を遂げたある程度以上の年齢の人が多いでしょうから、歴史に名が残っていない死者は、もっと若者の比率が多かったであろうことは容易に想像がつきます。現在の新型肺炎は、そこまで剣呑なものではありません。感染力も、インフルエンザに比べれば低いようです。もちろん、だから何も警戒しなくてよいわけではありません。大流行の過程で感染力が上がったり、死亡率が上がったりする例は、スペイン風邪でもあったようですから、当然に警戒も対策も必要でしょう。ただ、何かこの機に乗じたかのように、中国人に対する悪口を垂れ流す、一部のネット上の言説(例によって例のごとく、ではあるでしょうけど)に対しては、違和感と嫌悪感しか感じません。武漢とその近辺から来た人はともかく、それ以外の地域、例えば上海や北京から来た旅行者から肺炎が感染することを恐れる必要はありません。
2020.01.28
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情報筒抜けか。河井案里氏ウグイス嬢の報酬疑惑がバレた裏事情今の選挙運動、連呼をするウグイス嬢の力量にいかに頼っているかが浮き彫りになったのが、公職選挙法違反の疑いで家宅捜索を受けた自民党・河井案里参院議員のケースである。河井案里氏は昨年夏の参院選で初当選した。その選挙運動で、ウグイス嬢と呼ばれる車上運動員に法定1万5000円の2倍、3万円を支払った疑いがかけられている。参院広島選挙区は、かつてない激戦だった。自民党岸田派の重鎮、溝手顕正氏の金城湯池とされてきたところに河井案里氏が乗り込んできたのである。党本部は表向き、参院広島選挙区の議席を自民党が独占するためと大風呂敷を広げたが、そこには無理があった。自民党公認候補が二人も出たら、まさに党組織のまとまりを砕く分裂選挙。溝手氏を支持する地元の県連は猛反対した。ところが、今の自民党には官邸に逆らうエネルギーがない。官邸は参院広島選挙区の議席を、齢77歳の溝手氏よりも、河井克行という忠臣の妻に与えたほうが都合がいいと考えたのだろう。ウグイス嬢争奪戦が熾烈だったことは想像に難くない。溝手、河井陣営ともに同じ自民党だけに、来てほしいウグイス嬢も共通していたのではないかと推察される。従来なら、溝手氏は参院選、河井克行氏は衆院選、案里氏は広島県議選と、すみわけができていたが、昨年の参院選はそうはいかない。河井陣営は法定上限1万5000円の倍額を提示することで、意中のウグイス嬢を確保できたのではないか。だが、カネにまつわる裏工作は、敵陣営に筒抜けになりやすい。ウグイス嬢たちの横のつながりがあるからだ。文春のネタ元は、落選の溝手陣営についた自民党広島県連の関係者ではないだろうか。克行氏のこれまでの選挙でも同じことが行われていた可能性がある。プロを自任するウグイス嬢や派遣会社には、プライドにかけて1万5000円では引き受けないところも多いと聞く。ウグイス嬢への二重報酬の違法行為は選挙における「商慣行」として一部で定着しているという。河井夫妻は何のためらいもなく、違反行為に走ったのではないだろうか。“アベ本位主義”のもと、首相に近い政治家たちの“傲慢指数”はうなぎのぼりだ。河井克行氏も、法務大臣ともあろうものが、地元のイベントに間に合わせるため、警護の警察車両か後続していても平気で、80キロ制限の高速道路を140キロで秘書に走行させるなど、言語道断。法軽視、特権意識の丸出しだ。こういう政治家のことだから、ウグイス嬢の一件も、「何が悪いんだ、みんなやっているではないか」と、むしろ自分たちだけが血祭りにあげられているような被害者意識を抱いて2か月余りも雲隠れしていたのではないだろうか。(要旨)---なるほど、そういうことですか。驕れる平家は久しからず、自民党現職議員を押しのけて、安倍お気に入り議員の妻を当選させたら、その遺恨で法行為を刺されてしまった、ということですね。そのこととは別件で、河井は選挙資金として自民党本部から1億5千万円の選挙資金を受け取った、との報道もあります。ウグイス嬢買収の件では一切だんまりの河井夫妻が、この件では受領を認めて「違法性はない」と主張していると報じられています。いや、選挙資金として党本部から1億5千万円受け取ることが合法か違法かは私も知らないけれど、自民党内であってもとてつもない「えこひいき」を受けたことだけは間違いありません。なんで河井がそんなえこひいきを受けられたのか。引用記事にも触れられていますし、それ以外の報道からも、河井は菅官房長官の子分の一人であり、安倍の取り巻きとして重用されていた人物であることは分かります。ただ、安倍の「おともだち」の議員でも、さすがにこんな額の選挙資金をもらった人はさすがにいないわけで(多分。まさか、他にもいたりして…)ここまでの特別待遇はいったい何が原因なのでしょうか。ということを考えていたら、Bill McCrearyさんから興味深い話をお伺いしました。今回の選挙で落選した溝手顕正議員が2012年2月に、安倍を「もう過去の人だ。」と批判したことがあるのですね。もちろん、当時自民党は野党であり、安倍は野党自民党の総裁ですらありませんでした。なるほど!ある意味、非常に分かりやすい構図です。7年前に自分が貶されたことへの恨みをずっと抱いていて、それを晴らすために追い落としを図った、ということです。そのために、対立候補にほかの候補の10倍の軍資金という下駄まで履かせて。そりゃ、下駄を履かせてもらった方も、なにか特権を得たかのような勘違いをするわけですよ(欠片ほども同情はしないけど)。それにしても、7年前の遺恨を晴らす、そのために絶対的な権力をかさに着る、実に安倍という人物の人間性が分かろうというものです。だけど、自民党のほかの議員は何とも思わないんでしょうかね。安倍の覚えめでたい取り巻きの一人だけが選挙資金を1億5千万円もの選挙資金を受け取って、自分たちは1500万円(なのだそうですね)それでも何とも思わずに安倍に付き従っていくんでしょうか。きっとそうなのでしょうね。私には想像もつかない考え方ですけれどね。今回の記事はBill McCrearyさんのブログからの情報を参考にしました。ありがとうございました。
2020.01.26
