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「留守番電話」続いてます。続いてるんですけど。。。書きたいよぉ。
2007.01.31
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その人からの電話は日を追うごとに、頻度も内容もエスカレートしてきた。 4,5日に一度だったものが、ほぼ毎日になるまで、一ヶ月とかからなかった。 「けんちゃんはふみちゃんのことが大好きだったんだってぇ。別れたくなかったんだってぇ。うれしーい?」 私の不倫が知らないところで始まって、そして終わっていた。 大石さんの名前が「研二」だったことをそのメッセージで思い出した。そういえば、字は違うが、初恋の人と同じ名前だった。 しかし「ふみちゃん」とは……。 『文子』という名前は父方の祖父がつけた。祖父は、私が生まれた直後に亡くなったので、私には祖父の記憶はない。ただ、話しに聞くところでは、そうとうに頭の固い頑固おやじだったらしい。 「文子」 その古臭い名前を母は嫌っていて、記憶にある限り、一度もわたしを「ふみこ」と呼んだことがない。いつも「ぶんちゃん」とか「ぶんこ」とか呼んでいて、そのせいだろう、家族や親戚はみんな私のことを「ぶんこ」と呼ぶようになった。 ただひとり、祖母だけが今でも私を「ふみちゃん」と呼ぶ。 そのメッセージを聞いた夜、私はおかしな夢を見た。 実家の縁側で、祖母が私に干し柿をくれた。庭には大きな柿の木があって、祖母はその柿をいつも干し柿にして私にくれたのだった。 夢の中の私は、小さな手に乗せられた柿に鼻を付け、かすかに、甘く漂うおひさまの匂いを胸いっぱいに吸い込み、目をつぶり、そしてその果肉に歯を立てる。 とろりとした感触を舌に感じる……ふいに、口の中に生臭い匂いが充満した。それは、遠い日の記憶にあった男の精の匂い。 慌てて口の中のものを吐き出すと、手の上で、うじゃうじゃと黒い小さな虫がたくさん動いた。 「うっっ!」 驚いて息をのんだ口の中、奥歯にジャリっとなにかが当たった。 「いゃああああーっ!」 自分の悲鳴で目を覚まし、とっさに手の平をみた。 骨ばった手は汗でぐっしょり濡れていたが、そこに虫は乗っていなかった。 「あんたっていやらしいんだってねぇ。せっ・く・す大好きなんだって? この淫乱!売女野郎!! どんな身体してんだよ、見せろよ。おっぱいが大きいんだってぇねぇー E?F? 手で思い切りつぶすと細い血管が白い肌に浮いてすごくいやらしいんだって、けんちゃんそれが好きだったんだってさー でも乳首はでかくてどどめ色なんでしょ? ど・ど・め・い・ろ~ あははっ」 受話器の向こうで、かすれた声がいやらしく笑う。泥酔しているのだろうか、ろれつがまわっていない。 そのせいか、ところどころを強調して切るように言う。卑猥な言葉を言うときには必ずといっていいほどそうで、しかも、声が大きくなる。 「どどめ色」私はその言葉を聞いてドキッとした。確かに私の乳首は男性経験が少ないにもかかわらず黒くて、しかも子供を産んだ女のように大きい。 「でも『売女野郎』はないわよ。バカじゃないの」 私はそうつぶやいて笑ったが、口が乾いていて上手くは笑えなかった。
2007.01.21
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最初にその人からのメッセージを聞いたのは、いつもとかわらない「ただの土曜日」の朝のことだった。 若い時代を過ぎてしまえば、週末だからといって、特別なにがあるわけでもない。定期的に来るただの休日。少しゆっくり眠って、いつもより手をかけて朝食を作るのも、いつもとなんらかわらない。 コーヒーをドリップする。いつもならインスタントなのだけど、週末だけは別だ。 私は、部屋に香ばしいヨーロピアンコーヒーの匂いが広がっていくのを充分に確認してから、部屋を出て、玄関脇の充電台に置いてあった携帯電話を手にとった。 夜中に携帯にかかってる電話にろくなものはない。 退屈な事務員に、仕事の電話が退社後に入ることはない。だから、夜中にかかってくる電話といえば、たいていは、結婚した友人が涙ながらに語る旦那の愚痴。『結婚なんてするものじゃないわ』と、いうなかばイヤミなそのセリフ。