今日のまとめ
4月の貿易統計は無難な数字だった
貿易黒字幅が恒常的に狭まるかに注目
欧州向け輸出は今のところ好調だが、今後の変化に注意
輸入のモメンタムが今後落ちるようだと再び下降サイクル入りも
4月の貿易統計
中国の4月の貿易統計が発表されています。輸出は1199億ドル、輸入は1182億ドルでした。

貿易収支は再び黒字となり、16.8億ドルを記録しました。3月の貿易収支が過去6年で最初の赤字となり-72.4億ドルを記録した後ですので4月の数字の黒字への復帰は正直なところ中国ウォッチャーを安堵させています。
上のグラフからも読み取れる事ですが以前は中国の輸出は輸入を軽々上回り、貿易黒字が定着していました。しかし最近では2つの線が重なってきています。
まだ2カ月程度ではこれを新しいトレンドだという風に判断するのは早計だと思いますが、再び昔のような輸出が大幅に輸入を上回る構図に戻るかどうか、たいへん興味深い局面にさしかかってきていると言えます。
先月のレポートで輸入が先行し、タイムラグを伴って輸出が回復する仕組みを説明しましたが、4月も基本的にはそのパターンを踏襲して輸出の伸びが輸入の伸びに追いついてきている様子が下のグラフからも読み取れます。

このように過去数カ月を見る限りでは中国の貿易不均衡は改善したかのように見えます。これは 人民元切り上げの政治的なプレッシャーが弱まる ことを意味します。
このところ欧州ではPIIGS(ポルトガル、アイルランド、イタリア、スペイン、ギリシャの略)問題などの影響で景気の先行きが懸念されています。
しかし貿易統計を見る限りでは1~4月のユーロ圏への輸出は前年同期比で30%成長しており、これはアメリカ向け輸出より早い拡大ペースです。 今後も欧州向け輸出の成長ペースが維持できるかどうかに注目したい と思います。
最後に前年同期比で見た輸入の伸び率が再び鈍化しているように上のグラフからは読み取れるのですが、これが 再び中国の経済活動が下降サイクルへ入っていこうとしている前兆なのかどうかにも注意を払いたい と思います。
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