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新型肺炎、中国での死者計41人に 感染者1千人超か中国で広がる新型コロナウイルスによる肺炎の問題で中部湖北省政府は25日、新たに15人の死者が確認されたと発表した。中国全土での死者は計41人となった。同省政府の発表によると、24日に確認された15人の死者は50代~80代の男女で、いずれも交通機関の閉鎖などが続く省都・武漢市で確認された。同省内の死者は計39人となった。同日には省内で新たに180人の感染も確認されたという。中国ではほかに河南省、黒竜江省でそれぞれ1人の死亡が確認されている。感染者数は湖北省での増加分を加えると、全土で1千人を上回ったとみられる。---なんというタイミング、私は昨日から風邪をひいてフラフラの状態でしてそういうタイミングでこういう報道に接するのは、なかなか心楽しいものがあります(笑)私は知らなかったのですが、武漢とは今は成田と関空に定期便が飛んでいるのですね。成田には全日空が毎日1便と春秋航空日本が週3便、中国南方航空が週2便。関空には春秋航空と中国南方航空が週2便ずつ。もちろん、今回の事態を受けていずれも運航停止になっているようですが。「コロナウィルス」自体は、世の中に履いて捨てるほどあるもので、いわゆる「風邪」の主要な原因の一つです(いわゆる風邪は、単一の病気ではなく、ライノウィルス、コロナウィルス、インフルエンザなど様々なウィルスによる類似した症状への総称)。しかし、ウィルスは簡単に変異を起こし、それによって劇的に危険性を増す例がよくあります。2003年に起きたSARSも、そのようなコロナウィルスの変形の一つでした。今回の新型肺炎は、目下のところSARSに比べれば死亡率は低いようですが。SARSウィルスは食用コウモリが感染源になったようですが、今回の新型肺炎は蛇が感染源と疑われているようです。これについては異論もあるようですが、少なくともヒト以外の動物が感染源であることは間違いなさそうです。思い返せば、発生が懸念されている新型インフルエンザも、鳥インフルエンザが起源だし、1918年から19年に猛威を振るったスペイン風邪も、鳥インフルエンザから来たものと今日では考えられているようです。このように、元々人間界にはなかったウィルスが、何かの経緯で人間に感染するようになり、更に何かの経緯で人間から人間へと感染するようになると、極めて危険な事態が起こる例が多いようです。ウィルスは、宿主が生きていないと生存することができません。宿主を殺してしまうと、その体内にいるウィルスも死滅します。だから、長く人間界で流行を繰り返してきたウィルスは、自らの繁栄のために次第に症状を緩和し、あまり死者を出さなくなります。まさしくスペイン風邪がその典型で、現在A型インフルエンザのH1N1亜型と言われるウィルスは、1918年のスペイン風邪が起源となっています。現在でもインフルエンザでの死者はありますが、もっぱら乳幼児と高齢者、あるいはほかに疾病を抱えている人に限られ、全世界で年間に5千万人もの死者を出すことはもはやありません。そういう意味で、他の動物から人間に伝染したばかりのウィルスというのは、非常に危険性が高いと言わざるを得ないでしょう。中国国内ではすでに武漢の空港も鉄道駅も閉鎖され、武漢の街自体が封鎖されたも同然の状態となっているようですが、それで新型肺炎の流行が食い止められているようには見えません。どうも手遅れ状態だったのではないか、という気がします。封鎖される以前に中国のほかの地域や、日本を含む諸外国で新型肺炎の発生が確認されているからです。逆に言うと、諸外国でこれほど飛び火が確認されているということは、武漢における感染者数は、公式発表の1000人などという人数では収まっていないのだろうと思われます。意図的に過少報告しているわけではなく、当局も把握しきれていないだけでしょうけれど。前述のとおり、北京や上海ではない、武漢との間でさえ、日本との定期便が毎日飛んでいる時代です。どこかの地域で病気の封じ込めに失敗して大流行に至ってしまったら、それが全世界的流行に結び付くのは、もうほとんど避けがたいことと言わざるを得ません。それにしても、以前から発生が危惧されてきたパンデミックは鳥起源の新型インフルエンザ、具体的にはH5かH7亜型です。しかし、封じ込めが成功しているおかげなのかもしれませんが、鳥起源の新型インフルエンザが人間界で世界的に大流行する気配はありません。そして、その間に流行しているのが、コロナウィルスのSARSであり、今回の新型肺炎。こういうことに対する予測って、なかなか上手くはいかないんだな、と思います。仕方のないことでしょうけど。
2020.01.25
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「結婚しなくていい」やじ 夫婦別姓訴える野党質問に国民民主党の玉木雄一郎代表は22日、衆院代表質問で選択的夫婦別姓の導入を訴えた際、議員席から「だったら結婚しなくていい」とやじが飛んだと記者団に明らかにした。自民党の女性議員だったとして「非常にショックだった。こういう自民党だから少子化が止まらなかった。古い自民党には任せておけない」と批判した。玉木氏は質問で、若い男性が交際中の女性から「姓を変えないといけないから結婚できない」と言われたとのエピソードを紹介し「夫婦同姓が結婚の障害になっている」と指摘した。その際、やじが飛んだという。---報道を総合するとこのヤジの主は杉田水脈のようです。まあ、「やっぱり」としか思えないんですけど、こういう言葉は、直接的には国民民主党の玉木に向けられたヤジかも知れませんが、現実的には、夫婦別姓を望む人たちすべてに向けられたヤジも同然です。夫婦別姓については、過去に何度か記事を書いたことがありますが、我が家は夫婦別姓にするつもりはありませんけれど、知人には別姓制の実現を待ち望んでいる夫婦も何組もおり、選択的夫婦別姓制の導入には私は大賛成です。世論的にも、賛成の方が多数ですが、保守層に反対が多いため、自民党政権は全然先に進める気はないようです。それにしても、「だったら結婚しなくていい」ですか。なるほどね、今より更にどんどん結婚が減って、それに応じて、もっともっと少子化が進行していくことが望ましい、どんどん日本の人口が減って、日本衰退をどんどん早めよう、ということなのですね。それなら、そういう発言も「あり」でしょう。でも、多分杉田の主観ではそうではないのだろうと思います。たぶん彼女の主観では、夫婦同姓の「清く正しい日本の伝統」(笑)を貫いて、子どもを増やしましょう、とでも思っているのだろうと思います。しかし、そんなのは無理なのです。今時、そんな清く正しい伝統を守れ、などと言われたら「そんなの不便だから結婚をやめます」という人が出てくるのは必然です。「清く正しい日本の伝統」を墨守してこれからもどんどん子供が減っていく状況を後押しするか、それとも、少しでも少子化に歯止めをかけるために、多様性を認めるか。杉田は、意識してか無意識にかは知りませんが、前者を選んだ、ということでしょう。別報道によれば、杉田は2015年にブログで「『相手の姓になるのが嫌』なら、その人と結婚しないことをお薦めします」「事実婚をして、子どもを作るくらい相手が好きなのに『相手の姓になりたくない』とかたくなに言う人がそんなにたくさん存在するとは思えません。子どもは確かにかわいそうです。そのかわいそうな状況を作っているのはかたくなな親であって、国でも法律でもありません」などと書いているそうです。根本的に勘違いしていると思うのですが、別姓を望んでいる人の多くは、「相手の姓になるのが嫌」なのではなく、「自分の姓を変えるのは実務上困る」のです。夫婦別姓の動機は、ほとんどの場合、主義主張といったものではなく、職業や社会的キャリアの問題です。我が家の場合は、相棒が結婚の時点でいったん退職しているので、自分の姓を変えては困る職業上の理由はなかったので(それだけが理由のすべてではないけれど)、相棒は別姓を望みませんでした。それでも銀行口座の名義からパスポートの名前から(実は、結婚当初はパスポートはそのまま、つまり旧姓のままのパスポートで新婚旅行に行っちゃったのですが)、苗字を変える手続きはそれなりに面倒だったようです。まして、それが職業上の、言い換えれば経済的な不利益につながるなら、そこに強いこだわりを持つのは当たり前です。もっとも、たまたまこの暴言を吐いたのが杉田だから彼女をやり玉にあげましたが、結局のところ選択的夫婦別姓制に対して拒絶的なネトウヨ系はみんな同根です。そういう連中が安倍政権の支持母胎である現状では、選択的夫婦別姓制は一歩の先に進まないのでしょう。結局日本はそのことすら実現できずに、このままどんどん衰退していくんだろうなあという、暗い未来像しか思い描けないのが現実なんですけどね。