最後は結局「それも幸せなのよね」的結論を勝手に出して、おそらく電話を切ったあとにはスヤスヤと眠るのだろう。まったく、その後私が眠れなくなることなんて思いついてもいないのだろう。 だから、私は、眠るときには携帯の電源を切っておく。そして、玄関の脇にある充電台にのせるのだ。電源は、出掛けにいれればいい。 私は携帯の電源を入れながら、コーヒーの香りの充満した部屋に戻った。サーバーに落ちたコーヒーをカップにいれ、留守電とメールをチェックする。 すると、携帯電話の液晶画面の端に、留守電が一件入っているというマークが出た。 『どうせまた旦那とケンカした主婦の泣き声でしょ』 そう思いながら、フライパンを火にかけ、卵をひとつ落とした。 そして、留守電再生のボタンを押し、携帯を肩ではさむ。 ピーっという音のあとに再生が始まる。 すると、予想に反して、電話から聞こえてきたのは、まったく聞き覚えのない、女の人のかすれた声だった。 「大石の家内ですー。あんたさーあ。うちの旦那がずーいぶんっとおせわになったみたいでーぇ、まったく、冗談じゃないわよ。よーっくお礼しなきゃねーぇ。連絡くださいよ。電話してきなさいよ。ねぇ、わ・かっ・た・あ?」 メッセージは、そこで切れていた。 『大石』という名前には聞き覚えがあった。 「確か、半年ほど前に、本店から派遣されてきた若作りの中年男性……」 私は自分も中年であることを思い出し、ちょっとおかしくなった。 『自分が中年になっても、中年男性は中年男性のまま、良いイメージにはならないものなのね』 と、そこまで考えたところで、香ばしいを通り越した匂いが漂っていることに気付いた。 「タイヘン!目玉焼き!」 声に出してそう言って、私はあわてて火を消した。 目玉焼きは、端が少し黒くコゲていた。まったく、せっかくの週末が台無しだ。 それでも、焼きなおすのもめんどくさくて、私はその目玉焼きを白い大きなプレートにうつした。ルッコラのサラダと、小ぶりのブリオッシュをふたつ、同じプレートに盛り、テーブルにつく。 コゲが目障りで、私はまず、そこから食べ始めた。 「苦いなぁ もう」 食べながら、私はまた声に出してそう言って、コゲを噛んだ。ガシュっというイヤな感触と共に、さっき聞いたかすれた声を思い出す。 「大石さん、ねぇ……」 大石といえば、その男しかいない。小中高校の同級生にもいない。そして、確かにその男には、仕事の用事があったときに、一度、携帯から携帯へ電話をしている。 しかし、それだけだ。男と女の関係どころか、個人的な話をしたこともない。結婚してるかどうすら知らない。 「なんなのかしらね、まったく」 私は、ため息をつき、今度はコゲをキレイよけて卵を食べた。 コゲがないにもかかわらず、卵はやっぱりコゲ臭かった。
2007.01.21
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冷酷の森の中でDNAが踊りだす 眠れる記憶に灯がともる ぞわぞわと這い出す虫の体液が 大地を濡らし痒みを撒き散らす 細い足首に巻かれた鈴が奏でるのは 今宵の悲鳴かあの日の罠か 逞しい指ではじかれるのは 光る金属 琴の糸 震える奥歯のカスタネットの奥で 甘えた猫が喉を鳴らす さあさ、もっと奥へ。 ようこそお越しくださいました。 こちらが「エッチな詩と壊れた性の詩の館」 夢か現か蒼の通い路 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + 「エッチな詩と壊れた性の詩の館」というコミュニティのために書いたものです。
2007.01.15
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外気にさらされた裏側が放射冷却で凍っていく 星がカウントダウンを始める晴れた夜 まつ毛が凍って目は開くことをせず 循環を繰り返し結晶を作る 戸惑いを切り刻み 確信を搾る 一滴の血清に喉を潤す あざわらう電磁波の夜 冷気にかじかんだ指はブーツの紐が結べない 晴れたとはいえ太陽はその姿を裏側に隠して 希望は暖かい場所に逃げ込んだのか 心臓をえぐって氷の柱を濡らす 調律のあわない輪舞曲の夜 ほどけた紐を引きずって踊る 晴れたはずの夜の裏側
2007.01.14
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