inti-solのブログ

inti-solのブログ

2015.12.27
XML
テーマ: ニュース(96595)
カテゴリ: その他
中年フリーターの「老後破産」で生活保護費が5倍に
いま政治家が取り組むべきは「中年フリーター対策」だ


45歳になる高田淳史さん(仮名)は手取月収は多いときで約15万円。ひとり暮らしだから、なんとかギリギリの生活はできるが、
「蓄えはありませんし、年金も払っていません。病気になったりケガをしたりすれば、立ち行かなくなるのはわかっています」
正社員にならないかと打診されたりしないのだろうか。
「そういう声をかけられることもあります。でもぼくのような立場の、会社が責任を負わずにすむ人間を大勢雇っている会社は、本質的にブラック企業なんですよ。一部のポストに就ける人は潤っていますが、そうでない人は、精神を病むほど異常な量の雑務をやらされ、追い込まれているのを見ていますから。安易に正社員になったりすれば、それこそ病気やケガをするのと同じ結果が待っていると思います」
労働経済ジャーナリストの小林美希氏によると、
「80年代後半、自由な働き方を示すものとして“フリーター”という言葉が誕生する一方、労働者派遣法などが改正され、企業が責任を負わずに簡単に労働力を確保できるようになりました。その後、折からのバブル崩壊で、93年大学卒業組からはじまる、いわゆる“就職氷河期組”がどっと社会に出ました。彼らが不本意ながら非正規雇用で就労した結果、非正規雇用者は爆発的に増えたのです」「フリーターたちは中年世代にさしかかっています。彼らの多くは、老後を考えて生活を変えたくても、いまの職場から動けないという状況におかれている。休んで収入がストップしたら、生活が立ち行かなくなるからです。ほかの可能性を考える精神的な余裕もなくなっています」
馬場弘明さん(仮名)は、現在46歳。
「年金も払ってないし、生活に余裕はありません。好きな音楽活動をつづけるためには、自由な働き方はいいんですが、時々、ひとりっきりになると、いろいろ考えますね。」
前出の小林氏はこう指摘する。
「デフレがつづいているかぎりは、彼ら中年フリーターも、たとえギリギリであっても、衣食住をまかなって生活を維持することができます。しかし、一度物価が上昇すれば、たちまち立ち行かなくなります。それに、いまは働いているからなんとか生活できていても、老後になればすぐに限界が訪れます。」「将来、生活保護などの社会保障費が、爆発的に増えることになってしまうと思います」
2008年に総合研究開発機構が発表したレポートでは、就職氷河期世代が老人になった際には、生活保護費が、17~19兆円にのぼると試算されている。現在、生活保護費は年間3兆円台。17兆円は日本の一般会計予算の5分の1近い金額だ。
このような流れを変えるべく、行政も取り組みはじめてはいるが、一般社団法人officeドーナツトーク代表、田中俊英氏は言う。
「こうした支援に積極的に参加できるのは、おそらくなんらかの方法で、自ら現状を打開できるような人が多い。ですから、むしろこうした取組に挑めない人を支援する方法がないかぎり、中年フリーターが減ることにはならないと思います」
冒頭の高田さんは「なんというか、本当に不安は、意外なほどないんです。ただ、それ以前に、希望が、ない」という。
その言葉を、田中氏はこう読み解く。
「いまの若者は、たとえ低収入でも幸福感をおぼえている人が多い。一方、バブルの時代に、それを享受していなくても、少なくとも空気に触れた経験がある人たち、つまり、主として就職氷河期世代の中年フリーターは、いまの日本を見て絶望してしまうんです」
激増する中年フリーターは、絶望しながら最後は国のセーフティネットに頼る流れに逆らえずにいる。このままなら、あと20年もすれば一斉に「老後破産」状態に陥ることになるだろう。
そうなったとき、「希望」は中年フリーターのみならず、この国に暮らすあらゆる人の前から失われかねない。だからこそ、いま国家が、政治家が急いで取り組むべきは、中年フリーター対策なのである。(要旨)

---

いろいろな意味で重く、また示唆に富む記事です。「週刊新潮」に掲載された記事とのこと。「週刊新潮」はろくでもない記事も多いけど、たまにはいい記事も出るではないですか。
私が最初に就職したのはバブル最盛期の1990年のことです(その後、1994年に転職した)。当時、フリーターというのはどちらかと言うと、「会社に縛られない自由な生き方」という、どちらかと言うと肯定的な捉え方をされていたように思います。もちろん、雇用が売り手市場だったので、新卒でなくても正社員として雇用されることはそれほど困難ではなかった、ということも背景にはあったでしょう。私の大学の友人でも、あえて正社員として就職せず、卒業後もアルバイトを続ける人もいました。が、その後程なくして、バブル崩壊により状況は一変しました。いうまでもなく、フリーターは自由な生き方ではなく、正規雇用の職にどうしても就けなかった人がやむを得ず選ぶものとなり、しかも、いったんフリーターになると正規雇用への道は非常に狭く険しいものとなりました。
私と同年代でフリーターという生き方を選んだ人たちは、私とほぼ同じくらいの年齢、つまり40代後半から50に差し掛かっている頃ですが、果たして彼らは今どこで、何をやっているんだろうか。(大学時代の友人たちとは、転職するころまでは多少の交流があったものの、その後は全然途絶えてしまっています)

私自身は、最初に就職した流通業の某社で、2年目に1人暮らしを始めましたが、そのときの手取り給料は14万円台だったように記憶しています。家賃は3万8千円、それで、月々の収支は数千円程度のマイナスでした。正社員だからボーナスがあるので、年収としてはマイナスではありませんでしたが。まあ、でも朝食と夕食は自炊でしたが昼食は外食だったし、年に2回くらいは山登りに行き、フォルクローレの楽器も購入していたので、文字どおりの「ギリギリの生活」ではなかったですけど。それに、社会保険はありましたから、医者にかかることはできました。当時、国民健康保険は確か医療費2割負担、社保は1割負担でした。父は零細企業経営者で、就職するまで私は国民健康保険の被扶養家族だったから、就職したと単に医者にかかっても医療費が半額で済むようになってびっくりした記憶があります。もちろん、ずいぶん前に社保も国保も本人負担3割で差がなくなりました。

流通業なんてのは、ブラック企業の典型です。私も、この会社に長く勤めたら身がもたないだろうと思って、4年で転職したのですが、今にして思うと、現在のブラック企業に比べれば、はるかにマトモな部類だったように思います。もちろん、現在その会社の労働環境がどうなっているのかは知りませんけど。

で、引用記事中に紹介されている2人のフリーターは、いずれも年金を払っていないといいます。「手取り15万」と言っても、私の場合は社会保険と税金を引かれての手取りでしたが、2人の例は、おそらく税金は取られているでしょうが、健康保険と年金保険料は未納の状態での手取りですから、額面支給額はその当時の私より低いのでしょう。
それにしても、「年金は払っていません」と安易に言ってしまうのはどんなものかと思います。払えないなら免除申請すればいいのです。そうすれば、保険料は払わなくても、その期間の年金の半額はもらえるようになります。その手続きすらやらずに未納でほったらかしておいて、得になることは何もないのに、ほったらかしの人がなんと多いことか。
年金をまったく払わずにいれば、将来は無年金ですから、年老いて働けなくなれば確実に生活保護ということになります。

もっとも、生活保護制度が大幅に切り下げられるとは、あるいはその前に医療と年金(介護も)が大幅に切り下げられるのは確実です。生活保護費より医療と年金に投入される公費のほうがずっと大きいのだから、生活保護が維持できなくなるときは医療保険と年金制度も維持できなくなっています。
そう考えると、先に書いた国民年金の免除申請も、無駄なあがき、ということになるかもしれません。そして、実は問題は中年フリーターだけではなく、社会保険にがっちり加入している人も含めて、すべての人の将来に暗い影がのしかかってきていると言えそうです。