2020.01.23
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今月はその3までありそうです。まず年末年始休み最後の日葛西臨海公園この日は、あまりいい写真は撮れませんでしたが、アオジだけ。同じくアオジ続いて13日三番瀬。三番瀬海浜公園。年末に初めて撮影したビロードキンクロを再び撮影。風もなく、前回より近距離ながら、ずーっと頭を羽に突っ込んで寝ていたので、あまり良い写真は撮れませんでした。ウミアイサの左はオス?右はメスタイプウミアイサのオス。カモ類は、一般にオスは派手でメスは地味な色合いですが、あれは生殖羽(普通の鳥だと夏羽、カモだと冬羽)のときで、エクリプス(非生殖羽)のときは雌雄ほとんど同色で見分けがつきにくいときが多々あります。種類によってはある程度推測できる場合もありますが。ただし、見分けがつかないのは人間(哺乳類)の目で見た時だけで、鳥の目は紫外線を見分けられるので、非生殖羽の時も雌雄で色合いがはっきりと違って見える、らしいです。オオジュリン。左がビロードキンクロのオス。トレードマークの白い眉は見えますが、起きてはくれず。ズグロカモメ。皇居のお堀あたりをうろうろしているユリカモメとそっくりですが、くちばしが黒い、羽の先端の黒い部分がユリカモメよりとぎれとぎれ、という点が識別ポイント。しかし、2月くらいになると名前のとおり頭が真っ黒で非常に見分けやすくなります。ユリカモメも頭が真っ黒になるのですが、その時期がズグロカモメよりはちょっと遅いのです。さらに1月19日手賀沼。というより、成田線新木駅から手賀川に出て手賀沼まで歩いて手賀大橋を渡って我孫子駅へ。コミミズクが目当てでしたが、夕方でないと難しいようで、朝だったので見られませんでした。ホオジロオオジュリンツグミハシボソガラスの大群。鳥大好き人間の私でも、この数(実際は画面の外にもいっぱい飛んでいる)のカラスが頭上を飛び回っていると、ちょっと不気味。ホオジロのオス。先ほどのオオジュリンとごく近縁。冬場の生息環境も似ている。パンダガモことミコアイサのオス。別名パンダガモ。前回は逆光で寝ている写真だったので、それよりかなりマシに撮れました。ミコアイサの雌雄。オスは結構パンクな頭。ジョウビタキのメス。アオジオオジュリン。ホオジロ、オオジュリン、アオジはホオジロ科の近縁同士で冬場の生息環境も似ています。その中ではアオジは比較的開けた草原より森など暗い場所に多い気がしますが彼方でミサゴが魚を食べてました。
2020.01.22
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4野党、カジノ禁止法案を提出 IR汚職事件受け衆院に立憲民主、国民民主、共産、社民の野党4党は20日、カジノを含むIR事業を巡る汚職事件を受け、カジノ営業を禁止する法案を衆院に共同提出した。政府、与党に事件に関する説明を迫るのと併せ、通常国会初日に提出することで「カジノ国会」との位置付けを強調する狙いがある。安住氏は法案提出後、記者団に「カジノ反対の国民運動と連動し、政府に導入を断念させる。汚職事件と関係なく事業を進める矛盾を徹底的に追及する」と強調した。法案は、2016年に成立したIR整備推進法と、18年成立のIR整備法を廃止する内容だ。---IR法案が成立した途端に大規模な贈収賄の発覚したことは記憶に新しいところです(というか、まだ現在進行形ですが)。以前より何度も書いていることですが、カジノ、つまり賭博を認めることは、害悪しかない、というしかありません。元々そう思っていましたが、今回の贈収賄でなおさらその感を強くしました。それを、「カジノ禁止法案」という目に見える形で提起したことは、非常に良かったのではないかと私は思います。私は、内心はパチンコの換金だって事実上の賭博なんだからあれも禁止すべきと思いますが、まことに残念ながら現実的には、今や警察の利権にもなっているパチンコを禁止するのは関係者の抵抗が強すぎて絶望的に困難と言わざるを得ません。既得権益ではないけれど、この種のギャンブルがひとたび定着してしまうと、それが利権化して、たとえどれほど害悪が大きくても、それを禁止することは至難の業と言わざるを得ません。であれば、カジノを廃止するのは、まだ法案が通っただけで現実にはカジノが営業されていない今しかない、ということになります。ひとたび始まってしまったら、おそらくもう止められない。とはいえ、パチンコ、競輪競馬競艇宝くじなど既存の公認(もしくは半公認)ギャンブルと比べても、カジノは問題が大きいと思います。つまり、パチンコよりもカジノの方が明らかに、短時間で大きな金額を賭けることが可能です。しかも、開催/発売日が限定される競輪競馬競艇宝くじと違い、カジノは毎日入りびたることができてしまう(この点はパチンコも同じです。特に駅前の一等地などにギャンブル施設が並んでいることの悪影響は非常に大きい)。それだけ害悪は大きいと言わざるを得ません。政府には、カジノを観光の目玉にして訪日外国人をさらに増やそうという考えがあるようですが、第一にそんなことをしなくても、近年の外国人観光客は激増しているではないですか。そういう中で、しかもすでに先行するカジノ立国(例えばマカオ)がある中で、カジノの効果など限定的であると考えざるを得ません。それに対して、カジノが誘発する経済、社会的マイナス(ギャンブル依存やそれに伴う経済破綻など)の方が大きいと考えざるを得ません。
2020.01.20
