今日のまとめ
インフォシスの決算は落胆すべき内容だった
欧州のビジネスが懸念される
離職率の上昇は心配の種
これらの懸念要因は他のIT企業にもあてはまる
インフォシスの決算
インドのITアウトソーシング・セクターのベルウェザー(指標銘柄)であるインフォシスが6月期(=2011年度第1四半期)の決算を発表しました。市場の期待にいまひとつ届かない決算でした。
今回の決算
| EPS: | 予想57¢、ウィスパー ※ 58¢、 実績57¢ |
|---|---|
| 売上高: | 予想13.4億ドル、 実績13.6億ドル |
第2四半期(9月期)のガイダンス
| EPS: | 予想61¢、 新ガイダンス59.5¢(中値) |
|---|---|
| 売上高: | 予想13.8億ドル、 新ガイダンス14.2億ドル(中値) |
2011年度通年ガイダンス
| EPS: | 予想$2.48、 新ガイダンス$2.47(中値) |
|---|---|
| 売上高: | 予想56.7億ドル、 新ガイダンス57.8億ドル(中値) |
今期の売上高は前年同期比で+21.0%、前期(2010年第4四半期=3月期)比で+4.8%でした。
今期の問題点のひとつは 欧州の見通しが不透明になってきている点です。これは地域別の売り上げパフォーマンスにも表れています。

この結果、同社の売り上げ比率に占める欧州の割合はだんだん低下しています。

2番目の問題点として営業費用の増加(前年同期比+24.4%)のペースが売上高の成長率(同+21%)より高く、結果としてグロス・マージンが圧迫されている点です。

離職率(アトリッション・レート)は今期15.8%(過去12カ月の平均)と3月期の13.4%からかなり増えています。因みに前年同期は11.1%ですからかなり急激な増え方だと言えるでしょう。これは 人件費を低く抑えるのがだんだん困難になっていると解釈できます。
顧客の業種別の比率を見ると保険、銀行などの金融サービスの需要が復活してきていることがわかります。
| 2010年6月 | 2010年3月 | 2009年6月 | |
|---|---|---|---|
|
保険
|
8.4 | 7.7 | 7.1 |
|
銀行
|
27.7 | 27.1 | 25.9 |
|
製造業
|
19.5 | 20.2 | 20.5 |
|
小売
|
13.2 | 13.0 | 13.2 |
|
通信
|
14.1 | 15.3 | 16.9 |
|
公共
|
6.0 | 5.8 | 5.7 |
|
運輸
|
1.8 | 1.8 | 2.3 |
|
サービス
|
4.8 | 4.9 | 4.9 |
|
その他
|
4.5 | 4.2 | 3.5 |
売掛金の回収に必要な日数(デイ・セールス・アウトスタンディング=DSO)は今期60日で、これは前期の59日、前年同期の56日より悪化しています。
まとめると欧州の不透明感や賃金に対するプレッシャーは別にインフォシスに固有な問題ではなく、インドのITアウトソーシング業界全体が直面する問題だと思います。従って今回のインフォシスの決算は今後の各社の決算発表に暗い影を落としていると考えるべきでしょう。
今後の決算発表
今後のインドのITアウトソーシング・BPO関連企業の決算スケジュールは次のようになっています。
| 銘柄 | ティッカー | 発表日 | コンセンサス |
|---|---|---|---|
|
ウィプロ
|
WIT | 7月23日 | 10¢ |
|
WNS
|
WNS | 7月22日 | 16¢ |
|
コグニザント
|
CTSH | 8月3日 | 52¢ |
|
パトゥ二
|
PTI | 7月29日 | 43¢ |
|
ジェンパクト
|
G | 7月29日 | 16¢ |
(出典:アー二ングス・ウィスパーズ)
PR