やや余談になりますが、引用記事の中で、「フリーターを大勢雇っているような会社はたいていブラック企業だから、正社員になっても心身を壊すだけ」という趣旨のコメントは考えさせられます。確かにそういう会社が多そうです。正社員になるのが勝ち、とも言えないのが現状です。
「いま国家が、政治家が急いで取り組むべきは、中年フリーター対策」という記事の主張はまったくそのとおりですが、具体的にどういう手段があるのか、なかなか展望が見出せません。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2015.12.27 22:19:41
コメント(4) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ

利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:展望がない(12/27)  
Bill McCreary さん
私もこの記事を昨日読みまして、ガラケーの記事同様「あ、これinti-solさんが注目しそうな記事だな」と思いました。

前にも書きましたように、私大学を卒業した後、1日たりとも失業者だったことないんですよ。いまの仕事も不満を言いだせばきりはないし、別に今の仕事につきたくてついたわけでもないのですが、しかし1日たりとも失業者だったことがないというのは、私の強みかなという気はします。

>やや余談になりますが、引用記事の中で、「フリーターを大勢雇っているような会社はたいていブラック企業だから、正社員になっても心身を壊すだけ」という趣旨のコメントは考えさせられます。確かにそういう会社が多そうです。正社員になるのが勝ち、とも言えないのが現状です。

福岡にグリーンコープ生協ふくおかというところがあって、ここは貧困者の生活支援をしまして、貸し倒れが低いので有名ですが、活動紹介のテレビを見ていたら、ブラック企業には就職するなと指導していましたね。いつもそうしているかどうかはともかく、私も、ワタミで過労死するよりトヨタやパナソニックで過労死したほうがずっとましだという記事を書いたら、激怒する人がいましたからねえ。何でブラック企業をそこまでかばうのか不明ですが、いくら御用組合でも、労働組合のない会社よりはトヨタやパナソニックのほうがずっとましというものでしょう。

//greencoop-fukuoka.jp/about

//blog.goo.ne.jp/mccreary/e/c33e4ae7c3d9f97b5abfd4e8cff7a2eb (2015.12.27 23:12:02)

Re:展望がない(12/27)  
七詩  さん
国民年金はもともと自営業者などを念頭に置いた制度ですので、満額もらっても生活保護より低く都会ではとても暮らしていけません。そして保険料は低所得者には痛い金額で、未納が増えるのは無理もないでしょう。フリーター。ワーキングプア、ブラック企業の問題は皆つながっていますね。 (2015.12.28 21:42:44)

Re[1]:展望がない(12/27)  
inti-sol  さん
Bill McCrearyさん

>いまの仕事も不満を言いだせばきりはないし、別に今の仕事につきたくてついたわけでもないのですが

まあ、それに関しては私も同様かもしれません。私の場合は、転職時に、1ヶ月未満ではありますが、無職期間はありました。

>福岡にグリーンコープ生協ふくおかというところがあって~活動紹介のテレビを見ていたら、ブラック企業には就職するなと指導していましたね。

その指導は間違っていないと思います。そういうところは、たいてい従業員を使い捨てにしますし。

>私も、ワタミで過労死するよりトヨタやパナソニックで過労死したほうがずっとましだ

どっちもよろしくはありません。ただ、トヨタやパナソニックのほうが、まだしも死亡に至ったような場合にまともな退職金は出るだろう、ということは言えそうです。もっとも、正社員として雇用されている場合は、ですけど。

七詩 さん

>国民年金はもともと自営業者などを念頭に置いた制度ですので、満額もらっても生活保護より低く都会ではとても暮らしていけません。

それはそうなのですが、持ち家、もしくは公営住宅(家賃が安い)では、国民年金だけで暮らしている人は稀ではありません。また、本文に書いたように、保険料がきつければ免除申請という手段もあるのです。 (2015.12.28 23:17:45)

Re:展望がない(12/27)  
maki5417  さん
フリーターと聞くと、蟻とキリギリスを思い出します。
ちゃんと就職せず、気ままに過ごしてきたつけがまわるということでしょう。
せつな的な生き方をしてきたので、無年金はその帰結ですね。
こういう人には、黙々と働いて納めた税金を使ってほしくないです。 (2015.12.29 17:42:03)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: