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ゆっくりと私がひろがって 薄くなって境界がなくなっていく すいへいりーべぼくのふね 原子の舟が混沌へと漕ぎだす。
2008.11.28
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※winな方はメモ帳にコピーして読んでいただけると嬉しいです。ドアを開けると白が跳ね踊る 残像が実像と化して跳ね踊る にぎやかに軽やかに跳ね踊る わいわいと増殖して跳ね踊る 尖ったヒールが突き刺さり 可憐なつま先が踏みにじる ドアを閉めたら黒が塗りつぶす まだらになりながら塗りつぶす 白と黒とが絡み合い塗りつぶす 交差するステップが踏みつぶす 玄関の大理石の上で 冷たい大理石の上で 叩き割られた頭がぬるく痛む
2008.07.30
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コンビニのあかりに照らされて、腕に残ったろうそくのカケラを見つけた。 噛み千切ってギザギザになった爪の先でつまんで、自動ドアに向かってピンッとはじいた。 「いらっしゃいませ」 中国語なまりの店員の声には無反応に、私はかごを手にとる。 口紅マネキュア入浴剤ヘアクリップ除光液、綿棒アイスクリーム雑誌にダイエットコーク、ポテトチップス靴下ショーツ缶詰チョコ……手当たり次第にかごに放り込む。 セックスは好きでもきらいでもない、なんでもないこと。本気でやらなきゃそう疲れもしない。私の下手くそなウソにだまされる男はバカだとも思うし愛しくもある。 かんたんにお金を手に入れてるよ、セックスに大金払うのは不思議だけど、払ってくれるのだったらタダでするより売ったほうがいい。 プリンにケーキ、ビールに氷、あぁこのライターなんとなくかわいいな……手当たり次第に投げ込む。 ストレスなんてないよ、こんな楽勝の商売だもん、おきらくごくらく。 美容液CDおにぎりワイン・・・手当たり次第に放り投げる。 会計中にレジ横にあった栄養ドリンクをカゴの隙間に突っ込んだら、チンッ。 「いちまんはっぴゃくにじゅうにえんになります」 カラカラと笑い声に似たお札の音、戻ってくるのはチャラチャラ陽気なオルゴール。 「あ~がとうございました~」 妙に「ま」が強いありがとうございましたに見送られ、自動ドアの前に立つ。 目の前に、赤いカケラ。 私は血なんか流してないよ。 ずっしりと重い荷物を持って、私は闇へと歩き出す。
2008.07.15
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なんの価値もないのに、無駄に色んなものを消費して生きさせてもらってる。だからすべてに感謝して生きよう。死ねなくてごめんなさい。
2008.06.30
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ちょっとまった 嬉しかったのか悲しかったのか 面白かったのか退屈だったのか 苦しかったのか気持ちよかったのか まずは私がどうだったのかをキミが決めてくれ それから話をはじめようじゃないか
2008.06.27
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最終話で「オ●ニー」という言葉がでてきます。こんな伏字になんかしたくなかったんですけど、そのまま書くと・わいせつ、もしくは公序良俗に反すると判断された表現が含まれています というアラートが出て公開することができなかったのです。伏字にしたらアップできるってなんなのよ。安っぽければオッケーなの?などと怒りつつ・・・・それでも公開したいので、ぐっと我慢。しかし、おまんこ、はすんなりアップできるのに、オ●ニーはダメって、いったい。。。。。
2008.06.23
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「毎度こんばんわぁ~」 聞き慣れた、頭の悪そうなかすれた声が万年寝不足の頭にひびく。 「うふふ。あんたのことだからまぁた違う男でも連れ込んでた~? 奥までずっぽりくわえこんでた~? で、どーせ男だけじゃ欲求不満であたしのメッセージ聞きながらオ●ニーしてるんでしょ。だから電話にでないのよねぇ」 あいかわらずろれつのまわらない粘った声がいちいち癪にさわる言葉を並べる。 「いつまで電話に出ないつもりよ。いいかげんにしなさいよ!……きゃっ!!」 女が叫んだところで、ガシャーンと何かが割れる音がした。やっぱり地震があったのだ。 その日のメッセージは、そこで終わっていた。 それからも、女からのメッセージは続いた。やっぱり私が眠っているときに限ってかかってきて、淫猥な言葉を並べ、私を嘘つきよばわりする。 私はもう、へとへとだった。なんとかこの女と決着をつけなければ、と、その思いだけにとりつかれていた。 もう、大石本人のこともどうでもよかった。調べようと思えば、彼の住所くらい調べられただろう、でも、不思議なくらい、彼をどうこうしようとは思わなかった。 私の敵は電話の向こうの女、それだけだった。 私は会社を辞めた。 毎晩、携帯を握り締めて、まんじりともしない夜を過ごした。 だがしかし、私が会社を辞めたことが耳に入ったのか、携帯は鳴らない。いやまて、あの女は私が電話をとることを望んでいたはずだ。だったらなぜ……。 今鳴るか、もう鳴るかと、私は鳴らない携帯を握って日々を過ごした。ひょっとしたら今度は昼間にかかってくるかもしれないと昼も夜もベットには入らず、常に携帯を離さなかった。 携帯は鳴らない。 もしや携帯が壊れたり止められたりしているのかもしれない、と、不安になって、家の電話から携帯にかけてみた。 久しぶりに聞く着信音。自分の着信音が色気のない買ったときのままのものであることを思い出した。 あの女からかかってこなければ、私の携帯はまったく鳴らないのだと気づくと同時に激しい嫉妬が襲ってきた。 あんな女でも人の妻だ。あの女は忙しく日常を送っているのだろうか。母の顔をして、楽しく子供と遊んだりしているのだろうか。 そう考えると、余計に腹がたってくる。 私はこんなに苦しんでるっていうのに。 今日も日が暮れた。窓から入ってくる音が消え、そして深夜になる。まだ携帯は鳴らない。まったく!いったいどういうことだ! 小腹がすいて、私は食品のストッカーを乱暴に引き抜いた。 「きゃあああああああ!!!!」 ストッカーの奥から、無数の黒い虫がぞわぞわと這い出てきた。驚いて、私は引き出しをひっくり返してしまった。 虫が、一斉に床に広がる。そのすべてが黒いうねりになって私のほうに向かってくる。 「うわーっ!いやーっ!!」 もう一度叫んだところで、携帯が鳴った。私は思わず時計を見た。 深夜1時13分。間違いない、あの女だ! 私は虫をはらいのけ、あわてて携帯をとった。着信ボタンを押して耳に当てる。 ………女が、泣いている。 「聞いてよ、ぶんちゃん!もう今度という今度は許せない。あのね、結婚しなかったぶんちゃんは正解よ、結婚なんてするもんじゃないわ……」 私は、その場にへたりこんだ。 虫だと思ったのは、田舎の祖母から送られてきた黒ゴマだった。
