2007年12月21日
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カテゴリ: アフリカ
今日のまとめ

1. アフリカ民族会議(ANC)の党首選挙ではズマ氏が勝利した
2. ズマ氏はポピュリスト的なイメージがある
3. 実際には中道をゆく堅実な政策が維持される公算が高い

 注目されていた南アフリカの与党、アフリカ民族会議(ANC)の党首選挙が終わり、前副大統領ジェイコブ・ズマ氏が圧倒的な勝利をおさめました。南アフリカの大統領はこれまでターボ・ムベキ氏が過去8年にわたって務めてきました。南アフリカの場合、与党の党首がそのまま大統領に就任する可能性が高いので、2009年にムベキ現大統領の任期が満了になると次期大統領にズマ氏が推される公算が高まりました。

 ムベキ現大統領は経験豊かなテクノクラートで、これまで南アフリカを極めて手堅く治めてきました。しかしアフリカ民族会議内の左派に対しては極めて冷淡な姿勢をとっていたため、大統領としての実績は素晴らしかったにもかかわらず、今回の党内選挙で敗れたわけです。一方のズマ氏はポピュリスト的なイメージがあり、社会的弱者の味方であるという風に国民には受け止められています。南アフリカは失業率が25%近くもあり、近年の経済の好調にもかかわらず、社会の底辺の人々の暮らし向きは良くなっていません。それがズマ氏の人気の一因です。

 ズマ氏は過去に汚職その他の疑惑で追及を受けた経歴があります。南アフリカでは大統領候補の人間が汚職疑惑で追及された場合、大統領選に出馬できない規定になっています。人気の高いズマ氏が大統領選に出馬できなくなると南アフリカの政治が混乱することも考えられます。このところの南アフリカ株式市場の神経質な展開はそうした政治リスクを反映したものであると考えられると思います。

 ただズマ氏は国民が考えているほど極端なポピュリストではなく、若し彼が大統領に就任した場合でもターボ・ムベキ現大統領が続けてきた堅実な政策を継承する可能性は極めて高いというのが長く南アフリカの政治をフォローしてきたウォッチャー達の見方です。したがって南アフリカにとってのリスクは今の流れ通りにズマ氏が次期大統領に就任することではなく、逆にスキャンダルの多いズマ氏が大統領に出馬する前に汚職疑惑で追及され、出馬資格を剥奪されることにあるのです。これによって後継者争いが泥沼化するというシナリオが怖いわけです。南アフリカが白人支配から脱却して13年になりますが、おおむね穏健で実業界寄りのリーダーシップに恵まれてきました。その期間に南アフリカの政治がどれだけ大統領個人の人徳に依存する体質から政治システムそのものの堅固さに依拠する体質に変わったかが今、試されているという風に解説できると思います。





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最終更新日  2007年12月25日 12時47分07秒
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