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2024.05.25
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テーマ: ニュース(99428)
安定神話どこへ…県職員採用試験、大卒申込者が過去20年で最少 前年度からも2割減「学生の民間志向高まった」
鹿児島県は22日、来春入庁予定の2024年度職員採用試験(大卒程度)の申込者数が451人だったと発表した。前年度の552人から101人、18.3%の大幅減。県人事委員会によると、統計が確認できる03年度以降で最少だった。(以下略)
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県庁合格者の4割が辞退…「人材確保推進チーム」新設 ペーパーレス化で8億円コストカット


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鹿児島県と言えば、もう15年くらい前になりますが、阿久根市で竹原信一という人物が市長を務めていた間、すさまじい公務員攻撃が展開されたことがありました。市職員の給料やボーナスをカットする条例案を、議会の議決によらず専決処分で強行するなどの異常な強権的市政運営を繰り広げた挙句、リコールによって市長の座を追われました。
その鹿児島県で、採用試験の応募者数が今年度大幅減で過去最低となったそうです。しかも昨年の合格者の1/3が採用を辞退しているそうです。今年も同様に合格者の中から多くの辞退者が出ることが予想されます。

たまたま目についた記事が鹿児島県でしたが、この状況は全国的に変わりません。おそらく鹿児島県も同様と思いますが、全国的に、昨年の採用試験の時点で過去最低レベルに競争倍率が落ちています。
例えば、東京都特別区の昨年の採用試験(1類つまりいわゆる大卒程度の事務職)の 昨年度の競争倍率 は2.5倍と発表されています。
私のおぼろげな記憶では、30年以上前のバブルの最絶頂期、公務員の競争倍率がもっとも低かった時代でも、東京23区の採用試験の競争倍率は3.5倍前後だったと記憶しています。
しかも、上記リンク先を見ていただくと分かりますが、採用1181人の予定に対して合格者が3013人もいました。

ちなみに、公務員は現在60歳定年から65歳定年へと定年延長の経過措置の過程にあります。そのため、この3月末には定年退職者はいませんでした(ただし、フルタイム勤務が終了して短時間勤務に移行する人はいた)。それにもかかわらず競争倍率が過去最低、言い換えれば採用予定者数が非常に多かったのは、一つには途中退職してしまう若手~中堅職員が激増していること、もう一つは、定年延長されても60歳で退職してしまう、まだフルタイム勤務ができる年齢でもやめて短時間勤務に移行してしまう職員が大勢いることが原因でしょう。
つまり、採用試験の合格者はどんどん辞退するし、今働いている職員もどんどん退職しているという最悪の状態にあるわけです。

なお、東京23区の 今年の採用試験(来年度採用予定)の申込者数 を見ると、鹿児島県と同様に、昨年度より申込者が減っていることが分かります(過去最低かどうかは調べていないので分かりませんが)。
最終合格者はこれから決まりますが、採用予定者数は昨年より150人ほど多く、したがって合格者数(あるいは合格させたい人数)も去年より多く、ということは競争倍率は過去最低だった昨年度よりさらに下がることは確実です。

さらにすさまじいのは教員です。

東京都の教員採用、小学校で過去最低1.1倍 質の低下いっそう懸念
東京都教育委員会が実施した2024年度の教員採用選考について、小学校の受験倍率が1・1倍だったことが分かった。都教委が29日、発表した。小中高、特別支援学校を合わせた全体の倍率も1・6倍で、初めて2倍を切った。いずれも過去最低だった前年を下回り、教員の質の低下や人手不足がいっそう懸念される事態となっている。(以下略)
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倍率1.1倍ですよ、ほぼ無競争です。それが去年の採用試験ですから、鹿児島県の例、東京都特別区の例から類推すれば、今年は更に倍率が下がるとみて間違い何ないでしょう。

阿久根市の竹原元市長について触れましたが、あの当時、公務員叩きが流行したのは阿久根市だけだったわけではありません。大阪の維新など、それで勢力を拡大したと言って過言ではないし、自民党の小泉政権なども同様でした。
このブログでも、公務員叩きのコメントは少なからずありました。そうやって、全国的傾向として、公務員を叩き続けて、今では公務員という仕事は、多くの人が魅力を感じずに逃げ出すような待遇になってしまったというわけです。
何か、「世界一の先進国」と言われていた日本が、気が付けばどんどん貧しい国になりつつある状況と、軌を一にしている気もします。





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最終更新日  2024.05.26 00:14:39
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Re:その昔、公務員叩きが流行したことがありましたが(05/25)  
nordhausen さん
>採用試験の合格者はどんどん辞退するし、今働いている職員もどんどん退職しているという最悪の状態にあるわけです。

以前にもコメントしましたが、一方で非正規公務員も増加の一途をたどっている訳ですからね。昨今話題となっている「地域おこし協力隊員」も期限付きの非正規公務員と言えますが(兼業も可能)、地域によってはあたかも「便利屋」のように扱われている感も否めません。例を挙げると、北海道北見市、美幌町ではバス運転手不足対策として「地域おこし協力隊員」に頼ろうとしていますからね(2024年5月8日のNHKニュースから)。何度も同じ事を言うようですが、若手公務員の中途退職、内定辞退を抑止するためにも、正規、非正規問わず公務員の処遇を改善する事が不可欠ですし、運転手不足対策としても路線バスを公営に移行した上で正規公務員として雇用する事が必要でしょう。

//www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20240508/7000066794.html

>教員

一応、教員不足対策として政府は「教職調整額」の増額(月額4%→10%)や正規教員となった大学院修了者に対する奨学金返済免除制度の導入を進めている訳ですが(2024年4月19日、2024年5月9日の産経新聞記事から)。むしろ、残業代をきちんと支給したり、給付型奨学金の充実を進めるべきでしょうが、それでも現状維持より幾分かはマシだと思います。

//www.sankei.com/article/20240419-AL7EYGMWDZJVVH67U323EWKYAM/

//www.sankei.com/article/20240509-MGCIKZE4A5ILHEPPNXVCIYJDDI/ (2024.05.26 21:20:45)

Re:その昔、公務員叩きが流行したことがありましたが(05/25)  
Bill McCreary さん
東京など就職先に恵まれている自治体だけででなく、鹿児島のように日本のなかでも貧しく雇用情勢も相対的に良いとは言えないところでも、公務員採用の辞退者が多いとか、また私の知っている自治体などでも以前とくらべて目に見えて中途退職者が多いですからね。これからずっとこうなるかはともかく、この昨今公務員というのが、国家も地方も魅力に欠ける職場とみなされているのが明白ですね。

職によりけりですが、生保ケースワーカーの一部が起こした不祥事なんて、ほかの仕事ならこんなことにはならんと思えるような代物ですからね。教師も、卒業アルバムの制作なんて外注しろと思いますが、これもひどいものです。 (2024.05.26 22:07:30)

Re[1]:その昔、公務員叩きが流行したことがありましたが(05/25)  
inti-sol さん
nordhausenさん

正規職の公務員がこんな状態なのに、非正規公務員の募集にどれだけ応募があるか、という問題があります。もちろん、地域差はありますが、東京などの大都市だけではなく地方でも公務員人気が下がってきているのは、引用記事のとおりです。
教員については、教職調整額という「定額働かせ放題」の仕組みではなく残業代が出るようにすべきですし、より本質的にはお金の問題よりも業務量を減らしてくれ、ということに尽きるんじゃないでしょうかね。(残業代が出ても、サービス残業が横行する役所や民間企業もあるわけですから)

Bill McCreary さん

おっしゃるとおりです。私が記事を引用したのも、東京など他にも高給取りの民間企業がたくさんある大都市圏ではなく、鹿児島でも同じ状況、というところが理由です。
もちろん、その背景には単純に公務員の魅力がなくなった、というだけではなく、応募者の減少は少子化でそもそも大卒者が減っていること、途中退職者の増加は若い世代の価値観の変容などもあるとは思います。しかし、公務員の職に魅力がなくなったことが最大の理由であろうことは疑いありません。 (2024.05.26 23:05:01)