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伊方原発3号機 運転認めない仮処分決定 広島高裁る伊方原子力発電所3号機について広島高等裁判所は、地震や火山の噴火によって住民の生命や身体に具体的な危険があるとして、運転を認めない仮処分の決定を出しました。現在は定期検査のため停止中ですが、検査が終了する4月以降も運転できない状態が続く見通しになりました。伊方原発3号機が司法判断で運転できなくなるのは平成29年以来、2度目です。山口県南東部にある島の住民3人は、四国電力に対して伊方原発3号機を運転しないよう求める仮処分を申し立てましたが、去年3月山口地方裁判所岩国支部が退けたため抗告していました。17日の決定で広島高裁の森一岳裁判長は、伊方原発の敷地の近くに地震を引き起こす活断層がある可能性を否定できないとしたうえで「原発までの距離は2km以内と認められるが、四国電力は十分な調査をせず、原子力規制委員会が問題ないと判断した過程には誤りや欠落があったと言わざるをえない」と指摘しました。また火山の噴火に対する安全性については、熊本県の阿蘇山で噴火が起きた場合の火山灰などの影響が過小評価されているという判断を示しました。そして、地震や火山の噴火によって住民の生命や身体に重大な被害が及ぶ具体的な危険があるとして、山口地裁岩国支部で判決が出るまでの間、伊方原発3号機の運転を認めないとしました。伊方原発3号機は先月から定期検査のため運転を停止中ですが、仮処分は直ちに効力が生じる一方、正式な裁判の審理は、当面続くとみられることから、検査が終了する4月以降も運転できない状態が続く見通しになりました。四国電力は、17日の決定の取り消しを求めて異議を申し立てる方針で、申し立てがあった場合、広島高裁の別の裁判長が改めて判断する見通しです。伊方原発3号機をめぐっては、平成29年に広島高裁が運転しないよう命じる仮処分の決定を出していて、司法判断で運転できなくなるのは2度目です。前回はおよそ1年後に広島高裁の別の裁判長がこの決定を取り消したため、その後、再稼働しました。---伊方原発3号機については、つい先日、使用済みMOX燃料取り出しについての記事を書いたばかりです。運転差し止めを求める裁判が行われていることは知っていますが、正直なところ高裁で運転差し止めが認められるとは予想していませんでした。ただ、引用記事にもありますが、伊方原発3号機については、2017年にも一度、同じ広島高裁が運転差し止めの仮処分を決定したことがあります。その限りでは、必ずしも画期的な決定、というわけではないかもしれません。ちなみに、前回の仮処分を行った裁判官と同じ裁判官が含まれているかどうかは分かりませんが、少なくとも裁判長は別人です。引用記事によると、決定は原発の敷地近くに活断層がある可能性が否定できないこと、阿蘇山噴火の影響が過小評価されていることを指摘しているとか。まったくもってそのとおり、と言うしかありません。伊方原発に限った話でもない(そして原発だけに限った話ですらない)かもしれませんが、一度「原発推進」という目標を決めてしまうと、何が何でもそれを進めようとする、原発推進の障害になるような「不都合な真実」は無視されたり軽視されたりする、という傾向があります。原発の敷地内やすぐ近くに活断層があるのにその存在を隠して、という類の話はよく耳にします。そういった行動の積み重ねの果てに起きたのが、福島第一原発の事故だったと言わざるを得ません。そして、あのような事故を経験してもなお、予想される災害に対するリスク判断よりも、経済性などの「大人の事情」が優先されている現状に対する、強烈なダメ出しと言えるのかもしれません。一方で、ある意味予想どおりですが、この決定に対する原発推進派連中の感情的反発は大きいようです。例えば、お決まりの池田信夫また阿蘇山の噴火。阿蘇山の溶岩で原発が破壊される確率は何%なのか。加藤清隆(政治評論家)裁判官は阿蘇の溶岩が本当に海を越えて、四国まで流れていくと思っているのか?1度現地調査してみたら。いやー、誰も阿蘇山の「溶岩」が海を越えて伊方原発を襲うなんて言っていないから。引用記事によれば、高裁の決定も「火山灰などの影響」と言っているようです。もちろん、溶岩は海の上を渡りはしませんが、火山灰、というより正確には火砕流、火砕サージですが、これは海を越えます。過去、そういう例はいくつもある。阿蘇山の噴火も、四国はどうか知りませんけれど、少なくとも本州には火砕流が届いていることは分かっているのです。タクラミックス以前もちょっと書いたが、伊方原子力発電所の運転を認めないって理由が、九州が壊滅するほどの阿蘇山噴火には耐えられないからって理由なんだったら、九州全域はすべて居住不可能地域として人が住むことを禁止しなきゃ筋が通らんし、その影響をうけるだろう山口や四国全域も同様だろう。なんだろう、この言いがかりは。個人が自分の判断で危険地帯に住むことは本人の自由としか言えません。そのことと危険地帯に危険物を設置することの可否は同列にできる話ではありません。加えていえば、人間はいざとなれば逃げることができます。破局的噴火と呼べる規模の超巨大噴火の最後の実例は1815年インドネシアのタンボラ山ですが、その当時は近代的観測網はなかったものの、噴火の前には明瞭な火山活動の激化があったようです。そのことから考えて、それほどの規模の噴火がなんの前兆もないことは考え難いです。1週間前に予知できれば、人間は相当割合で避難できますが、原発はどうにもならない。原発に足をはやして歩き出すことはできないし、その炉心にある核燃料を運び出すにも、非常に長い時間がかかる。まあ、こういう、明らかに非理性的な反応が次々と飛び出すあたりは、それだけ彼らのカンに障る判決だった、ということなのでしょう。
2020.01.18
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正月休みは、1月1日以外は鳥の写真(と笛練習)に出かけていました1月2日手賀沼トラフズクがいるというので出かけたのですが、「おそらくこのあたり」というところにトラフズクは見当たりませんでした。もっとも、考えたら朝出かけたのですが、フクロウだから夕方近い時間でないと飛ばないみたいですけど。で、そのほか期待した鳥には会いませんでしたが。オオハクチョウ。明け方に一斉に飛び立っていきました。これは野生で冬鳥の白鳥です。コブハクチョウ。こちらも現在は野生同然ですが、元々は飼い鳥が放鳥されたものです。野生化しているので飛べますが、コブハクチョウが飛んでいるところは見たことがありません。渡りはあまりせず1年じゅう手賀沼にいます。人をまったく恐れないので、ご覧のとおり、道路に出てきて私の前に立ちふさがる(笑)ミコアイサのオス。メス(または非生殖羽のオス)は何回か撮影していますが、通称パンダガモと呼ばれるオス(生殖羽)は初めて撮影しました。でも、寝ていてあんまりまともには撮れませんでしたけど。時々ちょっと起きる、でもすぐまた寝る。オオジュリン。翌1月3日は葛西臨海公園。ズグロカモメのようです。三番瀬で何回か見ていますが、すぐ近くの葛西臨海公園にも時々出張に来るようです。1月4日は石神井公園シメみんなの人気者、エナガこれも人気者。ルリビタキ(メス)ルリビタキ。東京近辺では石神井公園と高尾山で見たことがありますが、なぜかオスは見たことがなく、東京で見るのはいつもメスばっかりなんです。上高地でオスはいっぱい見たけど。ルリビタキのいるところ、常にカメラマンあり。ウグイスそしてキクイタダキ。何度も撮影しているけれど、日本最小の鳥でかつものすごくすばしっこいので、いつも小さくてトリミング+ピンボケ写真ばっかりなのに、今回はトリミング不要の至近距離で撮影。しかもキクイタダキ。目の前で水浴びです。キクイタダキの水浴び。しかし、羽も小さい。キクイタダキカワセミカワセミ
2020.01.16
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伊方原発 「使用済みMOX燃料」取り出し開始 商用原発、本格運転開始後で初四国電力は13日夜、定期検査中の伊方原発3号機で使い終わった核燃料を原子炉内から取り出す作業を始めた。「MOX燃料」と呼ばれる、放射性物質のプルトニウムとウランを混ぜた酸化物による燃料も含まれる。商用原発で本格的な運転開始後の使用済みMOXの取り出しは初めて。当面は原子炉建屋内のプールで保管される。使用済MOXは再利用が検討されているが実用化の技術は確立していない。原子炉内にある燃料157体すべてを取り出す。そのうち、使用済みMOX燃料16体を含む計37体を交換。MOX燃料は新たに5体を炉心に装塡する。使用済みMOXを含め、取り出した燃料を原子炉建屋内のプールに十数年間保管する。政府は「資源を有効利用する」などとして、使用済みMOXをさらにMOX燃料に加工して再利用することをもくろんでいる。使用済み核燃料や使用済みMOXを核のごみとして直接処分することになれば、核燃料の再利用を前提とするこれまでの原子力政策が揺らぐためだ。しかし、再利用の技術的なめどは立っておらず、プールで保管後の行き場は具体的に決まっていない。福島第1原発事故後、MOX燃料を使うプルサーマル発電をする原発が再稼働したのは、伊方のほか、関西電力高浜3、4号機と九州電力玄海3号機の計4基。各社が保有するMOX燃料は計221体に上る。今後も使用済みMOXは増えていく。(要旨・以下略)---MOX燃料とは、引用記事にあるように「放射性物質のプルトニウムとウランを混ぜた酸化物による燃料」ですが、補足すると、MOX燃料自体が、使用済み核燃料の再処理によってプルトニウムを抽出して作ったものです。本来は、高速増殖炉で使うことを念頭に作られたものですが、言うまでもなく日本の高速増殖炉「もんじゅ」は重大な事故を起こしてほとんど稼働することなく廃炉となり、今後実用化のめどは全くありません。そのため出てきた苦肉の策が、MOX燃料を通常の原発(軽水炉)で使うプルサーマルという方式です。しかし、通常の軽水炉ではMOX燃料を全体の1/3程度しか混ぜることができません。という時点で、本質的にMOX燃料は軽水炉で通常使う核燃料より更に危険なものであることがわかります。しかも、プルサーマル発電で消費できるプルトニウムの量など、実はたかが知れています。通常の軽水炉の場合、その量は年間で300kg~400kg程度だそうですが、日本が持つプルトニウムの「在庫」は約30トンです。しかも、原発を稼働していれば、続々と新たな使用済み核燃料が生まれ、それを「再処理する」といしう方針を掲げる限りは、またまたプルトニウムが増えるわけです。4か所や5か所の原発でプルサーマル運転を行うだけでは、とうてい使いきれません。では、20基30基の原発でMOX燃料を使えばいいのか。先ほど指摘したように、MOX燃料は通常の核燃料より更に危険なものですから、とうていそんなことができるはずはないのです。しかも、どう考えても使用済核燃料を再処理してMOX燃料にするのは、莫大な費用がかかります。使用済核燃料を再処理して再利用するより、核燃料を使い切り(ワンス・スルー)にする方が、実際には安上がりなのです。つまり、使用済核燃料の再処理、MOX燃料製造、プルサーマルなどということはやめた方が原発のコストは安上がりなのです。にもかかわらず「核燃料サイクル」にこだわるのは何故でしょうか。核武装への野心を疑われても仕方のないことではないか、と私は思います。そしておそらく、将来の核武装の可能性への担保、という側面もなくはないのではないかと、私も思います。ただ、より直接的な要因は、引用記事にあるように「使用済み核燃料や使用済みMOXを核のごみとして直接処分することになれば、核燃料の再利用を前提とするこれまでの原子力政策が揺らぐ」ことなのだろうと思います。ただし、「これまでの原子力政策」なんてものは、さして高度な話ではありません。よく知られているように、使用済核燃料の最終処分場は受け入れる自治体がなく、建設の見とおしは立っていません。現在使用済み核燃料が保管されている「中間貯蔵施設」は、まさしくその名のとおり「中間」貯蔵施設であって、地元自治体は最終処分場となることを強く拒絶しています。使用済核燃料は、「再処理してMOX燃料にします」と言っている限りは、ゴミではなく資源であると言い訳ができます。ところが、「再処理はしません」と言い出した途端に、それはただのゴミになります(極めて危険なゴミですが)。そうなると、中間貯蔵施設や原発(使用済み核燃料の保管プール)の地元自治体は、「うちは最終処分場じゃないのだから、ゴミは早く運び出せ」と言われて、使用済核燃料の持って行き場がなくなってしまいます。それを避けるための問題先送りツールが「再処理」というわけです。でももそんなことをやっても、永久に問題を先送りにしておくことなどできません。もうそれ以上先送りできない、というときがいつかは必ず来るのです。まあ、30年も先送りしておけば、今原子力政策に決定権のある立場の人たちなど、みんな「逃げ切り」ができるから、それまで先送りできれば、それより先のことはどうでもよいのかもしれませんが。結局、原発は一から十まですべて虚構の上に成り立っている砂上の楼閣に過ぎない、ということでしょう。
2020.01.14
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前回の続きです。黒斑山は人が多かったのと、帰りのバスの時刻から逆算すると、ここで終わると時間があまりそうだったので、さらに先を目指します。蛇骨岳への途中より。草津白根山か志賀高原の山々だと思います。蛇骨岳に到着。黒斑山から片道30分ほどです。黒斑山と比べると人は圧倒的に少ないです。それでもパラパラと人はいましたけど。蛇骨岳からの浅間山。同じく蛇骨岳からの浅間山のアップ。歩いてきた道を振り返る。黒斑山より36mだけ標高か低いです。四阿山だと思います。その左奥は北アルプス北部の山々です。北アルプス北部の山々。白馬岳、五竜、鹿島槍、立山連峰ではないかと思うのですが、どれがどれだかはよくわかりません。眼下の池は田代湖のようです。向こう側は、どれが草津白根山でどこが志賀高原かよくわかりませんが、その近辺の山々だと思います。蛇骨岳から黒斑山まで引き返してきたら、登山者がさらに増えていて足の踏み場もない感じ。聞くと、ツアーの団体さんのようです。なので、帰路は黒斑山はほとんど素通りしてそのまま下山しました。途中、浅間山の剣が峰を望みます。こうやって見ると、結構な斜度です。下山は行きとは逆に「表コース」から降りたのですが、今度は大半の人が中コースから下山したらしく、誰にも会わない。表コースと中コースが分岐してから登山口まで、一人も会いませんでした。こんなに登山者が下りていくのに、私以外全員中コースから降りたってことかな?お約束のケーナ、サンポーニャ演奏コーナー。でも今回は楽器を厳選しまして、ケーナは1本だけ、サンポーニャもサンカは持たずマルタ1組だけしかもっていきませんでした。ピッケル。冬用登山靴も対応12本歯アイゼンも今使っているものは2代目ですが、ピッケルは代替わりせず最初に購入したものを使い続けています。少なくとも1998年からこのピッケルを使っているので、もう21年使っています。壊れることはまずないのでこれからもずっと使うでしょう。傷だらけのピッケルですけど。四阿山とその左奥は根子岳でしょう。車坂峠まで帰ってきました。帰りの新幹線にて。それにしても、翌日予想外に筋肉痛がないなと思ってよく考えたら今回累積標高差は500mに届くかどうかというところで、標高差だけで言えば高尾山よりわずかに大きい程度なのです。体力的にはさほどきつい山ではありませんでした。次に来るときは、1泊で計画すれば前掛山まで行けるでしょう。また火山活動が活発になって立ち入り禁止区域が拡大されていなければ、ですけど。
2020.01.12
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今シーズン2度目の冬山、そして今年初めての山登り(でも前回と2週間しか離れていません)は、浅間山に行くことにしました。さほど深く考えずに、日帰りで前掛山(浅間山の到達可能最高地点)まで行こうと思っていたのですが、佐久平の駅でバスを待っている間に改めて登山地図からコースタイムを計算すると、前掛山まで行くと帰りのバスの時間までにバス停に戻ってこられそうにないことが判明。急遽行先を外輪山の黒斑山に変更しました。(そういうことは計画段階で調べておけって・・・・・・)そんなわけで、佐久平のバス停で登山地図を見ながらコースタイムを計算しつつ、浅間山を撮影。雪が少ない。ただ、北陸新幹線の車窓から眺める浅間山はいつもこの程度しか白くなっていないような気もしますが。車坂峠に到着。海抜1973m、高峰高原ホテルが立っています。その高峰高原ホテルの車。雪上走行用?登山開始。結構登山者多かったのですが、登り始めてすぐ、中コースと表コースという二つのルートに分かれ、中コースに入ったら誰もいなくなってしまいました。下山してくる人とは時々すれ違うのですが、登っていく人が誰もいません。登りは、大半の人が表コースから登ったみたいです。方角的に、おそらく妙高戸隠の山々だと思われます。外輪山の縁に到着。ここまでくると中コースと表コースが合流し、再び登山者が増えました。初心者向きコースの扱いらしく、半分くらいの人は軽アイゼンかチェーンスパイク、12本歯のアイゼンをつけている人でもピッケルを持っている人は全体の1割くらいだったでしょうか。スノーシューで登っている人もいましたが、これは下りの様子を見ていて、正直言ってちょっと危なっかしいなあと思いました。ちなみに私は12本歯アイゼンとピッケル持っていきました。軽アイゼン持っていないので。(8本歯のアイゼンは持っているけど)下山時は、こっちの方に行きました。トーミの頭に到達。ここから黒斑山まではコースタイム20分。浅間山。外輪山を黒斑山方面に向かう道と、カルデラの底(湯の平)に下る道の分岐。浅間山は、これを標高差300mくらい下って、また400mくらい登り返します。カルデラの底に下る方もトレースがあるので人は入っています。最初の計画は右に入るつもりだったのですが、時間的にまったく不可能な時間なので、左に向かいます。トーミの頭と黒斑山の間で鉄塔が二つ。これはそのうちの一つ。浅間山は活火山なので、火山活動の観測機器でしょうか。もう一つはこちら。スピーカーが付いています。これは、緊急時に避難を呼びかけるため?よくわかりません。上記の観測機器らしき鉄塔は、黒斑山の山頂にもありました。外輪山の稜線と、その向こうは志賀高原と苗場山ではないかと思うのですが、果たして?そして黒斑山山頂に到着。12時過ぎでした。浅間山のアップ。噴煙は上がっています。拡大すると、登山者が5人くらいいるらしいことがわかります。噴煙が上がっているあたりが実際の浅間山の山頂ですが、現在火口の周囲半径500mは立ち入り禁止なので、人が立ち入れる最高峰は写真右端付近の前掛山になります。それも、昨年噴火によってしばらくの間黒斑山までしか入れない状態でした。秋に警戒区域が縮小されて前掛山まで入れるようになりました。この写真は縮小しているので分かりませんが、オリジナルの写真を等倍で見ると、前掛け山近辺にも登山者が数人程度いることがわかります。山頂は登山者尾がいっぱいです。以下次回に続きます。
2020.01.11
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トランプ氏、イランへの反撃明言せず 軍事力行使「望まない」トランプ米大統領は8日、米軍による革命防衛隊のソレイマニ司令官殺害に対するイランの報復攻撃で米国人の死傷者は出なかったと明らかにした。また必ずしも軍事力を行使する必要はないと述べ、危機打開に向けた姿勢をにじませた。イランは8日未明、米軍が駐留するイラクのアル・アサド空軍基地に複数のロケット弾を発射。米国防総省によると、米国主導の有志連合軍が駐留する少なくとも2か所のイラク軍基地に対し、イランから十数発の弾道ミサイルが発射された。トランプ氏は「昨夜の攻撃で米国人の死傷者は一人も出なかった」とした上で「米国は優れた軍隊と軍事装備品を保有している。しかし、それを使用しなければならないということではない。米国は(軍事力の)行使を望んでいない。米国が持つ軍事面と経済面における双方の力こそが最大の抑止力になる」と語り、イランへの軍事行動を巡って直接的な警告を避けた。同時にイランの「侵攻」への対応として、追加的な経済制裁を即時発動する方針を表明した。制裁の具体的内容には触れなかった。また「世界がより安全で平和になるよう、われわれは一致してイランとの合意に向け努力していかねばならない」とし、各国に協力を求めた。---米国の暴挙に対してイランがミサイルを発射した時には、この先どうなるかと思いましたが、いや、今も思ってはいますが、イランのミサイルによって米軍に死傷者は出ず、トランプの側も上記の報道によれば、これ以上更なる報復は現段階では考えていないようです。いずれも現段階では、という保留付きですが、これ以上事態が悪化しない方向性が見えてきた、とは言えます。結局、怒りにまかせてこれ以上報復合戦をエスカレートさせても、お互い得るものは何もないと、イランもトランプ政権も悟って、かろうじて自制した、というところでしょうか。イランはミサイル発射に際して、意図的に標的を外して米軍に死傷者が出ないようにした、という見方もあるようです。上記リンク先には、早速SNSにアップされたミサイル着弾跡の写真が出ています。イランの中距離ミサイルは700キロとか1トン程度のペイロードがあると見られているようですが、その割には弾痕は極度に浅い。写真がミサイルの一部部品の落下跡に過ぎないかも知れないので断定はできませんが、もしこれが弾頭の着弾跡だとすれば、ごく小さな爆弾しか搭載せず、または爆弾を積まずに撃ったのかもしれません。とは言え、当面一触即発の状況は続くし、イラン側(あるいは親イラン勢力)は一枚岩ではないので、もう安心などと言える状況でもまったくありません。いつ報復合戦がエスカレートするか分かったものではありません。すでに、ここまでの緊張状態だけでも株式市場には影響があったようですが、全面衝突なんてことになったら目も当てられません。中東は日本から遠いとは言え、石油供給の重要地域ですから、日本はモロに影響を受けます。とにかくこれで事態が終息していくことを願うばかりです。ところで、安倍首相は中東歴訪(元々その中にイランもイラクも入っていないが)を取りやめる一方、海上自衛隊護衛艦の中東への派遣はやめないのだそうです、逆だろう、と思う。日本が外交で存在感を発揮するつもりなら、こういうときにこそ訪問すべきだし、逆にイランに対して敵対姿勢を示すことになりかねない護衛艦の派遣はやめるべきです。もっとも、安倍に外交で存在感を示せる力量などあるわけもなく、そういう意味では、どうせ何もできないんだから中東歴訪なんてやめておいた方がよい、とも言えるでしょうが。
2020.01.09
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「航空宇宙自衛隊」に改称調整 政府、中ロ軍拡に対応政府は、航空自衛隊を「航空宇宙自衛隊」に改称する方向で調整に入った。中国やロシアが宇宙空間の軍事利用を拡大させている中、自衛隊としても人工衛星の防護など宇宙空間での防衛力強化方針を明確にする必要があると判断した。自衛隊法などの改正を経て、2023年度までの実現を目指す。陸海空の3自衛隊の改称は、1954年の自衛隊創設以来初となる。宇宙空間の軍事利用を巡っては、中ロが、人工衛星に接近し攻撃する「キラー衛星」のほか、衛星との通信を妨害する装置を開発しているとされる。米国も昨年12月、宇宙軍を発足させた。防衛省は20年度、空自に「宇宙作戦隊」を新設する。---報道を見て、一瞬谷甲州のSF「航空宇宙軍史」シリーズを連想してしまったのは私だけでしょうか?しかし、もちろん航空自衛隊が外宇宙艦隊を創設して、などという話ではありません。ただ、宇宙空間でも活動を広げていきたい、という(安倍政権の、か航空自衛隊自身の、かは分かりませんが)意思の表れではあるのでしょう。バカバカしい、の一言に尽きます。宇宙でも活動するから航空宇宙自衛隊、というなら、海上自衛隊も陸上自衛隊も飛行機、ヘリコプターを持っているんだから、海上航空自衛隊、陸上航空自衛隊にしなくちゃ、ということになる。特に海上自衛隊は、今や(私は反対ですが)空母までもとうとしているご時世ですから、空を活動領域にすることに関しては、強い意欲を持っているはずです。宇宙空間にただの一人も活動要員を送り込んでいないのに、「航空宇宙」?何考えているんだかね。もちろん、名前だけの問題ではなく、そうやって自衛隊の活動範囲を際限なく広げていくこと自体、どうかと思います。幸い、今は予算がないから名前だけで実態は伴わないでしょうが、ならば尚更、名前だけ変えてどうする、と思ってしまいます。
2020.01.07
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米軍、イラン革命防衛隊幹部を空爆で殺害 高まる緊張感イラクの首都バグダッドの国際空港で3日、米軍による空爆でイランの精鋭部隊・革命防衛隊の実力者ソレイマニ司令官らが殺害された。米国防総省が殺害を認める声明を出し、イラン側も死亡を認めた。ソレイマニ司令官はイラン国内で英雄視される存在で、米国とイランの緊張関係がいっそう高まるのは必至だ。親イランのイスラム教シーア派武装組織のムハンディス副司令官らも殺害された。ソレイマニ司令官が航空機でバグダッドに到着した後に空爆があったとしている。米国防総省は声明で「大統領の指示で、米軍はソレイマニを殺害することで、海外の米国人を守るための断固たる防衛措置をとった」と表明。ソレイマニ司令官が「米国の外交官と軍人を攻撃する計画を積極的に進めていた」と指摘し、昨年12月末に米国人が死傷したイラク国内の基地への攻撃を指揮したことなどを挙げた。イラン国営テレビは3日、ソレイマニ司令官が死亡したことを認めた。革命防衛隊に近いファルス通信も同日、「ソレイマニ司令官が米国のヘリコプターによる攻撃で殉教者となった」とする革命防衛隊の発表を報じた。---米国のこの行動は間違いなく暴挙であり、あとに高い高いツケを払うことになるのは確実です。そもそも、どういう経緯でイランの革命防衛隊司令官がイラクを訪問していたのかは私は知りませんが、首都バグダッドの国際空港で、イラク側のシーア派武装組織の幹部と一緒だった、というところから考えて、イラク政府の了解のもとでの訪問だったことは確実でしょう。かつてフセイン(スンニ派)の時代にはイランとイラクは長く戦争をしていたくらいの不倶戴天の敵同士でしたが、現在のイラクはイランと同様シーア派主体の政府になっているので、基本的には関係は良好のようです。昨年、イランのロウハニ大統領もイラクを訪問しています。しかも、イランの革命防衛隊は、米国にとって好ましからざる側面があったことは確かにしても、それだけではなく、スンニ派の超過激組織であるISの掃討にかなりの功績があったと伝えられています。急勃興したISに対しては、結果的にではあれ、欧米と利害が一致する側面も小さくはなかったはずです。一方で、言うまでもなく現在のイラク政府は、イラク戦争によってフセインが倒された結果として樹立されたものです。現在でもイラク国内にはまだ米軍が駐留しているので、よく言えば米国の友好国、悪く言えば属国とも言えます(日本と似た立場、ともいえる)。つまり、現在のイラクは、互いに中の悪い米国とイランの両方と良好な関係を維持している(これもまた日本と同じ)わけです。そのイラクの国内、それも首都の国際空港で、訪問中のイラン要人を殺害したわけです。言ってみれば、羽田空港か成田空港で、日本訪問中のイランの要人を米軍が殺害した、というのと同じです。今の日本政府なら、そんなことをされても米国の靴をなめ続けるかもしれませんが、イラク政府はどうでしょう。宗主国米国と決定的に袂を分かつか、政府がそうしない場合、国民が怒り狂って政府が倒れたり、倒れなくても国内統治能力を喪失することになるでしょう。どう転んでも、米国にとっては自らの首を絞める結果にしかなりそうにありません。もちろん、革命防衛隊の司令官を殺害されたイラン自身もまた、黙ってはいません。すでにイランはこの殺害に対する報復を宣言しています。そんなことはやめてくれ、とは思いますが、無理でしょう。トランプはこの殺害について「われわれの行動は戦争をやめるためであって戦争をしかけたわけではない」とのたまったそうですが、このような行為は、いかに考えても戦争をけしかける行為そのものであって、イラン自身もまたそのように受け取っています。「戦争をやめるため」なんて、馬鹿も休み休み言ってくれ、としか言いようがありません。今回のこの行為は、間違いなくより大きな暴力の応酬の引き金になります。トランプは、どのように決着をつけるつもりでこのような導火線に火をつける行為を行ったのか。まったく信じがたいことです。そして、我らが日本はどうしていくつもりなのか。2月に海上自衛隊の中東派遣が予定されています。派遣海域にホルムズ海峡を含まないことで、イランに対して配慮した、と言われます。確かに、今回の事件が起こる前だったら、その程度の配慮でイランも納得したかもしれません。しかし、事実上米国がイランに戦争を仕掛けたも同然の事態が起きてしまった以上、おそらくそれでは済まなくなります。米軍の隊列の一員に日本が加わっていること自体が、イランに対する敵対行動にならざるを得ないのではないでしょうか。海上自衛隊の中東派遣はいったん中止すべきだし、米国の対イラン政策には同調しないことを明言しなければならない時ではないのか、と私は思います。
2020.01.05
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「国会議員5人に現金」中国企業側が供述 IR汚職巡りIR事業をめぐる汚職事件で、衆院議員の秋元司容疑者に現金を渡したとされる中国企業側が東京地検特捜部の調べに対し、自民党などに所属する他の国会議員5人の名前を挙げ、「それぞれに100万円前後の現金を配った」と供述していることが関係者への取材でわかった。特捜部は供述と符合するメモも押収しており、実際に金が渡ったかどうかなどについて慎重に調べている。IR事業をめぐり、中国企業が日本の政界に幅広く工作しようとしていた疑惑が新たに浮かび上がった。関係者によると、5人の内訳は自民党4人、日本維新の会1人。北海道を含むIR誘致を検討していた自治体出身の議員や超党派でつくるIR議連の幹部らで、閣僚経験者や現職の政務官も含まれる。5人に現金を渡したと供述しているのは、贈賄容疑で逮捕された中国企業「500ドットコム」の顧問で、元沖縄県浦添市議の仲里勝憲容疑者。(以下略)---さて、100万円前後の金を受け取った自民党4人と維新の党1人の議員というのは、いったい誰なのでしょうか。既報のとおり、白須賀貴と勝沼栄明前という二人の自民党衆議院議員(勝沼は落選中)も選挙事務所が家宅捜索を受けていますが、検索した限り、問題の5人は、上記2人とは別人物のようです。また、これとは別に、安倍の実弟である岸信夫が、今回逮捕された500ドットコムの顧問とツーショットで写真に写っていたことが発覚しています。犯罪者と一緒に写真に写ることは犯罪ではありませんけれど、ズブズブの関係ぶりを伺わせるはなしではあります。最初にこの件を報じた上記朝日新聞の報道には5人の具体的な名前はありませんが、後追い報道によると自民党の岩屋毅前防衛相、宮崎政久法務政務官、中村裕之元文部科学政務官、船橋利実氏、日本維新の会の下地幹郎元郵政民営化担当相とのことです。なるほどね。ネトウヨ連中は二言目には「左翼は中国の手先」「左翼は中国から金をもらっている」みたいなことを叫ぶわけですが、おかしいですねえ、「左翼」(と彼らが考えているであろう)共産党や社民党、立憲民主党の議員は一人もいないようですねえ。まあ、そりゃ当然のことで、別にこれらの野党が今後未来永劫絶対的にクリーンな政党である、などというわけではありませんが、少なくともこの問題に関する限りは、IR法案そのものに反対していたし、成立後も具体的なカジノの設置にも反対していますから、金を渡したって便宜を図ってくれるはずがありません。野党だから政策決定権もない、ということもあるでしょう。ちなみに、逮捕された「500ドットコム」の顧問2人のうち、元沖縄県浦添市議の所属会派は自民党、もう一人は、維新の党の室井邦彦参院議員の子どもとのことです。どこまで行っても、自民党と維新の党の人脈しか出てきません。前述のとおり、私は何も「野党議員の方が倫理的に優れている」などと主張したいわけではありません。しかし、カジノなど推進すればこのような利権漁りの温床になるのはそもそも最初から分かり切った話で、それにも関わらずカジノを推進した自民党と維新の党は、腐敗とか利権漁りに対して断固とした姿勢をとる意思が、そもそも最初からない、ということは言えるでしょう。今からこうなんだから、実際にカジノができたら、魔界のような状態になることは確実です。すりガラスの向こうで書類をぶん投げた横浜の市長といい、日本にそんなに利権の巣窟を作りたいのか、と言うしかありません。
2020.01.03
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皆様、あけましておめでとうございます。あと何年続けられるか、と毎年思いながらも、今年もまた実家で家族集合しておせち料理を頂くことができました。もっとも、最近はうちの子が実家に先乗りして、母の料理を全面的に手伝っており、もう母が独力で全部の料理を作るなんてとても無理なのです。そういう意味では、うちの子が料理が大好きなので実家でおせち料理を頂く我が家の習慣が、かろうじて維持されている、というわけです。昨年末は、私が八ヶ岳に行って楽しんでいるころ、世間的にはカルロス・ゴーンの逃亡劇が騒ぎになっていたようです。最近、保釈された被告人の逃亡騒ぎがニュースをにぎわせることがありましたが、その中でも最大級の事件と言えるでしょう。大変驚きましたが、今回の件は外国人かつ超大金持ちであるがゆえに可能だった、極めて特殊な逃亡劇と言えそうです。日本人(生活の拠点が日本にある)の場合、海外に逃げたところで収入の手段がなく、また日本国籍しかなければ、逃亡先で遠からず不法滞在者にならざるを得ませんから、長期間逃げ続けることは困難でしょう。最近でも、日本人で海外に逃亡した犯罪者は何人か報じられていますが、よど号の犯人のように国家的に庇護されている特殊な例外を除いて、みんな強制送還されて捕まっています。(マスコミに報じられないような小さな犯罪で海外に逃亡している犯人がいないかどうかまでは分かりませんけど)日本人が日本国内で逃亡生活を送るのも、「発見されないこと」に加えて生活費をどう工面するかが問題になります。数か月とか1年程度の期限があっての逃亡生活ならまだしも、詐欺や業務上横領だって時効は7年もあるのです(しかも、外国に逃亡していると時効は停止される)。よほど献身的な協力者がいて、かつよほどの資産を持っていなければ、そんな長期間の逃亡などできるものではありませんし、末路は悲惨なことにならざるを得ないでしょう。この件がどうなっていくのかは私には分かりません。加えていえばゴーンの犯罪がどの程度ひどいものだったのか、あるいは逆にどの程度「無実の罪」の側面があったのかも、私は詳細に検討はできていません。ただ、一つだけ言えるのは、ゴーンが法律上有罪か無罪かはともかく、彼の行ったような経営手法、つまりリストラ、コストカットで働く者や下請け企業を切り捨てて収支上の「業績」を上げる手法は、多くの人にとっては、害悪でしかない、ということです。そういう意味で、私はゴーンを高く評価することなどできないし、そのような人物の逃亡劇を、寸分たりとも好意的に見る気にはなれません。お正月なので、今年の夢など語ってみたい気もしますが、いくら夢を語っても、それが実現しそうな気が全然しないので、気力がいささか萎え気味です。でも、最低限思うのは、多くの人が幸せに暮らせる世の中であってほしい、ということに尽きます。そのためには、まず平和であること、まともに生活できるだけの安定的収入が多くの人に保障されていること、貧富の格差や不公平不公正がなくなっていくこと、政治的な自由、発言の自由が保障されていること、教育の機会と水準が維持され高められること、それらが維持され、あるいは実現してほしいと願っています。何か、どれもこれも危うい状況にあるものばかりですが・・・・・・。何はともあれ、今年もよろしくお願いします。
2020.01.01
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