2010年01月19日
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今日のまとめ

1.中国政府はQFII制度の適用の厳格化を打ち出した
2.これがA株市場に与える影響は殆ど無いと思われる

QFII制度の「又貸し」自粛


中国本土株の話題です。昨日、スイスの投資銀行、UBSがQFII(適格外国機関投資家制度)の投資枠の「又貸し」行為を自粛したというニュースが市場に流れました。

結論から言えば このニュースがA株市場に与える影響は殆ど無い と思われます。しかし一般投資家にはわかりにくい話題であり、誤解や不安を招く可能性がありますので解説したいと思います。

QFII制度とは?


先ずQFII制度のおさらいをしておきます。

人民元建てで取引が行われる中国の国内株式市場、つまりA株市場では原則として外人投資家は自由に株を買えない規則になっています。

それはなぜかといえば、無制限に外人投資家にA株を買ってよいという許可を与えると海外から資金がドッと押し寄せ、人民元のレートを一定に保つ操作が難しくなるからです。



同様の制度は過去にも台湾などでも採用され、新興国が段階的に資本市場を開放してゆく際のひとつの手段と考えられています。

現在は世界の投資銀行、証券会社、投資顧問会社などのうち、86社だけが中国のQFIIの免許を持っています。

「又貸し」とは?


UBSは自社で獲得したQFIIの投資枠を自分自身で使うとともに、余った分を外部の機関投資家に「又貸し」し、A株投資の機会を提供することを行ってきました。ちょうど雨の日に隣人に傘を差し伸べるような行為であることから、これを アンブレラ(傘) という風に呼ぶ場合もあります。

この「又貸し」はこれまで法的にはグレーな部分でしたが、慣習としては中国のQFIIはもちろん、他の国のQFIIプログラムでも日常的に行われてきた行為です。中国ではUBS以外にも10社近い投資銀行がQFII枠を「又貸し」していると言われています。

しかし10月に中国の当局がQFIIの「又貸し」を禁ずると発表しました。そこでUBSがこの新しい指導を順守するために「又貸し」行為をストップしたというのが今回のニュースというわけです。

実はUBSが余った枠を「又貸し」していた先の運用会社を見ると、例えばMCチャイナという機関投資家の名前が見られます。MCチャイナはエジンバラに本社を置くマーティン・カリーという投資顧問会社の中国現地法人です。

マーティン・カリーはたいへん業界内でも尊敬されている国際機関投資家のひとつです。事実、マーティン・カリー自体もUBSがQFIIの免許を取った数年後に中国政府からQFIIの枠を貰い受けており、資格と言う点ではすでに合格しているのです。

ただ、自分自身で貰った枠と、それ以前に投資銀行から「又貸し」されてきた枠を 合算すると中国政府が公認した枠よりも実際には多い金額の投資をしていることになる 可能性も出てきます。

今回の措置はこのように期せずして ルールの援用があいまいになるのを整理し直す

大事なことは海外の投資家に与えられている枠の総量は変わらない と言う点です。

現在、QFIIの枠は全部で167億ドルあり、そのうちアンブレラという形で「又貸し」されているのは30億ドル程度に過ぎません。この程度の金額であればアンブレラ解消に伴う売り圧力は限定的であると考えられます。





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最終更新日  2010年01月25日 17時15分41秒


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