Re:その昔、公務員叩きが流行したことがありましたが(05/25)  
nordhausen さん
ところで、北海道新聞2024年6月2日記事では北海道白老町にペット宿泊可能のゲストハウスを開業した元公務員で先天性聴覚障害の女性が紹介されています。彼女は「旅館を営む夢を叶えたい」という理由でえりも町職員を辞職して自営業に転身したとの事ですから、なかなか思い切った決断ですね。折角役場職員になったのにも関わらず退職したのも「定年まで働くという想像が持てず、(旅館を営むという)自分自身の夢を叶えたい」との事ですから、障害者、健常者問わず公務員という職業に魅力を感じなくなっているのかもしれません(長時間労働などの激務続きで仕事が嫌になってしまった可能性もありますが)。それに、収入が安定していた公務員からわざわざ自営業(個人事業主か法人代表かはともかく)に転身した訳ですから、収入が不安定になるという懸念もありますが、少なくとも彼女が高齢者になるまでそのゲストハウスが存続する事を願うばかりです。

//www.hokkaido-np.co.jp/article/1019593/ (2024.06.03 20:13:27)

Re[1]:その昔、公務員叩きが流行したことがありましたが(05/25)  
inti-sol  さん
nordhausenさん

登録しないと記事は読めないみたいで、この方が何歳くらいか分からないのですが、写真で見ても60歳間近というかんじではなさそうですね。
確かに公務員をやめて旅館開業は思い切った決断と思うのですが、それを「思い切った決断」と考えること自体が、すでに考えが古いのかもしれません。そもそも、北海道では、夕張市みたいなこともあったので、人口の少ない町村では、50代以上はともかく、20代30代では、将来自分の勤務先が存続しているか、という不安を覚える人もいるでしょう。
人間、向き不向きがあって、誰もが公務員や正規職の会社員に向いている、というわけでもないのが現実でもあります。 (2024.06.04 07:02:47)

Re:その昔、公務員叩きが流行したことがありましたが(05/25)  
nordhausen さん
>この方が何歳くらいか分からないのですが

すみません、説明不足でした。記事によると、この女性は現在38歳で友人、愛犬、愛猫と同居しているとの事ですから、おそらく独身なのでしょう。さらに追記すると、彼女は大学卒業後に東京のIT企業に就職後「自然豊かな北海道で暮らしたい」と知人を頼って2016年にえりも町職員に転職後、2023年3月まで在籍したとの事です(なお、ゲストハウス開業は2024年5月との事)。 (2024.06.06 19:50:12)

Re[1]:その昔、公務員叩きが流行したことがありましたが(05/25)  
inti-sol  さん
nordhausenさん

追加情報ありがとうございます。
38歳ですか。
個人的には、音楽関係の知り合いで、道外から移住して、北海道で宿を営業している人を2人知っています。いや、1人は故人になられてしまいましたが。
頑張ってほしいものです。
(2024.06.06 22:48:04)

Re:その昔、公務員叩きが流行したことがありましたが(05/25)  
nordhausen さん
NHK「クローズアップ現代」(2024年6月11日放送)で過酷な労働環境に置かれている霞が関の官僚の現状が映し出されていましたが、相当すさまじいものがありますね。何しろ、月100時間以上の残業をさせられている職員も少なくないばかりか、それが原因で辞職せざるを得ない職員が増加しているとの事ですから。こういう労働環境では、国家公務員志望者が減少の一途をたどっているのも当然ではないかと思います。

そもそも、一般職国家公務員数が減少していったのは国立大学法人化や郵政民営化に加え、人件費の抑制等を理由に総数が抑制されていったのが原因ですが、小泉政権の構造改革路線の一環で行われていますからね。こうして見ると、小泉政権以降の新自由主義政策による弊害が公務員減少という形で表れていると言えますし、それこそが「将来へのツケ」に他なりません。以前もコメントしましたが、国家、地方問わず、正規公務員数はこれ以上減らすべきではないし、むしろ増やした上で労働環境の改善(長時間労働の是正等)を行う事が不可欠でしょう。 (2024.06.13 21:19:05)

Re[1]:その昔、公務員叩きが流行したことがありましたが(05/25)  
inti-sol  さん
nordhausenさん

市区町村の役所でも、「官房系」と言われる財政、企画、人事関係の部署は相当ハードな仕事のようです。特に財政はすさまじい。全体が「官房系」の権化のような霞が関の中央官庁の勤務条件が酷いというのも、そこから類推すれば想像が付きます。

公務員をこれ以上減らすべきではない、まったくそのとおりです。そのためにも労働条件の改善が急務だと思うわけです。 (2024.06.15 13:45:01)

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