2008.06.23
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『留守番電話』(プロローグ) http://plaza.rakuten.co.jp/junluna/diary/200701210000/『留守番電話』 【2】 http://plaza.rakuten.co.jp/junluna/diary/200701210001/の続きです。 聞けば不快になることが分っていても、私はその人からの留守番メッセージを聞かずに消去することはできなかった。 「んねーぇ、けんちゃんはおまんこ舐めるのが大好きなんだよねー。ふみちゃんもいっぱい舐めてもらったー?ペロペロされたのぉ?気持ちよかったでしょう?あんたの声でかいんだって?『おまんこ気持ちいい』って叫ぶんだって?……あははははは!!このド淫乱!どうせ会社じゃ私なんにも知りませ~ん、みたいな顔してんでしょ、この嘘つき女!」 下品極まりない言葉、かすれた声。受話器の中から臭いつばを吐きかけられているような錯覚に陥る。なのに、私は耳をすませてしまう。 そんなある日、大石が会社にやってきた。営業で近所まで来たから、と、なにごともないような平和な顔をして、差し入れだと言ってクレームブリュレを下げて。 私は、きっと彼がなにか言ってくるだろうと待った。でも、後ろめたいからなのか。彼は私をほうを見もしない。自分の奥さんが、私に毎夜いやがらせの電話をかけていることをこの男は知らないのだろうか。 文句を言ってやりたい。でも、会社でそんな騒動を起こすのは大人気ないからメモでも渡して後で会う約束をしようか、いや、でも、メモを渡すところを誰かに見られたらそれこそ変なウワサをたてられてしまう……。 結局、どうしようどうしようと悩んでいる間に、大石は帰ってしまった。 私は、配られたクレームブリュレにヒステリックにスプーンを突き刺した。グシャッと音を立てて焦げたカラメルの膜を破ってすくい、口に運ぶ。甘いはずのコゲが甘くない。なんだこれは。まるであの、最初にあの女からのメッセージが入ったあの土曜日の目玉焼きだ。大石はあの日私が目玉焼きを焦がしたことを知っているのか? もしかして、何もかもわかっていて、私の様子を伺いに来たのか? 私は、とうとう我慢がならなくなった。電話をとってやろうと、その夜から私は電話を枕元に置いて寝た。ひょっとしたら、そろそろ家の電話にかかってくるかもしれない、そう思って、家の電話の子機も並べた。 気分が高揚してなかなか寝付けず、何度も寝返りをうち、ついには水を飲みにキッチンに行ったりもした。その間に電話がかかってくるのではないかと期待したが、かかってはこなかった。 そして、そうこうするうちに、結局眠ってしまったらしい。 目が、覚めた。朝だ。遮光カーテンの隙間から細く眩しい光が差し込んでいる。 「なんだ、きのうはかかってこなかったんだ」 そうつぶやいた自分の声がひどくかすれていた。そういえばここのところひどく疲れていて、寝ても疲れがとれない。 やはり、ストレスなのか。そう思いながら携帯に目をやると、なんと、メッセージが入ったことを知らせるランプが光っている。 「聞いたわよぉ~あんたSMも好きなんだって?淫乱なうえに変態なんだって? 目隠ししておまんこにバイブつっこんでやるとふみちゃんヒィヒィ言って喜ぶんだって? あーそうそう。きのうけんちゃんが会社に行ったでしょ。アタシが行けって言ったのよぉ。ねぇねぇ、けんちゃん見て濡れた?おまんこべちょべちょにした? ねぇ、答えなさいよ、ど変態」 手が、震えた。あまりの怒りに涙が出てきた。 SMどころか、私にはセックスを気持ちいいと思ったことすらない。経験だって数えられるほどしかない。愛のない、快楽のためだけのセックスなんてしたことがないし、したくもない。ましてや変態行為なんて気持ちの悪いこと……冗談じゃない! 私は徹夜で電話を待つようになった。電話をとって、何を言ったらいいのか分らないが、とにかくこのままでは腹の虫が治まらない、何か言ってやらねば気がすまない。 だが、私が徹夜を電話を待った日にはなぜかかかってこないのだ。うっかり眠ってしまった日に限って朝起きるとメッセージが入っている。 目が、覚めた。朝だ。眠気ざましに夜風にあたろうと開け放った窓から雨が降り込んでいる。そして、案の定、携帯は光っている。 「痛っ!」 まずは窓を閉めようとベットから降りようとした私の足にガラスの破片がささった。地震があったのだろうか、ベッドサイドのテーブルに置いてあったグラスが割れて床に散らばっている。 「あんたが悪いのよ!あんたからの電話さえなければ!!」 叫びながら携帯をベットに叩き付けた。 携帯はベットの上で跳ねて、濡れた床の上に落ちた。私は慌てて携帯を拾った。濡れて壊れてしまっては大変だ。 そして、メッセージ再生のボタンを押した。
2008.06.22
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みれん れんこん こん棒つっこんでも穴は埋まらず いきのね 寝過ごし 死ぬに死ねずに夢から覚めず 細く短くそれでも切れず ハサミも包丁も刃こぼれボロボロ
2008.06.22
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死のうと思った。 死ななければならないと思った。 追い込まれて、逃げ道はないと思った。 自分にとっても自分の周りの人たちにとっても、もう私が死ぬしか道はないんだと思った。 見通しの悪いカーブの出口で、私はたちつくした。 「一歩、一歩だけ、一歩でいい」 ずっとずっと、呪文のように繰り返した。 でも、足がすくんで、その一歩が出ない。 どのくらいそうしていたんだろう、気づけばあたりはすっかり暗くなって、いつのまにか私はヘッドライトをぼぉっと眺めるだけになっていた。 一歩は結局出なかった。 何度も何度も身体を切り刻んだ。でも、力が入らない。 手が震えて、思い切ろうとすると、震える手から刃物がこぼれる。 人はそう簡単には死ねない。 もし、あのとき、一歩が踏み出せたのなら、 刃物をにぎっていられる力が出せたのなら、 それは本当に死んだほうがいいときだったのだろうと思う。 死ねたのなら、死にたかったのだと思う。死ねてよかったんだと思う。 だって、人はそう簡単には死ねないのだから。 死ねたのなら、それは簡単なことではなかったのだろうから。 もし、私が自らの手で死を迎えたら、それは祝福すべきことではないかもしれないが、悲しむべきことでもない。ただ「あぁ本当に死にたかったんだね」と、おそらくそういうことなのだと思う。良かったでも悪かったでもなく、本当に、だっただけだ。
