2007年03月23日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
今日のまとめ

1. 中国は石油の消費国であるとともに産油国でもある
2. 大慶油田のお陰でペトロチャイナは世界的石油会社の一角を占めている
3. しかし大慶油田は既に盛りを過ぎており今後減産が心配される
4. 思わぬ生産コストの上昇が期待はずれの決算の原因
5. 主力油田の衰退はペトロチャイナだけの問題ではない

 中国は石油の消費国として世界の石油の需給関係にとって次第に重要な存在になりつつあります。現在のところ中国の占める割合は全体の8.5%程度ですが着実に需要が伸びつつあるという点で目の離せない存在です。

世界の原油生産と消費ならびに中国の原油消費

 日本と違って中国では石油が出ます。従って中国は石油消費量の全てを輸入に頼っているわけではありません。事実、ペトロチャイナ(PTR)の所有する中国を代表する大油田、大慶油田は世界で4番目に大きい油田です。

世界の巨大油田

 この大油田があるお陰でペトロチャイナは世界のオイル・メジャーと呼ばれる巨大石油会社と比較しても遜色ない事業規模を誇っています。

世界の主要石油会社の原油生産量



ペトロチャイナの油田別原油生産高

 しかし大慶油田は古くからある油田の辿る典型的なライフサイクルを踏襲する形で「老境」に入ろうとしています。このため上のグラフでもわかりますが年々生産量は漸減しています。大慶油田の含水率(Water cut)は89.78%と非常に高く、通常、このくらいの含水率に達した油田はつるべ落としに生産が減り始めるのは時間の問題です。ペトロチャイナは新疆、重慶、タリムなどの油田の増産を急いでいますが、大慶油田の開けた穴を埋められるか?というと状況はかなり苦しいと言わざるを得ません。現在のペトロチャイナ株を巡るアナリストの多くの同社への評価が厳しいのは、主にこれが原因であると言えます。実際、先日発表された決算は市場予想をかなり下回りました。探索・生産部門におけるコストの大幅な増加がその原因です。大慶油田においてだんだん石油の採集が難しくなっており、それがコスト超過を招いたことは明白です。因みに2005年から2006年にかけてペトロチャイナの原油生産量の増加率は+1%足らずでした。一方、探索・生産コストは+5.6%と跳ね上がっています。ペトロチャイナの売上高成長の殆どは原油の平均販売価格が2005年の$48.37から2006年は$59.76へ上昇したことによります。ただ主力油田の老朽化で生産量の維持が困難になってきているのは別にペトロチャイナに限ったことではありません。最近の話題ではメキシコのカンタレル油田の生産量が激減していることが業界関係者の注目を集めています。またクウェートのブルガン油田も含水率が75%程度まで上がっており末期的な症状を示しています。世界最大の油田であるサウジアラビアのガーワー油田も含水率は35%程度であると言われており、今後衰退する前兆が現れています。大慶油田はまだまだ工夫の余地はあると思います。その理由は同油田から生産される石油のうち、最新鋭の特殊石油採取手法(enhanced recovery method)を援用した生産は未だ生産全体の27%に過ぎないからです。

 ペトロチャイナは国内における石油の探索だけではなく海外における油田の権益の取得にも積極的です。50%子会社であるニューコ (Newco)を通じて、カザフスタン、ベネズエラ、ペルーなどの油田の権益を支配しています。またアフリカなどでも積極的に事業展開する意向があります。

 ペトロチャイナは主に探索・生産などの川上部門に依存する体質になっています。

ペトロチャイナの部門別税引き前・利払い前利益

 ペトロチャイナで生産された原油のうち83%は自社の製油所でガソリンや石油化学製品に加工されます。残りはシノペック(SNP)などの企業に売却します。シノペックは石油の探索・生産部門が弱く、基本的には精製・販売などの所謂、川下部門中心の企業です。事実、シノペックは世界の総合石油会社の中で最も精製マージンの増減に業績を左右されやすい企業です。従って原油価格の高騰はシノペックにとってかならずしも好材料ではありません。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年03月23日 09時56分26秒


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: