今日のまとめ
経済成長
ポーランド経済は欧州財政危機問題の中にあって、比較的しっかりしています。下のグラフはポーランドとドイツのGDP成長率を比較したものですが、ポーランドの成長率が一貫してドイツのそれを上回っているだけでなく、リーマンショック後もポーランドのGDP成長率はプラスを維持したことが注目されます。

欧州主要国でリーマンショックの直後にマイナス成長を免れた国はポーランドだけです。こうしたポーランド経済の好調は、同国の経済が内需依存型であることによります。また政府の経済政策も景気浮揚に積極的であり、これが消費者や経営者のマインドの維持に寄与しました。
物価
ポーランドの物価は優等生のドイツに比べるとインフレになりやすいです。

またリーマンショック以降の積極的な経済政策、ならびに通貨安が輸入品の価格に与える価格上昇プレッシャーなども影響しています。全体としては憂慮する水準ではありません。
雇用市場
ポーランドの失業率はEU圏の中では極めて平均的なパフォーマンスです。

また賃金の上昇率は低いです。
銀行セクター
ポーランドの銀行セクターは、当面、急激に信用の提供を拡大するとは考えられません。実際、ポーランドに進出している外銀の多くは、自らのレバレッジ比率を引き下げるため融資活動を拡大しない方針を取ると予想されます。
ポーランドの住宅ローンの多くは外貨建てであり、通貨安は消費者の利払い負担を増やす働きをします。このため遅延ローンは少し増える傾向にあり、これは懸念材料です。
信用の緊縮は消費にネガティブな影響を与えると考えられます。なおポーランドの銀行の自己資本は比較的充実しています。
経常収支
ポーランド経済は慢性的な経常赤字体質となっています。

ポーランドは輸出主導型の経済ではなく、しかも国内消費が活況とあって経常収支はマイナスになりやすいです。それを外国からの投資資金の流入で補っています。外国からの資金フローは比較的振幅が激しいですが、同国の高い成長に魅せられて、いまのところ問題無く投資資金を集めることが出来ています。
同国は共通通貨ユーロを使用しておらず、ズウォティという独自の通貨を使用しています。欧州財政危機の懸念から世界の投資資金がリスク回避的な動きを示すとズウォティは弱含む傾向があります。
ポーランドは外貨準備を順調に積み上げており、準備の水準は適正です。またポーランド政府は国際通貨基金(IMF)との間でフレキシブル・クレジット・ライン(FCL)協定を締結しており、これも投資家のコンフィデンスを補強するのに役立ちました。
国家財政
リーマンショック後の景気テコ入れのための財投プログラムなどの影響で、ポーランドの財政収支は悪化しましたが、インフラストラクチャ・プログラムが続々と完成することから今後は収支のバランスが改善すると予想されます。

さらにドイツと直結する高速道路の開通などの影響で、経済の効率UPが期待できます。ポーランド政府は定年退職年齢を徐々に引き上げるなどの措置を今後取ると思われます。政府の借入がGDPに占める比率は56%で、これは欧州諸国の中では少ない方に入ります。
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