2008.06.06
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空に絵を描こうキレイな琴を描こう痺れるほど青い絵の具を溶けるほど眩い光で溶いて舌の根を押さえる絵筆を握る手がたとえ汚物にまみれていても視神経を震わせる清らかな旋律を奏でる手がたとえ血まみれであっても空にキレイゴトの絵をかこう
2008.06.03
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平行法交差法のまなざしエチレンガスの言葉老いが優しく私をなぐさめる
2008.05.24
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現実に手が届かなくて伸ばすべき方向もわからなくてポケットの中で拳を握る目に映る夢が怖くてじっと足元だけを見て進む小さな歩幅でこせこせ歩く「やばいな」ウソの思考がそうつぶやく惑わされないように気をつけろお家に帰ろうだけを考える黄色い線を踏み越えるお家に帰ろうとにかく帰ろう帰ろう帰ろう急いで帰ろうお家はどこだ?白い空気が薄くなりぼんやりと意識がわたしを包む玉ねぎの薄皮フィルターをヌルリとすりぬけにせの涙がパタリと落ちた
2008.05.16
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ここのところ、何も書けない。書いたら余計なものがふきだしてきそうで。ふきだしてきたものを直視する勇気がなくて。また書けるようになる気がしない。きっと今だけだけど。
2008.05.07
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助けて認めて抱きしめて可愛がってイカせて好きです好きです大好きですすごく好きです愛してますこんなもの、インストールした覚えはない
2008.04.05
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私は鏡の中の私に「あんたなんか死んじゃえ」って言った。鏡の中の私も私に「あんたなんか死んじゃえ」って言った。私はとてもホッとした。
2008.03.03
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生暖かくねっとりとした液体をしたたらせ するすると忍び寄り べっとりと貼りつき絡みつき這いまわり追いすがり飲み込み搾り取る じゅるじゅると味わう 毒こそが我が血肉となり得る最高の材 二匹の蛭を放ち 蛇をしとめる その瞬間のためにたくさんの罠をしかける キラキラと飾り立て にっこりと笑いかけ絡みつき這い回り追いすがり入り込み機嫌をとる くるくると舞う 毒を抜かれた蛇にもはや脅威などない はずだと信じて
2008.02.27
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暗い夜には傘さして 降り注ぐ光から身を守る 直射日光肌射して じりじり黒いシミつくる 淡い夢殿竿さしても どうせ朝には流される うるさい心臓釘さして 動かなくなるまで待つは常盤に 夢と希望に水を注す 清き血潮の身に覚え 遠い未来を指ししめす 羅針の針が目を刺して ぬきさしならない逆子の生死 さしつさされつ幾年月 さして面白くもないが さしあたりこの世はさしさわり。
2008.02.18
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自分が壁だかワタシだかわからない。
2007.11.18
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私に初めてついたお客は、時代遅れのレンズの大きなメガネをかけ、少ない髪を頭の左から右へひろげた……まるで絵に書いたような「おっさん」だった。 「オレが初めての相手なんだって? 嬉しいなあ」 下品な口元が下品に緩んで、下品な歯茎が見えた。口臭が、部屋中に充満しそうな笑いだった。 のぞむところだ。私を抱くのは醜悪な男がふさわしい。 おっさんの向こうにカレの姿が見えた気がした。 カレはいつもお金に困っているから、いつも私がお金を払う。ご飯もカラオケもラブホテルも、いつも私がお金を払う。でも、私にもお金がないから、いつも色んなことを諦める。ご飯もカラオケもラブホテルも、行きたいときに行けるわけじゃない。カレのお金は、全部奥さんがもっていくんだそうだ。お嬢様育ちで、上品で優しくて美人で、しかもカレのことを大好きな奥さんが。 だから、カレがいくら私のことが好きでも、カレにはいつもお金がない。 「大丈夫だよ、オレが教えてあげるから」 おっさんが私の手を握った。べっとりと濡れた手のひらが、ぬるぬると私の手をなでる。 このおっさんが私に差し出すお金には、きっとべっとりと脂がついているのだろう。 『ざまあみろ。私はこれからこのおぞましい男にやられるんだ。アイツに金がないせいで』 カレはとても嫉妬深くて、私がちょっと他の男性と話しをしただけで機嫌を悪くする。ひとりで遊びに行こうものなら、その後何週間もねちねちと私を責める。一度なんて、男性に道を訊かれて、教えてあげただけなのに「アイツはオマエのことをナンパしようとしただけなんだから親切にしてやることなかったんだ。たぶん、オレがいることに気づかずに声かけたんだぞ」なんてヤキモチをやいた。 そんなカレが、私がこんなおっさんとしているところを見たら、ひょっとしたら狂っちゃうんじゃないだろうか。 おっさんのチンチンは小さくて、ぶつぶつだらけのふとももの上にダラリとぶらさがっている。 口に含むと、どこで洗ってきたのか、石けんの匂いがした。 カレのおチンチンはいつも臭い。それでも私は石けんの匂いのするおっさんのチンチンを口に入れるほうがイヤだった。 カレが好きなのかどうかなんて分からないけど、別れられないことだけは分かっている。どうやったって別れられない。 私はカレの前に出ると、ひれ伏すことしかできないのだ。 でっぱった腹を押し付けるようにして、おっさんがチンチンを入れようとしている。感じさせてやるだのなんだのと、ああだこうだ言ったワリには「舐めさせて入れる」だけの簡単なセックス。「風俗慣れ」とはこういうものかと、無駄な知識を得て、なんだかちょっぴり偉くなった気分がした。 『ざまあみろ。これでアイツは女に風俗で働かせて貢がせる、最低の男になるんだ』 おっさんは、チンチンを入れたかとおもったらすぐにセコセコ動き出す。 『ざまあみろ。汚い男に抱かれて作った汚いお金でアイツはご飯を食べるんだ。私がもっとも蔑む男になったんだ』 おなかの底から笑いがこみあげてきて、私はそれをごまかすために、おっさんにしがみついた。 「ああっ いい……」 もちろんそんなセリフをつけることも忘れなかった。 天井の鏡に、おっさんの赤いぶつぶつと黒いシミがいっぱいの尻が映っている。ぶってりとした脂肪をぶるんぶるんさせながら、おっさんの尻が滑稽に動く。 そうだ。このおっさんにお金をもらったら、残らず全部カレにあげよう。 『ざまあみろ。こんな尻のおっさんよりも下等な男にしてやった』 果てて、ぐったりとおっさんが倒れてきて、天井の鏡に女の顔が映った。 『ざまあみろ』 女は満面の笑みで泣いていた。
2007.10.18
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大きすぎる鏡の前で足を開き、私は自分のソコへアイスピック の先を当てた。 鋭利な切っ先がチクンとソコを刺激した。 『ダメだ、今傷つけてはすべてが台無し』 私はいったんアイスピックを引いて、空いている左手の中指と 人差し指をアソコの中に思い切りぐっと差し込んだ。 乾いたその部分が、内側にひきつれて鈍く痛む。それでも私は 強引に2本の指を指をぐりぐりと奥まで突っ込む。 『急がなくては……』 バスルームから、シャワーの音が聞こえてくる。 「汗まみれでキモチワルイからシャワーあびてくる」 そう言ってさっさとひとりでバスルームに消えた彼が、出てく るまでに、そう時間はないだろう。そう思って私は、シャワーの 音に耳をすませながら、左手でアソコがなるべく拡がるように、 がしゃがしゃと、中も入り口もかきまわした。 そして深呼吸。すべての空気を吐き出して、私は全身の力をで きるだけ抜いた。 もういちど、今度は左手の指でアソコをひろげたまま、アイス ピックをソコに入れる。 拡げられたソコに入っていく金属が、ラブホテルの安い照明に 反射して、キラっと光ったのが鏡に映った。それが、なんだかキ レイで、私はちょっと笑ってしまう。人を傷つける凶器はいつで もキレイで魅力的なのか、なんて思った自分がおかしくて力が抜 ける。 それでも私は、ゆっくりゆっくり、私を傷つけないように、ゆ っくりとアイスピックを進める。そして、持ち手のところまで入 ったところで私は左手を離した。すると、アソコはあっという間 に入り口を閉める。 金属と木のヒヤっとした感触に、そして恐怖に、ぶるっと身体 が震える。 シャワーの音が止んだ。もうすぐ彼が戻ってくる。 私は慌てて、アイスピックを持ち手の部分まですべて、アソコ の中に入れた。痛みはなかった。カンペキだと思った。 もうすぐ彼のモノがココに入る、アイスピックにペニスの先が 当たったらビックリするだろう。でも、もちろん私は、それがア イスピックだなんて言わない。彼が買ってくれたおもちゃを入れ ていると言うのだ。 彼は喜ぶのだろう。喜んでソレを奥に押し入れるのだろう。 『ざまあみろ』 彼のペニスに突かれて私の子宮がズタズタになる。どんなに痛 くても我慢してやる。ずっとずっと我慢してきたんだから、その くらい私は平気なはずだ。 血があふれ出して・・・・・彼は何を思うのだろう。最初は生 理が来たとでも思うのだろうか。 『ざまあみろ。アンタが私を傷つける。二度と癒えない傷をつけ たという実感をイヤというほど味わうんだ』 私のソコからドクドクあふれ出る血と、呆然と蒼くなる彼を想 像したら、また身体が震えた。 彼がバスルームから戻ってきたら、まってましたとばかりにペ ニスにむさぼりつこう。きっとそれですべてがうまくいく。 『ざまあみろ。死ぬまで消えない罪悪感をチンコに刻みこんでやる』
2007.10.17
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死んだのだろうか 目の前で人が飛んだ。 大きなトラックの荷台から落ちてきたようにも見えた。 はねたようにも見えた。 とにかく「どんっ」という音とともに人が飛んでて、そして落ちた。 私が乗っていた車はぶつかった車の2台後ろだったんだけど、 前の車がタクシーで、運転手が携帯を持っていなかったので、うちが110番通報。 救急車と警察が来るまで、人はピクリとも動かなかった。 なにかのヌケガラのよう。ぶつかったはずの大きなトラック(実はタンクローリー)は走り去った。 タクシーの運転手さんは「歩道橋から落ちてきた」って言っていた。あまりにもあっけない感じ。あんな簡単に死ぬの?って。 いや、死んだと決まったわけじゃないけど。。。 警察は「即死」と言っていたらしい。 あまりにあっけなくてショックが薄い。 なんだかよくわからない。 自分と関係性のない人間の死は、大きな石が落ちてきたのと同じようなものだった。ただ、びっくりしただけ。そんな自分の反応に驚く。
2007.09.27
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夢を犯して欲望の息の根をとめたら、一縷の希望に目を閉じる手を汚して明るい闇に足をとられたら人魚の鰭(ひれ)を手に入れる深き絶望の沼に潜り 安息に身を泳がせる
2007.09.21
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淋しい夜にはこうやって淋しさのカタチを確かめるどこが心に刺さるのか、何が女にひっかかるのかいろんな角度に転ばせてかざして透かして色をみるどろどろ澱みをかきまぜて湾曲したプリズムに刺さる、言葉の闇に目をこらす息をふきかけ曇りをこすって賑やかな沈黙の宴 ドードー鳥の羽飾り耳をふさいで声を聞く口にふくんで涎で包む糖尿病の苦虫を噛む軽い嘔吐がのどにからんで、胃壁に小さな道標をたてる酸で溶かして粘膜を焼く遠心分離機の準備はできたぐるぐる回して成分解析なにが身体を狂わせるのか、なにが栄養になるというのかちからを渾身振り絞って淋しい夜にはこうやって淋しさをつかまえ培養するどこにもいけないように、何にも惑わされないように淋しさをさらに捕獲する
2007.06.21
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キミの書くものは「詩のようなもの」であって「詩」ではない。と、言われてしまいました。ちょっぴりショックでした。
2007.03.15
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霧雨はダメだ小さすぎる鼻腔を侵し記憶をえぐる背中だ震える背中 揺れる背中 丸い背中背中の波に取り込まれる涙霧雨にあたったかのようなキミの背中がしっとりとそこにのけぞる午後後悔は夕立にもならず霧雨はしみ込んで僕を濡らす消えてなくなる春の雨うわああああ 私らしくない
2007.03.03
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五月雨ササクレ咲き乱れ夕闇の予感にやり場なく水晴れミミズ腫れ肌伝い揺籠の余韻がやるせない春雨はかなく恥知らず夢殿の夜露がやわらかく夕立とんかち時経って憂鬱の呼び声やむことなく霧雨見納めさめざめと許さずよさずのやせ我慢
2007.03.03
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禁断の扉のむこう側には こちらがわと寸分違わぬ世界がある。 たったひとつ違うのは そこには 美しく装飾された「禁断」という名の扉がないことである。
2007.02.27
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濡れたアスファルトの上で 疲労の靴底に砕かれた月 鉛の頭を焦燥で持ち上げ 窮屈のかなたを見上げる あぁ よかった キミはあいもかわらず遥か天空 踏みにじられたのはボクの純情
2007.02.27
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震える喉を鳴らしてすべりこみ 柔らかい部分に爪を立てる 穏やかな記憶に爪を立てる 流れ出る恥を舌で削り取り ほら、あなたに侵食してあげる 額で愛撫を貪り尻尾で愛を拒絶する おかされることのない身体を舐めて 孤高を成就する おいすがる未練からすりぬけて ほら、自我をうばってあげる
2007.02.27
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ゴミの匂いのビルの隙間で びしょぬれ子猫とワルツを踊ろう 痩せた手首をしっかり掴んで歓喜のステップで振り回す 表通りでは大きな犬が 背筋を伸ばして散歩する 非常階段の錆びた手すりで 震える子猫と蹴上がりさかあがり 細い爪あと金属に滑らせ 恐怖のリズムでかき乱す 屋上では太った犬が ひなたで大きくあくびする びしょ濡れの毛を逆立てて 曲がった尻尾をピンと立て 小さな牙をむき出して 喉の奥から声振り絞り 聞こえないメロディーで自由を歌う じっと喉元を狙ってる。
2007.02.27
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「留守番電話」続いてます。続いてるんですけど。。。書きたいよぉ。
2007.01.31
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その人からの電話は日を追うごとに、頻度も内容もエスカレートしてきた。 4,5日に一度だったものが、ほぼ毎日になるまで、一ヶ月とかからなかった。 「けんちゃんはふみちゃんのことが大好きだったんだってぇ。別れたくなかったんだってぇ。うれしーい?」 私の不倫が知らないところで始まって、そして終わっていた。 大石さんの名前が「研二」だったことをそのメッセージで思い出した。そういえば、字は違うが、初恋の人と同じ名前だった。 しかし「ふみちゃん」とは……。 『文子』という名前は父方の祖父がつけた。祖父は、私が生まれた直後に亡くなったので、私には祖父の記憶はない。ただ、話しに聞くところでは、そうとうに頭の固い頑固おやじだったらしい。 「文子」 その古臭い名前を母は嫌っていて、記憶にある限り、一度もわたしを「ふみこ」と呼んだことがない。いつも「ぶんちゃん」とか「ぶんこ」とか呼んでいて、そのせいだろう、家族や親戚はみんな私のことを「ぶんこ」と呼ぶようになった。 ただひとり、祖母だけが今でも私を「ふみちゃん」と呼ぶ。 そのメッセージを聞いた夜、私はおかしな夢を見た。 実家の縁側で、祖母が私に干し柿をくれた。庭には大きな柿の木があって、祖母はその柿をいつも干し柿にして私にくれたのだった。 夢の中の私は、小さな手に乗せられた柿に鼻を付け、かすかに、甘く漂うおひさまの匂いを胸いっぱいに吸い込み、目をつぶり、そしてその果肉に歯を立てる。 とろりとした感触を舌に感じる……ふいに、口の中に生臭い匂いが充満した。それは、遠い日の記憶にあった男の精の匂い。 慌てて口の中のものを吐き出すと、手の上で、うじゃうじゃと黒い小さな虫がたくさん動いた。 「うっっ!」 驚いて息をのんだ口の中、奥歯にジャリっとなにかが当たった。 「いゃああああーっ!」 自分の悲鳴で目を覚まし、とっさに手の平をみた。 骨ばった手は汗でぐっしょり濡れていたが、そこに虫は乗っていなかった。 「あんたっていやらしいんだってねぇ。せっ・く・す大好きなんだって? この淫乱!売女野郎!! どんな身体してんだよ、見せろよ。おっぱいが大きいんだってぇねぇー E?F? 手で思い切りつぶすと細い血管が白い肌に浮いてすごくいやらしいんだって、けんちゃんそれが好きだったんだってさー でも乳首はでかくてどどめ色なんでしょ? ど・ど・め・い・ろ~ あははっ」 受話器の向こうで、かすれた声がいやらしく笑う。泥酔しているのだろうか、ろれつがまわっていない。 そのせいか、ところどころを強調して切るように言う。卑猥な言葉を言うときには必ずといっていいほどそうで、しかも、声が大きくなる。 「どどめ色」私はその言葉を聞いてドキッとした。確かに私の乳首は男性経験が少ないにもかかわらず黒くて、しかも子供を産んだ女のように大きい。 「でも『売女野郎』はないわよ。バカじゃないの」 私はそうつぶやいて笑ったが、口が乾いていて上手くは笑えなかった。
2007.01.21
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最初にその人からのメッセージを聞いたのは、いつもとかわらない「ただの土曜日」の朝のことだった。 若い時代を過ぎてしまえば、週末だからといって、特別なにがあるわけでもない。定期的に来るただの休日。少しゆっくり眠って、いつもより手をかけて朝食を作るのも、いつもとなんらかわらない。 コーヒーをドリップする。いつもならインスタントなのだけど、週末だけは別だ。 私は、部屋に香ばしいヨーロピアンコーヒーの匂いが広がっていくのを充分に確認してから、部屋を出て、玄関脇の充電台に置いてあった携帯電話を手にとった。 夜中に携帯にかかってる電話にろくなものはない。 退屈な事務員に、仕事の電話が退社後に入ることはない。だから、夜中にかかってくる電話といえば、たいていは、結婚した友人が涙ながらに語る旦那の愚痴。『結婚なんてするものじゃないわ』と、いうなかばイヤミなそのセリフ。最後は結局「それも幸せなのよね」的結論を勝手に出して、おそらく電話を切ったあとにはスヤスヤと眠るのだろう。まったく、その後私が眠れなくなることなんて思いついてもいないのだろう。 だから、私は、眠るときには携帯の電源を切っておく。そして、玄関の脇にある充電台にのせるのだ。電源は、出掛けにいれればいい。 私は携帯の電源を入れながら、コーヒーの香りの充満した部屋に戻った。サーバーに落ちたコーヒーをカップにいれ、留守電とメールをチェックする。 すると、携帯電話の液晶画面の端に、留守電が一件入っているというマークが出た。 『どうせまた旦那とケンカした主婦の泣き声でしょ』 そう思いながら、フライパンを火にかけ、卵をひとつ落とした。 そして、留守電再生のボタンを押し、携帯を肩ではさむ。 ピーっという音のあとに再生が始まる。 すると、予想に反して、電話から聞こえてきたのは、まったく聞き覚えのない、女の人のかすれた声だった。 「大石の家内ですー。あんたさーあ。うちの旦那がずーいぶんっとおせわになったみたいでーぇ、まったく、冗談じゃないわよ。よーっくお礼しなきゃねーぇ。連絡くださいよ。電話してきなさいよ。ねぇ、わ・かっ・た・あ?」 メッセージは、そこで切れていた。 『大石』という名前には聞き覚えがあった。 「確か、半年ほど前に、本店から派遣されてきた若作りの中年男性……」 私は自分も中年であることを思い出し、ちょっとおかしくなった。 『自分が中年になっても、中年男性は中年男性のまま、良いイメージにはならないものなのね』 と、そこまで考えたところで、香ばしいを通り越した匂いが漂っていることに気付いた。 「タイヘン!目玉焼き!」 声に出してそう言って、私はあわてて火を消した。 目玉焼きは、端が少し黒くコゲていた。まったく、せっかくの週末が台無しだ。 それでも、焼きなおすのもめんどくさくて、私はその目玉焼きを白い大きなプレートにうつした。ルッコラのサラダと、小ぶりのブリオッシュをふたつ、同じプレートに盛り、テーブルにつく。 コゲが目障りで、私はまず、そこから食べ始めた。 「苦いなぁ もう」 食べながら、私はまた声に出してそう言って、コゲを噛んだ。ガシュっというイヤな感触と共に、さっき聞いたかすれた声を思い出す。 「大石さん、ねぇ……」 大石といえば、その男しかいない。小中高校の同級生にもいない。そして、確かにその男には、仕事の用事があったときに、一度、携帯から携帯へ電話をしている。 しかし、それだけだ。男と女の関係どころか、個人的な話をしたこともない。結婚してるかどうすら知らない。 「なんなのかしらね、まったく」 私は、ため息をつき、今度はコゲをキレイよけて卵を食べた。 コゲがないにもかかわらず、卵はやっぱりコゲ臭かった。
2007.01.21
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冷酷の森の中でDNAが踊りだす 眠れる記憶に灯がともる ぞわぞわと這い出す虫の体液が 大地を濡らし痒みを撒き散らす 細い足首に巻かれた鈴が奏でるのは 今宵の悲鳴かあの日の罠か 逞しい指ではじかれるのは 光る金属 琴の糸 震える奥歯のカスタネットの奥で 甘えた猫が喉を鳴らす さあさ、もっと奥へ。 ようこそお越しくださいました。 こちらが「エッチな詩と壊れた性の詩の館」 夢か現か蒼の通い路 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + 「エッチな詩と壊れた性の詩の館」というコミュニティのために書いたものです。
2007.01.15
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外気にさらされた裏側が放射冷却で凍っていく 星がカウントダウンを始める晴れた夜 まつ毛が凍って目は開くことをせず 循環を繰り返し結晶を作る 戸惑いを切り刻み 確信を搾る 一滴の血清に喉を潤す あざわらう電磁波の夜 冷気にかじかんだ指はブーツの紐が結べない 晴れたとはいえ太陽はその姿を裏側に隠して 希望は暖かい場所に逃げ込んだのか 心臓をえぐって氷の柱を濡らす 調律のあわない輪舞曲の夜 ほどけた紐を引きずって踊る 晴れたはずの夜の裏側
2007.01.14
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恋愛なんてしょせん卵子と精子が見せるイリュージョンで、なんら実体なんてありはしない。そのイリュージョンには歓喜も恐怖も盛りだくさん。だから、その幻のおかげでセックスは何倍も気持ちのいいものになる。それは、とても素敵な目くらまし。作り手である彼らの目的はセックス、それだけ。恋愛に媚薬以上のものを望んじゃいけない。幻の中にアイデンティティなど確立されるわけがない。自分の足でしっかり立つんだ、実在の地に。折れているのなら添え木をしよう。無くしたのなら義足を作ろう。壊したのならいくつでも作ればいい。いつまで幻肢を弄んでも、それはいつまでたっても足とはなりえない。
2006.12.12
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土を犯して穴を掘る深く深く掘りすすむミミズをちぎって掘りすすむ盲目の虫を紫外線で焼き殺すさあ穴を掘れ 深く深く地熱に身を焦がしてそれでも掘るさ歴史はなんら興味の対象ではなく化石の邪魔にその目を奪われることなくさあもっと掘れ えぐりこめブラジルの太陽に出会うその日まで溶けてブラジルの夢を見るまで
2006.11.18
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恥と苦痛と恐怖にまみれて突き刺さる快感に戸惑うあなたの表情が私の官能。張り詰めた糸を切断するためにまっすぐに伸びた茎を手折るために長い爪にヤスリをかける。自分を削って息を吹きかけ粉を払う。「ふっ」ほら もう隠れなくていい。ほら もう震えなくていい。ほら もう泣かなくていい。ほら もう怯えなくていい。ほらね もう凍えなくていいんだよ。
2006.07.18
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腐った私の女からたおやかなカビが生えてくるキミが酵母じゃなかったのか熱が弱くて育たなかったのか腐った私の眼底にかろやかな極彩色が揺れるキミが鼻っぱしらくっつけて顔をゆがめてせきこんでしまうああそうか キミは身体が弱かったね私は腐った女を持って涙と淫汁でカビを培養腐ったからといって捨てることもできない女を大事に暖めて栄養にするキミへの未練を適温にたもって腐ってしまったからもう納豆にもなれないから糸をひいてからみつくのをやめるよキミのモノに追いすがるのをやめるよいつかカビから特効薬をキミに効く特効薬をああそうか キミはもういないんだね
