2007年02月15日
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カテゴリ: マーケット状況
日経平均株価 がほぼ10ヶ月ぶりに昨年高値を更新しました。その原動力となったのは1月に1.5兆円強を買い越した外国人投資家ですが、1月後半から市場でのプレゼンスを高めてきた個人投資家の復活も軽くは扱えないと思われます。2003年春からの相場上昇には個人のシェア増大が大きく貢献しており、相場の先行きを占う場合にも個人の動向から目が離せません。個人には低位株選好という売買特性があり、個人の復活ということであれば、物色の中心も自ずと決まることになります。

■意外? 外国人が目立つ時、株価はさえない

 昨年の東京市場は4月に高値を記録した後、5月以降年末までボックス圏での推移となりました。この間の投資主体別の委託売買代金シェアを見てみると、外国人が58%と過去最高水準であったのに対し、個人は29%とほぼ半分にとどまっていました。下表からも明らかなように4月までとの対比では新興市場の崩れなどにより、痛手を負った個人の投資意欲が低下、シェアを10ポイント程度下げたのに対し、その分外国人の市場での地位が相対的に浮かび上がった結果でした。海外マネーへの依存度が高いという事実は新興国の市場と同じように高リスク市場と考えられます。これは2004年後半にも見られたことですが、すでに委託売買代金シェアが過半を占めている外国人投資家のシェアが拡大することは国内投資家の萎縮を表し、相場には決してプラスにならないことを意味します。
個人の売買代金シェアは昨年11月に24.8%と2003年5月以来3年半ぶりの水準にまで低下した後、30%前後にまで回復してきております。価値観が多岐にわたる個人のシェアが30%台を維持できるということになれば、先行きの株価にもプラスに働くことになると思われます。

委託売買代金シェア(3市場)
 
個人
外国人
2006年1月
41.00%
46.40%
2月
38.10%
48.80%
3月
35.10%
51.10%
4月
37.60%
48.00%
5月
28.20%
57.30%
6月
28.60%
58.70%
7月
29.30%
57.50%
8月
32.40%
54.80%
9月
28.80%
58.70%
0月
29.80%
56.70%
1月
24.80%
61.80%
2月
31.40%
55.00%
2007年1月
29.70%
57.10%


■個人は低位株を選好する

 下表は個人と外国人の昨年の月別(東証一部)の買い付け単価が一株当たり時価に対して、どの水準にあるかを見たものです。個人の平均買い付け単価が時価の60%前後にあるのに対し、外国人の同買い付け単価は時価近傍と大きく異なっております。経済が成熟化してからの株価上昇時には株数ベースの売買回転率が金額ベースの回転率を大きく上回る傾向があります。このことは大相場時には数量商いができるマーケット、即ち低位株指向が強まることになります。昨年の東証一部の一日平均の売買代金は2.6兆円、同売買高は1,926百万株でした。今年株価が上昇するための必要条件は金額で2兆円台後半、株数ベースでは少なくとも20億株台ということになると思われます。低位株指向の個人の復活によって、相場に勢いがつくということになれば、鉄鋼・造船に代表されるような重厚長大型の株が主役を務める可能性が強いと思われます。

平均買い付け単価/一株当たり時価
(東証1部)
個人
外国人
2006年1月
60
96
2月
63
97
3月
56
94
4月
66
102
5月
68
103
6月
56
96
7月
60
98
8月
58
96
9月
59
100
10月
65
103
11月
64
100
12月
55
94


(マーケットアナリスト:貴浩志)






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最終更新日  2007年02月15日 11時29分36秒
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