2006.07.02
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ジタバタあばれるあなたの胸に狙いを定めて虫ピンを刺すせめて羽はきれいなままでせめて手足が千切れる前にその顔が憎悪に崩れないうちに虫ピンの標本息の根を絶った言葉たち
2006.07.02
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深夜、コンビニからの帰り道、わたしの部屋が光輝いていることに気づいた。ほぼ24時間、暗くなることを知らないわたしの部屋。わたしは電気を消すのが嫌いなのだ。だから、使ってない部屋も、レンジフードについた電気も、バスルームも、パソコンも、なんとトイレの電気まだつけっぱなし。ゆえに、かなり遠くからでも確認できるくらいわたしの部屋は明るいのだ。「消してしまったら、もう二度とつかない」 まるでそう思っているかのように、消すときには躊躇してしまう。もちろん、そんなこと、思ってないのに。 こんな私にも、電気を消すのが大好きな時期があったらしい。それは「電気を消す」ということを覚えた3才くらいのときだったようだ。わたしは覚えていないのだが、わたし以外の家族全員がそのときのことを覚えている。 当時のわたしは、電気をつけたり消したりするのが大好きで、パチパチ色んなところの電気をつけたりけしたりしていたらしいのだ。 そして、そのとき、ペットだったワニの水槽の温度調節機の電気を切った。おそらく、ワニは寝ているから電気は消していい、と思ったのだ。 わたし以外の家族の面々はみんな鮮明にその日のことを覚えているらしい。 ワニはそれっきり目覚めなかった。今も土の下で眠り続けている。 ワニの存在すらも覚えていないくらいだから、電気消し嫌いとは関係ないのかもしれない。だが、とにかく電気が消せないのだ。ほかに思い当たる原因もない。 もし、電気を消せない原因がワニトラウマだとしたら、ひょっとして、この、締め切り間際まで仕事をしないのも、3才のころに何かがあったからじゃないのか? だとしたらしかたないだろ、トラウマはしょうがない。ねえ、しょうがないだろ。 そうか、やっぱりしょうがないんだよな。そりゃできないよな。トラウマだもん。追求すれば改善されるなんてフロイトちっくな考え方は間違ってるってはっきりしちゃったんだし、もうどうしようもないよな。 さ、寝よう。
2006.05.29
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紫茉莉さんからバトンいただきました。ありがとぉ。嬉しいです。1. 回す人を最初に書いておく(5人)。 木震さん 春風ろっくさん 血色さん 少年カラスさん 赤子さん たまには頑張って指名☆ かなりドキドキしてます。2.お名前は? じゅんるなてぃっく キ印じゅん です。3. おいくつですか? 1967うまれ 38歳 4. ご職業は? ああ「エロ本屋」って書きたい... でも、たぶん今はデザイナーです。 広告とかエディトリアルとかアパレルとかwebとか、2Dのもの。 たまにエロ文章書いてお金もらったり、踊り教えてお金もらったりもします。5.ご趣味は? 日本舞踊 舞踊家になろうとしてくじけましたので、今は趣味、たぶん。6. 好きな異性のタイプは? 好きなことを語れる人。 バトルしてくれる人。7.特技は? 笑うこと。8.資格.何か持ってますか? 官僚の天下り先確保と利権悪用のための資格制度に憤りを感じています。 四角を書く資格を取って、四角権を使ってスクール詐欺をしたいです。9.悩みが何かありますか? ありません。10.お好きな食べ物とお嫌いな食べ物は? とにかく食べること大好き。なんでもこい☆ 特にすきなのは卵。 鶏卵、うに、いくら、かずのこ、子持ちこんぶ、キャビア....プリン体大好きです。 あと、生麩とか、ういろうとか、うにょくにょなもの。(でもグミキャンは違う) 好きな人と一緒に食べるなら、お好み焼きともんじゃ。 ミルク飴とダイエットコークは好きというよりはホリック。 嫌いなものはチャンジャ。あれだけはどうしてもダメ。 11.貴方を愛する人へ一言 ごめんね 愛ってなんだかよくわからない。12.回す人5人を指名すると同時に、その人の紹介を簡単にお願いします。 木震さん たおやかな人なのだと思います。 華奢ではかなげなものを書く人です。 かわいさに騙されたいです。 春風ろっくさん まっすぐな人なのだと思います。 正直で誠実なものを書く人です。 今ぶつかっている壁を超えたときが楽しみです。 苦しんでいる本人をよそに、私はわくわくしています。 血色さん しなやかな人なのだと思います。 刹那を力強く書く人です。 私にとっては、さなぎのイメージを持つ人です。 少年カラスさん 真摯な人なのだと思います。 精密で繊細なものを書く人です。 化かされ気分を楽しませてもらってます。 赤子さん イノセントな人なのだと思います。 苦悩を歯切れよく書く人です。 斜め45度あたりにいるような気がします。私のボキャブラリの脆弱さゆえにうまく紹介できません。みなさん素敵な方ですから、ぜひ直接読みにいってください。写真は先週のにちようびのわたし
2006.05.28
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もらった名刺がきらきら光っていた。どうやらインクにラメが混ざっているらしい。最近は色々な印刷がわりと安価で出来るようになって、名刺もなかなか個性的だ。 その名刺も、頭の先から足の先のさらにその延長線上までブランド固めといったステイタスシンボルにお金をかけたがる彼女らしい名刺だった。 そういう私も、少し前まで名刺に凝っていた。会うたびに 「名刺変えたんです」 と、言って相手に渡す。まぁ、一応デザイナーとしては、最初に見せる作品になるわけなので、合成写真を入れてみたり、エフェクトをかけまくったり、と、そりゃまぁ気合も入ってたわけだ。しょっちゅう変えるわけなのでプリントアウトの名刺だったが、それでも、その名刺のおかげで仕事がとれたりもした。 その中でも、一番ウケたのは「三角くじ名刺」だった。 「はじめまして」 の挨拶の後に、いきなり名刺入れ(ったって箱状)から、バラバラと名刺を手の上にぶちまけ 「好きなのをおとりください」 とやったのだ。 三角くじの表には「Please Open!」中を開けると、そこには「☆あたり☆」と共に「おめでとうございます。じゅんるなと一緒に仕事できます」と書いてある。で、オマケ程度に小さく住所等の情報。 これには全員が驚いた。 大笑いする人も、あきれてひきつる人もいた。なにしろインパクトは絶大だった。 ただ、この名刺には大きな問題がひとつあった。 もらった人の大多数が、そのまま打ち合わせのテーブルに忘れていくのだ。どうやら、三角に折り目のついた紙は、ほんの数十分の間にゴミとしか認識されなくなってしまうのだ。捨てられてしまいそうになったことも何度もある。 名刺用の用紙を一枚一枚、真四角に切り、丁寧に角をあわせて三角に折る。なるべく痕がのこらないように、細心の注意を払って端のほうをホッチキスで留める。こんなにすごい手間をかけているのに、数十分で「もっとも捨てたい名刺」になってしまうのだ。これはやりきれない。 それで、私はその名刺を使うのをやめた。 しかし、今考えてみると 「最初のインパクトだけ強くて、すぐに捨てたくなる」 その名刺.....やっぱりそれが、私にぴったりの名刺だったのかもしれない。 などと、今の私の、さしてなんのへんてつもない名刺を持つ彼女のネイルサロンで飾りあげた爪をみながら、ふと思った。 やはり、三角くじ名刺をもう一度作ろう。たくさんの情熱と手間ひまをかけて。 とびきり笑えて、気持ちよく捨てられて、 でも、今度は、捨ててしまった後、たまに思い出して捨てたことを後悔するようなヤツを。
2006.04.24
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からっぽなだけではあまりにもつまらないから いつもひとかけらだけのスイーツをころがして あまくとろけるひとかけらだけ いとおしんで生きていくのよ ねえ とろけさせてくれないかしら おなかがすいているのはべつにどうでもいいし なにをつめこんでもみたされはしないものだし せつなくとぎれる吐息をすこし すいこんで生きていくのよ ねえ あきらめるってなんだったかしら 開きかけた重たい扉の隙間から 眩い光が差し込んで暖かだったのは 目を開いていたころの記憶 青い空の錯覚 暖かだった面影の温度 見落としていた欲望の残り火 ひとかけらのスイーツ 一息で吹き消すろうそく 甘くとろけたせつない吐息と ひとときの勘違い ねえ スイーツのかけらをちょうだい
2006.04.20
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よくきたねまってたんだようん、まってたんだごめんね、いつもこんなときにばかり頼りにして久しぶりだねすごく遅かったからもう来ないかと思ってたよあまりに久しぶりすぎて道に迷っでもいたのかい?よくきてくれたよこれで少しラクになれるさあ入って入って私の奥底深くまで。
2006.04.12
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よそよそしい視界を横断する青い川赤い橋を渡そう 向こうに渡ろう橋の上からビッグダイブ大きな声で今を叫ぼうどろりと淀む愛の流れに身を沈めよう青い川の赤い支流に明日を見ようさあ 愛し合おう鋭利で無機質な愛を交わそう熱をもたない発汗の交歓そらぞらしい真実に横行する善意に赤いリボンをかけて ほら、さしだそう箱の中にはサプライズ開いた瞳孔にすむ小さな虫ジジジと鳴く狂気の渦に身を浮かせてねえ 今夜の月はとろけて甘い姿をもたない相姦の一環
2006.04.04
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足元で悪夢が行列をなして待っている地団駄をふんで餌をねだる胸の上では朝食の口論目玉焼きに混ぜるのはアルミホイルの欠片かタマゴの殻の欠片か私は欠片の意義を考える奥歯に当たる最適な角度を考える軽やかに這い上がってくる殺意と恐怖ぱっかり割れてどろりと流れる「あいしてる」携帯の向こうから声がするへそで目玉焼きを焼く朝悪夢が焼き上がりを待っていて金属をこすって待っていてそれがとても静かな朝
2006.03.31
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真っ暗闇に首をつっこみ「王さまの耳はロバの耳」無数の囁き 千の指やがて静寂 宴の後乱調リズムで軽やかに無音の音符を歌って帰る真っ暗闇にうさぎの影「遅刻だ遅刻だいそがなきゃ」無数の血管 生の熱深い穴へと 流れ込む上手にスキップくるくると穴の底へと流れ込む真っ暗闇に足をとられて「ガラスの靴をここへ持て」無数の足と 無意味な儀式かぼちゃの馬車に 鞭をうつカビもはえずに干からびる定温箱のドアから入る声を奪われ耳から血をながす歩き出す足には指がない
2006.03.26
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機関車ろっくさんからいただいた「ことのはバトン」やっと答えきりましたっ。Q1.好きな言葉は?天真爛漫 あと、最近では、チャンピオンのCMのキャッチ「奇跡を信じるな」がすきです。でも、つい「よくクライアントを説得できたよなぁ。プレゼンターすげぇ」などと余計なことまで思ってしまいます。なんだか「アスタリスク」もちょっと気になってます。Q2.あなたの口癖は?なんだろぉ 自分ではわかんない。 「がっつり」 かなぁで、聞いてみた。どうやら「ゆえに」を多用するらしいです。Q3.あなたにとって最大の誉め言葉は?共感した。Q4.普段できるだけ使わないようにしている言葉は?すみません なんとなく好きじゃないんです。親友 なんとなく苦手です。Q5.最近、言われて一番腹が立った言葉は?へーこれってお金とれるんだぁ(私が作ったwebサイトを見て)Q6.一度言ってみたいが、きっかけがなかったり、お金じゃないんです! 今の私が言うと負け惜しみです。Q7.普段何気なく使ったりするけど、実は意味をよく理解していない言葉は?カタルシス(内密にお願いいたします)Q8.普段の生活で、思ったことの何%くらいを言葉に出していますか?ほぼ黙ってます。飲み込んで蒸し返して発酵させて煮詰めて吐き出しそびれて栄養にもならずに胃の粘膜を荒らしたりするわけです。Q9.面と向かっていえないけど、メールなら書けるって、どんな言葉?憧れてます。Q10.プロポーズとして言いたい、言われたい言葉は?結婚を考えたことがないので....Q11.人生において「ありがとう」を言った数と言われた数は、どっちが多かったと思うか?言った数。ありがとう、って言うと自分も元気がでるから。そんなエゴイスティックな理由です。Q12.現時点で、最後に発した言葉は?おやすみぃーQ13.あなたにとって「言葉」とは?伝えるための手段Q14.まわす5人コケッ ミ(ノ;_ _)ノ === ↑バトン
2006.02.26
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